2021年12月20日

先週は3本、ホラーはあまり観ないのだけれど、、、オススメは「ラストナイト イン ソーホー」、そして「軍艦少年」も。

先週は3本、ホラーはあまり観ないのだけれど、、、オススメは「ラストナイト イン ソーホー」、そして「軍艦少年」も



〇(スクリーンで鑑賞)「ラストナイト イン ソーホー」
(★★★★☆)(2021年英国)(原題:Last Night in Soho)
現代と魅惑の1960年代のロンドンを巡る、でもやはりホラー映画なのです

202112ラストナイトインソーホー

田舎暮らしのエロイーズはファッションデザイナーを夢見てロンドンのソーホーにあるデザイン学校に入学、周りに馴染めず屋根裏部屋の下宿で1人暮らしを始める、その夜エロイーズは夢の中で1960年代のロンドンで生きる歌手志望のサンディと出会う、リアルな夢に刺激を受けるエロイーズだが、ある日夢の中で殺人事件を目撃することになり、、、



現代と1960年代を行き来する物語、とくに1960年代のロンドンはファッショナブルで刺激的、もともと霊感が強いエロイーズは夢の中でサンディに感情移入していくことでファッションデザインにも好影響を与えるのですが、それがエスカレートするにつれサンディの思わぬ一面が出てきます、そしてついには多くの悪霊に追い込まれていきます、

巧みな映画的レトリックでラストまで物語の全容は分りにくい、ワタシはすっかり騙されました、上質のミステリーでもありますが、、、やはり悪霊がガンガン出てくると恐いです^^)

でも、観後感は悪くないのでぜひご鑑賞を!



〇(スクリーンで鑑賞)「軍艦少年」
(★★★★☆)(2021年日本)
軍艦島が見える町、夫婦・父と子・そして母と子の物語

202112軍艦少年

長崎県軍艦島が見える町、ラーメン屋を営む一家3人、母親の小百合が若くして病死、夫の玄海は酒浸りの毎日、一人息子の海星もケンカ三昧の日々、海星を慕う同級生の結はなんとか彼を元の生活に戻そうとするが、ある日町のチンピラに絡まれたことから結がトラブルに巻き込まれてしまう、



「軍艦島」はある程度物語に絡んできますがあくまで素材、物語は親子3人の家族の物語と、同級生との青春ストーリー、主人公が悩みや苦しみを暴力で発散するシーンは「パッチギ!」を連想させました、ケンカのシーンで心が震えたのは久しぶりです、

前半はちょっと欲張りすぎた感ありますが、後半はテンポ良く破綻せずにラストまで持ちこたえました、赤井英和、いつもの関西キャラでなく長崎県人を演じる、ちょっと違和感あるけどエエ役回りは役得、



〇(スクリーンで鑑賞)「モスル あるSWAT部隊の戦い」
(★★★☆☆)(2019年米国)(原題:Mosul)
イラクの都市モスル、ISにより破壊され尽くした街で戦う男たち

202112モスル

ジャーゼム少佐率いるモスル警察のSWAT部隊、街中の銃撃戦で叔父を失った若い警官カーワをその場で部隊に招集、特別任務のためIS支配地域へと向かう、精鋭揃いのSWAT部隊だが激しい戦闘で一人、また一人と戦死、それでも進軍する部隊だが、彼らは政府の命令に反して独自の行動を取っていた、、、

まずはISとの戦闘で破壊され尽くしたモスルの街の風景に驚く、これはロケセットなのか?とにかく戦争はなにもかも奪い去っていくという事実、それでもそこで懸命に生きている市井の人たちもいる、現代戦争の現実を観るという価値はあります、

次々と繰り広げられるリアルな市街戦シーンはサスペンスたっぷり、部隊の真の狙いは、、、ちょっと???ですが、、、観て損は無し、





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2021年12月13日

先週は6本、サスペンス満載の秀作が揃いました、オススメは「パーフェクトケア」、「ウインドリバー」、「悪なき殺人」。

先週は6本、サスペンス満載の秀作が揃いました、オススメは「パーフェクトケア」、「ウインドリバー」、「悪なき殺人」

 



(スクリーンで鑑賞)「パーフェクトケア」

(★★★★☆)(202年米国)(原題:I Care a Lot)

悪徳法廷後見人とロシアンマフィア、正義と悪が逆転、がんばれ!ロシアンマフィア

 
202112パーフェクトケア

法定後見人のマーラ、数多くの高齢者に適切なケアを施し、裁判所の信頼も厚い、が、実は高齢者を施設に送り込み資産を搾り取る悪徳法廷後見人、新たにターゲットにされたのが天涯孤独の資産家ジェニファー、いつものように偽の診断書でジェニファーを施設に送り込み、資産を次々と搾取していくマーラだが、ジェニファーもまた裏の顔を持つ危険人物だった、、、

 

とにかくマーラがとんでもなく悪い奴、巧みな話術と偽診断書などを駆使して裁判所や家族を手玉に取り、高齢者を追い込んでいく様はホント憤慨モノ、この悪事に気付いたロシアンマフィアを応援したくなっている時点で映画的レトリックに見事に嵌っています、巧みな構成と脚本です、マーラとロシアンマフィアとの丁々発止のやりとりも狡猾且つ壮絶、そして大成功の果てにあるのは、、、因果応報、

 
ロザムンド・パイク、これまで良きヒトを演じることが多かっただけに、その完璧な微笑みと瞳に魅入られてしまうのも無理はないか、好演、衣装も最高、

 

観後感はあまり良くないですが、オススメします!

 



(自宅で鑑賞)「ウインド リバー」

(★★★★)(2017年米国)(原題:Wind River)

ネイティブアメリカン居留地で娘の死体が見つかる、真相を追う自然保護局のハンターとFBI女性捜査官

 
202112ウインドリバー

雪深いワイオミング州のネイティブアメリカン居留地でネイティブインディアンの娘の死体が発見される、吹雪の中派遣されてきたFBI捜査官ジェーン、第1発見者のハンターのコリー、部族警察のベンが協力して捜査を開始、娘のボーイフレンドを探して向かった先は、、、

 


とにかく面白い、一面の雪と居留地という設定が生み出す独特の緊張感、シンプルな物語ですが、ネイティブアメリカ居留地、部族警察、FBI女性捜査官とハンターというパーツがすべてツボを押さえています、いろんな伏線もしっかり、

 

上手な映画的レトリックで事件の真相が分ったあとに突然訪れる雪原での決闘とカタルシス、物語よりも設定と映画的レトリックで成功した作品、個人的に2018年年間NO.1に選んだ作品、「悪なき殺人」との比較も興味深いです、

 



(スクリーンで鑑賞)「悪なき殺人」

(★★★☆)(2019年フランス・ドイツ合作)(原題:Seules les betes)

吹雪の夜、一人の女性が失踪、その周辺で起こる偶然の恐怖

 
202112悪なき殺人

フランスの田舎町、吹雪の夜にエブリーヌが車を残して行方不明に、近所に住むアリスは精神的ケアをしてるジョゼフと関係を持っており、夫のミシェルは出会い系サイトに入れ込んでいる、そしてアフリカコートジボアールでこの事件の発端となる悪事が仕組まれていた、少しづつ明るみなる事件の真相、そこにある偶然が悪なき殺人を生み出していく、

 


事件関係者6人の行動を時系列が行き来しながら追い、事件の真相に迫っていく手法、不可解な事象が時系列を遡ることでしっかりと回収されていくのは爽快、地理的に離れたフランスとコートジボアールを結びつける現代社会の暗部もなるほどという感じ、ただ、構図が露わになってからが饒舌すぎた感あり、ラストシーンもやり過ぎ?

 

登場する人物設定が面白いだけに、もっと端的に偶然の悪なき殺人を描いた方が観やすかったかも、そこが「ウインド リバー」との差になっています、

 



(スクリーンで鑑賞)「天才バイオリニストと消えた旋律」

(★★★☆)(2019年イギリス・カナダ・ハンガリー・ドイツ合作)

(原題:The Song of Names)

忽然と姿を消した天才バイオリニストの消息を追跡する幼友達

 
202112天才バイオリニスト

バイオリン教育のためロンドンに下宿する天才的才能を持ったユダヤ人ドヴィドル、その家の息子マーティンと兄弟のように育つ、21歳のデビューコンサートの日、リハーサルのあとに忽然と姿を消す、35年後、マーティンはドヴィドルそっくりの仕草でバイオリンを弾く少年に出会い、ドヴィドルが生きていることを確信、彼の足跡を追い始めるが、、、

 


映画らしい出来映え、35年の歳月の差をマーティンの執念が乗り越えていきます、ロンドンからポーランド、そしてNYへと僅かなヒントを頼りにドヴィドルの足跡を追跡する様はなかなか面白く、推理的サスペンスもあります、

 

最近、とみに多いユダヤ系資本の脚本、映画も資本力で傾向が決まります、それは必然、この映画も当然あの厄災に行き着くことになりますが、そこにあるのは『名前の歌』、この映画の原題でもあります、この歌の存在が史実なのか?確認出来ませんでしたが、本作の核心なので邦題も『The Song of Names』のままの方がよかったと思うし、この映画にふさわしいと思います、

 



(スクリーンで鑑賞)「スパゲティコードラブ」

(★★★☆☆)(2021年日本)

21世紀の東京で息苦しく生きる13人の若者たちの群像劇

 
202112スパゲティコードラブ

SNSでしか友達がいない男、売春する美人、フードデリバリーで走る男、アイドル、シンガーソングライター志望、売れないカメラマン、親の七光りアートディレクター、自殺願望の高校生、失恋した隣人、そして相手を離したくない女、、、上手くいかないけれど必死に生きる若者たちを結びつける偶然、、、

 


とにかく必死に生きている、13人に共通しているのは満たされない心と、それを埋めようと愛を求めていること、分らないでもないけど、で、どうするの?と思いながらも観ていると、、、最後まで退屈せずに観ることができました、物語というよりは台詞と撮影がしっかりしているのかな?

 

「スパゲティコード」とはコンピュータプログラミング用語らしく“複雑に絡みあった状態”を指すようです、たしかに複数の登場人物が絡み合いますが、そこに物語はあまりなくテクニックとしての構図が大半、独立したエピソードの方が多いかな、「悪なき罪」のような綿密な偶然があるわけではありませんでした、

 

それでも、観後感が良いのは監督の力でしょうか、

 



(自宅で鑑賞)「エクストリームジョブ」

(★★★☆☆)(2019年韓国)(原題:Extreme Job)

麻薬捜査班がフライドチキン屋を営みながら張り込むことに、コメディ+アクション

 
202112エクストリームジョブ

失態続きの麻薬捜査班、失点を取り返そうと麻薬組織王のアジト向かいのフライドチキン店を買い取って張り込むことに、偽装営業のつもりがこのフライドチキンが大当たり、連日大入満員となり、張り込みそっちのけで店の運営に精を出す捜査班のメンバー、そんな時、大きな麻薬取引が行なわれるという情報が入る、、、

 


とにかく韓国刑事物らしくハチャメチャな展開なのに、気持ちはとってもシリアス、途中ちょっとこれはどうなんだ?これって面白いのか?という気分にさせられますが、ラストに向かってまっしぐら、最後はスカッと終わってくれます、

 

劇中のフライドチキンが美味しそうで、鑑賞後、チキンが食べたくなりました^^)

 

 



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2021年12月06日

先週は4本、ヒリヒリとしたサスペンス3作「パワーオブザドッグ」、「ミスティック・リバー」、「JOINT」

先週は4本、ヒリヒリとしたサスペンス3作「パワーオブザドッグ」、「ミスティック・リバー」、「JOINT」



〇(スクリーンで鑑賞)「パワー オブ ザ ドッグ」
(★★★★☆)(2021年イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ合作)(原題:The Power of the Dog)
1925年、モンタナ州の牧場、不安定でスリリングな人間ドラマ

202112パワーオブザドッグ

モンタナ州で牧場を経営する粗野な兄フィルと人の良い弟ジョージ、ジョージは地元レストランの未亡人ローズと結婚、連れ子の線が細いピーターとの4人の不安定な生活が始まる、粗野ながら繊細で才能豊かな兄フィルはピーターを自立した男に育てようと、母親離れの指南を始めると2人の間に不思議な信頼関係も生まれてくるのだが、、、



不安定な人間関係が生むスリリングで静かなサスペンスが全編に流れています、兄フィルとカウボーイ達の馬に乗る生活、弟ジョージは自動車に乗るビジネスマン、1925年という時代の変わり目で多様な価値観が交錯する中、兄弟、兄と弟の妻、母と息子、兄と息子、すべての関係が恐いくらい不安定、粗野なフィルの振る舞いが徐々にピーターへの暖かい目に変わっていく様が救いですが、、、

ラストまで大きな事件は起こりません、しかし、思わせぶりな心象シーンや伏線満載、フィルの見た目と違う繊細な性格に比べ、実は一番強固な意志を持って行動していたのは、、、ここではネタバレ禁止!

ぜひ、鑑賞オススメします、Netflix制作の映画なのでNetflixでも視聴出来るみたいです、

(★★★★☆)(2003年米国)(原題:Mystic River)
イーストウッド監督作品、違う人生を歩んできた幼なじみ3人の人生が交錯した時

202112ミスティックリバー

幼なじみの3人、ジミーは裏社会で、ショーンは刑事に、そしてデイブは25年前のある事件で心に傷を負いひっそりと暮らしていた、そんなある日、ジミーの娘ケイティが死体で発見される、その夜、デイブは血が付いたシャツで帰宅、妻はデイブを庇おうするが、次第にケイティ殺しの疑念が湧いてくる、事件を捜査することになったショーンは徐々に真相に近づいていくが、、、



イーストウッド監督らしいかっちりとした組み上がり、25年前の事件と現在の3人の生活がモザイクのように交錯、徐々に3人の真の姿が露わになってきます、すっかり大人の世界にまみれた3人、子供時代の絆は大人になった今もあるのか?あって欲しいという願いとは裏腹に、モザイクを組むパーツが少しズレたことで事態は一気に加速、、、

ギリギリのところで暴発を避けられそうな期待感を上手に終盤まで持続、犯人の伏線もしっかり貼ってありましたが、イーストウッド監督作品に多い少し苦い観後感、うむ、、、

でも、やはりイーストウッドの作品は面白いです、



〇(スクリーンで鑑賞)「JOINT」
(★★★☆☆)(2020年日本)
現在の日本の裏社会犯罪をリアルに描くシン任侠映画?

202112JOINT

刑期を2年で終え出所した半グレの石神、1年間工事現場で働ききれいな金を作り、名簿ビジネスやデジタルビジネスへの投資で裏社会を利用しながら、まっとうなビジネスマンへの転身を狙うが、ヤクザや可愛がっていたチンピラとの繋がりを断ち切れずに、ヤクザの抗争に巻き込まれていく、、、



なんとも分りにくい映画でした、予備知識無しで鑑賞、暗い画面、聴き取りにくい台詞、同じような顔とナリの裏社会の人間たち、短いシークエンスで今の裏社会の現実が次々と出てきて混乱しますが、後半は物語の輪郭が少しハッキリしてきます、

デジタル化した裏社会のシノギ(収入源)の多様化にちょっとビックリ、そして、一度関わるとカタギには戻れない裏社会、普通の生活のすぐ傍にこういう社会があるという怖さに緊張感があります、

新人監督、新人俳優、ちと粗い映画ではありますが、それなりに最後まで緊張感を持続した力量は今後に期待、

(★★★☆☆)(1999年日本)
平成ガメラシリーズ3作目、1997年に完成した現JR京都駅が対決の場

202112ガメラ3

ギャオスを東京で撃退したガメラだが、その際に死傷した数万の人間がいた、両親を失った少女綾奈は奈良の親戚に引き取られていたが、裏山の洞窟で見つけた不思議な生命体と同化、イリスとなって両親の仇を取るためガメラと闘うことになる、、、



「ガメラ2」が自衛隊vs怪獣だったのに対し、今作はサイキックな登場人物が物語を引っ張ります、「ガメラ1」の主人公たちも登場、




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2021年11月29日

先週は4本、スクリーンは秀作揃い、壮絶な「モーリタニアン」、ウォーミングな「梅切らぬバカ」、「花椒の味」

先週は4本、スクリーンは秀作揃い、壮絶な「モーリタニアン」、ウォーミングな「梅切らぬバカ」、「花椒の味」



〇(スクリーンで鑑賞)「モーリタニアン 黒塗りの記録」
(★★★★☆)(2021年英国)(原題:The Mauritanian)
9.11同時多発テロの容疑者追及の過程での米国の暗部をえぐる

202111モーリタニアン

モーリタニア人モハメドゥは9.11同時多発テロの容疑者としてキューバのグアンタナモ基地に拘留される、身の潔白を主張するモハメドゥへの米国の尋問は執拗を極める拷問と虐待が10数年続く、人権擁護弁護士のナンシーはテロリスト擁護者として非難を浴びながら弁護を引き受ける、軍はモハメドゥを死刑にするため告訴の準備を始めるが、、、



米国の拷問と虐待が凄まじい、米国にとって、いや世界的にも21世紀最大の悪夢となった9.11同時多発テロ、その関与者への刑の執行は国と国民の必然の欲求であることは容易に想像できる、そのために数100人の容疑者が逮捕されたようですが、実際に有罪になったのはほんのわずか、複雑化した現代社会での正義の執行もまた困難、それでも人権擁護の視点でこういう映画を作る気概には敬意を表すべきでしょう、

日本でも同様の事件が発生したら、やはり正義の名のもとに社会的リンチが行われるような気がします、しかし、もし容疑者が罪なき人だったら、、、ネット社会の脆さをしっかり認識しての対応が肝要、

弁護士役にジョディ・フォスター59歳、「タクシー・ドライバー」から45年ほど、感慨深く鑑賞しました、



〇(スクリーンで鑑賞)「梅切らぬバカ」
(★★★★☆)(2021年日本)
自閉症の中年息子をこよなく愛する母親の強くしなやかな心持ち

202111梅切らぬバカ

珠子は自閉症の息子“忠さん”との2人暮らし、忠さんの立ち振る舞いに不安を覚えるご近所さん、隣に引っ越してきた3人家族、忠さんを支援しようとする人たち、様々な人たちとのかかわりの中で、常に忠さんを護り愛し続ける珠子、しかし、自分の死後、忠さんが一人で暮らしていくことに不安を覚え、知的障害者のグループホームへ忠さんを入所させることにする、、、



自閉症の方への無理解や偏見の中、知的障害者の普通の日常を描きながら母子の結びつきを上手に表現、少しのふれあいで理解を深めたり、やっぱり社会からはじき出されたり、それでも息子を愛する母、社会との関りがすべて上手くいくわけではありません、母親が亡くなった後、忠さんはどう生きていくのか?映画の中にも押しつけの答えはありません、ただ、次の1日が始まるだけ、

加賀まりこをキャスティングした時点で、この映画はほぼ成功していたような気がします、流石の貫禄、塚地武雄も好演、お隣の息子が正直者でヨカッタ、



〇(スクリーンで鑑賞)「花椒(ホアジャオ)の味」
(★★★★☆)(2019年香港)(原題:花椒之味 Fagara)
香港、台湾、重慶、3姉妹が味わう中国の多様性と鍋料理

202111花椒の味

香港で鍋料理店を営む父が急死、一人娘のユーシューが遺品を整理していると父の携帯電話に自分の知らない2人の女性との通話記録が、2人は自分の異母妹、父はそれぞれの娘との交流を続けていた、葬儀で初めて顔を合わせる3姉妹、鍋料理店は店主を失い上手くいかなくなるが、ユーシューは店を継ぐことを決意、妹たちも手伝うことになる、、、



タイトルの花椒の味、鍋料理店が舞台とくれば、日本ならグルメ映画で決まり、レシピとかが映画のコアになるところですが、このグルメ映画というジャンルは他国には無いようです、この映画も3姉妹の生き様の物語、鍋料理レシピも絡んできますがわりとアッサリ解決、肩透かし^^)中国本土、香港、台湾と政治体制が違う3つのエリアに住む3姉妹という設定がスパイス^^)、

花椒(ホアジャオ)は山椒の仲間で強い辛みが特長だそうです、字幕では『火鍋』という料理、解説では『麻辣鍋』という料理の決め手になる香辛料のようです、

(★★★☆☆)(1996年日本)
平成ガメラシリーズ2作目、最強の多様性生物レギオンが宇宙から襲来

202111ガメラ2

北海道に隕石が落下、直後から電話、通信に異変が、そして札幌地下鉄構内に謎の生物が出現、小型レギオンは市街地に花を咲かせ繁殖を図るがガメラが出現、花を破壊するも小型レギオンの攻撃にガメラも苦戦、、、



自衛隊全面協力、物語が結構上手に作られていて見ごたえのある1作、これもCG化した「シンガメラ2」で見てみたい、




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2021年11月22日

先週は豊作、オススメは「ラッキー」、「老後の資金がありません」、細野さんの洒落なステージ「SAYONARA AMERICA」♪、「テロ、ライブ」も

先週は豊作、オススメは「ラッキー」、「老後の資金がありません」、細野さんの洒落なステージ「SAYONARA AMERICA」♪、「テロ、ライブ」も



◆(自宅で鑑賞)「ラッキー」
(★★★★☆)(2016年韓国)(原題:Luck-Key)
冷酷非情な殺し屋が記憶喪失で他人と入れ替わり!実は暖ったかコメディです

202111ラッキー

絶対に失敗しない冷酷非情な殺し屋ヒョンウク、依頼を遂行した後の銭湯で石けんを踏み昏倒、記憶喪失になる、偶然居合わせた売れない役者ジェソンはロッカーの鍵をすり替え、ヒョンウクに成りすます、現金、豪華なマンション、高級車を手に入れたジェソンはこの世の春を満喫、同じマンションに住む女性との恋に陥ちるが、その女性はなんとジェソンのターゲットだった、、、



冒頭、完璧に委託殺人をこなすヒョンウク、冷酷非情な殺し屋のイメージを強烈に植え付けられますが、その後は記憶喪失になり、取っても良い人に^^)自分の職業と思い込み一徹に俳優業に打ち込み、一方のジェソンは殺し屋稼業に巻き込まれピンチに、とコメディタッチの語り口が成功しています、

実は序盤から重要な映画的レトリックが仕込まれていて、中盤の2人の恋物語もしっかり伏線として生きてきます、なかなか上手な脚本ですが、コアのレトリック、他の映画でも観たような気がするのですが、、、ワタシの勘違いかな?

とにかく、気楽に楽しめるエンターテーメント・ムービー、オススメです、


〇(スクリーンで鑑賞)「老後の資金がありません!」
(★★★★☆)(2021年日本)
シリアスな老後のお金のお話が、ハートフルな上質コメディに仕上がりました

202111老後の資金

章と篤子夫婦、父親の死、娘の結婚と出費が続く中、章の会社が突然倒産、篤子も非正規雇用の仕事を解雇される大ピンチに、さらにホームに入っていた母親芳乃を引き取ることになる、浪費家の芳乃に振り回されながらもなんとか老後資金を確保しようと奮闘する篤子だったが、、、



だれもが不安を抱えている老後の生活と資金、もっとドライなスペック映画かと思いきや(予告編が良くない)、中盤以降に登場人物が躍動、ときにホロリとさせられる上質なコメディが出来ました、

とくに草笛光子さんは流石の貫禄、浪費家の母親を巧みに演じて映画的サスペンスを生み出しますが、それもエンディングへの伏線、お見事でした、

天海祐希コメディアンヌの才能全開、草笛との掛け合いは笑えます、松重豊嵌り役、観後感由!!



〇(スクリーンで鑑賞)「SAYONARA AMERICA」
(★★★★☆)(2021年日本)
細野晴臣の2019年コロナ前のライブステージ、時代が変わったのを痛感、

202111SAYONARA

2019年アメリカNYとLAでのライブステージを中心に構成されたドキュメンタリー、細野晴臣の音楽センスがビンビンと伝わってくるクールな映画です、



音楽映画がひしめく中、やはりこの人のステージを観てみたかったのでチョイス、細野さんのライブステージはフォーク系ジャンボリーで2度ほど観ただけ、レコードもほとんど聴いたことはないですが、やはりそのセンスが抜群、今回の2ステージの楽曲はホントに楽しい、音楽とはこんな風に楽しんで付き合えば良いんだ!という極上のプレゼンテーションでした、

細野晴臣、天賦の才能、好きです、



◆(自宅で鑑賞)「テロ、ライブ」
(★★★★☆)(2013年韓国)(原題:The Terror Live)
ラジオ番組の電話トークから始まる爆破テロ、緊張の98分の結末は・・・

202111テロライブ

TVキャスターの地位をスキャンダルで失ったユンはラジオ番組の電話トークでテロ予告を受ける、イタズラと切り捨てたところ、予告通り麻浦大橋が爆破される、キャスター復帰の特ダネと直感したユンは犯人との通話を利用しようとするが、犯人は用意周到にテロを実行、ユンは逆に窮地に追い込まれる、、、



最後までラジオ番組制作ブースで繰り広げられるテロ・サスペンス、エスカレートする犯人の行動、なんとか犯人をコントロールしてTVに復帰したいキャスター、テロを出世に利用するプロデューサー、テロリストとは取引しない政府、4者の思惑が悲劇的な結末に向かって突き進みます、

韓国映画らしくこれでもかこれでもかと事態は悪化、犠牲者もどんどん増えていく、全編に漂うサスペンスは尋常ではない、98分という尺もちょうど良い、



〇(スクリーンで鑑賞)「エターナルズ」
(★★★☆☆)(2021年米国)
全滅した「アベンジャーズ」の後継映画、新たなるヒーローもお悩み満載です

202111エターナルズ

古来から人知れず人類を護ってきた10人のエターナルズ、絶滅したと思われた敵が再び姿を現したことから、エターナルズが招集される、進化し凶暴化した敵と戦う中で、エターナルズが地球に派遣された真の目的が判明、思わぬ事態にエターナルズの団結にもヒビが入る、、、



マーベラスが放つ新キャラクターシリーズ、豪華絢爛、多種多様の特殊能力で地球を護るヒーローたち、と思いきや、最近のアメリカンヒーローには苦悩と絶望が付きもの、思わぬ苦境でヒーローたちも内輪揉め、ま、こんな感じで波瀾万丈の物語がこれから続くと思います、壮大な世界観もCGも、それだけではもう感動を生まない、これからも展開次第かな、

多様性の社会の象徴、10人のうち白人は3人のみ、アフリカ系、アジア系、プエルトリコ系他多様、同性愛、発達障害など、ヒーロー映画も世相を映す鏡の時代、

(★★★☆☆)(1995年日本)
復活した『平成ガメラ3部作』の第1作、宿敵ギャオスとの闘い、

202111ガメラ

九州の小島の住民が全滅、謎の生物ギャオスの仕業、同じ頃太平洋上に現れた浮遊物はガメラ、人を食すギャオスを捕獲しようとするがガメラがギャオスを駆逐、逃げ延びたギャオスは巨大化して東京で再びガメラと相まみえる、



怪獣映画復興の先駆け作品、でも1995年、まだ着ぐるみなんだね、でも東宝ゴジラとは違う魅力がある好きな作品、

CGに移行した「シンガメラ」が観てみたいです、





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2021年11月15日

先週は4本、オススメは「そして、バトンは渡された」、しっかりとした映画作り、そして泣かされます

先週は4本、オススメは「そして、バトンは渡された」、しっかりとした映画作り、そして泣かされます



〇(スクリーンで鑑賞)「そして、バトンは渡された」
(★★★★☆)(2021年日本)
風変わりな家族と共に明るく愛情深く生きる人たちの物語

202111そしてバトン

女子高生の優子は気弱な父親?の森宮さんとの2人暮らし、学校ではいつもニコニコ笑いながら同級生からの嫌みをやり過ごしている、一方泣き虫みぃたんの父親は夢を追って妻と娘を置いて単身海外へ、妻の梨花はみぃたんを溺愛、ピアノを弾きたいというみぃたんの夢を叶えるため資産家と再婚するが、しばらくして梨花も姿を消してしまい、みぃたんは独り置き去りにされてしまう、、、



原作は読まずに鑑賞、本屋大賞を受賞した原作がしっかりしているのでしょう、映画もしっかり出来上がりました、前半は映画的レトリックで優子とみぃたんの2人の日常が描かれていきます、最初の映画的レトリックは、ま、そうだろうな、とすぐに察しが付きますが、その次に用意されているレトリックは最後まで姿を見せません、これもまた予感の通り、終盤での伏線の回収がしっかりしていて、さらに善意の収束に泣かされました、

大きなスクリーンで観たのですが、撮影、メイク、衣装すべてヨカッタ、スタッフもしっかりされています、永野芽郁のアップをみているだけでも楽しめる映画です^^)

永野芽郁流石の主演演技達者、田中圭、石原さとみ、みなさん好演です、観後感良し、



〇(スクリーンで鑑賞)「ユージュアル サスペクツ」
(★★★★☆)(1995年米国)(原題:The Usual Suspects)
偶然出会った5人の犯罪常習者が謀略に巻き込まれるクライムサスペンスの名作

202111ユージュアルサスペクツ

麻薬密輸船が爆破され多くの犠牲者が出る、真相を探るためにただ一人の生き残りキントを尋問するNY警察、5人の犯罪常習者(Usual Suspects)が結託して行なった犯罪が次々明るみになり、さらにその黒幕としてカイザー・ソゼという謎の人物の浮かび上がる、カーザー・ソゼを追っていたFBIも加わり事件の真相とソゼに迫るが、、、



26年前の作品を映画館の午前10時上映で鑑賞しました、たぶん初演時にスクリーンで鑑賞しているのですが、導入部はまったく観憶えなし、中盤のカリフォルニアでの麻薬取引のシーンは観憶え有り、そしてラストのネタばらしを観てやっと想い出しました^^)そうそう、こういうお話でしたよね、

全編映画的レトリックで構成されています、予感はあるものの、ラストのネタはなかなか見破れません、まぁ上手に騙されたなあ~と楽しんで鑑賞しましょう、

(★★★★☆)(2018年フランス・ベルギー合作)(原題:Au bout des doigts)
パリ郊外に住む貧しい青年と、彼の才能に賭ける音楽ディレクターの物語

202111パリに見いだされたピアニスト

パリ郊外に住むマチューの楽しみはパリ北駅の駅ピアノを弾くこと、音楽ディレクターのピエールはマチューの才能を見出す、しかしマチューは悪い仲間と盗みを働き逮捕される、ピエールの計らいで音楽学校での社会奉仕を命ぜられたマチューはエリート学生たちの中でピアノの才能を開花させていくが、格差の壁がマチューを翻弄する、、、



他の映画で何度も出てきますが、“パリ郊外”というのは貧困のキーワードなんですね、優雅なパリジェンヌ(富裕層)が住んでいるのは“パリ市内”のようです、今作でもエリート学生、恋人、音楽家と、別世界で生きている人たちの間でマチューが苦しみます、何度も折れそうになるマチュー、最大の敵は思わぬところに潜んでいましたが、恋人との出会い、ラストでの悪い仲間の描写が清々しい、

ピアノ映画って多いですが肝はやはり演奏シーン、今作でも俳優本人の指の動きにリアリティがあるのが成功の基本でした、



〇(スクリーンで鑑賞)「燃えよ剣」
(★★★☆☆)(2021年日本)
副長土方歳三の生涯を軸にした新撰組列伝

202111燃えよ剣

武州多摩の農家の出の土方歳三は近藤勇、沖田総司などと共に京に入り会津藩の庇護の元長州などの倒幕派との戦いに明け暮れる、池田屋事件で一躍名を上げた新撰組だが世の中の流れは一気に倒幕へと進み、鳥羽伏見の戦いで敗れた幕府軍と共に新撰組も敗走を続ける、



ずいぶん昔にTVドラマ「燃えよ剣」(1966年)を熱心に観ていた記憶があります、栗塚旭さん主演、懐かしい、

今でも熱狂的ファンが多い新撰組、その強烈な個性と怒濤の流転、悲劇的な展開と、カリスマ的要素をすべて持った希有な集団であることは間違いなし、「燃えよ剣」の秀逸なところは一人一人の隊士の個性と顛末に光を当てているところ、今作でも魅力的な隊士が続々登場します、山南敬助、藤堂平助、永倉新八、斉藤一などなど、

しかし、新撰組の始末は内紛の歴史であるのもたしか、清河八郎、芹沢鴨、伊東甲子太郎など歴代首班局長の謀殺はもちろん、厳しい隊律での切腹、スパイの疑いでの処刑と、池田屋事件の功績がなかったら結構生臭い話しか残らなかったかも、

岡田准一の切れ味抜群のアクションが映画をしっかり締めていますが、一話完結での「燃えよ剣」ではどうしても総花的になってしまう、京都時代に絞ってもヨカッタかも、




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2021年11月08日

先週はバタバタで3本のみ、オススメは「由宇子の天秤」、なんとも云えない矛盾と苦悩、「ビースト」も同じような破綻劇

先週はバタバタして3本のみ、オススメは「由宇子の天秤」、なんとも云えない矛盾と苦悩、「ビースト」も同じような感覚の破綻劇、


〇(スクリーンで鑑賞)「由宇子の天秤」
(★★★★☆)(2020年日本)
いじめ事件の真実を暴こうとするドキュメンタリー作家の身に降りかった厄災とは

202111由宇子の天秤

木下由宇子、信念を持ってドキュメンタリー映像を作る作家、ドキュメント発注元の会社と衝突しながらも、いじめ事件の真相を暴くため関係者に執念の取材を続ける、そんな時、由宇子の父親が経営する学習塾の生徒の妊娠が判明、生徒の庇護者として振る舞う由宇子だが、思わぬ真実が目の前に現れる、、、



事前情報あまりなく鑑賞、ドキュメンタリー作家とマスコミとの軋轢葛藤がテーマと思いきや、もっと重いテーマの映画でした、主人公に降りかかった厄災がそのままドキュメンタリー作家としての由宇子のアイデンティティに関わるという巧みな設定、この時点で相当の確度でこの映画は成功しています、

さらに常にクールな(この映画の)カメラ視点と由宇子の高潔な作家魂が相まって、映画的サスペンスが最後まで溢れる作品となりました、破綻していく由宇子の生き様、したたかな女子高生、このまま真実は葬り去られるのか?と思った瞬間、由宇子の感情が暴発します、

必見、



〇(スクリーンで鑑賞)「ビースト」
(★★★★☆)(2019年韓国)(原題:The Beast)
連続殺人犯を追い詰める2人の敏腕刑事だが,思わぬことからほころびが拡がっていく、

202111ビースト

バラバラ殺人事件を担当する2班ミンテ、捜査の進展がないため1班のハンスも投入される、かつてコンビだった2人だが今は手柄を上げるために張り合っている、死体が発見され捜査が進展、連続殺人事件の様相が浮かび上がる、ハンスの独特の嗅覚が殺人犯を追い詰めていくが、情報提供者の思わぬの行動でハンスは窮地に、ミンテはハンスの窮地を知ると、、、



ハンスの独特の捜査勘が秀逸、しかし、その間の不正捜査が事態を複雑にします、韓国映画らしくこれでもかこれでもかと事態は深刻化、最後はそこまでやりますか?という感じ、

ちとやり過ぎの感がある結末、観後感は余り良くない、それでも最後まで緊張感ある展開で★を伸ばしました、しかし、あの犯人は怖いな、、、



◆(自宅で鑑賞)「Pushing Tin」
(★★★☆☆)(1999年米国)(公開時邦題:「狂っちゃいないぜ」)
世界一過密な空を仕切るNYの航空管制官の物語、パニック映画ではありません

202111Pushing tin

NY航空管制局の敏腕管制官のニック、世界一過密なNYの空を取り仕切っている、そんな時、地方管制局からやってきたラッセル、風変わりなラッセルだが彼もまた一流の管制官だった、なにかとラッセルと張り合うニックだが、うっかりラッセルの美人妻メアリーと関係を持ってしまう、、、



宣伝文にはスカイパニックとか書いてありますが、基本は男と男とその妻たちの物語、緊張状態が続く航空管制官の奮闘と苦悩、そして緊張感の開放の矛先がちょっと意外な方向へ、、、

原題の『Pushing Tin』は、管制官が航空機に指示を出す時に手元のスイッチを押す仕草のことかな、

アンジェリーナ・ジョリーが若い!





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2021年11月01日

先週は秀作揃い、オススメは「きみに読む物語」「キャッシュトラック」「ベイビードライバー」

先週は秀作揃い、オススメは「きみに読む物語」「キャッシュトラック」「ベイビードライバー」

◆(自宅で鑑賞)「きみに読む物語」
(★★★★☆)(2004年米国)(原題:The Notebook)
生涯愛を貫く青年とその妻、二人の半生記の物語

202110きみに読む物語

老人ホームで読み聞かせをしているデューク、認知症のカルフーン夫人は気乗りしない様子だが、徐々にデュークの読む物語に興味を抱くようになる、それは1940年代の南部、労働階級の青年ノアと富豪の令嬢アリーとの波瀾万丈の純愛物語だった、、、



現代と1940年代~60年代の2つの物語が進行していきます、もちろん映画的なレトリックが仕込まれています、まあ、そうだろうなあと見当はつくのですが、それでもラスト近くの2つの物語の終幕には心打たれます、

デューク役はジャエームズ・ガーナー、云われなければ分らなかったなあ、「ロックフォードの事件メモ」が懐かしい、



〇(スクリーンで鑑賞)「キャッシュトラック」
(★★★★☆)(2021年米国・英国合作)(原題:Wrath of Man)
現金輸送会社に凄腕ドライバー登場、強盗撃退、しかし彼の本当の狙いは、、、

202110キャッシュトラック

現金輸送車を襲う事件が多発、そんな中、新人のパトリックが入社、正体不明のパトリックだが強盗6人を撃退する活躍、一気に株を上げる、しかし彼の周辺にはFBIの捜査の手も、過去を隠して現金輸送会社に就職したパトリックの真の狙いは、、、



「ワイルドスピード」のジェイソン・ステイサム主演、沈着冷静な判断、正確無比な射撃、どんな襲撃にもひるまず敵を倒していくの無敵のパトリックは痛快、パトリックの真の狙いが分ってからは,過去と現在のシーンが交錯しますが、説明臭くならずに上手に編集されています、最後の襲撃での銃撃戦は壮絶、

ただ、人が死にすぎる、警備会社の同僚も次々と倒れていく、、、それでも観後感はまずまず、B級感も漂いますが、最後までしっかり追い切れているので★伸びました、



◆(自宅で鑑賞)「ベイビードライバー」
(★★★★☆)(2017年米国)(原題:Baby Driver)
やむなく強盗の運転手を引き受けた青年、恋と組織との狭間で出す答えは??

202110ベイビードライバー

抜群のドライブテクニックを誇る通称ベイビー、ひょんな事からことから組織に与えた損害を返済するため逃走ドライバーを引き受ける、返済のための最後の仕事が終わり恋人と旅に出ようとした前夜、組織から最後の仕事が入ってくる、断り切れないベイビー、これでお仕舞いというところで計画が破綻する、、、



ベイビーは過去の事故で耳鳴りが止まないPTSDに、常に音楽を聴いていないといけない設定、スクリーンにも音楽が流れ続け、ミュージカルのような仕掛けも出てきます、変わった映画やなあ,と思って観ていると、一人の狂気から計画が狂い始めてからは地獄へ転がり落ちるような展開にハラハラ、タイトロープなシーンが楽しめます、

恋物語も清純でヨロシイ、事件後の描写も簡潔ながらなるほどという伏線回収、観後感も良く★伸びました、



〇(スクリーンで鑑賞)「ジーサンズ」
(★★★★☆)(2017年米国)(原題:Going in Style)
銀行に自宅を差し押さえされ、企業合併で年金も無くなった3人組の最後の計画は、

202110ジーサンズ

工場で真面目に働いてきた3人組、しかし企業吸収で年金が消えてしまう、自宅を差し押さえられる,持病が悪化、最後に一花咲かせたいとそれぞれ苦境に立った3人組が企てたのはなんと、,,銀行強盗だった、、、



モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンと役者が揃った老人一発逆転コメディ、かの国も老人には決して優しいわけじゃない、銀行員や企業主、医師などから受ける屈辱を晴らすため、そして娘や孫に大金を残すためについに本当に銀行強盗までしてしまうのですが、、、これが憎めないというか、なんというか、

『捕まっても刑務所へ行くだけ、3食テレビ付だ』という台詞に笑いました、なるほど,人間開き直りが大切です、



〇(スクリーンで鑑賞)「ビルドアガール」
(★★★☆☆)(2019年英国)(原題:How to Build a Girl)
冴えない女子高生が文章力だけでのし上がっていく!!

202110ビルドアガール

英国の田舎に暮らす冴えない女子高生のジョアンナ、刺激の無い生活に悶々としていたある日、ロック雑誌の音楽書評コンテストに応募、ロンドンの雑誌社まで押しかけて強引に仕事を手に入れる、当初は斬新な表現がウケた彼女の記事だが、ミュージシャンとねんごろになり仕事を失ってしまう、、、



自伝的小説が原作、ホントにロック雑誌の記者はこんな感じなんだろうか?とにかくずっとハイテンションで汚い言葉を連発しながら記事を作っていました、英語が分ればもっと面白いのか、、、オエッとなるのか。どっちなんだろう?

テンポ良く最後まで楽しめますが、ラストシーンで寝落ちました、なんでだろう?



◆(自宅で鑑賞)「シン ゴジラ」
(★★★★☆)(2016年日本)
お馴染み東宝ゴジラの最新作、着ぐるみから抜け出した新東宝ゴジラは?

202110シンゴジラ

東京湾から謎の巨大生物が蒲田に上陸、当初は上陸後に死んでしまうとみられていた巨大生物は変態を遂げてどんどん進化,東京を蹂躙して海に帰っていく、ゴジラと名付けられた巨大生物がふたたび鎌倉に上陸、最新装備の自衛隊の防衛戦をいとも簡単に突破するが、品川駅付近で活動を停止する、、、



1954年初演の東宝ゴジラの王道、vs内閣+自衛隊の奮戦記、怪獣レスリングと化したハリウッドゴジラよりもやはりこういう東宝ゴジラの方がしっくりきます、

総監督の力量とゴジラ愛がCGゴジラで見事に結実、自衛隊全面協力、伊福部音楽で胸が躍ります、個性的なG対策チームの面々、余貴美子、國村隼の自衛隊コンビも腹が据わっていてヨロシイ、都合5回目くらいの鑑賞も楽しかったです、




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2021年10月25日

先週は4本、オススメはやはり心震えた「MINAMATA」

先週は4本、オススメはやはり心震えた「MINAMATA」

〇(スクリーンで鑑賞)「MINAMATA」
(★★★★☆)(2020年米国)(原題:Minamata)
水俣で発生した水銀中毒を世界に知らしめた写真家の物語

202110MINAMATA

数々の名写真を撮ってきたユージンだが、今は酒に溺れ、借金に追われている、ある日、日本人アイリーンから水俣で起こっている水銀中毒公害の撮影依頼を受ける、気乗りしないユージンだがアイリーンの熱意で水俣を訪れることに、そこでユージンが見たのは悲惨な水俣病の現実とチッソと官憲の横暴だった、、、



もちろん、現実の水俣病を元に描いたフィクション、物語自体はステレオタイプな描写(チッソ・官憲の横暴や漁師の生活など)が目立ち、日本人が観るとあまりリアリティがあるとは云えない、しかし、ラストの写真を観た途端に鳥肌が立ち、涙がこぼれました、物語の出来映えよりも実際にユージンが撮った写真のチカラ!このシーンのためにある映画でした、

エンドクレジットでは世界の公害がフラッシュバックされ、そして『チッソと日本政府は今も責任を果たしていない』、『2013年の日本の首相(安部)の“水銀中毒を克服した”という発言は偽りである』とハッキリと断言、

日本もこういう映画が作れるような国になって欲しいです、「モリカケ問題」「桜を見る会」「巨額買収事件」、いくらでもテーマはあります、



〇(スクリーンで鑑賞)「デューン/砂の惑星」
(★★★☆☆)(2021年米国)(原題:Dune)
スペースオペラの原典的SF小説の再映画化、複雑過ぎて、、、

202110デューン砂の惑星

西暦10190年、レト公爵は貴重な抗老化作用のある香料を産出する惑星アラキスを統治するために息子ポールとその母ジェシカとともに移住してきたが、採掘設備は老朽化しており問題山積、レト公爵を惑星アラキスに呼び寄せたのは宿敵と皇帝の陰謀だった、ある日奇襲を受けてレト公爵の軍は壊滅、かろうじてポールとジェシカは生き延びるが、、、



とりかく登場人物が多く、設定が複雑、そして人やモノの名前が覚えられない(もともと苦手)ので、状況説明の序盤は眠たくなりますが、中盤から冒険活劇になって楽しく観れました、

スターウォーズ(SW)のちょっと精神面強調版のようなテイスト、いや、こちらが本家でSWが影響を受けた側、しかし本作を観てSWシリーズのエンターテーメント性の高さを再認識、

本編155分、それでも物語はまだ序盤、SWエピソード4~6のような感じで、次回作は「反抗準備編」、3作目は「帝国との最終決戦編」となるのか?ま、来たらまた観ますが、壮大なCGは見慣れてしまったので★は伸びず、



〇(スクリーンで鑑賞)「かそけき サンカヨウ」
(★★★★☆)(2021年日本)
父と娘、そこに父の恋人と小さな娘、か弱き娘の揺れる心は?

202110かそけきサンカヨウ

高校生の陽、母が陽を置いて出て行ったので父と二人暮らし、そんな家庭に父の恋人美子と幼い娘ひなたがやってくる、戸惑いながらも高校では美術クラブに所属、同級生の陸とほのかな恋も、そんな時、実の母親が水彩画の個展を開いているのを知る、、、



繊細で平板な演出が続き、こちらもやはりウトウトしてしまいました、音楽無しの長回し1カットの会話シーンなど監督の意図がアリアリ、こういう監督なんかな、エライ線の細い映画やな~とか思っていたら、、、

“かそけき”(幽き)っていう言葉、今にも消えてしまいそうな薄い、淡い、仄か(ほのか)な様子、っていう意味だそうです、なるほど!映画自体が“かそけき”であるべき映画なんだ、

ちなみに“サンカヨウ”は花の名前、花びらは水に濡れると透明になる珍しい花、劇中では陽の境遇になぞらえ早咲きの花とも説明されています、

淡い、仄かな映画ですが、一度だけ美子が感情を溢れさせ陽を抱きしめるシーンでは泣きました、



◆(自宅で鑑賞)「続・座頭市物語」
(★★★☆☆)(1962年日本)
1作目「座頭市物語」のヒットで急遽作られた続編

202110続座頭市物語

お馴染み座頭市の活躍、1作目のヒットを受けて急遽撮影された急造(半年後に公開)2作目なので余り期待していなかったが、これがなかなか面白い、兄の若山富三郎が敵役も映画的レトリックがあって面白い、

ただ、制作時間がなかったのか?物語は尻切れトンボの72分、ここで★伸びず、




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2021年10月18日

先週は3本、3本ともオススメですが~「護られなかった者たちへ」、「リリーのすべて」、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」

先週は3本、3本ともオススメですが、、、
「護られなかった者たちへ」、「リリーのすべて」、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」



〇(スクリーンで鑑賞)「護られなかった者たちへ」
(★★★★☆)(2021年日本)
震災の傷跡と生活保護、悲しみを乗り越えられない3人の物語

202110護られなかった者

宮城県警捜査1課の敏腕笘篠は震災で家族を失った傷が癒えていない、同じく震災で家族を失い放火の罪で服役していた利根が出所、それと機を合わせたように市役所の生活保護担当者が2人続けて監禁死で発見される、捜査は震災当時の生活保護担当者との接点に絞られる、利根が捜査線上に浮かぶ、、、



なんとも悲壮な物語であります、震災で家族を失った悲しみは他者には計り知れない、そんな境遇の刑事笘篠と粗暴な利根、事件の焦点が絞られるにつれて2人の過去があぶり出されていきます、

終盤の映画的レトリックを効果的にするためか?どうも主人公2人のキャラクターが不鮮明なまま後半になだれ込むのがやや辛かった、その分、終盤のレトリックが効いていると云えばそうなんだけれど、利根も笘篠ももっとキャラを立てても成立したのでは無いかな、その上でのどんでん返しでもヨカッタかも、

朝ドラでは精彩を欠く清原果那も本作では熱演、倍賞美津子さん好演、



◆(自宅で鑑賞)「リリーのすべて」
(★★★★☆)(2015年英国)(原題:The Danish Girl)
20世紀初頭の性同一障害に対する偏見とそれを打ち破る希望

202110リリーのすべて

1928年デンマーク、風景画で成功している夫アイナー、妻のゲルダは人物画を描いているが画商に扱って貰えない、ある日、パーティの余興でアイナーを女装させたゲルダ、リリーと名乗ったアイダは実は幼少期からリリーの存在に気がついていた、男の姿の自分に違和感を感じていたアイナーは徐々にリリーへと変わっていくが、、、



初めて性適合手術を受けた実在のアイナーをモデルにした実話、ずいぶん進歩してきたけれども、現在でも完全に理解・支持されているわけではない性同一障害、100年ほど前の世界ではどれほど厳しい目が向けられたのか?想像に難くない、劇中でも非科学的な治療法やロボトミー手術、精神分裂症との誤認など、とっても怖い医療・治療が横行していたようです、

正直、なかなか観られなかった映画、中盤で2人の夫婦関係が壊れていく様は悲しいですが、徐々にリリーへの感情移入が出来るようになります、、、結末が、、、史実なので仕方ないか、、、



(★★★☆☆)(2021年米国)(原題:No Time to Die)
007シリーズ最新作、Dクレイグ最終作、ジャイムズ・ボンドの総決算物語

202110007

宿敵スペクターの暗躍で恋人を失い引退したボンドにまたもや敵からの攻撃が、CIAの友人フィリックスと共に謎の殺人兵器の行方を追うボンドだが、スペクターの首領プロフェルドさえも暗殺してしまう謎の敵が出現、ボンドの身に最大の危機が訪れる、



複雑な人間関係、敵味方が入り乱れるのは正義がどこにあるのか分らない現代社会の宿命、物語は余り気にせずに派手なアクションを楽しむしかない、

が、人間くさすぎるジェイムズ、敵役は登場シーンが一番不気味でそれ以降はただの人、恋人を失ったジェイムズの苦悩も、後任の007やMとの葛藤もなんだか中途半端、Qとのコンビネーションとやたら射撃が上手い米国式ヒーローになってしまったボンドにもちと残念な感じも、、、★が伸びない、、、

でもでも、本作でしか出来なかったエピソードが少なくとも2つ、これがやりたかったのかな、たしかに総決算としての舞台にふさわしい結末ではあります、、、

『ボンドは再び帰ってきます』という最後のメッセージが救い、





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