2022年09月05日
先週も5本、邦画の快作「SABAKAN」は必見、惜しい!「異動辞令は音楽隊!」、貫禄の「L.A.コンフィデンシャル」、「グリーンバレット」はちとやり過ぎた。

素晴らしい映画です、どの世代の人が観ても何もかもが懐かしく映るに違いない一夏の風景と子どもたちの笑顔、自転車に乗っての冒険旅行、アイドルのポスター、消しゴム、ヤンキー、綺麗なお姉さん、たくましいお兄さん、軽トラックの荷台、SCENEのTシャツ、酒と涙と男と女、ミカン泥棒、怖いおじい、またね~ またね~の挨拶、そして『さば缶』と友だち、
〇(スクリーンで鑑賞)「異動辞令は音楽隊!」

予告編を観てコメディかと思っていました、阿部寛はコメディの才能もアリアリですからね、ところが出だしはシリアス!成瀬のダーティー・ハリー振りはなかなか見応えがあります、上司への忖度など一切無し、ひたすら犯人逮捕のみに邁進する成瀬の家庭は崩壊、そして案の定パワハラで異動辞令、異動先の音楽隊メンバーは曲者揃い、楽器演奏に苦しむ成瀬、
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重厚な映画です、1953年の風俗、当時のLA警察の腐敗、そして個性的な3人の刑事、3人三様の正義の追求、そしてラスト前からのショッキングな展開、なかなか見応えがありました、そしてスター達の熱演、何度も観ても楽しめます、
〇(スクリーンで鑑賞)「グリーンバレット」

う~ん、残念な出来上がりです、「ベイビーわるきゅ~れ」監督作品と云うことで鑑賞、B級映画とはいえ前半というか映画の大半を占める合宿風景に観るべきものなし、それでも終盤の凶悪集団との闘いにはカタルシスがあります、6人の殺し屋研修生の闘い振りに声援を送りたくなりました、ここが狙い目だったんでしょうが、如何せん合宿風景が残念すぎます、

『悪党パーカー』という原作小説がある様です、未読、パーカーは独自のルールを持った悪党、いわば義賊に近いのかも、頭脳明晰・用意周到・沈着冷静でほぼ不死身^^)ま、これだけ揃うと誰も敵いません、ジェニファー・ロペスのエピソードは必要だったのか?最後の老夫婦のエピソードはヨカッタけど、
2022年08月29日
先週は秀作5本、オススメは「今夜、世界からこの恋が消えても」「アフタースクール」、他にも「スノーデン」「宇宙でいちばんあかるい屋根」。

良く出来た物語です、難病の少女を暖かく見守る同級生や家族、しかし物語はそんなステレオタイプな枠組を飛び出して意外な展開をみせます、出だしからの伏線がしっかり生きて、構図の逆転が映画的レトリックで上手に描かれています、恋愛物語+サスペンスがあります、
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これまた、出だしから映画的レトリックの連続、伏線だらけなんだけどそんなことは微塵も感じさせない自然な流れ、でも、なんとなく不安定、やっぱり探偵と神野の凸凹コンビの探偵物語かと思いきや、終盤で全部ひっくり返されてしまいます、いやはや、やられました、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人が存分に役者冥利を発揮しています、のんびりしたタイトルさえ映画的レトリックの一環か、
◆(自宅で鑑賞)「スノーデン」

2013年に英国紙によりスクープされた米国の国家的監視プログラム、当時のオバマ大統領も存在を肯定する描写があります、のちに違法性が認められたそうですが、9年目にスノーデン事件として報道されましたがまったく憶えていません、今の世界、個人情報の収集など当たり前のように行なわれています、はたして現在はどうなっているのか?闇の中ですよね、
◆(自宅で鑑賞)「宇宙でいちばんあかるい屋根」
う~ん、なんとも不思議な感覚の物語です、ファンタジーのような、いや、これは現実に起こっている物語のような気がします、“星バア”の桃井かおりが嵌り役、彼女の存在がこの映画の屋台骨です、キャスティングの勝利、
〇(スクリーンで鑑賞)「バイオレンスアクション」

ま、コミック原作モノなのでシリアスな視点では語れません、それでも前半はテンポ良く転がります、ケイの活躍が小気味良い、このまま行けばひょっとすると成功するかな?と思わせますが、後半は失速、予算がなかったのか?倉庫街でのカーチェイス、廃屋ビル、鉄道操作場、ダムでのロケシーンがTV仮面ライダー的なアクションにしか見えなくなります、惜しいなあ、
2022年08月22日
お盆は映画館が激混み!!自宅で4本、オススメは「無垢なる証人」、「幸せのちから」、お気楽鑑賞は「チームバチスタの栄光」、あり得ない救出劇「フライトクルー」。

資産家の老人が自宅で変死体で発見される、疑いは同居している家政婦に向けられ、決定的な証拠のないまま強引に起訴される、国選弁護士として任に当たるスノは唯一の証人、隣家にいた自閉症で音に敏感なジウを裁判で証言させることで家政婦の無実を証明しようとするのだが、、、
裁判映画としての最後の逆転までの流れが淀みなく面白い、かつ、証人が自閉症の少女という設定から生まれる物語もサスペンスを産んでいます、夜中の隣家で起こった騒動を偶然目撃した(叫び声を聞いた)ジウの証言の信憑性を発達障害と絡めて揺さぶりを掛ける健常者たち、ジウを信じて真実を引き出そうとするスノには昇給や顧問契約などの甘い誘惑がまとわりついてくる、それでも真実を解き明かそうとするスノ、
◆(自宅で鑑賞)「幸せのちから」

実話を元にしたサクセスストーリー、でも物語は終盤まで不運なクリスの運命を描きます、何度も成功しかけては、その都度襲ってくる不運や失敗、電車や駅のトイレで寝るようになったところでまさに命運尽きそうになり泣き崩れるクリス、ホントに怖いです、
原題は『幸せの追求』、米国独立宣言の一節、劇中でも言及されています、
◆(自宅で鑑賞)「チームバチスタの栄光」

話題作ですね、でも観ていませんでした、2作目の「ジェネラルルージュの凱旋」を先に観てしまったので、1作目も鑑賞、小説の原作者は現役の医師だけあって細部にリアリティがあるのではないかと推察(未読ですが^^)、が映画になるとどうしても細部にアラが出やすいかな、阿部さんの持ち味がコメディアンだからかな?事件解明のプロセスもなんだかよく分らなかった、でも楽しめました、はい、
◆(自宅で鑑賞)「フライト クルー」

前半はいくつかの航空危機エピソードを積み重ねて、主人公と機長の葛藤を描くシリアスでちょっと面倒くさい展開、でもこの前半の方がリアリティがあって面白かった、後半の火山島でのパニック描写からの脱出劇になると途端にB級に転落、さらにはとんでもない方法での乗客救出方法に至って物語崩壊^^)
原題の“Ekipazh”は『クルー』、後半のパニック無しで航空クルーの葛藤に絞った方がヨカッタかも、
2022年08月15日
先週は5本、たしかに意外なラスト「アプローズ、アプローズ!」、身につまされる「PLAN75」、お気楽に「ハッピーログイン」、「ジェネラルルージュの凱旋」、巨獣映画も。

よくあるのも美談かと思いきや、スエーデンで実際にあった物語、映画のラストも事実に沿って、意外な結末を迎えます、2重の驚きも映画的にはスッキリしないかも、予定調和の結末の方が映画としては満足感が高かったかもしれません、良質の映画ですが、どうも映画的にはスッキリしませんでした、
〇(スクリーンで鑑賞)「PLAN75」

なんともやるせない映画であります、人生100歳などと云われても、実際に幸せな人生を送ることが出来ない老人もたくさんいることでしょう、自分自身の死に方を考えて憂鬱な気分になりました、
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こちらは予定調和の恋愛コメディ、なんだかんだ云いながら徐々に2人の親密度が高まっていくお決まりの展開ですが、、、安心して観ていられるのがなにより、予定調和過ぎるラストも気持ち良い、
◆(自宅で鑑賞)「ジェネラルルージュの凱旋」

前作「チームバチスタの栄光」を観ていないのに、知らずに2作目を観てしまいました、
◆(自宅で鑑賞)「ランペイジ 巨獣大乱闘」

こういう映画はあれこれ考えてはいけません、たとえばエナジン社の社長と副社長がアホ過ぎるとか、たとえば軍が弱すぎるのにデイビスは強すぎるとか、たとえばゴリラは人を食べないでしょうとか、考えてはいけません、何も考えずに鑑賞しましょう、そうすると、、、これはこれで楽しめます^^)
2022年08月08日
先週は秀作6本、楽しいエンタメ「ジュラシックワールド 新たなる支配者」「グレイマン」「青天の霹靂」、戦争がへばりつく「戦争と女の顔」、登山ドキュメント「Maru」。
〇(スクリーンで鑑賞)「ジュラシックワールド 新たなる支配者」
(★★★?☆)(2022年米国)(原題:Jurassic World: Dominion)
シリーズ最終章?恐竜と共存を始めていた人類に最期の危機が
「ジュラシック ワールド」から拡散した恐竜たちと人類が共存している世界、新たな秩序作りが進む中、巨大イナゴが発生、世界的な食料危機を引き起こす、ジュラシックパーク創設に関わったエリーは巨大バイオ企業の陰謀を疑う、一方、恐竜保護活動を続けるオーウェンの元から娘と恐竜の子どもが誘拐されそれを追跡する旅が始まる、ここにも巨大バイオ企業の影が、、、
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お馴染み「ジュラシック」シリーズの最終章、CGによる恐竜の再現には息を呑みますが、、、もう、免疫は付いている、CGだけで感動する訳でもない、物語は“恐竜と共生する”という新たな世界観の中で進行、“ウイズコロナ”の世界だからこその発想?その結末は決着が付いていないような気がするのですが、、、
舞台が世界に拡がり、恐竜たちものびのび外界で活躍^^)でも、逆に映画の世界観は他のアクション映画の既視感で溢れてしまいました、闇恐竜市場は「SW」、巨大企業の本社は「007」、脱出劇は「インディジョーンズ」、閉鎖され恐竜島での恐怖も明るい陽の光の下にさらされると、、、
でも、147分退屈せずに楽しめます、記念碑的作品を素直に楽しみましょう、原題の「Dominion」は『支配力』というような意味、
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◆(自宅で鑑賞)「グレイマン」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Gray Man)
CIAの陰謀と、闇の仕事を請け負う工作員グレイマンの反乱
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だいたい想定内で物語は進みます、主人公コートは沈着冷静、次々襲いかかる危機をくぐり抜ける様はたしかに痛快、仇役も相当強力ですが難なくクリア、最後の脱出劇がどうなったのか?知りたいけど、ま、これも素直にアクションを楽しみましょう、
Netflix映画、スクリーンでも公開されていますが、封切りと同時期に自宅で無料鑑賞、こういう事が出来る世の中になったんですなあ、しかし、なんか大丈夫なのか?ちょっと心配になります、
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◆(自宅で鑑賞)「青天の霹靂」
(★★★★☆)(2014年日本)
冴えない手品師が、ひょんな事から自分のルーツ探しをするハメに
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現在と過去を行き来する物語、そこに無理筋があるのは仕方ないか、それでも物語にリアリティがあるのは監督助演の劇団ひとり、主演大泉洋の力量、共に手品師の役、劇中の手品の腕前も上等、相当練習されたんでしょうね、
マルチに活躍する劇団ひとりの監督デビュー作品、さすがに上手にまとまっています、ラストの映画的レトリックも洒落ています、観て損は無し、
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〇(スクリーンで鑑賞)「戦争と女の顔」
(★★★★☆)(2019年ロシア)(原題:Dylda)
終戦直後のレニングラード、普通の生活に戻りたい女たちには過酷な時代
1945年、対独戦に勝利したロシア、女性兵士イーヤは戦傷を負い帰還、心の傷を抱えながら今は軍の病院で看護師として働いている、一緒に暮らしている少年は戦友マーシャの子ども、ある日、イーヤはその子を自らの過ちで死なせてしまう、そんな時、子どもの母親の戦友マーシャも戦場から帰還、子どもを死なせたことを告白したイーヤとマーシャの不安定な生活が始まる、
対ナチス戦に勝利したロシア、戦争に勝っても戦争で負った傷口がじくじくと痛み出す、とくに戦場を経験した女性兵士には生き抜くための試練が多すぎます、子どもを失ったマーシャは新たな命を欲っするが、異性恐怖症?のイーヤの心の傷は癒えない、上流階級との格差も悲しい、嘘をつき自らを破綻に追い込むマーシャに慄然、
登場人物も監督も粘着質?です、少ない台詞、長回しのカット、マーシャはやたら相手を見つめ続け、イーヤの心は震え続けます、その先で何かが暴発するのでは無いかというサスペンスが充満、う~ん、なんとも怖くて悲しい映画でした、
ぜひ鑑賞をお奨めします、原題の「Dylda」は『背の高い・のっぽ』、イーヤの愛称?
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◆(自宅で鑑賞)「Meru」
(★★★★☆)(2015年米国)(原題:Meru)
難攻不落、世界一の壁ヒマラヤ・メルー峰に挑んだ3人の登山家のドキュメンタリー
未踏の標高6500m級ヒマラヤ・メルー峰、2008年3人の登山家が挑戦するが登頂目前で撤退、その後も数々の苦難が襲うが、3年後に同じメンバーで再び悪魔の壁に挑戦することになる、、、
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怖いです、高所恐怖症です、垂直の壁にぶら下がって寝るなんて!!??意味分りませんが、、、それでもその映像が撮影されていることに感動、カメラは登山者2人が自ら撮影したそうです、それが凄い、怖さも忘れる本物の映像に力があります、そして3人の友情物語も声高に描かれていないのに伝わってくる、良いドキュメンタリーでした、
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◆(自宅で鑑賞)「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」
(★★★☆☆)(1966年日本)
東宝特撮怪獣映画、ここでもまた悲哀のラストシーン
謎の海難事故が多発、調査からフランケンシュタインの細胞が見つかった、戦時中、ドイツから運び込まれた細胞から生まれたフランケンシュタインは地底怪獣との闘いで死亡したと考えられていたが、、、海から出現したフランケンシュタインの怪獣は人を喰らい街を蹂躙、自衛隊は「L作戦」を展開、怪獣を仕留めたかに思えた瞬間、もう1頭の怪獣が出現する!
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懐かしの東宝特撮怪獣映画、この後、対怪獣自衛隊兵器の定番となる“メーサー殺獣光線車”、伊福部昭の“L作戦マーチ”とエポック的要素もあります、そしてなにより、この時期の東宝特撮怪獣映画に観られる悲哀に満ちた結末がなんとも味わい深いです、、
ま、休日のお気楽鑑賞に、
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2022年08月01日
先週は4本、シリーズ第2弾もまずまず「キングダム」、リメイクもまずまず「キャメラを止めるな」、思い出深い「キングコングの逆襲」、観なきゃヨカッタ「ソー ラブ&サンダー」

1作目は日本映画らしくない雄大なスケール感がとってもヨカッタ、ので2作目も鑑賞、が、2作目出だしのセット撮影シーンの美術や照明が薄っぺらく、おいおい、これで大丈夫か?と不安な出だし、敵味方の大将・将軍の人物描写も1作目ほどの魅力を感じない中、信の上官千人将 縛虎申=渋川清彦が躍動、伍長の濱津濱津隆之も好演、羌かいの清野菜名もアクション健闘、中国ロケの平原戦闘シーンはそれなりに楽しめます、
〇(スクリーンで鑑賞)「キャメラを止めるな」

ある意味不朽の名作である「カメラを止めるな!」のリメイク、如何にもフランスならやりそうな感じ、物語も日本からの依頼でリメイクするという、リメイクの物語としてリメイクするというややこしい話、幾重にも張られた伏線やギャグは日本版からもきっちり引用、新しいアイデアよりは引用ギャグや伏線が面白い!裏側のネタがバレているのにそれなりに楽しめました、
原題は『切る』=映画用語では『カット!』の意、
◆(自宅で鑑賞)「キングコングの逆襲」

メカニコングのデザインが秀逸、コングの着ぐるみは今ひとつ、この5年前に制作された「キングコング対ゴジラ」の方がずっと出来は良い、それでも公開当時、この映画が観たくて観たくて^^)通常の怪獣映画にありがちな日常生活シーンはほとんど無く、全編SF怪獣映画、主人公は宝田明(2022年3月逝去)と米国俳優2人、吹き替えが田口計と山東明子、うん豪華、この辺りはエエ感じです、ドクター・フーの天元英世怪演、
〇(スクリーンで鑑賞)「ソー ラブ&サンダー」

ほとんど観ないコミック世界のアクション映画、無料鑑賞券消化のため鑑賞、CGであれこれ観せられてもなあ、、、ド派手な映画なのに途中で寝てしまいました、やはりこの世界の映画は観ないほうがヨカッタ、
ジェーン役のナタリー・ボートマン、かなりトレーニングしたかな?二の腕がコスチュームにピッタリ!
2022年07月25日
先週の5本、全部面白い!おススメは痛快!な「レッドカーペット」、すごい実話「チア☆ダン」、不思議な彼女「わたしは最悪」、あとは「荒野のストレンジャー」「シルミド」

ステレオタイプなストーリーですが、やはりこういう物語は痛快で観ていて楽しい、ジョンウたちが作っている映画はアダルトビデオではなく、R指定の昔で云う『ピンク映画』、スタッフも役者もみんな映画が好きで懸命にピンク映画を作っているのが好感、しかし、ジョンウへの世間の目は所詮“ピンク映画監督”、そのジョンウが書いた脚本が認められるが、ピンク映画監督作品では売れないとの判断で他の有名監督作品として世に出ることに、これに反発するジョンウとスタッフたち、ここらから恋物語と映画物語が上手に交錯していきます、ワクワク、1

なんとも凄い実話です、チアダンスの全米選手権を制覇する!という、とてつもなく無茶な目標のように思えますが、それを実現しているのですからホントに凄い、『夢はどれだけ大きくてもあきらめなければ実現する』という理想論を体現した彼女たちに賞賛の拍手、

うん、アカデミーが好きそうな映画です、主人公のユリヤは利発で才能豊か、が、自分がやりたいことが見つからない、利発が故に見つからないのか?パートナーや恋人との蜜月もちょっとした意見のすれ違いから簡単に壊してしまうユリヤに振り回される周囲の人たち、故意も悪意もないのにいろんなものを失っていく現代人の宿命?

クリント・イースドウッド2作目の監督作品、勧善懲悪の物語に観えますが、イーストウッドらしくそこは一筋縄ではいきません、ラーゴで起こった1年前の出来事が徐々に明らかになるにつれ、なにやらこの風来坊も関りがあるのではないか?という思わせぶりな演出が続きます、そして3人のやくざ者との対決の時、風来坊は奇怪な行動に出ます、さて、この風来坊は何者なのか?最後のセリフからある想像が湧きたちますが、それでは筋が通らない、、、

1968年に実際にあった襲撃事件と特殊工作部隊編成、当時の南北関係の緊張度が伝わって来ます、タイトルは死刑囚たちが集められた実在の島の名前、
2022年07月19日
先週は5本、オススメは不思議な感覚の「リコリス ピザ」、必見「幼い依頼人」、上手な「君の膵臓が食べたい」、あとは「バスカヴィル家の犬」「007は二度死ぬ」

なんとも不思議な感覚の映画でした、そこらに転がっているような恋物語をあれやこれやと延々と描いているのですが、不思議と退屈しません、15歳でビジネスマンとなるゲイリーの設定もなんだか??、でも、これって実在のモデルがいるそうです、アメリカの希望が花咲いていた1970年代の空気を一杯吸い込むことが出来る愉快な映画です、

2013年に韓国で起きた実際の事件を下敷きにした社会派サスペンス、日本同様家庭内暴力が多発していた韓国のDV対応を変えるきっかけになった事件だそうです、それまで(今も)多数の子どもがDVの犠牲になっていたと思うとなんともやるせない、劇中でも家庭内暴力を立証する難しさを痛感、

タイトルがショッキングなので劇場公開時に足が向かず、やっと自宅で観ましたが、、、こんなんに良い作品、もっと早く観るべきでした、原作もの(未読)だそうですが、映画も良く出来ています、桜良のクールでキュートなキャラクターが映画全体を支配しているのが成功のカギかな、

ご存じ、シャーロックホームズ日本版、頭脳明晰な誉が僅かなヒントから真実を導き出す過程は映画的、この辺りの物語は小気味良く成功しています、が、犯人と魔犬はその恐怖が盛り上がる前にあっけなくその正体を現し、その後の2時間ドラマ的推理説明パートはステレオタイプで少々退屈、たしかに2段落ちはあるものの、もっと恐怖と不安感を煽って欲しかった、ラストの〆方もなんだかなあ、、、

イワン・フレミングの原作にしっかりあるオリジナル007シリーズの1作、彼も日本に興味があったようですね、
丹波哲郎、若林映子奮闘、浜美枝のスタイルは歴代ボンドガールにヒケを取らない素晴らしさ、ま、休日のお気楽鑑賞でも如何でしょうか、
2022年07月11日
先週は4本、必見の「エルヴィス」、ワタシはちょっと??「ベイビーブローカー」、観ているうちにハマってくる「エマEMMA」、空の大怪獣も

知っているようで何も知らなかったエルビス・プレスリー、1935年生まれ、1977年に42歳で死去、音楽のルーツはゴスペルとR&B、これが白人至上主義者の琴線に触れた、ロックンロールをメジャーに押し上げ、ビートルズやストーンズに影響を与える、腰をふるステージは保守派の反感を買い2年間の兵役に、どこまでも強欲なマネージャーはエルビスをしゃぶりつくして一文無しに、世界ツアーも実現せず、それでもあくまで自由、自らの想いを貫こうとしたエルビス、圧巻の1本でした、

是枝監督らしい抑えた演出で淡々と物語は進みます、母親と赤ん坊、ブローカーの2人、そして女性刑事2人の関係性が徐々に変化していき、行き着く先の形が見えない不安定さがサスペンスを生んでいます、、、が、、、どうも物語が饒舌過ぎる、刑事2人の行動もどうも不可解というか納得性に欠ける、物語のための物語感があって、サスペンスの緊張度はそんなに上がりません、

200年ほど前の恋愛物語、男と女の駆け引きは今も昔も同じ、男はシャイで恋愛には弱虫、女性は大胆、電話もない19世紀の方がとっても大変、

「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」が大ヒットした東宝、後継怪獣のラドンはその後も度々映画に登場、21世紀のハリウッド映画にも登場しています、そのルーツの本作、物語性も高く懸命に造られている様子に好感、ま、今のCGデジタル技術を比べようもないですが、
2022年07月04日
先週も5本、お奨めは心地良い観後感「メタモルフォーゼの縁側」、ラストが惜しかった「神は見返りを求める」、シャーロック系2本のうち「エノーラ・ホームズの事件簿」は楽しめます、

上質でほんわかとする良き映画です、独居老人と高校生がBLで繋がる!?となると、奇天烈な映画か?となりそうですが、とっても優しい登場人物だけで構成された無垢な映画であります、

出だし快調、テンポ良く2人のYoutuber生活が描かれます、田母神も優里も如何にも現実にいそうな小市民、善意とひたむきな想いがこのまま結実すれば良いなあ、と思わせますが、、、田母神の人の良さが裏目に出て事態は一転、どんどん深みにハマっていく田母神が怖い、そして優里もまた怖い、

もう1本の「シャーロック 忌まわしき花嫁」同様、19世紀末の英国の世情を背景にしたシャーロック・ホームズ外伝的な物語、こちらの妹エノーラの物語は快活で愉しい、何度もマイクロフトやシャーロックを出し抜くエノーラもこれから名探偵への道を歩むんでしょう、度々出てくるエノーラの男装は民主主義の転換点の象徴かな?

舞台を現代に移したベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマ(BBC制作)の1作、これは19世紀末の英国に舞台を戻したシャーロック物語かと思いきや、後半にとってもヘンテコな展開が待ち受けていました、まったく予備知識無しで観たので少々興醒め、

タイトルから純愛物語かと思いきや、ロボット開発、コールドスリープ、そして途中からはヒューマロイドやタイムトラベルも出てくる展開に、これだけ揃えば複雑なトリックも伏線も張り放題、だが、あまりその効果が出ているとは思えない、そうだろうな、な感じの終盤への展開、璃子も眠りについたのが意外でしたが、、、