エマEmma

2022年07月11日

先週は4本、必見の「エルヴィス」、ワタシはちょっと??「ベイビーブローカー」、観ているうちにハマってくる「エマEMMA」、空の大怪獣も

〇(スクリーンで鑑賞)「エルヴィス」
(★★★★★)(2022年米国)(原題:Elvis)
「キング・オブ・ロックンロール」エルビス・プレスリーの生涯、必見の1本

07エルビス

南部メンフィスの若者エルビス、運転手を勤める傍ら黒人音楽を取り入れた独自のスタイルを確立、腰を揺らし爪先立つエルビスに若者は熱狂、エルビスに才能を見出した強欲マネジャー・パーカー大佐はエルビスを一気に全米一のスターに押し上げる、しかし、エルビスのステージを不快に思う保守派や白人至上主義者はエルビスを糾弾、ステージでの動きを規制、それを破ったエルビスは2年間の兵役に就くことになる、、、



知っているようで何も知らなかったエルビス・プレスリー、1935年生まれ、1977年に42歳で死去、音楽のルーツはゴスペルとR&B、これが白人至上主義者の琴線に触れた、ロックンロールをメジャーに押し上げ、ビートルズやストーンズに影響を与える、腰をふるステージは保守派の反感を買い2年間の兵役に、どこまでも強欲なマネージャーはエルビスをしゃぶりつくして一文無しに、世界ツアーも実現せず、それでもあくまで自由、自らの想いを貫こうとしたエルビス、圧巻の1本でした、

とくにアメリカの暗部R・ケネディ暗殺に接したエルビスが唄った曲は泣けました、悲しい時は音楽に託す心、夢と現実の間を彷徨う魂、そしてラストのステージの太ったエルビスも素敵、

映画は想像したような王道伝記映画ではなく、スピーディなカット割りとリールのようなフラッシュバック、Z世代にも受けそうな作品、トム・ハンクスの特殊メイク(めちゃ太っている)も見事、

亡くなったのが1977年8月16日、この日のハリウッドは大雨でした、バックパックを担ぎながら『凄い大雨だね』と通りすがりの若者に云うと、『今日は米国中が泣いているのさ、エルビスが死んだんだ』と、、、45年前、21歳のワタシも米国西海岸を彷徨っていました、


〇(スクリーンで鑑賞)「ベイビー・ブローカー」
(★★★?☆)(2022年韓国)(原題:Broker)
子を捨てた母親、子を売るブローカー、それを追う刑事、行き着く先にあるのは?

07ベイビーブローカー

教会のベイビーボックスに赤ん坊を捨てたアン、その赤ん坊を連れ去り売ろうと企むハとユン、心変わりしたアンが教会を訪ねたことからハとユンは連れ去りを白状、アンと3人で養父母捜しの旅に出る、しかし、3人は刑事2人にマークされていた、1日で終わるはずだった養父母捜しは失敗の連続、3人と赤ん坊の旅は長引き、、、



是枝監督らしい抑えた演出で淡々と物語は進みます、母親と赤ん坊、ブローカーの2人、そして女性刑事2人の関係性が徐々に変化していき、行き着く先の形が見えない不安定さがサスペンスを生んでいます、、、が、、、どうも物語が饒舌過ぎる、刑事2人の行動もどうも不可解というか納得性に欠ける、物語のための物語感があって、サスペンスの緊張度はそんなに上がりません、

それでも結末の意外性と爽快感はたしかに良、観後感は悪くありません、観て損は無し、

しかし、韓国映画の食事シーンはそそるなあ^^)


◆(自宅で鑑賞)「エマ EMMA」
(★★★★☆)(2020年英国)(原題:Emma)
19世紀、英国貴族の優雅な生活と恋愛、そして愛についての物語

07エマ

19世紀初頭のイングランド ヨークシャーの田舎町、貴族として優雅な生活をおくるエマは利発で容姿端麗、家庭教師や親友を手助けし恋の成就を楽しんでいる、が、利発が故の立ち回りはいつしか回りの人を傷つけてしまい、一人孤独に陥ることも、結婚しないと決めていたエマだが、やがて、、、



200年ほど前の恋愛物語、男と女の駆け引きは今も昔も同じ、男はシャイで恋愛には弱虫、女性は大胆、電話もない19世紀の方がとっても大変、

貴族の生活の優雅さと面倒臭さを楽しめます、服、ヘアスタイル、食事、使用人の多さ、ビックリの連続、みんな同じような格好なので最初は誰が誰やらサッパリ、でも後半はだんだん物語の核心が見えてきて楽しめます、うん、エマも大変だったけどヨカッタね、


(★★★☆☆)(1956年日本)
日本初の総天然色怪獣映画、そして悲哀のラスト

07ラドンkai

九州の炭鉱で落盤事故があり数人が行方不明に、救助に向かった警官も何者かに殺害される、同時に炭鉱の街には謎の巨大ヤゴが出現、自衛隊が出動、巨大ヤゴを追って洞窟に迷い込んだ河村はそこで巨大な玉子を発見、数日後2匹のラドンが出現、博多に襲来する、



「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」が大ヒットした東宝、後継怪獣のラドンはその後も度々映画に登場、21世紀のハリウッド映画にも登場しています、そのルーツの本作、物語性も高く懸命に造られている様子に好感、ま、今のCGデジタル技術を比べようもないですが、

ラストの悲哀はこの頃の怪獣映画の特徴、「ゴジラ」は核の脅威の産物、ラドンは過去から蘇った生物、その最期は妙に悲しいのです、


syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)