2020年01月09日
先週観た映画~「誰もが愛しいチャンピオン」(★★★★☆) (2018年スペイン・118分)
先週観た映画、
「誰もが愛しいチャンピオン」(★★★★☆) (2018年スペイン・118分)
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知的障害者のスポーツチームの活躍を描いた映画、
2018年、スペインの映画賞ゴヤ賞で3部門を獲得、
スペインプロバスケットボールチームのコーチ マルコ、情熱的だが短気な性格、試合中に意見の違いからヘッドコーチに暴力をふるい、さらにやけ酒を飲んで交通事故を起こしてしまう、判事の判決は知的障害者のバスケットボールチームでのコーチのボランティア活動、妻からも見放され、障害者への理解も指導の熱意もないマルコだが、チームメンバーとの交流を通じて徐々に指導に熱が入って行く、そしてリーグ戦を勝ち抜いてついに決勝戦を迎えるが、、、
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ある意味、スポーツ映画の王道にひとつ、弱小チームのメンバーが紆余曲折しながらも心を通い合わせて勝ち進んでいくという物語、「がんばれ!ベアーズ」ですな、しかし今回のチームは知的障害者のチームだ、そこに今、この時代にこの映画を作る意味があった、そして、それは見事に成功しています、
チームメンバーの知的障害者を演じている俳優さんは、、、実際の知的障害者だそうです、数百人のオーディションを経て選ばれた知的障害アクター10人、映画ではありますが、あくまでリアリティにこだわって表現した10人に拍手、そして、知的障害者がテーマの映画をこういうカタチで昇華させた監督以下のスタッフに拍手であります、
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障害の現れ方はメンバーによってまちまち、とても練習にならない、マルコが匙を投げたくなる気持ちもよく分かる、ワタシもああいう場面でしっかり対応ができるかと問われれば無理だと思う、自信はない、、、でも徐々に映画の観客もチームメンバーの障害と彼らの心根を理解できるように物語が進んでいきます、
日本でこういう表現が出来るのか?この場面は笑っていいのか?差別意識に蓋をしたい、眼をそむけたい日本ではもっとウエットになってしまいそうなテーマをスペインでは見事にドライに、そして真摯に、傑作感動コメディに仕立て上げました、そう、こんなカタチで知的障害者と向き合っていけばいいのだと思えてきます、
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そして、もっと素晴らしいのは、劇中のセリフにも出てきますが、マルコがチームメンバーに教えたこともありますが、それ以上にマルコがチームメンバーから教えられたことに気付かされること、自らの心の足らない部分、家族と問題、過去のトラウマ、そんなことから逃げていたマルコを教育し、愛を与えたのは知的障害のあるチームメンバーだったということ、
みんな違ってみんな同じように悩んでいる、チームメンバーの知的障害者も普段は職場で必死に働いている、健常者も悩みながら必死に生きている、そういうことが素直にすっと心に入って来る映画でした、
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スポーツ映画で大切なプレーシーン、今回のプレーは知的障害者のドタバタプレイ、けっして華麗なプレーではありませんが、これがしっかり撮れています、これも好感、思わず応援したくなる決勝戦でした、
そして、知的障害者ならではのラストプレイ、果たしてラストシュートはゴールバスケットを揺らすのか?という、スポーツ映画的サスペンスも楽しめます、でも、本当のクライマックスはその後にやって来ますからね、、、
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観後感がとても良い、もう少しチームメンバーの顔を観ていたい、そんな気持ちになりました、
ということで、鑑賞おススメ度は★4つでお願いします、
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(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★ =時間があれば観てみよう
★★ =観なくても良いです
★ =観たらがっかりするかも
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