ドラゴンタトゥーの女

2022年09月12日

先週も5本、必見2作!世界初のレストランの物語「デリシュ!」は必見、みなぎるサスペンス「ドラゴンタトゥーの女」、心地よい風が吹く「ターシャ チューダー」も秀作。

〇(スクリーンで鑑賞)「デリシュ!」
(★★★★★)(2020年フランス・ベルギー合作)
(原題:Delicieux)
世界で初めてレストランを作った3人に、思わず喝采を送りたくなります

09デリシュ

フランス革命前夜の18世紀フランス、公爵お抱え料理人マンスロンはパーティ料理でちょっとした自己主張をしたことから解雇されてしまう、息子と2人で実家の旅籠に戻り細々と暮らし始めるが、謎の女性ルイーズが弟子入りを志願してくる、渋々弟子入りを認めたマンスロンは少しずつ料理の道に戻ろうとしていた、そんなある日、公爵邸への復帰のチャンスが巡ってくる、、、



今では当たり前のレストランでの外食、フランス革命以前はそのレストランそのものがなかった!?豪勢な料理は貴族のもの、庶民が外食で美味しい料理を味わう機会はなかったそうです、生粋の料理人は本当に美味しい料理を庶民に提供することに慶びと生き甲斐を見つけ出します、

レストランそのものが無い世の中で今の常識が次々と生み出されていく様が面白いです、テーブルと椅子を並べる、食器とナイフフォークをテーブルにセットする、メニューを書く、チラシを作る、パンを切って出す、フランスではあまり食べなかったジャガイモをスライスして揚げてみる(フライドポテトだ!)、そんな当たり前の事が徐々に編み出されていきます、

サスペンスの要素も少しあります、これが必要だったのか?ちょっと疑問ですが、フランス革命での貴族の没落と庶民が外食という楽しみを手に入れるという話法には必要だったのかもしれません、調理道具や食器、衣装も素晴らしく楽しめます、

もちろん、料理作りの描写もとても美しく観た後の空腹は間違いなし、必見です、



(★★★★★)(2011年米国)(原題:The Girl with the Dragon Tattoo)
40年前の少女失踪事件を追う雑誌記者と敏腕女性調査員

09ドラゴンタトゥー

雑誌記者のミカエル、大物実業家の不正を告発する記事を発表するが裁判で敗訴、全財産と名誉を失う、そんな時、別の実業家から過去の一族の事件調査を依頼される、それは40年前の少女行方不明事件、真相解明は難しいと思いながら調査を開始するミカエルは持ち前の粘り強さで真相に迫っていく、一族の秘密に事件のカギがあると睨んだミカエルが調査のパートナーに選んだのは、社会から阻害されているが、ハッキングと調査に特異な才能を発揮するドラゴンの入れ墨がある女リスベット、奇妙な関係の2人の鋭い調査の矛先には犯人の異常な素顔が、、、



原作はスウェーデンの推理小説、その独特の世界観はこの映画にも色濃く反映されていて、成功していると思います、記者ミカエルは裁判敗訴で苦悩を抱え、リスベットは過去の犯罪歴から後見人が必要な不自由な生活、武器商人実業家や変態後見人など最悪の人間たち、北欧ミステリー特有のどんよりした空気感で押しつぶされそうになります、

ミカエルは粘り強いが優柔不断、肝心なところでミスを犯してしまい拷問を受けることに、ここではダニエル・クレイグ=007ジェームズ・ボンドも形無しです、かたやリスベットが抜群の知性と判断力・行動力でどんどん真実に迫ってくのが爽快です、

犯人の異常性、少女行方不明のカラクリとその正体の映画的レトリックも面白い、ラストはもの悲しいですが、原作が3部作なのでこうなってしまいます、過激な表現もありますが、本格ミステリーとして楽しめる1作です、



(★★★★☆)(2017年日本)
絵本作家で、庭やスローライフを愛したターシャ・テューダーのドキュメンタリー

09ターシャチューダ

アメリカの絵本作家で、自然に囲まれたスローな生活スタイルが注目されたターシャ・テューダーのドキュメンタリー、
米国バーモント州の町外れの1軒屋に暮らすターシャ・チューダー、誰もが彼女の絵を一度は目にしている絵本作家である、自ら植え育てた植物で埋め尽くされた庭、相棒はコーギー犬、四季を愛で18世紀の農村の生活様式をこよなく愛する彼女、控えめに語られるこれまでの人生と哲学、聴き入るうちに『静かな水のように生きていきたい』という彼女の言葉がすっと腑に落ちます、



米国の有名作家のドキュメンタリーですが、これがなんと日本映画です、日本でも彼女の絵本は広く愛されており、そのスローライフをNHKが追い続けて4度も番組になっているそうです、この映画はこれまでの過去映像に加え未公開映像・最終収録映像を加えて映画化されたそうです、NHKも良い企画を実現しましたね、

2008年、彼女は92歳で他界、最後まで人生の楽しさを語ってくれた彼女に哀悼、



〇(スクリーンで鑑賞)「ぜんぶ、ボクのせい」
(★★★☆☆)(2020年日本)
施設を抜け出して母親に会いに行く少年の行き着く先は、、、惜しい!

09ぜんぶボクのせい

児童養護施設で暮らす優太、いつか母親が迎えに来てくれるのを心待ちにしていたが、偶然母親の居場所を知った優太は独り施設を抜け出し母親の住むアパートへたどり着く、ひととき親子の情を交わしたものの同居する男を選ぶ母親、優太はまた独り彷徨ううちに壊れたクルマで暮らすホームレスの坂本と出会い奇妙な2人の生活が始まる、坂本に惹かれる女子高生の詩織も加わり、優太は初めて家族の優しさのようなモノを感じとっていく、しかし、坂本には近隣から厳しい目が向けられていた、、、



惜しい!

終盤までそれなりの構成力で観客を惹き付けていく、子どもに愛情を注ぎきれない母親からの自立、不自由の無い暮らしに満たされない女子高生、奔放に生きる坂本、それぞれの欠けたパーツがしっくり嵌るかと思った終盤、思わぬ厄災が優太に襲いかかるのだが、ここから急に説得力が無くなりました、優太と詩織のシークエンスは成功しているだけに惜しい!!

とくにラストシーンの台詞回しが酷かった、あそこはまったく逆のレトリックが必要なシーン、そうでないとタイトルが活きてこない、刑事の陳腐な台詞がそれまでの成果をぶち壊してしまいました、惜しい!!



◆(自宅で鑑賞)「冤罪 無実の証明」
(★★☆☆☆)(2022年米国)
パートナーの車に乗ったばっかりに殺人容疑をかけられる恐怖

アニーは大事な会議に遅刻しそうになり、パートナーのオリバーの車で会社に向かう、会議を成功させた帰宅途中、警官に止められ車中から血の付いた包丁が出てきたことでアニーに殺人容疑がかけられる、無実を主張アニー、しかしオリバーとは連絡が取れなくなり、皿にオリバーなる人物の存在さえ確認出来ないことからアニーは窮地に、、、



期待して観ましたが今ひとつ、とくに終盤は2時間ドラマレベルのご都合主義的な結末、

ま、休みの日の暇つぶしなら、、、





syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)