この世界のさらにいくつかの片隅で

2020年01月16日

先週観た映画~「この世界の さらにいくつもの 片隅で」(★★★★☆) (2019年・日本・168分)

先週観た映画、


「この世界の さらにいくつもの 片隅で」(★★★★☆) (2019年・日本・168分)




2016年に公開され大ヒットした「この世界の片隅で」のディレクターズカット版(168分と長尺)、
市井の人々の戦時下の生活を切り取った視点が素晴らしい、


202001この世界の片隅で

主人公すずは子供の頃から何かフワフワとしたちょっとのんびりした性格、画を描くのが得意で大好き、昭和19年広島から呉の周作のもとへ嫁ぎ、姑や小姑ともそのフワフワした性格で上手く付き合いながら幸せな生活を送っていく、が戦況は徐々に悪化、食料や生活物資が無くなって行く中、懸命に生きていくが、空襲で義姉の娘を失い、自らも片腕を失う、そして昭和20年8月6日、、、




とても優しいタッチのアニメーション映画、戦時下の物語ではありますが勇ましい話ではない、普通の人々の生活を丁寧に描いていくことで戦争の残酷さを炙り出していきます、物語は3年前の「この世界の片隅で」に新たなエピソードを加えた形なのですが、3年振りに観ると完全新作のような新鮮な気持ちで観れました、名作は古びない、そんな感じ、


脚本とカット割りが良いです、細かなエピソードの積み重ねなのですが、物語全体はしっかりと一つの方向へ流れていく、ちょっと笑えるシーンもセンスの良い短い1カットで上手に締めてくれるのが心地良いです、




追加されたエピソードはなんとなく分かりますが、どこが新しいシーンなのか?このシーンは前もあったっけ?な感じ、3年前の事はあまり憶えていないものですね、

新しいエピソードはより“すず”の心の動きをより丁寧に描いているのですが、なにか少し中途半端に複雑に艶めかしくなりました、本作の168分も長くは感じませんでしたが、ワタシは3年前のオリジナルの方が好きかも、、、かといって本作が失敗かというとそんなことはないのですが、、、


追加のエピソードはオリジナル制作時から予定されていたと思われます、オリジナルにも登場するリンさんのエピソード、切り取られたノートの表紙(本作では重要なアイテムになっていますが、ちょっと話は分かりにくい)、オリジナルを観直したらちゃんと出ていました、上映時間の関係で初演オリジナル時には割愛されたんでしょうね、




本作を観て一番感じたのは、、、“のん”さんの演技力です、もちろん声優としての出演ですが、おそらく“のん”がいなかったら、この映画はここまで昇華されなかったのではないか、そんな気持ちになりました、“すず”は“のん”以外では有り得なかった!この映画は“のん”主演映画と云っても良い!と強く思いました、


“のん”さん、偏狭な思惑からTV業界では活躍できない状況のようですが、彼女の才能を活かす映画、音楽、CM業界の方々の闊達な企画に期待します、

ちなみに今週土曜日、大阪で開催のライブ『忌野清志郎 ナニワ・サリバンショー Oh!RADIO ~五十年ゴム消し~』に“のん”出演です!!これも参戦したかったけど、都合で行けません、残念(涙)、




とっても良い映画でした、“のん”さんの心の声が今も耳から離れません、

鑑賞おススメ度は★4つでお願いします、



(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★  =観て損はなし
★★★    =時間があれば観てみよう
★★      =観なくても良いです
★        =観たらがっかりするかも






syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)