ガメラ2レギオン襲来

2021年11月29日

先週は4本、スクリーンは秀作揃い、壮絶な「モーリタニアン」、ウォーミングな「梅切らぬバカ」、「花椒の味」

先週は4本、スクリーンは秀作揃い、壮絶な「モーリタニアン」、ウォーミングな「梅切らぬバカ」、「花椒の味」



〇(スクリーンで鑑賞)「モーリタニアン 黒塗りの記録」
(★★★★☆)(2021年英国)(原題:The Mauritanian)
9.11同時多発テロの容疑者追及の過程での米国の暗部をえぐる

202111モーリタニアン

モーリタニア人モハメドゥは9.11同時多発テロの容疑者としてキューバのグアンタナモ基地に拘留される、身の潔白を主張するモハメドゥへの米国の尋問は執拗を極める拷問と虐待が10数年続く、人権擁護弁護士のナンシーはテロリスト擁護者として非難を浴びながら弁護を引き受ける、軍はモハメドゥを死刑にするため告訴の準備を始めるが、、、



米国の拷問と虐待が凄まじい、米国にとって、いや世界的にも21世紀最大の悪夢となった9.11同時多発テロ、その関与者への刑の執行は国と国民の必然の欲求であることは容易に想像できる、そのために数100人の容疑者が逮捕されたようですが、実際に有罪になったのはほんのわずか、複雑化した現代社会での正義の執行もまた困難、それでも人権擁護の視点でこういう映画を作る気概には敬意を表すべきでしょう、

日本でも同様の事件が発生したら、やはり正義の名のもとに社会的リンチが行われるような気がします、しかし、もし容疑者が罪なき人だったら、、、ネット社会の脆さをしっかり認識しての対応が肝要、

弁護士役にジョディ・フォスター59歳、「タクシー・ドライバー」から45年ほど、感慨深く鑑賞しました、



〇(スクリーンで鑑賞)「梅切らぬバカ」
(★★★★☆)(2021年日本)
自閉症の中年息子をこよなく愛する母親の強くしなやかな心持ち

202111梅切らぬバカ

珠子は自閉症の息子“忠さん”との2人暮らし、忠さんの立ち振る舞いに不安を覚えるご近所さん、隣に引っ越してきた3人家族、忠さんを支援しようとする人たち、様々な人たちとのかかわりの中で、常に忠さんを護り愛し続ける珠子、しかし、自分の死後、忠さんが一人で暮らしていくことに不安を覚え、知的障害者のグループホームへ忠さんを入所させることにする、、、



自閉症の方への無理解や偏見の中、知的障害者の普通の日常を描きながら母子の結びつきを上手に表現、少しのふれあいで理解を深めたり、やっぱり社会からはじき出されたり、それでも息子を愛する母、社会との関りがすべて上手くいくわけではありません、母親が亡くなった後、忠さんはどう生きていくのか?映画の中にも押しつけの答えはありません、ただ、次の1日が始まるだけ、

加賀まりこをキャスティングした時点で、この映画はほぼ成功していたような気がします、流石の貫禄、塚地武雄も好演、お隣の息子が正直者でヨカッタ、



〇(スクリーンで鑑賞)「花椒(ホアジャオ)の味」
(★★★★☆)(2019年香港)(原題:花椒之味 Fagara)
香港、台湾、重慶、3姉妹が味わう中国の多様性と鍋料理

202111花椒の味

香港で鍋料理店を営む父が急死、一人娘のユーシューが遺品を整理していると父の携帯電話に自分の知らない2人の女性との通話記録が、2人は自分の異母妹、父はそれぞれの娘との交流を続けていた、葬儀で初めて顔を合わせる3姉妹、鍋料理店は店主を失い上手くいかなくなるが、ユーシューは店を継ぐことを決意、妹たちも手伝うことになる、、、



タイトルの花椒の味、鍋料理店が舞台とくれば、日本ならグルメ映画で決まり、レシピとかが映画のコアになるところですが、このグルメ映画というジャンルは他国には無いようです、この映画も3姉妹の生き様の物語、鍋料理レシピも絡んできますがわりとアッサリ解決、肩透かし^^)中国本土、香港、台湾と政治体制が違う3つのエリアに住む3姉妹という設定がスパイス^^)、

花椒(ホアジャオ)は山椒の仲間で強い辛みが特長だそうです、字幕では『火鍋』という料理、解説では『麻辣鍋』という料理の決め手になる香辛料のようです、

(★★★☆☆)(1996年日本)
平成ガメラシリーズ2作目、最強の多様性生物レギオンが宇宙から襲来

202111ガメラ2

北海道に隕石が落下、直後から電話、通信に異変が、そして札幌地下鉄構内に謎の生物が出現、小型レギオンは市街地に花を咲かせ繁殖を図るがガメラが出現、花を破壊するも小型レギオンの攻撃にガメラも苦戦、、、



自衛隊全面協力、物語が結構上手に作られていて見ごたえのある1作、これもCG化した「シンガメラ2」で見てみたい、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)