2023年02月06日
先週は5本、「SHE SAID」「THE BATMAN」「THE FIRST SLAM DUNK」「ドリームガールズ」「浅田家!」
加害者も被害者も記者も実名で登場する、社会的問題を真っ正面から取り上げた、いかにもアメリカらしい社会派ドラマ、2人の記者の奮闘が世界的な♯Metoo運動に繋がったのも凄い、派手な演出はない、2人の書いた自伝を元に一歩ずつワインスタインを追い詰めていく過程が詳細に描かれていきますが、その取材中に出てくる被害者の証言が痛々しい、女性が観ていると憤懣やるかたない気持ちになるでしょう、きっと男性には分らないやり場のない気持ち、
バットマン映画の最新作、個人的にはバットマン映画は苦手なシリーズ、ほとんど雨の夜のなにやら狂っているゴッサムシティの世界観が今ひとつ好きになれない、が、新たなシリーズの発端になるかも知れない本作は一番しっくりくるかも、
原作コミックは読んでいません、それでも白熱の試合展開を124分間集中して観れました、まず驚いたのが映画全編で試合が1試合なんです、バスケットボール1試合で2時間の物語を書き上げた脚本が素晴らしい、もちろん、そこに至るまでの5人のバックボーンがインサートされるわけですが、試合の描写がしっかりしているので、挿入されるエピソードが邪魔にならない、ラストは、ま、そうだろうなという事になりますが、それも素直に受け入れられます、
R&Bグループ「ザ・スプリームス」をモデルにした物語、アーティストとプロデューサーとの確執はやっぱりこんな感じなんだろうな、飛び抜けたボーカル力を持つエフィがメインボーカルを外され、美貌のディーナがセンターに立つ、なんていう話はいつの時代でもあるんだろうな、そして男女の関係、あれもこれもさもありなん、でもラストのステージは爽快な気分に、偉大なグループの愛有る決断でしたね、
これまた、実在の写真家をモデルにした物語、変わった写真家である、コスプレの家族写真、ちょっとピンと来なかったのだが、実際に賞を受賞したのだから、そこにある政志の視点はワタシの想像を超えた次元にあるのでしょう、
2023年01月30日
先週は秀作揃いの4本、「ラーゲリより愛をこめて」「エンドロールのつづき」「ケイコ 眼を澄ませて」「最後まで行く」
、
〇(スクリーンで鑑賞)「エンドロールのつづき」
インド版「ニュー・シネマ・パラダイス」、少年が瞳を輝かせながら様々な映画の世界に没頭する様はたしかに夢と希望に溢れている、個人的にはこのまま大人になって映画制作に携わって欲しいと思ったけど、物語はそうは転がらない、ちょっと残念、
〇(スクリーンで鑑賞)「ケイコ 眼を澄ませて」
ボクサーにとって耳が聞こえないのはやはり大変なハンディ、試合ではセコンドの指示もレフリーの言っていることも聞こえない、そして喋れないから自分の気持ちをちゃんと伝えることも出来ない、ケイコへの重圧の大きさがヒシヒシと伝わってくる寡黙な画面、そう、ケイコの台詞がないから余計にその苦しさが伝わってくる寡黙な物語、
序盤は事故隠蔽に奔走するゴンスの滑稽な努力が描かれます、これはコメディか?と思いきや、中盤から意外な敵が現れ物語は急展開、嘘に嘘を塗り重ねて、あれよあれよと堕ちていくゴンスから目が離せなくなります、そして、最後の対決は韓国映画らしくとってもしつこい、これでもか、これでもかと続く悪夢からの開放への闘いは見応えあり、
2023年01月23日
先週は4本、天才作曲家に喝采「モリコーネ」、仰天のラスト「灼熱の魂」、他に「ジュマンジ ウェルカムトゥジャングル」「モンスター ハンター」
これはもう文字では説明出来ない、観るしかない・聴くしかないです、次から次へと紹介されるモリコーネ作品に圧倒されます、C・イーストウッドのスパゲティ・ウエスタン(日本ではマカロニ・ウエスタ)作品での独創性に驚愕、高校生の時に聴いたジョーン・バエズの「勝利への賛歌」もモリコーネの作品だと知ってビックリ、「アンタッチャブル」「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」での劇的な成功に唖然、これでもかと映画音楽の凄さを見せつけられます、
◆(自宅で鑑賞)「灼熱の魂」
遺言状の指示通りに死んだはずの父親と、いないはずの兄を探す姉の現在の姿と、過去の母親の歩んだ凄惨な人生が交互に描かれて物語は進んでいきます、徐々に明かされる母親の過去と秘密、それに向き合う勇気を持っていた姉ですが、、、行き着いた真実は余りにも過酷で信じがたいもの、やや作り込み過ぎた感もありますが、最後までグイグイ引っ張られてしまいます、
◆(自宅で鑑賞)「ジュマンジ ウェルカムトゥジャングル」
D・ジョンソンを主役に迎えたシリーズ2作目、というかここからの新シリーズですね、ゲームの世界に迷い込むというシチュエーションは変わらず、高校生4人それぞれが現実の自分とは真逆のキャラクターでゲームに挑むというアイデアが成功、結構楽しめるエンターテイメントになっています、ゲームキャラは5人、4人組の他にもう1人、ゲームの世界で彷徨っている若者がいるのですが、それは、、、
◆(自宅で鑑賞)「モンスター ハンター」
大ヒットゲーム「モンスターハンター」の映画化、物語はその序章?別世界に彷徨い混んだ兵士アルテミスの脱出劇になっています、、、が、にしても意味不明のカットや画像処理、長すぎる心象シーンとクローズアップなどなど、いったい何がしたかったのか?意味不明、どうにも物語が盛り上がりませんでした、
2023年01月16日
先週は4本、全作微妙・・・「ファミリア」「Dr.コトー診療所」「剣客」「ビブリア古書堂の事件手帖」
〇(スクリーンで鑑賞)「ファミリア」
(★★★?☆)(2022年日本)
ブラジル人労働者との交流から生まれる崇高で悲しい物語
陶芸家の神谷、アフリカでプラント建造を担っている息子が現地の娘を嫁として伴って一時帰国、異国から新しい家族を迎えて幸せなひとときを過ごす神谷、ある日ブラジル人の若者マルコスが半グレとの揉め事に巻込まれ神谷の工房に転がり込んでくる、以来なにかとブラジル人移民と交流を深めていく神谷だったが、ある日悲報が神谷の元に届く、さらにマルコスと半グレとの揉め事は殺人事件に発展、神谷はマルコスを半グレから守る決意を固める、、、
、
良心に溢れた崇高な心を持つ日本人の物語なのですが、日系ブラジル人労働者の過酷な環境、国際結婚、テロ、覚醒剤、家族を失った半グレ、そして家族とは?などちょっと多くのファクターを盛り込みすぎたかな、複雑な状況が一体となってラストの破局に向かって転がっていく!というイメージで作られたと思いますが、どうもその混沌とした状況の劇的一体化効果は思ったほどでは無かったようです、とくに悪役半グレ側にも情状設定をしたのがどうもマズかったと感じました、
出だしのドローン撮影での導入カットはとても上手で、これは期待できる!!と感じたのですが、後半は間延びした不用カットが散見、銃弾に倒れたのに綺麗過ぎる2人の顔、服を着ていたはずなのになぜか全裸で毛布にくるまり抱き合う2人、意図はあるのでしょうが冗長で不用意なカットが物語の底流にある崇高な志を台無しにしていました、
海外のエピソードを完全削除、ブラジル人の劣悪環境強化、半グレを完全悪役にして、悲劇のラストになだれ込むサスペンスを主眼にしたらもっと面白かったかも、役所広司は貫禄の演技、佐藤浩市も味が出て来たなあ、
、
〇(スクリーンで鑑賞)「Dr.コトー診療所」
(★★★?☆)(2022年日本)
お馴染みDr.コトーの現在は?2006年から16年振りのシリーズ最新作
日本最西端の孤島の医療を19年間たった一人担っている医師五島、看護師の彩佳と結婚し第1子ももうすぐ誕生する、赴任してきた腰掛け研修医、問題を抱えている五島の後を継ぐと期待されている剛洋、五島自身も寄る年波に勝てず身体に不調の影が、、、そんなある夜、台風が孤島を襲う、土砂崩れで多数の怪我人が発生、さらに災害は拡がりコトー診療所はパニック状態になる・・・
、
2003年と2006年にTVシリーズ化されているそうです、もちろん観た記憶はあります、それから16年後という設定はリアルな時間経過とシンクロ、オリジナルキャストがすべて揃っています、ここまで長い時間を開けてのオリジナルキャスト揃い踏みは凄い!製作陣の勝利、ま、その分みなさん16年の歳を取っているわけで、少々くたびれた感もありますが、
物語はTVシリーズの延長線上、台風の夜という設定も新味なし、オリジナルキャストの個性に引っ張られ過ぎた感あり、次々と担ぎ込まれる患者、剛洋の挫折、彩佳の出産、五島自身の病魔との闘いと、これでもかこれでもかと厄災が襲いかかりますがサスペンスは盛り上がらない、さすがに最後の救命行為と手術シーンは緊張しますが、、、オチもまあそうだろうなという感じ、『誰も死なせない!』という決め台詞連発もいささか過剰だったか、
、
◆(自宅で鑑賞)「剣客」
(★★★☆☆)(2020年韓国)(原題:The Swordsman)
17世紀の朝鮮半島、宮廷を追われた剣の達人が牙を剥く
反乱により宮廷を追われた剣の達人テユルは娘テオクと2人で山奥で隠遁生活を送っている、追っ手との闘いで眼を負傷、徐々に視力が落ちていく、そんな時、大国清が朝鮮半島に進出、女性を奴隷市場に売るため略奪を開始、目の治療のため都に出てきたテオクも捕らわれてしまう、争い事を避けてきたテユルだがテオク救出のため再び剣を抜く、、、
、
剣の殺陣がメインの韓国時代劇、悪行の限りを尽くす清の使者に眼が見えなくなっているテユルが単身挑むという構図は観ていてワクワクするし、主人公もなかなか存在感あります、殺陣のクオリティもまずまず、、、でも、テユルがちょっと強すぎて途中から感情移入できなくなってしまいました、もう一人の宮廷の剣客のエピソードもしっくり来ず、テユルももう少し苦しんだ方が盛り上がったかな、
でも、休日のノンビリ鑑賞にはもってこいかもです、
、
◆(自宅で鑑賞)「ビブリア古書堂の事件帖」
(★★?☆☆)(2018年日本)
古書店店主が1冊の古書本から推理する事件の全容は
初の同作2回目映画評です^^)
2018年にスクリーンで鑑賞、原作小説1作目を偶然読んで好感、好きな小説です、TVシリーズもあったのでその記憶か?映画は観てなかったかな?と思って観たら、、、観ていました、、、記憶朦朧^^)
ので、前回記事を推敲リライトして掲載します、
大輔は昔、祖母の本を盗み読んだために祖母からひどく怒られた記憶がある、その祖母が亡くなり残された「夏目漱石全集」から“夏目漱石”直筆と思われる署名が入った「それから」の文庫本を見つける、この署名に興味を持った大輔は北鎌倉の古書店「ビブリア古書堂」に文庫本を持ち込み鑑定を依頼、若き女性店主・栞子は大輔が持ち込んだ「それから」を手に取って一見しただけで見事な推理を展開、大輔の祖母の秘密を解き明かしていく、そして、これをきっかけに大輔は古書に纏わる重大事件に関わることになってしまう、、、
、
主人公の古書堂店主の栞子は、文庫本の表紙イラストの影響もあり、かなりイメージが固定化していると思われますが、黒木華はワタシ的には最適のキャスティングです、TVドラマ版では剛力彩芽がショートヘアのままだったのでガッカリ、今回の黒髪のロングヘアがやはり栞子さんのイメージです、
映画では3つのエピソードが最終的に一つに繋がっていて驚きの結末に、という欲張った展開になっていますが、ラストのシークエンスが唐突で大失敗、ドタバタせずに落ち着いて古書と人にフォーカスした物語にした方が原作の良さを引き出せたと思います、黒木華が好演だっただけにもったいなかったね、
、
、
2023年01月09日
年末年始は自宅で6本、「ビューティフル レターズ 綴られた言葉」「13人の命」「ナイブズ アウト グラスオニオン」「幸せは、ここにある」「トロール」「ハーフチャンス」
85分の小品ながらハートウォーミングな出来映え、学業に身が入らずバンド活動だけが高校生活の支えのマギーだが、成績の下落で母親からバンド活動も禁じられる、さらに恋人との別れ、友人の裏切りととことん打ちのめされるマギー、そんな彼女を救うのは1通の手紙、美しい励ましの言葉と人生を生き抜くための覚悟が並ぶ手紙にマギーは自分がやるべき事を見出す、
◆(自宅で鑑賞)「13人の命」
実際に起こった遭難事件を丁寧に追っていきます、国中から来たボランティア、タイ海軍の精鋭ダイバーでも遭難者が出るほど過酷な潜水シーンに息が詰まります、水を抜くアイデアを実行する水道技師、そして洞窟救助のプロ達、すべての叡智を結集しても洞窟の奥深く取り残された13人を生きたまま外に出すのは不可能に思われます、
◆(自宅で鑑賞)「ナイブ ズアウト グラス オニオン」
“ナイブズ アウト”2作目はいきなりNetflixで配信です、
◆(自宅で鑑賞)「幸せは、ここにある」
主演のビリー・クリスタルが製作・脚本・監督・主演を務めたハートフルコメディ、
◆(自宅で鑑賞)「トロール」
王道のノルウェー製怪獣映画です、自然破壊が原因、謎の足跡、古生物学者が主人公、相棒は特殊部隊隊長、世捨て人の民俗学者、首相の苦悩、軍隊の暴走と敗退、トロールの弱点は意外にも?と、東宝怪獣映画、ゴジラ映画の系譜をしっかり踏襲しています、怪獣映画ファンには楽しい展開、
◆(自宅で鑑賞)「ハーフ・ア・チャンス」
ベルモントは公開時65歳、2021年に87歳で逝去、アラン・ドロンは公開時63歳、存命、
2022年12月26日
先週は5本、韓国版グランドホテル「ハッピーニューイヤー」、史実が重い「42 世界を変えた男」「黒い司法 0%からの奇跡」「ハイドリヒを撃て!」、2転3転「ウォンテッド」
一流ホテルに集う多士済々、グランドホテル形式の形にハマった映画ですが、そこは韓国映画、個性豊かな面々がコメディアン・コメディアンヌ振りを存分に発揮、全員の絡み方も良く出来ていて、少々長いですが最後まで楽しめます、ラストの映画的レトリックは上手、贅沢なキャスティングも楽しみ、
◆(自宅で鑑賞)「42 世界を変えた男」
黒人初のメジャーリーガーの艱難辛苦の物語、事実を追いながらの展開なのでやや丹頂になりますが、それでもジャッキーの功績が今から70年ほど前の世界はまだまだ差別と偏見に満ち溢れていました、今や日本人選手も多数活躍するメジャーリーグ、有色人種活躍への道を開いた英雄として背番号「42」はメジャー全チームで“永久欠番”となっているそうです、
◆(自宅で鑑賞)「黒い司法 0%からの奇跡」
40年ほど前のアメリカでのお話、おそらくこういう黒人冤罪事件が巷に溢れていたんだろうなと思わせる内容です、なんともやりきれない時代ですが、それをこういうカタチで白日の下にさらすアメリカの民主主義の理想の高さ、そして、その反動がトランプの白人至上主義のうねりに、揺れ動き続けているアメリカの民主主義の苦悩、
、
これまた史実の映画化、勇ましい特殊部隊の大活躍!といったアクション映画ではありません、息を潜めて闘う人達の物語、訓練を受けたとはいえ、人に向けて発砲することさえためらう工作員、それでもなんとか計画実行まではこぎ着けるのですが、、、
◆(自宅で鑑賞)「ウォンテッド」
異色のアクション映画?1000年前から続く組織は特殊能力を持っているので、あれやこれやの必殺技が出てくるあたりはどうなの?これは?という感じ、それでも物語は最後まで気が抜けない展開、ラストのどんでん返しも楽しめます、
今年の映画鑑賞記事はここまで、
2023年も映画を楽しみましょう!
2022年12月19日
やはり師走は忙しい、先週も4本、女性の映画「母性」「燃ゆる女の肖像」、薬物依存「ビューティフル ボーイ」コミック「ブラック アダム」
冒頭からエンディングまで独特の淡々とした語り口、無駄な台詞がそぎ落とされたエッジの効いたカメラはジッと見つめるように4人の女性を映し続けます、意味のある男の台詞は皆無、女性目線の女性のための女性の恋と苦悩の物語、
〇(スクリーンで鑑賞)「母性」
こちらも女性目線の物語、物語の中ではオトコはまったく機能していません、意味あるオトコの存在はごく僅か、母親こそが物語を動かします、3人の母親が異なる母性で子どもたちにあたっていく物語、愛しているには違いないのに、愛を分かち合えない悲劇、とっても湊かなえ的ワールドなのですが、、、
◆(自宅で鑑賞)「ビューティフル ボーイ」
こちらは父親と息子の物語、オトコの物語は情けないほどシンプルで分りやすい、何度も更生の機会を与えられながらドラッグから抜け出せないニックは薬物依存の典型、立ち直って堕ちて、立ち直って堕ちて、と執拗に悲しい場面を観せられますが、、、
〇(スクリーンで鑑賞)「ブラックアダム」
「バットマン」もスクリーンでは観ない、DCコミックスはほとんど観てない、でも、ついうっかり観ちゃいました、
コミックの世界ですから、まあ、難しいことは考えずに楽しみましょう、主人公にドゥエイン ジョンソンが起用されたことで分りやすくなりました、JSAのヒーロー達とはひと味違うダークヒーローはとってもチャーミング、2時間しっかり楽しめます、
2022年12月12日
先週は多忙、劇場へ行けませんでした、なんとか自宅で4本、「漁港の肉子ちゃん」「ジェントルマン」「守護教師」「余命10年」
食べて食べて太ってオナラして寝て、ブスで天真爛漫な肉子ちゃん、そんな主人公の物語がとってもハッピー、肉子ちゃんを欺した男達以外は悪人が出てこない田舎の漁港、肉子ちゃんと喜久子の秘密もなんとなく想像はつくし、その秘密がこぼれだしてもポジティブ思考で逞しく乗り切っていく喜久子とどこまでも優しい肉子ちゃん、市井に生きる生身の人達の物語、
◆(自宅で鑑賞)「ジェントルマン」
ショッキングな冒頭、欲に駆られた私立探偵と組織のやり手参謀とのやりとりを追うカタチで物語が進行、2転3転する事態を効果的に切り取っていく手法が成功しています、面白い、
◆(自宅で鑑賞)「守護教師」
お馴染みマ・ドンソク、元ボクシングのチャンピオンだが他の映画ほど豪腕を振るえる訳ではない、冴えない体育教師の身分で少しずつ事件の真相に迫っていくのは観ていてももどかしい、そこはガツンと行け!!という場面でもストレスが掛かります、事件の真相自体には驚きは無い、でもいつもと違うマ・ドンソクの設定が妙にチャーミングで成功しています、
◆(自宅で鑑賞)「余命10年」
物語の終盤で茉莉が私小説を書き始めます、そしてそれが世の中に出る事にもなるのですが、、、この物語の原作者も難病ですでに他界していることを思うと万感迫るものがあります、哀悼、
2022年12月05日
先週も5本、拍手喝采「ミセスハリス パリへ行く」、バランス良い「ブラックパンサー」「ブラックパンサー ワカンダ フォーエバー」、プロット破綻「ザ メニュー」他
久しぶりにワクワクしっぱなしの2時間を過ごしました、主人公の心根も、周りの人達も、ディオールのドレスも、すべてがとってもチャーミング、周りに笑顔と無償の奉仕を振りまく家政婦エイダに魅了され、ディオールのドレスを手に入れるという彼女の願いを後押しする人達の想いがラストまで続きます、
◆(自宅で鑑賞)「ブラックパンサー」
2作目が公開されているので、観ていなかった1作目を予習鑑賞、マーベルのヒーローモノは観ないことにしているので、期待せずに観たら、、、面白かったです、ヒーローの活躍、アフリカの文明国という設定、過去のアフリカ人への差別問題、上手にバランス良く1つの物語に修練されてします、独特の衣装や美術もクオリティ高いです、
〇(スクリーンで鑑賞)「ブラックパンサー ワカンダ フォーエバー」
1作目で“ブラックパンサー”を演じた俳優チャドウイック・ボーズマンが2020年にガンで急死、シリーズ2作目は配役をそのままに、劇中でも国王が病死した設定で始まります、なんとも悲壮なスタートの物語、哀悼、
〇(スクリーンで鑑賞)「ザ・メニュー」
、
◆(自宅で鑑賞)「劇場版 ルパンの娘」
あ、「ヤッターマン」も深キョンでしたね、、、くらいかな、
2022年11月28日
先週も5本、ミステリアスな「ザリガニの鳴くところ」、安定の「すずめの戸締まり」、これはどうだ?「ある男」、他に「オンリーザブレイブ」「シンウルトラマン」
ノースカロライナの湿地帯で街に住む青年の死体が発見される、僅かな状況証拠から湿地帯に独り住む娘カイアが逮捕される、幼い頃から不遇の環境、家族に見捨てられ独りで暮らすカイアに街の住民の眼は冷たい、裁判が始まると積み上がられる状況証拠と共にカイアの生い立ちが明らかになっていく、無罪を訴えるカイアだが、、、
ボートで行き来するノースカロライナの湿地帯が怖い、ワタシは住めないなあ、なので、もっとドロドロした映画かなと思いきや、物語は案外冷静に進みます、家族が崩壊して独りたくましく生きるカイアに手を差し伸べる人達もいますが、大方の街の住人はカイアを変人扱い、画の才能に恵まれたカイアがやっと世間と関わりを持てそうになった時に被害者の男が現れ、カイアの運命が大きく揺れ動きます、
〇(スクリーンで鑑賞)「すずめの戸締まり」
アニメ作品はあまり鑑賞しないのですが、、、面白かった!新海誠ワールド全開!これまでの作品同様、異次元の設定ですが、テンポ良い語り口であっという間に新海誠ワールドに引き込まれます、
、、
全編に漂う息苦しい空気感、監督の狙いはある程度成功しているのでしょうが、、、世の中の不条理を詰め込みすぎて、かえって十分に機能しなくなったような印象、「他人へのなりすまし」、これだけでも映画的な興味をかき立てるのには十分かと思いますが、そこにトッピングされるヘイトスピーチ、在日3世、名家の重圧、犯罪者の子ども、不倫、不安定な母子家庭と不条理の連打、そりゃ息苦しくなります、
◆(自宅で鑑賞)「シン・ウルトラマン」
はやくもAmazonで配信が始まったので自宅でも鑑賞、子どもの頃の記憶がくすぐられて、とても楽しい映画であります、ウルトラマン大好き、
「シン・ゴジラ」は、着ぐるみがCGゴジラへ変換されたことでまったく別モノ・別ジャンルの映画として鑑賞できるようになったのに対して、「シン・ウルトラマン」はあくまで空想特撮映画、TV版の延長線上にあるハイクオリティの特撮映画ということになっています、
これはいくらCGを駆使してもウルトラマン(ヒトがスーツを着ているフォルム)の存在にリアリティをもたらすことが出来ない、もしくはリアリティが映画的には得策ではない、というのが監督の考えだったような気がします、ワタシ的には納得の着地点、楽しい映画でした、
米国の森林火災の頻度とスケールは桁違い、消火活動も火を消すというより延焼を防ぐための防御溝掘りや、先に木々を焼き払って延焼を止めるという手法、知りませんでした、建物火災と森林火災はまったくの別物なんですね、