先週は佳作5本、「オットーという男」「Winny」「ディヴォージョン」「刑事ジョンルーサー」「ケープタウン」先週は4本、「RRR」「生きる」「生きる LIVING」「フラッシュ ゴードン」

2023年04月03日

先週も5本、「雑魚どもよ、大志を抱け!」「ロストケア」「タレンタイム」「ザ・タウン」「ロマンス オン メニュー」

〇(スクリーンで鑑賞)「雑魚どもよ、大志を抱け!」
(★★★★☆)(2023年日本)
小さな町に暮らす小学生たちの日常と冒険、大人よりも息苦しい少年達の世界

03雑魚どもよ

瞬ら小学生4人組、入院中の母親、前科者の父親、宗教にのめり込む母親、そして望まない塾通いと母親のガン再発と、それぞれに息苦しい日常を送りながらも溌剌と遊び回っている、裕福な家庭の西野は映画制作が趣味、4人組は西野と一緒に映画作りする事になる、しかし西野は同学年の番長からカツアゲを受けていた、そこから4人と西野、さらに距離を置いていた番長グループとの関係がギクシャクし始める、、、



今年も1本、良い少年映画が出て来ました、少年映画を観る度に“男の子はアホやな~^^)”と思うと同時に、彼らの瑞々しい心持ちと行動力、友を思う気持ちに感動させられます、

映画的レトリックとしての“悪魔のトンネル”や“中学生の政ちゃんの恐怖”よりも、4人組や西野の何気ない言動や、悩める子どもらしい思考回路が映画の核になっています、幼いが故の悩みや後悔、何も出来ない自分への腹立たしさ、男の子たちの小さな胸は怒りと悲しみと喜びでいつも張り裂けそうなのです、そして思いが溢れ出した時、彼らは疾走します!

映画のマル必テーマ「恋の話」はほとんど出てきません、そう、あくまでも男の子たちの胸の内の物語、必見です!



〇(スクリーンで鑑賞)「ロストケア」
(★★★★☆)(2032年日本)
優秀な介護ケアマネージャーの犯罪を追いつめる女性検事、法はこの罪を裁けるのか?

03ロストケア

斯波は優秀なケアマネージャー、誠心誠意お年寄りの介護と向き合っている、ある日、介護センター所長が介護老人自宅で死体となって発見される、捜査にあたる検事大友と事務官の椎名、事故死の線で捜査を終わらせようとするが、過去に斯波が担当する老人が次々と死亡していることが判明、斯波を尋問すると彼はあっさりと犯行を認める、しかし、それは殺人では無い、究極の介護だと主張、正義感の強い大友はそんな斯波を絶対に許せないのだが、、、



老人介護、おそらくこれからの20年くらいは日本社会の構造的問題としてずっと続いていくのでろう大きな課題、介護に疲れ果て崩壊していく家族の生活、それを支える介護事業者にも限界がある、そんな先が見えない介護生活から患者と家族を救うために殺人を繰り返した斯波、それを絶対に許せない大友、

物語の主眼は捜査サスペンスでは無く、この殺人の意味を問うという視点、そういう意味では地味な物語、日本が直面している大きな問題ではありますが、禅問答のような取り調べだけではたかぶらない、しかし!

とても効果的な映画的レトリックがラストで炸裂、尋問では決着が付かなかった物語の様相がいきなり生身の出来事として眼前に拡がります、冒頭の伏線も上手、ここがこの映画の観所でしたね、長澤まさみ好演、



(★★★!☆)(2009年マレーシア)(原題:Talentime)
学校の至芸発表会=タレンタイムの出演者の群像青春物語

03タレンタイム

学校の一大イベント“タレンタイム”の開催が決まり、教師や生徒も浮き足立つ、決勝進出者の練習時間をとるために出演者一人ひとりにバイクでの送迎役の生徒が割り当てられる、ピアノ演奏で出場するムルーの担当は耳が不自由なマヘシュ、2人は恋に落ちるのだがお互いの家庭はそれを認めない、成績優秀なハフィズの母親はガンで入院中、ライバルの優等生のカーホウは二胡で出演、それぞれの想いを乗せながらタレンタイム当日を迎える、



マレーシアは多民族国家、その多様性がこの映画の底流に流れているそうです、なるほど、そう思ってみると少し理解しやすくなる、それでもやはり、ほとんどマレーシアのことを知らないワタシにとっては細かなニュアンスはちょっと分りにくいかな、

登場人物はみんな饒舌です、大人も子どももよく喋る、良く喋るのにホントの心の内はストレートには明かさない、マレーシアの国民性?そんな生活風景を監督は少し引いた目線で淡々と綴っていきます、そしてタレンタイムのステージ、心に響く歌唱、副題を付けたくなるのも頷けます、

ムルーの父親の描き方が秀逸、エエ奴やったんや^^)



◆(自宅で鑑賞)「ザ・タウン」
(★★★!☆)(2010年米国)(原題:The Town)
銀行強盗専門犯が襲撃した銀行の美人支店長と恋に落ちるが、、、

03ザタウン

全米でもっとも銀行強盗が多い街ボストン、ダグはそんな銀行強盗専門チームのリーダー、ある日襲った銀行の支店長クレアを予定外の人質に取り逃走、もちろん無傷で開放するのだが、仲間からの心配を受けてクレアにそ知らぬ素振りで接近、警察との捜査状況を確認するだけのつもりがクレアに恋をしてしまう、、、



銀行強盗サスペンスと、強盗と被害者とのラブロマンス、ちょっとバランスをとるのが難しいテーマだったかも、ダグは心からクレアを愛し、組織から足を洗う決意をしますが、警察の捜査も迫り、ことはそう簡単には運びません、

ラスト近くのクレアの咄嗟の機転と、ダグの罪滅ぼしが観後感を良くしてくれました、


(★★★☆☆)(2020年オーストラリア・米国合作)(原題:Romance on the Menu)
NYのレストランシェフがオーストラリアの田舎町へ、もちろん恋に落ちます

03ロマンスオンメニュー

NYのレストランのシェフ キャロライン、料理評論家の来店を控えてナーバスになっている、そんな時、オーストラリアの田舎町で小さな食堂を経営する大叔母が亡くなり、残った食堂を引き継いで欲しいという話が舞い込む、懐かしい町に帰ってきたキャロラインは食堂を売る決意をしていた、シェフのサイモンや食堂のスタッフはなんとか食堂を継続したいのだが、、、



はい、とっても分りやすい物語、ハイエンドレストランの女性シェフと田舎町の小さな食堂のシェフ、レストラン売却を巡って対立する2人の恋の結末は?サイモンが粗野な田舎者、となればステレオタイプな展開になるのですが、サイモンは結構洗練されたシェフでDIYの才能と優しい気持ちを持ち合わせています、なので、平板ながらも結構安心して鑑賞できます、ハッピーエンド以外は考えられない^^)

休日のお気楽鑑賞にぜひ、




syougai1pon at 05:30│Comments(0)映画 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
先週は佳作5本、「オットーという男」「Winny」「ディヴォージョン」「刑事ジョンルーサー」「ケープタウン」先週は4本、「RRR」「生きる」「生きる LIVING」「フラッシュ ゴードン」