サンダ対ガイラ

2022年08月08日

先週は秀作6本、楽しいエンタメ「ジュラシックワールド 新たなる支配者」「グレイマン」「青天の霹靂」、戦争がへばりつく「戦争と女の顔」、登山ドキュメント「Maru」。

(スクリーンで鑑賞)「ジュラシックワールド 新たなる支配者」

(★★★☆)(2022年米国)(原題:Jurassic World: Dominion)

シリーズ最終章?恐竜と共存を始めていた人類に最期の危機が


08JW

「ジュラシック ワールド」から拡散した恐竜たちと人類が共存している世界、新たな秩序作りが進む中、巨大イナゴが発生、世界的な食料危機を引き起こす、ジュラシックパーク創設に関わったエリーは巨大バイオ企業の陰謀を疑う、一方、恐竜保護活動を続けるオーウェンの元から娘と恐竜の子どもが誘拐されそれを追跡する旅が始まる、ここにも巨大バイオ企業の影が、、、

 



お馴染み「ジュラシック」シリーズの最終章、CGによる恐竜の再現には息を呑みますが、、、もう、免疫は付いている、CGだけで感動する訳でもない、物語は“恐竜と共生する”という新たな世界観の中で進行、“ウイズコロナ”の世界だからこその発想?その結末は決着が付いていないような気がするのですが、、、

 

舞台が世界に拡がり、恐竜たちものびのび外界で活躍^^)でも、逆に映画の世界観は他のアクション映画の既視感で溢れてしまいました、闇恐竜市場は「SW」、巨大企業の本社は「007」、脱出劇は「インディジョーンズ」、閉鎖され恐竜島での恐怖も明るい陽の光の下にさらされると、、、

 

でも、147分退屈せずに楽しめます、記念碑的作品を素直に楽しみましょう、原題の「Dominion」は『支配力』というような意味、



 

(自宅で鑑賞)「グレイマン」

(★★★☆)(2022年米国)(原題:The Gray Man)

CIAの陰謀と、闇の仕事を請け負う工作員グレイマンの反乱

08グレイマン

 
殺人罪で服役していたコートは免罪と引き換えにCIAの闇の仕事を請け負う工作員グレイマンになる、完璧な仕事振りのコートだが、ある暗殺の標的から思わぬ告白を聞かされる、それはCIA内部の陰謀を示唆するものだった、その証拠となるデータを受け取ったコートは姿を消すが、CIAからの執拗な追跡を受けることになる、

 



だいたい想定内で物語は進みます、主人公コートは沈着冷静、次々襲いかかる危機をくぐり抜ける様はたしかに痛快、仇役も相当強力ですが難なくクリア、最後の脱出劇がどうなったのか?知りたいけど、ま、これも素直にアクションを楽しみましょう、

 

Netflix映画、スクリーンでも公開されていますが、封切りと同時期に自宅で無料鑑賞、こういう事が出来る世の中になったんですなあ、しかし、なんか大丈夫なのか?ちょっと心配になります、

 

(自宅で鑑賞)「青天の霹靂」

(★★★★☆)(2014年日本)

冴えない手品師が、ひょんな事から自分のルーツ探しをするハメに

 
08青天の霹靂

マジックBarで手品を披露、細々と食いつないでいる轟、永年音信不通だったダメダメな父親の死亡を知らされ、最期の場所を訪ねる、そこは橋脚下のバラック、そこで幼い自分と父親の写真を見つける、父親の愛情を感じながらも、轟は自分を産んですぐに家を出て行った母親のことが許せないでいた、その時雷鳴が轟き、、、

 



現在と過去を行き来する物語、そこに無理筋があるのは仕方ないか、それでも物語にリアリティがあるのは監督助演の劇団ひとり、主演大泉洋の力量、共に手品師の役、劇中の手品の腕前も上等、相当練習されたんでしょうね、

 

マルチに活躍する劇団ひとりの監督デビュー作品、さすがに上手にまとまっています、ラストの映画的レトリックも洒落ています、観て損は無し、

 



(スクリーンで鑑賞)「戦争と女の顔」

(★★★★☆)(2019年ロシア)(原題:Dylda)

終戦直後のレニングラード、普通の生活に戻りたい女たちには過酷な時代

 
08戦争と女の顔

1945
年、対独戦に勝利したロシア、女性兵士イーヤは戦傷を負い帰還、心の傷を抱えながら今は軍の病院で看護師として働いている、一緒に暮らしている少年は戦友マーシャの子ども、ある日、イーヤはその子を自らの過ちで死なせてしまう、そんな時、子どもの母親の戦友マーシャも戦場から帰還、子どもを死なせたことを告白したイーヤとマーシャの不安定な生活が始まる、

 


対ナチス戦に勝利したロシア、戦争に勝っても戦争で負った傷口がじくじくと痛み出す、とくに戦場を経験した女性兵士には生き抜くための試練が多すぎます、子どもを失ったマーシャは新たな命を欲っするが、異性恐怖症?のイーヤの心の傷は癒えない、上流階級との格差も悲しい、嘘をつき自らを破綻に追い込むマーシャに慄然、

 

登場人物も監督も粘着質?です、少ない台詞、長回しのカット、マーシャはやたら相手を見つめ続け、イーヤの心は震え続けます、その先で何かが暴発するのでは無いかというサスペンスが充満、う~ん、なんとも怖くて悲しい映画でした、

 

ぜひ鑑賞をお奨めします、原題の「Dylda」は『背の高い・のっぽ』、イーヤの愛称?

 



(自宅で鑑賞)Meru

(★★★★☆)(2015年米国)(原題:Meru)

難攻不落、世界一の壁ヒマラヤ・メルー峰に挑んだ3人の登山家のドキュメンタリー


08Maru
 

未踏の標高6500m級ヒマラヤ・メルー峰、20083人の登山家が挑戦するが登頂目前で撤退、その後も数々の苦難が襲うが、3年後に同じメンバーで再び悪魔の壁に挑戦することになる、、、

 



怖いです、高所恐怖症です、垂直の壁にぶら下がって寝るなんて!!??意味分りませんが、、、それでもその映像が撮影されていることに感動、カメラは登山者2人が自ら撮影したそうです、それが凄い、怖さも忘れる本物の映像に力があります、そして3人の友情物語も声高に描かれていないのに伝わってくる、良いドキュメンタリーでした、

 



(自宅で鑑賞)「フランケンシュタインの怪獣サンダ対ガイラ」

(★★★☆☆)(1966年日本)

東宝特撮怪獣映画、ここでもまた悲哀のラストシーン

 
08サンダガイラ

謎の海難事故が多発、調査からフランケンシュタインの細胞が見つかった、戦時中、ドイツから運び込まれた細胞から生まれたフランケンシュタインは地底怪獣との闘いで死亡したと考えられていたが、、、海から出現したフランケンシュタインの怪獣は人を喰らい街を蹂躙、自衛隊は「L作戦」を展開、怪獣を仕留めたかに思えた瞬間、もう1頭の怪獣が出現する!

 



懐かしの東宝特撮怪獣映画、この後、対怪獣自衛隊兵器の定番となる“メーサー殺獣光線車”、伊福部昭の“L作戦マーチ”とエポック的要素もあります、そしてなにより、この時期の東宝特撮怪獣映画に観られる悲哀に満ちた結末がなんとも味わい深いです、、

 

ま、休日のお気楽鑑賞に、

 

 



syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)