チタン
2022年04月11日
先週も5本、オススメは「ワンダー 君は太陽」、奇怪な迷作!?「チタン」、お気楽に「アンビュランス」、そしてクロサワ作品を2本。
◆(自宅で鑑賞)「ワンダー 君は太陽」
(★★★★★)(2017年米国)(原題:Wonder)
障害を持って生まれた少年と家族の物語、明るく心暖まる映画です
生まれつきの障害で人とは違う顔で生まれたオギー、そのため表へ出ることをせず母親が自宅学習をしてきたが、小学5年生の歳に初めて学校に通うことになる、一人異形のオギーは周囲から好奇の眼で見られ、イジメにも遭う、それでも明るく利発なオギー、徐々に周囲と溶け込んでいけるように思えたのだが、、、
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オギーの障害は両親が共に特別な遺伝子を持っていたための障害と説明されていました、偶然の障害、健常者の姉が『ワタシも障害を持って生まれたかもしれない』と語るシーンが切ないです、両親も姉もオギーのことを心から愛しているので、ステレオタイプですが安心して観ていられる良き映画です、
いじめっ子の両親が如何にも!!^^)ジュリア・ロバーツがグッと抑えた演技で好感、オススメです、
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〇(スクリーンで鑑賞)「TITANE チタン」
(★★???)(2021年フランス・ベルギー合作)(原題:Titane)
2021年カンヌ映画祭最高賞作品、グロくて奇怪な作品、ワタシは評価不能ということで
幼少期の自動車事故の治療で頭にチタンを埋め込まれたアクレシア、以来自動車に異常な興味を示すようになり自動車と愛を交わす、自動車ショーのダンサーとして働くアクレシアに言い寄ってきた男をいきなり殺害、堰を切ったように異常な殺人を繰り返すようになり警察からも追われるハメになったアクレシアがとった異様な行動とは、、、
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2021年カンヌ映画祭最高賞のパルムドール作品、奇天烈な映画とは思っていましたが、、、想像以上のエロ・グロ・奇怪な物語、前半はまだしも、自動車とのセックスシーンから物語はとんでもない事に、途中から出来れば退席したくなりましたが、なんとか観了、たしかに終盤は少しなにか感じるモノはありますが、、、ワタシはダメでした、評価も不能???
怖いもの観たさで観てください、オススメはしませんが^^)
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〇(スクリーンで鑑賞)「アンビュランス」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:Ambulance)
救急搬送中の救急車が乗っ取られた、文字通りのノンストップムービー
キャムは日々患者の命を病院まで20分で運ぶ優秀な救急隊員、銀行強盗の現場に駆け付けたキャムは撃たれた警官を病院へ搬送する途中で、強盗一味の2人に救急車はジャックされる、逃走する犯人と病院へ患者を搬送したいキャム、警察は総動員でこの救急車を追跡し始める、車内で必死の治療を続けるキャムだが患者の容態は次第に悪化、ついに、、、
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ほぼリアルタイムくらいの時間の物語、血まみれの警官を乗せたままの逃走、何度も捕獲に失敗する警察、サクッとお金を盗んで新天地を目指す計画がどんどん破綻、大事になっていく、という分かりやすいノンストップムービー、100分もあれば十分な物語ですが136分もあります、これでもかこれでもかと逃し続ける警察が情けない、患者ももう失血死するんじゃない?と心配になるほどしつこいです、監督、粘着質かな?^^)それでも最後まで退屈せずに観れたので、やはり監督の手腕か?
高価な車が壊れまくります、これはちょっと持続可能な映画じゃないな^^)
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◆(自宅で鑑賞)「羅生門」
(★★★★☆)(1950年日本)
云わずと知れた、黒澤明の名前を世界に轟かせた不朽の名作
平安時代、都の朽ち果てた羅生門で一つの事件の様子が語られる、武士が殺されその下手人と思われる男、武士の妻、そして殺された武士までが巫女の力を借りて事件のいきさつを語るが、その内容は三者三様、似て非なる事件の始末、果たして本当のことを話しているのは誰なのか?真実はどこにあるのか?
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原作は芥川龍之介の「藪の中」という短編(恥ずかしながらたぶん未読です)、人間の本性の怖さ、愚かさ、弱さをシンプルな語り口でぐいぐい見せつけます、言葉がなくても分かる筋立て、演出、俳優の力、そりゃ世界中のだれが観ても魅了される映画であることがよく分かります、クロサワの映画的センスが爆発した作品ですね、
何十年ぶりかで鑑賞、ほとんど憶えていないのにびっくり、
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◆(自宅で鑑賞)「蜘蛛巣城」
(★★★★☆)(2057年日本)
主君を討って城主に成り上がった大将の悲劇
家来の謀反で窮地に陥った主君を助け、出世した武時は城に戻る途中で不思議な老婆から『城の次の主はお前だ』と告げられる、主君に忠誠を使う武時だったが、妻の執拗な甘言に惑わされ、友を謀殺し、主君までも殺してしまう、お告げ通り城主になった武時だが、老婆の予言にはもう一つ、『その次の城主は友の息子だ』があった、、、
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ラストの弓矢を射られるシーンが圧巻、世界中の映画人が間違いなく驚嘆したシーン、ドキュメンタリーでこのシーンの撮影で弓矢を射っているのは大学の弓道部の生徒だとか、実際に本物の矢を射っているそうで、三船敏郎は無保険で演じたそうです、マジか!?今では考えらない撮影ですが半世紀前のお話、クロサワの完璧主義極まれり、
シェイクスピアの『マクベス』が下敷き、森が動くシーンもあります、これは全編通して観たことがなかったのか?憶えのあるシーンはラストの弓矢と森が動くシーンだけ、記憶力落ちているなあ、
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