2023年02月20日

先週は3本、三者三様の良作揃い、「コンパートメントNo.6」「少年の君」「非常宣言」

〇(スクリーンで鑑賞)「コンパートメントNo.6」
(★★★★☆)(2021年フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ合作)
(原題:Hytti Nro 6)
独り列車の旅に出た女性の出会いの物語、2021年カンヌ映画祭グランプリ作品

02コンパートメント6

1990年代、フィンランドからモスクワに留学しているラウラは恋人と一緒に世界最北端の駅ムルマンスクからペトログリフ(岩面彫刻)を観に行く計画を立てるが、恋人に直前でキャンセルされる、仕方なく独り乗り込んだ列車のコンパートメントで同室になったのは粗野なロシア人のリョーハ、酒を飲み無礼な態度をとるリョーハ、別のコンパートメントへの移動も叶わず、不愉快な旅は続くのだが、、、



佳作ながら最後まで目が離せない不思議な魅力のある物語、狭いコンパートメントでの2人の会話は噛み合わない、リョーハはホントに嫌な奴で、そのうちになにか事件でも起こすのではないかと心配になるが、、、3泊くらいの列車の旅だっただろうか?お互いに悪態をつき、恋人を思い出し、旅の記録ビデオを失いながら、2人は徐々にお互いの真の姿を感じるようになっていきます、

リョーハの頑張りで旅の目的であるペトログリフを見ることがになるのですが、、、岩肌に彫り込まれた図柄の事のようですが、エスクリーンではよく分らず、そこはちょっと拍子抜け、でも、如何にも粗野なロシア人リョーハの見え方が徐々に変わっていく過程は上手、監督の力量です、



◆(自宅で鑑賞)「少年の君」
(★★★★★)(2019年中国・香港合作)(原題:Better Days)
一流大学を目指す進学校でのいじめ事件、その被害者に関わる不良少年の純愛

02少年の君

※2021年にスクリーンで鑑賞、記事も書いていますが、自宅で観出すと止まらなくなり最後まで鑑賞しました、前回記事に加筆して再掲します、

大学受験に向けて進学校で砂を噛むような生活のチェン、同級生がいじめで自殺、次のいじめの矛先はチェンに向けられる、そんな時、チンピラに集団暴行を受けているシャオペイを見て警察に通報するがチェン自身もチンピラに襲われる、さらに校内でのチェンへのいじめも凶悪化、シャオペイはチェンを護ることにするが、ついに事件が起こってしまう、孤独な2人はこの世界を生き抜けるのか?


独特の映像美と迫力のサスペンスと純愛、香港映画の実力をまざまざと見せつけられます、一生を左右する大学受験制度、受験に成功することで貧困から抜け出したい優等生、進学校で起こる陰湿ないじめ、底辺で生きる純真なチンピラ、被害者を追い詰める警察、

劇中では2回、3回と一応の結末を迎えますが、その度にその先にある真実が浮かび上がってきます、どこまでも追い詰められる2人に救いはないのか?と思わせる力量、短いカットの力強さ、最後までグイグイ引っ張られる感覚は監督の手腕でしょう、

現在の香港と中国の関係を象徴するようなクレジットが冒頭とエンディングに入ります、中国でも問題になっているいじめ、そこに切り込む姿勢・視点の鋭さの驚きました、よくぞ中国でこんな映画が創れたものだと感心させられます、



〇(スクリーンで鑑賞)「非常宣言」
(★★★!☆)(2022年日本)
バイオテロにさらされた旅客機、着陸地も決まらないまま飛び続けることになる

02非常宣言

ソウルからハワイへ向かう大型旅客機、そこには凶悪なウイルスを持ち込む犯人、飛行機恐怖症の父親と娘、刑事の家族などが乗り込んでいく、犯人は機内でウイルスを散布、乗客達は次々と感染していく、刑事のク刑事は犯人の自宅でバイオテロ準備の痕跡を発見、家族の乗ったハワイ行便がテロのターゲットと知り、解決に向けて奔走するが、、、



機内の密室パニックと地上での刑事の奮闘のパラレル進行、旅客機内での攻防や乗務員のリスク対応はちょっとリアリティに欠けますが、韓国映画らしく人物描写や入り組む人間関係で最後まで結構楽しめます、墜落する機内の描写も迫力満点、

ウイルスに汚染された旅客機を米国が拒否、ハワイに着陸できず、韓国へ逆戻り、途中日本国も着陸を拒否、自衛隊機も威嚇射撃するという過激さ、ついには乗客の総意で着陸を諦めることになってしまいます、実際にこんな事件が起こったら各国はどんな対応をするんだろう、




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2023年02月14日

先週は4本、オススメは「パーフェクト ドライバー」、??な「イニシェリン島の妖精」「仕掛け人・藤枝梅安」「素晴らしきかな、人生」

〇(スクリーンで鑑賞)「パーフェクト ドライバー」
(★★★★★)(2022年韓国)(原題:Special Delivery)
野球賭博に巻込まれた少年とクールな天才女性ドライバーの逃避行、たどり着く先は?

02パフェクトドライバー

ワケありの荷物を運ぶ特殊配送会社のウナは天才ドライバー、そのテクニックを駆使してどんな難しい配送任務もやり遂げる、ある日、野球賭博の裏金を持ち逃げしようとする依頼人を待っていると、そこに現れたのは一人の少年だけ、父親は組織の手に落ちた、配送を諦め少年も放り出してしまうウナだが、、、



109分間、スクリーンに集中できました、スピーディで迫力あるカーチェイス、そしてクールなウナと少年の軽妙なやりとり、子どもサスペンスの王道を行くエッセンスがしっかり機能しています、追っ手は組織と警察?ウナが脱北者なので国家情報院も参戦、ウナと特殊配送会社のメンバーは絶体絶命のピンチを迎えます、

いかにも子どもが嫌いなウナの素振りと闘い振り、そしての2人の結末がとっても映画的なカタルシスをもたらします、109分という尺もちょうど良い、これくらいの長さでしっかり魅せる映画が一番好き、気楽に爽快に楽しめる1本、オススメします、



〇(スクリーンで鑑賞)「イニシェリン島の妖精」
(★★★?☆)(2022年英国)(原題:The Banshees of Inisherin)
アイルランドの孤島で繰り広げられる不思議な闘いと友情の結末

02イニシェリン島の妖精

1923年、内戦が続くアイルランドの孤島イニシェリン島、ある日突然、永年の友人だったコルムから絶交を言い渡され混乱するパードリック、訳が分らずなんとかその理由を知ろうとするが、コルムは頑なにパードリックを拒否、コルムはこれ以上自分に関わるならある怖ろしい事をすると宣言、そしてそれを実行してしまう、、、



難解な映画です、なぜいきなり絶交したのか?明確なカタチでその説明はなされません、暗喩はそこかしこにあったようですが、それは解説を読まないと分らない、それでも、映画全体に緊張感が満ち溢れているし、小さな孤島の風景と濃密な人間関係がリンクして緊張感を醸しだすのに成功しています、

なぜ絶交したのか?コルムが行った行為の意味は?何も分らないまま、静かで壮絶なラストに突き進む2人、たしかに見応えはありました、、、ただ訳が分らないだけ、悔しい^^)



〇(スクリーンで鑑賞)「仕掛け人・藤枝梅安」
(★★★?☆)(2022年日本)
ご存じ!仕掛け人 藤枝梅安が苦悩の末に選んだ始末のつけ方

03藤枝梅安

鍼医師の藤枝梅安の裏稼業は金で悪人殺しを請け負う仕掛け人、梅安の仕掛けは病死にしか見えない見事なモノ、次の仕掛けは大店料理屋の後妻女将、亭主をたらし込み料理屋を乗っ取り、給仕の娘達を悪大名に差し出すという商も始めている、この悪事を諫めるため梅安が動き出すが、思わぬ事態が梅安を苦しめることになる、、、



東映本格時代劇!復活!!という感じの重厚な作りであります、池波正太郎の原作小説を読んでいないのですが、なんとなく原作の空気感を醸し出しているような気がします、バットマンのような暗い闇のシーン、梅安が相棒の彦次郎と囲む湯豆腐や鳥鍋、とっても美味しそうで池波正太郎らしいシーン、なかなか見応えがあります、

物語は複雑に入り組んでいて、それなりに楽しいのですが、、、女将と梅安の因縁が影を落とすといきなり窮屈な展開になりました、冒頭から説明的なところがあったのですが、梅安の口から知らされる女将の秘密もなんだか説明的、もう少し映画的に消化できなかったのか?最後までネタバレしなくても成立したような、、、そのためか?“悪を裁く仕掛け人”というこの映画最大のカタルシスが弱くなってしまいました、残念、、、



(★★★?☆)(2006年米国)(原題:Collateral Beauty)
家族を失い、喪失感から立ち直ることが出来ない敏腕広告マンの前に現れる幻影?

03素晴らしきかな、人生

広告会社のオーナー ハワード、娘に先立たれ生きるチカラを失い仕事も放棄、ハワードの功績で大きくなった会社は経営破綻の危機を迎える、なんとかこの危機を回避しようと3人の重役は一計を案じる、ハワードが常々説いていた広告ビジネスにとって重要な3つの要素、この3つの要素をハワードの眼前に突きつけて見失った自分を再発見してもらおうとするが、、、



ハートウォームな物語です、ハワードが広告ビジネスで大切にしてきたのは『愛・時間・死』、この3つを舞台俳優が演じハワードが生きていく意味を呼び起こそうとします、しかし、この計画は思わぬ方向へ、問題を抱える3人の重役、3人の売れない役者、3つのエレメント、終盤まで“3”という数字が自在に動き回り物語への興味をかき立てました、

が、ラストだけがどうもしっくり来ない、出来れば再び歩き始める強いハワードを観たかったような、ちょっと不完全燃焼、、、

なお、よく似た邦題の名作とは別の作品なのでご注意を、、、







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2023年02月06日

先週は5本、「SHE SAID」「THE BATMAN」「THE FIRST SLAM DUNK」「ドリームガールズ」「浅田家!」

(★★★★!)(2022年米国)(原題:She Said)
♯Metooの源流となった映画プロデューサーの性暴力を暴く女性記者2人

01SHESDID

ニューヨークタイムズ紙のミーガンとジョディは、ハリウッドに君臨する映画プロデューサー:ワインスタインの永年にわたる性的暴力について取材を始める、ワインスタインの性犯罪行為を示す証言をいくつも得るが、俳優などの被害者は実名での公表を望まない、さらにワインスタイン陣営は記事もみ消しのための妨害工作を弄する、それでも取材を進め真実の報道に一歩一歩近づいていく2人、、、



加害者も被害者も記者も実名で登場する、社会的問題を真っ正面から取り上げた、いかにもアメリカらしい社会派ドラマ、2人の記者の奮闘が世界的な♯Metoo運動に繋がったのも凄い、派手な演出はない、2人の書いた自伝を元に一歩ずつワインスタインを追い詰めていく過程が詳細に描かれていきますが、その取材中に出てくる被害者の証言が痛々しい、女性が観ていると憤懣やるかたない気持ちになるでしょう、きっと男性には分らないやり場のない気持ち、

いや、男性こそ観なければいけない映画であります、男優先社会の風潮が根強く残る日本の関連刑法もやっと改正されるようです、ぜひ観て考えるべき映画、



(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Batman)
自らの家系の秘密にもがき苦しみながら、悪と闘う若きバットマン

01ザバットマン

犯罪で両親を失ったブルースはバットマンとなり、夜の闇に潜む悪と闘っている、そんなある日、市長が惨殺されたのに続き、ゴッサムシティの要職に就く人物が次々と殺害される、犯人のリドラーはバットマンにメッセージを送り続け、ブルースの一家に纏わる忌まわしい過去を暴いていく、自らの存在に悩み苦しむブルースだが、リドラーの仕掛けた最後の計画を阻止すべく身を投げ出す、、、



バットマン映画の最新作、個人的にはバットマン映画は苦手なシリーズ、ほとんど雨の夜のなにやら狂っているゴッサムシティの世界観が今ひとつ好きになれない、が、新たなシリーズの発端になるかも知れない本作は一番しっくりくるかも、

バットマンがあのコスチュームで警官と一緒に事件現場に足を運ぶのがなんとも面白い、もちろん主人公が自分の出自で悩み苦しむのはアメリカンヒーローの定番物語、過去の事件もその苦悩も結構分りやすいので、ふんふん、という感じでバットマンを応援したくなる、とにかく生身過ぎる今回のバットマンくん、

バットマンスーツが強靱すぎるのはご愛敬、キャットウーマンの活躍もご愛敬、観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「THE FIRST SLAM DUNK」
(★★★★☆)(2022年日本)
格上の相手に挑む湘北高校バスケ部の奮闘と、そこに至る5人の物語

01スラムダンク

インターハイで対戦するのは優勝候補の秋田:山王工業高校、湘北高校の5人はそれぞれの想いを胸に抱きながら山王に挑むが、後半早々の山王の仕掛けに圧倒され20点差を付けられてしまう、完全に負け試合かと諦めかけた時、監督から思わぬ激励の言葉と作戦が、、、



原作コミックは読んでいません、それでも白熱の試合展開を124分間集中して観れました、まず驚いたのが映画全編で試合が1試合なんです、バスケットボール1試合で2時間の物語を書き上げた脚本が素晴らしい、もちろん、そこに至るまでの5人のバックボーンがインサートされるわけですが、試合の描写がしっかりしているので、挿入されるエピソードが邪魔にならない、ラストは、ま、そうだろうなという事になりますが、それも素直に受け入れられます、

しかし、湘北の5人は全員不死身か!?とくに桜木!!あれはぜったいに無理!!^^)食わず嫌いにしなくてヨカッタ、



◆(自宅で鑑賞)「ドリームガールズ」
(★★★★☆)(2006年米国)(原題:Dreamgirls)
一躍スターダムにのし上がった3人組コーラスグループの栄光と現実

01ドリームガールズ

1962年のデトロイト、エフィ・ローレル・ディーナの3人はエンタテーメントの世界での成功を信じてオーディションを受けている、3人の才能を見抜いたカーティスは自動車販売業をやめて3人を売り出すことに専念、ついにメジャーデビューを果たすのだが、人気を得るにしたがって徐々に3人の間にも、カーティスとの間にも亀裂が入っていく、、、



R&Bグループ「ザ・スプリームス」をモデルにした物語、アーティストとプロデューサーとの確執はやっぱりこんな感じなんだろうな、飛び抜けたボーカル力を持つエフィがメインボーカルを外され、美貌のディーナがセンターに立つ、なんていう話はいつの時代でもあるんだろうな、そして男女の関係、あれもこれもさもありなん、でもラストのステージは爽快な気分に、偉大なグループの愛有る決断でしたね、

ディーナ役のビヨンセは迫力満点、小さなステージでのエフィのボーカルも出色、



◆(自宅で鑑賞)「浅田家!」
(★★★!☆)(2020年日本)
家族写真を撮り続けたカメラマンが想う家族の姿とは

01浅田家

幼い頃から父親に写真を撮ってもらっていた次男坊・政志もまた写真家になり、家族4人でコスプレをする変わった写真を撮り続けている、写真展を開くと出版社から声が掛かり写真集を出版するが、これがサッパリ売れない、と思いきやこの写真集が大きな賞を受賞、政志は他の家族の写真を撮り続けることにするが、、、そんな時、未曾有の災害が東北を襲う、、、



これまた、実在の写真家をモデルにした物語、変わった写真家である、コスプレの家族写真、ちょっとピンと来なかったのだが、実際に賞を受賞したのだから、そこにある政志の視点はワタシの想像を超えた次元にあるのでしょう、

物語の後半は東日本大震災被災後の東北へと舞台を移します、もちろん大変な状況の中での家族写真に纏わるエピソードには心を揺さぶられます、が、映画としては前編・後編みたいな感じで分断されてしまった感もあり、もう少し前後半をブリッジする仕掛けがあると良かったのかも、、、

被災地で実際にボランティア活動をされたという居酒屋の女将が魅力的、この人の物語も観てみたい、





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2023年01月30日

先週は秀作揃いの4本、「ラーゲリより愛をこめて」「エンドロールのつづき」「ケイコ 眼を澄ませて」「最後まで行く」

〇(スクリーンで鑑賞)「ラーゲリより愛をこめて」
(★★★★☆)(2022年日本)
ソ連に捉えられた日本軍兵士達のシベリアでの過酷な抑留生活と望郷の念

01ラーゲリより愛を

1945年8月第2次世界大戦末期、ソ連の突然の参戦により多くの日本軍兵士が捕虜となり、強制労働のためにシベリアへ送られる、山本もまたその1人、過酷な労働を強いられる抑留生活の中でも山本は帰国への希望を失わずにいる、妻と「必ず帰る」と約束したからだ、
抑留生活に絶望する仲間を励ましながら山本は「人間らしく生きる」ことを貫こうとするが、、、



第2次世界大戦に敗戦した日本、約60万人もの元日本兵がソ連に抑留され、その帰国が終了するのに11年もの歳月が費やされました、この事実を元に書かれた小説の映画化、過酷過ぎる強制労働、絶望し、いがみ合い、支え合う仲間達、そして信念の人 山本、彼は仲間達を励まし勇気づけ、必ず日本に帰ろうと言い続けます、

ラスト30分が映画の主眼、原作を読んでいないので知らなかった!ラストの映画的レトリックにはやられました、過酷なシベリア抑留生活を描くのがこの映画のテーマではありませんでした、そこで芽生えた友情と家族への愛は意外なカタチで日本に持ち帰られます、

『人にとってもっとも大切なことは道義だ』という山本の言葉が心に残りました、ラストのシークエンスはちょっと疑問符が付きますが、観る価値はあり、



〇(スクリーンで鑑賞)「エンドロールのつづき」
(★★★★☆)(2021年インド・フランス合作)(原題:Last Film Show)
映画に魅せられた少年のファンタジーと現実

01エンドロールの続き

インドの片田舎、列車の駅でチャイを売る少年サマイ、父親に連れられ街の映画館で観た初めての映画に仰天、それ以降足繁く映画館に通い映写技師と知り合い、母親が作る弁当と引き換えに映画を観ることを許される、映画の中に拡がる世界に瞳を輝かせるサマイ、フィルムの切れ端を持ち帰ると、それを映し出す仕掛けを作ることに熱中するが、、、



インド版「ニュー・シネマ・パラダイス」、少年が瞳を輝かせながら様々な映画の世界に没頭する様はたしかに夢と希望に溢れている、個人的にはこのまま大人になって映画制作に携わって欲しいと思ったけど、物語はそうは転がらない、ちょっと残念、

手作りの映写機でフィルムを壁に映し出すシーンは感動的、用済みになった映画フィルムの行方を追うシークエンスは蛇足だったか?これも実話がベースになっているそうです、観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「ケイコ 眼を澄ませて」
(★★★★☆)(2022年日本)
こちらも実在の人物をベースの物語、耳が聴えない女性ボクサーの奮闘と心の悲鳴

01ケイコ眼を澄ませて

生まれつきの聴覚障害があるケイコ、ホテルの清掃の仕事をしながら小さなボクシングジムのボクサーとしてプロテストに合格、プロとしてリングに上がっている、黙々とトレーニングに励むが、耳が聞こえないハンディは様々なカタチで実直なケイコの心を圧迫、その重圧にケイコの心が折れ掛けた時、ジムが閉鎖されるのではないかという噂が流れる、、、



ボクサーにとって耳が聞こえないのはやはり大変なハンディ、試合ではセコンドの指示もレフリーの言っていることも聞こえない、そして喋れないから自分の気持ちをちゃんと伝えることも出来ない、ケイコへの重圧の大きさがヒシヒシと伝わってくる寡黙な画面、そう、ケイコの台詞がないから余計にその苦しさが伝わってくる寡黙な物語、

岸井ゆきのだから成立したような気もします、彼女は凄いですね、演技者としての構えが良い、試合シーンはもうちょっと迫力が欲しかったけど、練習シーンは相当ガンバった感あり、

「第77回毎日映画コンクール」で日本映画大賞ほか最多5冠獲得、



◆(自宅で鑑賞)「最後まで行く」
(★★★★☆)(2014年韓国)
人身事故を隠蔽しようと奔走する刑事を襲う意外な敵とは

01最後まで行く

刑事のゴンス、母親の葬儀の最中に内部監査が入ると聞く、署のデスクにはちょっとした不正の証拠が隠されている、慌てて署に向かうゴンス、と、いきなり男が飛び出してきて跳ねてしまう、男は死亡、つい事故を隠蔽し死体をトランクに乗せ署に向かうが、目の前では警察の検問が、、、そこからゴンスの悪夢が始まる、



序盤は事故隠蔽に奔走するゴンスの滑稽な努力が描かれます、これはコメディか?と思いきや、中盤から意外な敵が現れ物語は急展開、嘘に嘘を塗り重ねて、あれよあれよと堕ちていくゴンスから目が離せなくなります、そして、最後の対決は韓国映画らしくとってもしつこい、これでもか、これでもかと続く悪夢からの開放への闘いは見応えあり、

ラストも洒落ている?どうだろう?うん、エエと思います、あれくらいのご褒美は^^)




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2023年01月23日

先週は4本、天才作曲家に喝采「モリコーネ」、仰天のラスト「灼熱の魂」、他に「ジュマンジ ウェルカムトゥジャングル」「モンスター ハンター」

(★★★★★)(2021年イタリア)(原題:Ennio)
喝采!多くの映画ドラマ音楽を手がけた天才作曲家の素顔に迫るドキュメンタリー

01モリコーネ

生涯に500作以上の映画ドラマ音楽を世に送り出した天才作曲家エンリコ・モリコーネ、誰もが知っている作品を追いながら、彼の作り出した独創的な映画音楽の魅力を余すところなく紹介する圧巻のドキュメンタリー、余分な演出はなく、余分なナレーションもなし、彼の作品の紹介と映画人のコメントのみで2時間37分があっという間に通り過ぎていきます、必見です!



これはもう文字では説明出来ない、観るしかない・聴くしかないです、次から次へと紹介されるモリコーネ作品に圧倒されます、C・イーストウッドのスパゲティ・ウエスタン(日本ではマカロニ・ウエスタ)作品での独創性に驚愕、高校生の時に聴いたジョーン・バエズの「勝利への賛歌」もモリコーネの作品だと知ってビックリ、「アンタッチャブル」「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」での劇的な成功に唖然、これでもかと映画音楽の凄さを見せつけられます、

アカデミー賞受賞シーンは泣けたなあ、これは間違いなく傑作ドキュメンタリー、文句なしの★5つ!!ぜひ観て欲しい映画です、



◆(自宅で鑑賞)「灼熱の魂」
(★★★★?)(2010年カナダ・フランス合作)(原題:Incendies)
数奇な運命を辿った母親の真実を見つけた時、驚愕のラストが待っています

01灼熱の魂

突然我を失い死んだ母親、双子の姉と弟には奇妙な遺言が残される、死んだはずの父親といないはずの兄に宛てた手紙を届けること、その手紙が届けられた後に姉弟に真実が告げられることになるという遺言、戸惑いながらも姉は母親の母国レバノンへ向かう、母親が2人を出産した当時のレバノンではキリスト教とイスラム教の内戦中、母親はその戦火に巻込まれていた、姉は粘り強く母親の過酷な過去を解きほぐしていくが、、、



遺言状の指示通りに死んだはずの父親と、いないはずの兄を探す姉の現在の姿と、過去の母親の歩んだ凄惨な人生が交互に描かれて物語は進んでいきます、徐々に明かされる母親の過去と秘密、それに向き合う勇気を持っていた姉ですが、、、行き着いた真実は余りにも過酷で信じがたいもの、やや作り込み過ぎた感もありますが、最後までグイグイ引っ張られてしまいます、

そんなことにならなければ良いなあ、と思っていた最悪の結末、、、うむ、これで良いのだろうか???

(★★★★☆)(2017年米国)(原題:Jumanji  Welcome to the Jungle)
謎のゲーム「ジュマンジ」の世界に迷い込んだ5人のアクションアドベンチャー

01ジュマンジ2

高校の落ちこぼれ4人組、罰として居残り作業を命じられた地下室で見つけた謎のゲーム「ジュマンジ」を起動すると4人はあっという間にジャングルに放り出される、そこは「ジュマンジ」の世界、ミッションをクリアしない限り元の世界へ戻れない、ライフは1人3つ、3回死ぬとゲームオーバー=元の世界へは永遠に戻れなくなる、4人は各々の個性と能力を活かしてミッションに挑む、



D・ジョンソンを主役に迎えたシリーズ2作目、というかここからの新シリーズですね、ゲームの世界に迷い込むというシチュエーションは変わらず、高校生4人それぞれが現実の自分とは真逆のキャラクターでゲームに挑むというアイデアが成功、結構楽しめるエンターテイメントになっています、ゲームキャラは5人、4人組の他にもう1人、ゲームの世界で彷徨っている若者がいるのですが、それは、、、

上手なのがラストシークエンス、校長先生の言葉が蘇る映画的レトリックは少し泣けます、単なるドタバタアクションで終わらせなかった脚本家に拍手、



◆(自宅で鑑賞)「モンスター ハンター」
(★☆☆☆☆)(2020年米国)
もう一つの別世界へ紛れ込んだ米軍兵士はモンスターと闘うことになるが、、、

01モンスターハンター

アルテミス率いる特殊部隊は砂漠で謎の砂嵐に巻込まれる、砂嵐が治った後の世界は巨大なモンスターが闊歩する別世界だった、精鋭兵士隊も次々とモンスターに殺害されていくが、別世界の戦士ハンターがアルテミスの危機を救う、そして2人は力を合わせて巨大モンスターとの闘いに臨む、、、



大ヒットゲーム「モンスターハンター」の映画化、物語はその序章?別世界に彷徨い混んだ兵士アルテミスの脱出劇になっています、、、が、にしても意味不明のカットや画像処理、長すぎる心象シーンとクローズアップなどなど、いったい何がしたかったのか?意味不明、どうにも物語が盛り上がりませんでした、

映画上映前のスクリーンでよくお目に掛かった山崎紘菜も不完全燃焼、ジョボビッチの碧眼だけが印象的、ま、観なくても大丈夫です、





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2023年01月16日

先週は4本、全作微妙・・・「ファミリア」「Dr.コトー診療所」「剣客」「ビブリア古書堂の事件手帖」

〇(スクリーンで鑑賞)「ファミリア」
(★★★?☆)(2022年日本)
ブラジル人労働者との交流から生まれる崇高で悲しい物語


01Familia

陶芸家の神谷、アフリカでプラント建造を担っている息子が現地の娘を嫁として伴って一時帰国、異国から新しい家族を迎えて幸せなひとときを過ごす神谷、ある日ブラジル人の若者マルコスが半グレとの揉め事に巻込まれ神谷の工房に転がり込んでくる、以来なにかとブラジル人移民と交流を深めていく神谷だったが、ある日悲報が神谷の元に届く、さらにマルコスと半グレとの揉め事は殺人事件に発展、神谷はマルコスを半グレから守る決意を固める、、、



良心に溢れた崇高な心を持つ日本人の物語なのですが、日系ブラジル人労働者の過酷な環境、国際結婚、テロ、覚醒剤、家族を失った半グレ、そして家族とは?などちょっと多くのファクターを盛り込みすぎたかな、複雑な状況が一体となってラストの破局に向かって転がっていく!というイメージで作られたと思いますが、どうもその混沌とした状況の劇的一体化効果は思ったほどでは無かったようです、とくに悪役半グレ側にも情状設定をしたのがどうもマズかったと感じました、


出だしのドローン撮影での導入カットはとても上手で、これは期待できる!!と感じたのですが、後半は間延びした不用カットが散見、銃弾に倒れたのに綺麗過ぎる2人の顔、服を着ていたはずなのになぜか全裸で毛布にくるまり抱き合う2人、意図はあるのでしょうが冗長で不用意なカットが物語の底流にある崇高な志を台無しにしていました、


海外のエピソードを完全削除、ブラジル人の劣悪環境強化、半グレを完全悪役にして、悲劇のラストになだれ込むサスペンスを主眼にしたらもっと面白かったかも、役所広司は貫禄の演技、佐藤浩市も味が出て来たなあ、




〇(スクリーンで鑑賞)「Dr.コトー診療所」

(★★★?☆)(2022年日本)

お馴染みDr.コトーの現在は?2006年から16年振りのシリーズ最新作


01Dr.コトー

日本最西端の孤島の医療を19年間たった一人担っている医師五島、看護師の彩佳と結婚し第1子ももうすぐ誕生する、赴任してきた腰掛け研修医、問題を抱えている五島の後を継ぐと期待されている剛洋、五島自身も寄る年波に勝てず身体に不調の影が、、、そんなある夜、台風が孤島を襲う、土砂崩れで多数の怪我人が発生、さらに災害は拡がりコトー診療所はパニック状態になる・・・




2003年と2006年にTVシリーズ化されているそうです、もちろん観た記憶はあります、それから16年後という設定はリアルな時間経過とシンクロ、オリジナルキャストがすべて揃っています、ここまで長い時間を開けてのオリジナルキャスト揃い踏みは凄い!製作陣の勝利、ま、その分みなさん16年の歳を取っているわけで、少々くたびれた感もありますが、


物語はTVシリーズの延長線上、台風の夜という設定も新味なし、オリジナルキャストの個性に引っ張られ過ぎた感あり、次々と担ぎ込まれる患者、剛洋の挫折、彩佳の出産、五島自身の病魔との闘いと、これでもかこれでもかと厄災が襲いかかりますがサスペンスは盛り上がらない、さすがに最後の救命行為と手術シーンは緊張しますが、、、オチもまあそうだろうなという感じ、『誰も死なせない!』という決め台詞連発もいささか過剰だったか、




◆(自宅で鑑賞)「剣客」

(★★★☆☆)(2020年韓国)(原題:The Swordsman)

17世紀の朝鮮半島、宮廷を追われた剣の達人が牙を剥く


01剣客

反乱により宮廷を追われた剣の達人テユルは娘テオクと2人で山奥で隠遁生活を送っている、追っ手との闘いで眼を負傷、徐々に視力が落ちていく、そんな時、大国清が朝鮮半島に進出、女性を奴隷市場に売るため略奪を開始、目の治療のため都に出てきたテオクも捕らわれてしまう、争い事を避けてきたテユルだがテオク救出のため再び剣を抜く、、、




剣の殺陣がメインの韓国時代劇、悪行の限りを尽くす清の使者に眼が見えなくなっているテユルが単身挑むという構図は観ていてワクワクするし、主人公もなかなか存在感あります、殺陣のクオリティもまずまず、、、でも、テユルがちょっと強すぎて途中から感情移入できなくなってしまいました、もう一人の宮廷の剣客のエピソードもしっくり来ず、テユルももう少し苦しんだ方が盛り上がったかな、


でも、休日のノンビリ鑑賞にはもってこいかもです、




◆(自宅で鑑賞)「ビブリア古書堂の事件帖」

(★★?☆☆)(2018年日本)

古書店店主が1冊の古書本から推理する事件の全容は


01ビブリア古書堂

初の同作2回目映画評です^^)

2018年にスクリーンで鑑賞、原作小説1作目を偶然読んで好感、好きな小説です、TVシリーズもあったのでその記憶か?映画は観てなかったかな?と思って観たら、、、観ていました、、、記憶朦朧^^)

ので、前回記事を推敲リライトして掲載します、


前回記事はこちらから ⇒


大輔は昔、祖母の本を盗み読んだために祖母からひどく怒られた記憶がある、その祖母が亡くなり残された「夏目漱石全集」から“夏目漱石”直筆と思われる署名が入った「それから」の文庫本を見つける、この署名に興味を持った大輔は北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」に文庫本を持ち込み鑑定を依頼、若き女性店主・栞子は大輔が持ち込んだ「それから」を手に取って一見しただけで見事な推理を展開、大輔の祖母の秘密を解き明かしていく、そして、これをきっかけに大輔は古書に纏わる重大事件に関わることになってしまう、、、




主人公の古書堂店主の栞子は、文庫本の表紙イラストの影響もあり、かなりイメージが固定化していると思われますが、黒木華はワタシ的には最適のキャスティングです、TVドラマ版では剛力彩芽がショートヘアのままだったのでガッカリ、今回の黒髪のロングヘアがやはり栞子さんのイメージです、


映画では3つのエピソードが最終的に一つに繋がっていて驚きの結末に、という欲張った展開になっていますが、ラストのシークエンスが唐突で大失敗、ドタバタせずに落ち着いて古書と人にフォーカスした物語にした方が原作の良さを引き出せたと思います、黒木華が好演だっただけにもったいなかったね、





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2023年01月09日

年末年始は自宅で6本、「ビューティフル レターズ 綴られた言葉」「13人の命」「ナイブズ アウト グラスオニオン」「幸せは、ここにある」「トロール」「ハーフチャンス」

(★★★★★)(2011年米国)(原題:The Letter Writer)
1通の手紙がその人の人生を変えていくヒューマンドラマ

01ビューティフルレターズ

高校生のマギー、学業は得意ではないがバンド活動に自分の個性を見つけようともがいている、そんなある日、マギー宛に1通の手紙が届く、そこにはマギーへの励ましの美しい言葉が綿々と綴られていた、心当たりのないマギーは差出人を探すことにする、学業もバンド活動も上手く行かないマギーはその謎の差出人から薫陶を受けることになる、、、



85分の小品ながらハートウォーミングな出来映え、学業に身が入らずバンド活動だけが高校生活の支えのマギーだが、成績の下落で母親からバンド活動も禁じられる、さらに恋人との別れ、友人の裏切りととことん打ちのめされるマギー、そんな彼女を救うのは1通の手紙、美しい励ましの言葉と人生を生き抜くための覚悟が並ぶ手紙にマギーは自分がやるべき事を見出す、

ラストのシークエンスに新鮮味はないが、それでも感動を呼び起こすのもまた手紙の一言一句が素晴らしいからに違いないです、SNSの時代、忘れられそうになっている手紙・言葉の力を上手に物語の核にしたプロデューサーの勝利、



◆(自宅で鑑賞)「13人の命」
(★★★★★)(2022年英国)(原題:Thirteen Lives)
2018年タイで発生した洞窟遭難事件の実録ドラマ

0113人の命

2018年6月、タイ北部の鍾乳洞に入ったサッカーチーム12人とコーチ1人、季節外れの豪雨で鍾乳洞内が水没、13人は安否不明となる、国を挙げて救出作業を行うが鍾乳洞内での水中活動は困難を極める、英国から来た世界屈指の敏腕洞窟救出ダイバー2名がなんとか13人の生存を確認するが、外に出るためには7時間もの鍾乳洞内潜水が必要、それは13人にとって事実上不可能だった、、、



実際に起こった遭難事件を丁寧に追っていきます、国中から来たボランティア、タイ海軍の精鋭ダイバーでも遭難者が出るほど過酷な潜水シーンに息が詰まります、水を抜くアイデアを実行する水道技師、そして洞窟救助のプロ達、すべての叡智を結集しても洞窟の奥深く取り残された13人を生きたまま外に出すのは不可能に思われます、

結果は皆さんご存じだと思いますが、13人全員が無事救出されています、そのためにどのような作戦が実行されたのか?それはこの映画を観るまで知りませんでした、リスクを取って勇敢に闘ったすべての救出関係者にエールを送ります、事実は映画よりも強い!ぜひ観てください、

(★★★?☆)(2022年米国)(原題:Glass Onion)
ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブラン シリーズ最新作

01グラスオニオン

IT企業トップの富豪マイルズの招待で孤島に集まった6人、そこになぜか名探偵ブノア・ブランも含まれていた、マイルズはブノアを招待してはいない、誰が名探偵を孤島に呼んだのか?マイルズの趣向は架空の殺人事件を参加者が推理解決するというゲーム、難問を用意したつもりだったが、ブノアが瞬時に解決してしまい一件落着、かと思われたが予定外の現実の殺人事件が発生、、、



“ナイブズ アウト”2作目はいきなりNetflixで配信です、

孤島モノ、集まった6人は富豪マイルズとそれぞれ微妙な人間関係にあり、不安定でスリリングな展開、予定外のリアル殺人事件が起こってからは、名探偵が島に来た理由も説明されますが、物語は2転3転、裏の裏までは予測不可能、伏線回収も結構楽しめますが、、、ラストがちょっとなあ、クリスティのような大団円にはならないのが今風なんでしょうが、、、



◆(自宅で鑑賞)「幸せは、ここにある」
(★★★★☆)(2021年米国)(原題:Here Today)
初期の認知症を患ったことで見えてくるホントの幸せとは?

01しあわせはここに

人気放送作家のチャーリーだが、このところ仕事も私生活も順調とは言えない、自身とのランチ権をSNSで落札したラウンジ歌手エマと知り合い親交を深めていく、ある日、チャーリーの様子がおかしい事に気付くエマ、問い詰めるとチャーリーは初期の認知症を患っていることを告白する、、、



主演のビリー・クリスタルが製作・脚本・監督・主演を務めたハートフルコメディ、

TV業界の第一線でバリバリ活躍するチャーリーだが、少しずつ物事が分らなくなっている自分を認められず妻にも相談できずにいた、そんな時に出会った天真爛漫なエマと交流を深めていく内にやっと自分の病と向き合っていけるようになります、病気になった時、身内と本当のことを語り合えないというのはままあることなんだろうか?それを引き出したエマの力、

原題の『Here Today』は認知症を連想させながら、幸せのありかを示しているんでしょうか?観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「トロール」
(★★★!!)(2022年ノルウェー)(原題:Troll)
伝説の岩石巨人が大暴れ!?ノルウェー製王道の怪獣映画

01

トンネル掘削工事現場で大規模な崩落が発生、そこから謎の物体が移動を開始する、古生物学者のノラは政府の要請を受けて調査に乗り出す、被害は周辺部でも発生、巨大な足跡が残されていた、ノラは父親の世捨て人で民俗学者のトビアスに助言を求める、トビアスは謎の物体の正体は伝説の岩石巨人トロールだと断言、そしてついにトロールは姿を現し首都オスローが脅威にさらされる、、、



王道のノルウェー製怪獣映画です、自然破壊が原因、謎の足跡、古生物学者が主人公、相棒は特殊部隊隊長、世捨て人の民俗学者、首相の苦悩、軍隊の暴走と敗退、トロールの弱点は意外にも?と、東宝怪獣映画、ゴジラ映画の系譜をしっかり踏襲しています、怪獣映画ファンには楽しい展開、

特筆すべきはラスト、悲哀溢れるラストシーンは東宝映画「空の大怪獣ラドン」(1956)のラストシーンを彷彿とさせます、ステレオタイプな展開に異論があるかもしれませんが、個人的には最後まで楽しめました、怪獣映画ファンは必見、

(★★!☆☆)(1998年フランス)(原題:1 chance sur 2)
フランスの人気俳優ジャン=ポール・ベルモントとアラン・ドロンの共演

01ハーフアチャンス

自動車泥棒を繰り返し無意味な日々を過ごすアリス、ある日亡き母親からのメッセージを発見する、そこには父親の可能性のある2人の男の名前が書かれていた、アリスは2人を訪ね過去の思い出を掘り返す、2人の男は自分こそが父親だと信じて疑わない、そんな時アリスの自動車窃盗がきっかけでマフィアの抗争に巻き込まれてしまう、



ベルモントは公開時65歳、2021年に87歳で逝去、アラン・ドロンは公開時63歳、存命、
この2大俳優へのオマージュで制作されたのでしょうね、物語は特筆するべきモノは無く、1960年代~70年代に観たフランス映画の系譜=細かいところにはこだわらないアクション・コメディです、ま、これはこれで良いかな、往年の姿を思い浮かべながらお気楽に鑑賞しましょう、

日本ではアラン・ドロンの方が人気があったような気がしますが(CMの影響か?)、俳優としての格はベルモントの方が上のようです、なるほど、





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2022年12月26日

先週は5本、韓国版グランドホテル「ハッピーニューイヤー」、史実が重い「42 世界を変えた男」「黒い司法 0%からの奇跡」「ハイドリヒを撃て!」、2転3転「ウォンテッド」

〇(スクリーンで鑑賞)「ハッピーニューイヤー」
(★★★★☆)(2021年韓国)(原題:Happy New Year)
韓国版グランドホテルは、先が読めない楽しさ満載のハッピーコメディ

12ハッピーニューイヤー

クリスマスイブの一流ホテル、人生に絶望した冴えない男が新年に自殺するつもりで宿泊する、男の自殺願望を察知したホテルCEOはなんとか彼に生きる力を与えたいと考えるが、、、ホテルのベテランマネージャー、室内清掃係、モーニングコール係、ドアマンと初恋の女性、お見合いに失敗し続ける医者、売れっ子歌手と生真面目なマネージャーなどなど、それぞれが熱い心を抱きながら、どんな新年を迎えることができるのか?



一流ホテルに集う多士済々、グランドホテル形式の形にハマった映画ですが、そこは韓国映画、個性豊かな面々がコメディアン・コメディアンヌ振りを存分に発揮、全員の絡み方も良く出来ていて、少々長いですが最後まで楽しめます、ラストの映画的レトリックは上手、贅沢なキャスティングも楽しみ、

登場人物が多いので出だしは混乱するかもしれませんが、物語は上手にしっかり収束するので、気楽にコメディを鑑賞して大丈夫です、きっとハッピーな新年を迎えることが出来ます、



◆(自宅で鑑賞)「42 世界を変えた男」
(★★★★☆)(2013年米国)(原題:42)
メジャーリーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンの奮闘記

1242

戦後間もない1947年、ブルックリン・ドジャースのGMリッキーは周囲の反対を押し切って黒人選手の獲得を宣言する、当時ベースボールは白人のスポーツ、そんなことは不可能だと思えたが、、、白羽の矢が立った黒人リーグで活躍していたジャッキー・ロビンソン、夢に向かって突き進むジャッキーの前には想像を絶する困難が待ち受けていた、、、



黒人初のメジャーリーガーの艱難辛苦の物語、事実を追いながらの展開なのでやや丹頂になりますが、それでもジャッキーの功績が今から70年ほど前の世界はまだまだ差別と偏見に満ち溢れていました、今や日本人選手も多数活躍するメジャーリーグ、有色人種活躍への道を開いた英雄として背番号「42」はメジャー全チームで“永久欠番”となっているそうです、

ジャッキーへの仕打ちは相当酷いモノです、それを映画にして人々の記憶に刻み込むアメリカ映画界も気骨があるともいえます、忘れてはいけない過ち、日本なら蓋をしてしまうんだろうな、ハリソン・フォードの役作りが凄い!!怪演、

(★★★★!)(2020年米国)(原題:Just Mercy)
こちらは黒人冤罪事件、無実の黒人男性を救い出す新米弁護士

12黒い司法

1980年代のアラバマ州、白人女性が惨殺された事件で黒人男性ウォルターが逮捕される、証拠は当時他の事件で逮捕されていた男の目撃証言のみ、新米弁護士のブライアンは警察や検察の執拗な嫌がらせを受けながらも、不当な捜査や証拠捏造を次々と覆していく、それでもウォルターの死刑判決は覆らない、、、



40年ほど前のアメリカでのお話、おそらくこういう黒人冤罪事件が巷に溢れていたんだろうなと思わせる内容です、なんともやりきれない時代ですが、それをこういうカタチで白日の下にさらすアメリカの民主主義の理想の高さ、そして、その反動がトランプの白人至上主義のうねりに、揺れ動き続けているアメリカの民主主義の苦悩、



◆(自宅で鑑賞)「ハイドリヒを撃て!」
(★★★★☆)(2016年チェコ・英国・フランス合作)(原題:Anthropoid)
ナチス占領下のプラハで実行されたナチス高官ハイドリヒ暗殺計画

12ハイドリヒを撃て

1941年冬、ナチス占領下のチェコスロバキアの首都プラハへ工作員が投入される、目的はナチス高官ハイドリヒの暗殺、レジスタンスの協力を得ながらプラハ市内に潜伏、暗殺計画を練りついに実行に移すが、、、その後のナチスの報復は熾烈を極め、工作員達は窮地に追い込まれる、



これまた史実の映画化、勇ましい特殊部隊の大活躍!といったアクション映画ではありません、息を潜めて闘う人達の物語、訓練を受けたとはいえ、人に向けて発砲することさえためらう工作員、それでもなんとか計画実行まではこぎ着けるのですが、、、

市民に紛れ混み活動する工作員やレジスタンス協力者が息を潜めてチャンスを待つ展開はサスペンスに溢れています、自国を侵略される恐怖は島国では理解できないかも、、、欧州では今も繰り返されている愚行でもあります、



◆(自宅で鑑賞)「ウォンテッド」
(★★★?☆)(2008年米国)(原題:Wanted)
世界平和のための暗躍する謎の組織“フラタニティ”だが

12ウォンテッド

ウエスリーは事務仕事にうんざりする平凡な毎日、が、スーパーで突然謎の男に銃撃され、さらに謎の女フォックスに窮地を救くわれる、フォックスに連れて行かれたのは1000年以上続く暗殺組織“フラタニティ”の本部、そこでウエスリーの父親が組織きっての暗殺者で、数日前に殺されたことを知る、父親譲りの能力を持つウエスリーは復讐のためのミッションをこなすようになるが、、、



異色のアクション映画?1000年前から続く組織は特殊能力を持っているので、あれやこれやの必殺技が出てくるあたりはどうなの?これは?という感じ、それでも物語は最後まで気が抜けない展開、ラストのどんでん返しも楽しめます、

モーガン・フリーマン、アンジェリーナ・ジョリーが共に汚れ役で魅せてくれます、荒唐無稽なアクション映画なので休日のお気楽に鑑賞にぜひ、



今年の映画鑑賞記事はここまで、

2023年も映画を楽しみましょう!



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2022年12月19日

やはり師走は忙しい、先週も4本、女性の映画「母性」「燃ゆる女の肖像」、薬物依存「ビューティフル ボーイ」コミック「ブラック アダム」

◆(自宅で鑑賞)「燃ゆる女の肖像」
(★★★★!)(2019年フランス)(原題:Portrait de la jeune fille en feu)
貴族の娘と、その娘の肖像画を描く画家の恋、完成度の高い秀作

12燃ゆる女の肖像

18世紀のフランス、画家のマリアンヌはお見合い用の肖像画制作の依頼を受け孤島にある屋敷に向かう、その屋敷には母親と娘エロイーズ、そして家政婦のソフィしかいない、エロイースは母親が勧める縁談に乗り気では無く、お見合い相手に送る肖像画の制作にも協力しようとしない、散歩相手として来たと偽り、散歩をしながらエロイーズをさりげなく観察、密かに肖像画を描くマリアンヌ、ついに肖像画は完成するがエロイーズは頑としてその画を認めない・・・



冒頭からエンディングまで独特の淡々とした語り口、無駄な台詞がそぎ落とされたエッジの効いたカメラはジッと見つめるように4人の女性を映し続けます、意味のある男の台詞は皆無、女性目線の女性のための女性の恋と苦悩の物語、

18世紀、まだ写真がなかった時代、見合い相手には肖像画を送ったようですね、エロイーズは修道院で暮らし、母親の決めたミラノの男の元へ嫁ぐ、海に入ったこともなく、恋をしたこともない不機嫌なエロイーズと、画家の家系に産まれたエリートのマリアンヌ、家政婦ソフィは地元の村の娘、3人は期待通りに自己主張しながら、男社会への反骨と女性の幸せについて語ってくれます、邦題は上手、

必見!



〇(スクリーンで鑑賞)「母性」
(★★★?☆)(2022年日本)
こちらも母と娘のとって怖い愛憎物語、湊かなえ原作

12母性

ルミ子と娘の清佳、ルミ子は母親に気に入られる事を最優先に生きてきた、清佳にもそういう躾をしている、しかし事故でルミ子は母親を眼前で失い、夫の実家に同居する事になる、姑の執拗なイジメに耐えるルミ子を見かねた清佳は反発するが、逆にルミ子にたしなめられる、そんなある日、清佳は父の秘密を知ってしまう、、、



こちらも女性目線の物語、物語の中ではオトコはまったく機能していません、意味あるオトコの存在はごく僅か、母親こそが物語を動かします、3人の母親が異なる母性で子どもたちにあたっていく物語、愛しているには違いないのに、愛を分かち合えない悲劇、とっても湊かなえ的ワールドなのですが、、、

どうも、没入できない映画でした、筋立てもレトリックも巧みなのに、、、物語がささくれ過ぎているからなのか?それともワタシが機能しないオトコだからか、、、

高畑淳子がとんでもない存在感を示しています、流石、

(★★★★☆)(2018年米国)(原題:Beautiful Boy)
薬物依存から抜け出せない息子と父親の愛情物語

12ビューティフルボーイ

学業優秀で文学的才能もあるニック、ちょっとした冒険心からドラッグに手を出し泥沼に嵌ってしまう、その異変に気付いた父デイビッドは時に厳しく時に大きな心でニックを窮地から救い出す、がニックは何度もドラッグの泥沼へ堕ちていく、、、



こちらは父親と息子の物語、オトコの物語は情けないほどシンプルで分りやすい、何度も更生の機会を与えられながらドラッグから抜け出せないニックは薬物依存の典型、立ち直って堕ちて、立ち直って堕ちて、と執拗に悲しい場面を観せられますが、、、

これは実話に基づく物語だそうです、父親と息子がそれぞれの体験を書き綴った2冊の本が原作というから驚き、現実はやはり映画のようには完結しない、どれだけ愛情を注いでも実らないこともある、

何度も堕ちるし、何度も時系列が行き来するので集中力が必要、BGMも挿入歌も独特の感性、綺麗な映像もある、それでも薬物依存の怖さは消えません、



〇(スクリーンで鑑賞)「ブラックアダム」
(★★★?☆)(2022年米国)(原題:)
DCコミックス映画、先週は他作品が重いのでお気楽鑑賞に

12ブラックアダム

5000年の眠りから覚めた破壊神ブラックアダムを成敗するためにJSA(ジャスティスソサエティ オブ アメリカ)のヒーロー達が結集、ブラックアダムに挑むが、、、真の敵は、、、



「バットマン」もスクリーンでは観ない、DCコミックスはほとんど観てない、でも、ついうっかり観ちゃいました、

コミックの世界ですから、まあ、難しいことは考えずに楽しみましょう、主人公にドゥエイン ジョンソンが起用されたことで分りやすくなりました、JSAのヒーロー達とはひと味違うダークヒーローはとってもチャーミング、2時間しっかり楽しめます、

タイトルバック後に次の対戦相手が登場、あのヒーローです、





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2022年12月12日

先週は多忙、劇場へ行けませんでした、なんとか自宅で4本、「漁港の肉子ちゃん」「ジェントルマン」「守護教師」「余命10年」

◆(自宅で鑑賞)「漁港の肉子ちゃん」
(★★★★☆)(2021年日本)
西加奈子原作小説のアニメ化、ほのぼのとした母と娘の物語

12漁港の

田舎の漁港で暮らす菊子と喜久子の母娘、菊子は食いしん坊でだらしなく、すぐに男に欺されるが、憎めない性格で“肉子ちゃん”と呼ばれ街のみんなから愛されている、娘の喜久子は11歳、学校の友だち関係で悩みもあるが肉子ちゃんの愛情をたっぷり受けて育っている、が、2人には大きな秘密があった、、、



食べて食べて太ってオナラして寝て、ブスで天真爛漫な肉子ちゃん、そんな主人公の物語がとってもハッピー、肉子ちゃんを欺した男達以外は悪人が出てこない田舎の漁港、肉子ちゃんと喜久子の秘密もなんとなく想像はつくし、その秘密がこぼれだしてもポジティブ思考で逞しく乗り切っていく喜久子とどこまでも優しい肉子ちゃん、市井に生きる生身の人達の物語、

珍しく原作を読んでいた小説のアニメ化、小説とはまた違う魅力的な映画になっています、明石家さんまプロデュース、肉子ちゃんを演じる大竹しのぶは流石の貫禄、素晴らしい演技です、娘喜久子はキムタクと工藤静香の長女Cocomi、他に吉岡里帆、マツコ・デラックス、山西惇、ゆりやんレトリヴァと豪華な声優陣、さらにそれを上回る豪華なアニメ制作陣、上質な秀作となっています、

ほんわかした休日の鑑賞が似合います、



◆(自宅で鑑賞)「ジェントルマン」
(★★★★☆)(2017年米国・英国合作)(原題:The Gentlemen)
麻薬ビジネスを巡っての悪党達の虚々実々の駆け引きとその顛末

11ジェントルマン

強大なマリファナビジネスを自らの才覚で築いたミッキー、そのビジネスを売却して引退することを決める、その利権を巡ってユダヤ人豪商が買収に乗り出す、そこに絡むチャイニーズマフィア、下町の不良、果ては偶じょうしつん発事故で死んだ青年の復讐にロシアンマフィアまで絡んでくる、それを追うゴシップ誌や私立探偵、事態は2転3転、予想不能な展開に、、、



ショッキングな冒頭、欲に駆られた私立探偵と組織のやり手参謀とのやりとりを追うカタチで物語が進行、2転3転する事態を効果的に切り取っていく手法が成功しています、面白い、

シナリオが巧妙すぎるし、登場人物が多いので、各勢力の動向を見失わないように集中して鑑賞する事が必要、というかなり疲れる映画でもあります、スクリーンでも鑑賞しましたが、2回目鑑賞でも混乱を避けるために物語に釘付けになる秀逸なサスペンスです、



◆(自宅で鑑賞)「守護教師」
(★★★★☆)(2018年韓国)(原題:The Villagers)
マ・ドンソク主演、地味な小品ながら快調な展開です

12守護教師

ボクシングで名を馳せたギチョル、暴力事件を起こし田舎の高校で体育教師をすることに、
慣れない仕事の中で行方不明になっている同級生を独り探しているユジンと知り合う、学校は家出はよくある話と取り合わず、警察の捜査も一向に進まない、そんな中ユジンが何者かに襲われる、偶然ユジンを助けることになったギチョルは行方不明事件を追わない学校や警察の態度に疑念を抱く、、、



お馴染みマ・ドンソク、元ボクシングのチャンピオンだが他の映画ほど豪腕を振るえる訳ではない、冴えない体育教師の身分で少しずつ事件の真相に迫っていくのは観ていてももどかしい、そこはガツンと行け!!という場面でもストレスが掛かります、事件の真相自体には驚きは無い、でもいつもと違うマ・ドンソクの設定が妙にチャーミングで成功しています、



◆(自宅で鑑賞)「余命10年」
(★★★?☆)(2022年日本)
難病で余命10年と宣告された彼女の恋物語

12余命10年

茉莉は難病で余命10年と宣告されている、生きる事への執着を見せずに淡々と暮らしている茉莉、文章を書くのが好きで出版社でアルバイトも始める、少し病状が落ち着いたある日、気まぐれで高校の同窓会に出席、そこで同級生和人と再会する、上手く生きられない不器用な和人に惹かれ始める茉莉、決して恋はしないと誓っていた茉莉だが、、、



物語の終盤で茉莉が私小説を書き始めます、そしてそれが世の中に出る事にもなるのですが、、、この物語の原作者も難病ですでに他界していることを思うと万感迫るものがあります、哀悼、




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