アムステルダム

2022年11月07日

先週は6本、すべてベースon実話「西部戦線異状なし(2022)」、「アムステルダム」「キュリー夫人」「グッドナース」「殺人の追憶」「プリンセス ダイアナ」

◆(自宅で鑑賞)「西部戦線異状なし」(2022リメイク版)
(★★★★☆)(2022年ドイツ)(原題:Im Westen nichts Neues)
名作(1930)のリメイク、戦争の悲惨さと無意味さをしっかりと感じて欲しい、必見

11西部戦線

第一次世界大戦、膠着状態が続く西部戦線(独軍vs英仏軍)に続々とドイツの若者が投入される、戦場で手柄を上げるよう鼓舞する大人、意気揚々と戦場へ向かう若者、しかし現実の戦場は過酷の一言、延々と続く狭い塹壕での戦闘、食料も十分ではない、古典的突撃には新兵器機関銃の威力が凄まじい、次々と命を落としていく若者達、そこには栄光はなかった、、、



1930年制作の同タイトル映画のリメイクです、リメイク版にはオリジナル版を彷彿とさせるシーンもあります、こちらも必見、

第一次世界大戦(1914~1918)は戦車・航空機・機関銃・毒ガス・有刺鉄線などの新兵器が投入され戦死者が飛躍的に増えた近代戦争、騎士道的決闘の様相(銃剣とスコップが武器!)が残っていたそれまでの戦争とは一変、古典的な銃剣突撃は機関銃の前に無力化、守勢有利となったためスイスから英仏海峡まで700kmに渡る塹壕が掘られ、5年近くにわたる膠着状態が続き、この間前線はほとんど動かず、僅か数百メートルの陣地を取り合うために1300万人以上が戦死しました、この悲惨な近代戦争の本質をぜひ脳裏に焼き付けていただきたいです、

ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射と21世紀になっても争いの種はなくなりません、一旦戦争になると勝者などいないのが現代の戦争、本作でも描かれていますが一番有効な戦争抑止力は外交力です、兵器は勝利を呼ばないことを憶えておきましょう、

Netflixで配信中、



〇(スクリーンで鑑賞)「アムステルダム」
(★★★?☆)(2022年米国)(原題:Amsterdam)
1930年代、戦友2人と女性が友人の謎の死から大きな陰謀の渦に巻き込まれます

11アムステルダム

第一次世界大戦の西部戦線で戦友となったバートとハロルド、そして看護師ヴァレリーは戦後のアムステルダムで平和なひとときを過ごした後、別れ別れに、NYで医師となったバートはハロルドから不審死体の解剖を依頼される、殺人を予感させる証拠を見つけるが関係者が目の前で殺害され、その容疑が2人に掛かる、罪を晴らすために頼った資産家の家でヴァレリーと再会、3人の奇妙な闘いが始まる、、、



これもベースon実話、第一次世界大戦後のNY、関係者が次々と殺害されていく裏には第2次世界大戦へと続く大きな陰謀の力が働いていました、、、という、シリアスな物語なのですが、映画は独特のタッチ、ゴージャスなキャスト・素晴らしい衣装・美術なのに、、、これは?コメディとして観た方が良いのか?と思ってしまうような演出も、監督の意図でしょうが、個人的には本格派ミステリーの方が観たかったかも、、、

マーゴット・ロビー以下の女性俳優陣が美しすぎます、



(★★★★☆)(2019年英国)(原題:Radioactive)
放射能を発見したノーベル賞科学者キュリー夫人の伝記物語

11キュリー夫人

ポーランドからパリに移ってきたマリは頑固一徹、化学実験に取り組んでいるが女性科学者への理解はなく大学からの支援も打ち切られてしまう、そんなマリの才能を見抜いた科学者ピエール・キュリーはマリとの共同研究を提案、その後2人は結ばれ、画期的な研究成果を生み出していくのだが、、、



名前だけは知っているキュリー夫人の功績と苦悩を知ることが出来たのがまず収穫、2人の最大の発見が“Radioactive”=放射能である事も知らなかった、ラジウム元素の発見=放射能の発見だったんですね、スクリーンではこの放射能に纏わる歴史的事件(ヒロシマ・ネバダ・チェルノブイリなど)も映し出されます、偉大な発見につきまとう功罪がテーマ、キュリー夫人の男性社会への反抗は徹底しているのにビックリ、後半生の名声失墜も意外でした、

夢想シーンが多いものの観やすい映画でした、鑑賞お奨めします、ロザムンド・パイクが魅力的、



◆(自宅で鑑賞)「グッドナース」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Good Nurse)
病院で続く不審死の真相は?厳しい状況で奮闘する看護師の物語

11グッドナース

夜間勤務の看護師エイミーの仕事は激務、シングルマザーで自らも持病を抱えているが1年間勤務しないと保険適用されないので必死に働いている、そんな夜間シフトにベテラン看護師のチャーリーが補充される、エイミーとチャーリーは良好な関係を構築、そんな時患者が病院で死亡、警察が調査に入ろうとするが病院当局は調査に協力的では無い、、、



ヒリヒリする不安感が冒頭から全編に漂います、後半はサイコキラー的な恐怖も沸き起こってきます、怖い物語でした、これも実際に起こった事件だそうです、怖い怖い、

米国でも看護師の就労状況は過酷、気の抜けない夜間勤務の中で絆を築く2人に共感を覚える間も無く発生する死亡事件、米国では“病院で人が死ぬ”事は異常事態、救急以外で病院内で死ぬ人はホントに少ないようです、日本とは大違い、ここらも興味深いです、

Netflixで配信中



◆(自宅で鑑賞)「殺人の追憶」
(★★★★☆)(2003年韓国)(原題:Memories of Murder)
こちらも実話、農村で起こる連続猟奇殺人に挑む刑事

11殺人の追憶

1986年、のどかな農村で若い女性を狙った猟奇殺人が発生、地元警察の2人の刑事は見込み捜査を続けるが思うように成果が上がらない中、同じ手口の2人目の被害者が出る、何人かの容疑者を逮捕拷問するも真犯人ではない、ソウル警察からエリート刑事も捜査に参加するが犯人は浮かび上がってこない、が、ついにホンボシと思われる青年にたどり着く、、、



実話を元にしているのでもどかしい、フィクションなら僅かな手がかりから見事な推理で犯人を見事に追い詰めて、、、となるのでしょうが現実の捜査は遅々として進まずもどかしいです、そしてラストも、、、

見応えのある映画ですが、モヤモヤは治まりません、



〇(スクリーンで鑑賞)「プリンセス・ダイアナ」
(★★★★☆)(2022年英国)(原題:The Princess)
こちらはドキュメンタリー、婚約から事故死までのダイアナ妃16年間の記録

11プリンセスダイアナ

1981年チャールズ皇太子の婚約者として一躍注目を集めた保育士のダイアナ、荘厳で華麗なロイヤルウェディングから2人の息子をもうけるが、皇太子の不倫、女王との確執などダイアナを襲う試練、そして離婚後の慈善活動、自らのスキャンダル、そして衝撃的な事故死(1996年)、世界が悲しんだ葬儀、、、悲劇のプリンセスの16年間、



没後25年を期に映画「スペンサー ダイアナの決意」も公開、映画版・ドキュメンタリーともやるせない、でも、知らなかった生々しい王室の内情、とっても人間臭い英国王室にもビックリ!と好感も、

しかし、もしダイアナが生きていたら、、、と思ってしまうのはワタシだけではないでしょう、哀悼、、、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)