ある男

2022年11月28日

先週も5本、ミステリアスな「ザリガニの鳴くところ」、安定の「すずめの戸締まり」、これはどうだ?「ある男」、他に「オンリーザブレイブ」「シンウルトラマン」

〇(スクリーンで鑑賞)「ザリガニの鳴くところ」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:Where the Crawdads Sing)
最後まで気が抜けません、独特の世界観の上質ミステリー

11ザリガニの

ノースカロライナの湿地帯で街に住む青年の死体が発見される、僅かな状況証拠から湿地帯に独り住む娘カイアが逮捕される、幼い頃から不遇の環境、家族に見捨てられ独りで暮らすカイアに街の住民の眼は冷たい、裁判が始まると積み上がられる状況証拠と共にカイアの生い立ちが明らかになっていく、無罪を訴えるカイアだが、、、



ボートで行き来するノースカロライナの湿地帯が怖い、ワタシは住めないなあ、なので、もっとドロドロした映画かなと思いきや、物語は案外冷静に進みます、家族が崩壊して独りたくましく生きるカイアに手を差し伸べる人達もいますが、大方の街の住人はカイアを変人扱い、画の才能に恵まれたカイアがやっと世間と関わりを持てそうになった時に被害者の男が現れ、カイアの運命が大きく揺れ動きます、

裁判の進行と共にカイアの生い立ちや初恋が明らかに、アリバイがあるにも関わらず犯人に仕立て上げらていくカイアを応援したくなるのも必然、が、最後のシークエンスはあれ?そうなの?という展開になります、真実はどこに?最後まで気を抜かずに鑑賞してください、



〇(スクリーンで鑑賞)「すずめの戸締まり」
(★★★★!)(2022年日本)
新海誠ワールド全開!テンポ良く新海ワールドに引き込まれます!!

11すずめの戸締まり

宮崎で暮らす岩戸鈴芽はある朝“扉を探している”という青年草太とすれ違う、かすかな胸騒ぎを草太を追いかけて街の廃墟に入り込むと、そこには異次元への“扉”が!そこからは異様な“謎のミミズ”が溢れ出していた、草太と鈴芽はなんとかその扉を閉めて事なきを得るが、、、謎のネコが出現、草太は椅子に姿を変えられてしまう、逃走する猫を追う草太、そした鈴芽も彼らを追って遠く東北まで“戸締まりの旅”をする事になる、、、



アニメ作品はあまり鑑賞しないのですが、、、面白かった!新海誠ワールド全開!これまでの作品同様、異次元の設定ですが、テンポ良い語り口であっという間に新海誠ワールドに引き込まれます、

“扉”があるのは全国の廃墟、愛媛~神戸~東京~東北と物語は進んでいきます、それは現実にあった災害の街も連想させます、今作も背景に実在の街並みや建物が頻出、この映画的作法もまた物語にリアリティを与えています、全国で『あ!ここは!!』という声が上がっているでしょう、

廃墟が持っている思い出へのメッセージがこの映画のコアなのでしょうが、そこに至るまでの映画的作法やキャラクターがすでに成功していました、謎の猫の映画的レトリックにもやられた感じ、観て損は無し!

、、

〇(スクリーンで鑑賞)「ある男」
(★★★?☆)(2022年日本)
亡くなった夫がまったくの別人だった!?身元不明の男の正体は?

11ある男

息子と二人暮らしの里枝、ふらりと現れた大祐と恋に落ち再婚、娘も産まれ幸せな生活を送っていたが、不慮の事故で大祐が死亡、弔問に訪れた大祐の兄が遺影を観て思わぬ言葉を発する、『この人は大祐ではありません』、、、里枝から依頼を受けた弁護士の城戸は大祐になりすました男Xの身辺調査を始める、徐々に明らかになるXの素性、Xにはどうしても消し去りたい過去があった、、、



全編に漂う息苦しい空気感、監督の狙いはある程度成功しているのでしょうが、、、世の中の不条理を詰め込みすぎて、かえって十分に機能しなくなったような印象、「他人へのなりすまし」、これだけでも映画的な興味をかき立てるのには十分かと思いますが、そこにトッピングされるヘイトスピーチ、在日3世、名家の重圧、犯罪者の子ども、不倫、不安定な母子家庭と不条理の連打、そりゃ息苦しくなります、

ラストシーンはとっても映画的なのですが、テーマが多すぎてかえって際立たなかった、彼はなぜなりすましたのか?大祐と里枝の心の動きに絞って映画的レトリックを配した方が良かったような気がします、

妻夫木聡がCMキャラに見えてしまう^^)安藤サクラと清野菜名モッタイナイ、小薮千豊好演、



◆(自宅で鑑賞)「シン・ウルトラマン」
(★★★!☆)(2022年日本)
ご存じウルトラマンの21世紀版、禍威獣(かいじゅう)、外星人とウルトラマンとの闘い

11シンウルトラマン

日本国内に次々と出現する巨大生物:禍威獣に対応するため設立された「禍威獣特設対策室(略称:カトクタイ)」は日々禍威獣退治に明け暮れていた、電気禍威獣ネロンガとの闘いに苦戦していると、突然宇宙から飛来したヒト型外星人“ウルトラマン”に窮地を救われる、しかしその闘いの最中にカトクタイ隊員神永が一時姿を消してしまう、さらに外星人ザラブやメフィラスが次々と出現、日本国との平和協定締結を迫ってくるが、、、



はやくもAmazonで配信が始まったので自宅でも鑑賞、子どもの頃の記憶がくすぐられて、とても楽しい映画であります、ウルトラマン大好き、

が、「シン・ゴジラ」のようなパラダイムシフトは起こらなかった、そこは監督も承知の上での今作と云うことで良いともいます、それはサブタイトルの「空想特撮映画」というコピーに現れています、

「シン・ゴジラ」は、着ぐるみがCGゴジラへ変換されたことでまったく別モノ・別ジャンルの映画として鑑賞できるようになったのに対して、「シン・ウルトラマン」はあくまで空想特撮映画、TV版の延長線上にあるハイクオリティの特撮映画ということになっています、

これはいくらCGを駆使してもウルトラマン(ヒトがスーツを着ているフォルム)の存在にリアリティをもたらすことが出来ない、もしくはリアリティが映画的には得策ではない、というのが監督の考えだったような気がします、ワタシ的には納得の着地点、楽しい映画でした、

浅見弘子役は長澤まさみしかなかったキャスティングだと感心しました、最近、ウルトラマンとメフィラスの会話のパロディがCMになっていますが、企画者はウルトラマンのファンかな?^^)



(★★★★☆)(2017年米国)(原題:Only the Brave)
山火事に立ち向かう森林消防団の闘い、実話に基づく物語

11オンリーザブレイブ

アリゾナ州の小さな街プレスコットで全米初の自治体ホットショット(精鋭消防団)を目指すエリック、各地の森林火災に出動、優秀な働きをするが、他のホットショットのサポートに回る日々、それでも活躍が認められついにホットショットと認定される、欠員募集で採用した元薬物中毒のブレンダンは子どもが出来たのを期にやり直そうとするが訓練について行けない、そんなある日、地元で大規模な森林火災が発生、出動したエリックらは最前線で炎と闘うが航空消火隊のミスで窮地に陥る、1人偵察に出たブレンダンも炎に取り囲まれてしまうが、、、



米国の森林火災の頻度とスケールは桁違い、消火活動も火を消すというより延焼を防ぐための防御溝掘りや、先に木々を焼き払って延焼を止めるという手法、知りませんでした、建物火災と森林火災はまったくの別物なんですね、

リアリティのある撮影と物語は見応えあり、実話に基づいているのでどうしようもないのですが、結末に唖然、、、悲しい、、、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)