トゥルースピリット

2023年03月06日

先週も5本、秀作「ちひろさん」「エンパイア オブ ライト」「トゥルー スピリット」、惜しい!「銀平町シネマブルース」、う~ん「コンフィデンスマンJP英雄編」

◆(自宅で鑑賞)「ちひろさん」
(★★★★!)(2023年日本)
軽やかにしなやかに生きる元風俗嬢のちひろさんの元に集まる優しい人達

02ちひろさん

海辺の小さな街の弁当屋で働くちひろは元風俗嬢であることを隠そうとしない、持ち前の明るさと開けっぴろげな性格が回りの人達をどんどん引き寄せていく、工事現場の男達、ホームレス、孤独な女子高生、独り母親を待つ小学生などなど、みんながちひろのことを慕って集まってくる、ちひろのおかげでみんなが少しずつ幸せに近づいていくのだが、ちひろの心にはぽっかりと穴が開いている、、、



主人公の“ちひろさん”がとっても魅力的、元風俗嬢であることをあっけらかんと披露し、惜しげも無く周りの人達に愛情を注いでいく“ちひろさん”、そこには純粋でまっすぐな視線しかない、でもその視線は自信の幸薄い体験から生まれてきたモノ、たぶんちひろさんは他人を幸せにすることで自分自身が得られなかったモノを取り返そうとしているのだ、

有村架純が良い!好演、いや、それ以上の役作りに成功しています、回りの人物もしっかりキャラが立っています、監督の手腕、

ラストはそうかな~、と思ったら、やはりそうだった、、、少し寂しいけど、、、元風俗嬢から抜け出して元弁当屋へステップアップした“ちひろさん”も少し幸せに近づいたかな、、、



〇(スクリーンで鑑賞)「エンパイア オブ ライト」
(★★★★☆)(2022年英国・米国合作)(原題:Empire of Light)
1980年代の英国、差別と不況の中で夢を失いかけた2人の再生の物語

03えんぱいあおぶらいと

海辺に建つエンパイア劇場、ヒラリーは劇場主任として懸命に働いているが、映画館主とただならぬ関係も持っている、そこへ夢破れた黒人青年スティーヴンが新人として入ってくる、心優しき仲間らと働くヒラリーとスティーヴンは互いに惹かれ合うが、長引く不況は黒人差別へと繋がりスティーヴンの身にも厄災が襲いかかる、、、



映画館主と密会を続けているヒラリーは男性優位社会の被害者でもある、スティーヴンもまた差別社会にもがき苦しんでいる、か弱き2人の小さな幸せを護るのではなく、もっと大きな生き様をたぐり寄せるように行動する2人、前向きで良心的で少しもの悲しい物語、

エンパイア劇場がゴージャスで素晴らしい、1980年代の懐かしい映画も劇中で頻出、それを楽しむのも一興です、



◆(自宅で鑑賞)「トゥルー スピリット」
(★★★★☆)(2023年米国・オーストラリア合作)(原題:True Spirit)
ヨットで単独無支援無寄港世界1周を為し遂げた16歳の少女の物語、実話がベース

03トゥルースピリット

小さな頃から海が大好きなジェシカ、いつの頃からかヨットで世界1周をするのが夢になった、夢の実現に向けて両親やコーチなどを説得、着々と準備を進めるが、愛艇の試運転でミスを犯し事故を起こす、マスコミは幼すぎるジェシカの計画は無謀だと非難するが、、、



なぜ山に登るのか?と同じくらい不思議な衝動、ヨットで単独世界1周、それも無支援無寄港、答えは『海が好きだから!』、その大好きな海の旅は孤独で過酷、そして容赦なく牙を剥いてくる、達成間近に遭遇する嵐はジェシカの夢を打ち砕く勢い、さすがにこのシークエンスはハラハラしました、

ヨットって転覆しても復元する力があるそうです、劇中の台詞でも語られていますが、、、実際には転覆沈没する場合も多い、ジェシカの愛艇もついに力尽きて水中へ沈んでしまいます、海は怖いですね、、、

山も怖いですけど、、、好きです、山があるから登ります^^)、



〇(スクリーンで鑑賞)「銀平町シネマブルース」
(★★★☆☆)(2023年日本)
小さな街の映画館を舞台に、なにもかも失った男の再生の物語

03銀平町

一文無しの青年近藤、映画好きのホームレスと共に生活保護詐欺に誘われる、そこで知り合った小さな映画館の館主に拾われ、映画館で寝泊まりしながら働き始める、実は近藤は元映画監督、未完成のフィルムも携えていた、回りに支えられながら近藤はフィルムの完成を目指すことにする、



シチュエーションやテーマが「エンパイア オブ ライト」とダブっていたので同一週に鑑賞、エエ空気感を醸し出している映画なのですが、、、惜しい!やる気を失った近藤が再び立ち上がる!!のだが、どうもその後の近藤にも共鳴できなかった、映画監督ならもっとギラギラしたオーラが出て来るのかと期待したけど、、、

吹越満以外のキャラも立ってこない、久しぶりの小出恵介も不完全燃焼な印象、好きな役者だけに惜しい!!しかし、劇場のフィルム映写室はとっても映画的な空間、どんな映画でも映写室は愛しく写ります、

(★★★☆☆)(2022年日本)
毎度お馴染み、3人の詐欺師たちと曲者たちとの欺し合い、最終話?

03コンフィデンスマン英雄

コンフィデンスマン界の英雄の称号を競うために、ダー子、ボクちゃん、リチャードの3人は地中海のマルタ島へ飛ぶ、獲物は富豪が所有する彫像、そこに日本から3人を追いかけてきた鬼デカ、インターポールの敏腕刑事、ヤクザ、マフィアが入り乱れて欺し合いがはじまる、最後に勝利を手にするのは??



映画シリーズ3作目、さすがの3作目となるとだいたい見当はつく、伏線や時系列をこま目に追うことで律儀に欺し合いの裏側も魅せてくれるのは親切?なのか?

松重豊の鬼デカが銭形警部にダブって面白かった、最終話かと思ったら一応次回作へのフリもあったりして、もう1作ありそうですね、、、って、これが騙しだったら、ホントに面白いかも^^)自宅でのノンビリ鑑賞に最適、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)