ラストレター

2020年02月18日

先週観た映画20-015~「ラストレター」(★★★★★) (2020年・日本・121分)

先週観た映画20-015、
「ラストレター」(★★★★★) (2020年・日本・121分)




「Love Letter」「スワロウテイル」の岩井俊二監督作品、
交錯する時の流れ、2役、擦れ違い、小さな嘘、ややこしい物語を上手にスッキリと観せてくれました、


202002ラストレター

仙台に住む妹:裕里は姉:未咲の葬儀を済ませた日に未咲宛の同窓会通知を見つける、姉が亡くなったことを告げようと同窓会会場に向かった裕里は姉に間違えられてしまう、その同窓会に出席していた売れない小説家の乙坂は裕里に声を掛けて再会を喜ぶ、裕里は本当のことを云いだせず、乙坂との奇妙な文通が始まることになる、そして、手紙のやり取りを通じて徐々に高校生時代の裕里自信の秘密や、姉:未咲の数奇な人生が浮かび上がってくる、、、




原案、脚本、監督と1人3役をこなした岩井監督のとても上手な仕事、1つの意志が貫徹されると良い物語が出来上がる見本、仙台でのオールロケも好感、時間が合ったので観たのですが拾いものでした、


少ない登場人物が時間を超えて複雑に重なり合っており、かなり濃密な物語がぎゅっと詰まっていたのが気持ちヨカッタ、キャストも2役が2人もいて、その関係性もややこしい、いろんな手紙が多数飛び交う、それでもラストまで引っ張っていった監督の技量というか原案~脚本と練り上げていった成果でしょうね、こういう映画によくある映画的破綻がほとんどなかったのが気持ち良さの源泉かな、


今時文通でもないだろうけども、それを空回りさせず、手紙を1通開封する度に炙り画のように浮かび上がってくる過去の風景、小さな嘘、数奇な運命、人生の岐路、そして現在の自分、スマホやAIを題材にした残念な映画が多い中、手紙という前時代ツールで勝負した監督の勝利、




キャストもヨカッタ、福山さんの映画はあまり観ていませんが、今作はアタリ役かな、この方、見た目がカッコよすぎるので、うだつの上がらない売れない小説家くらいでないと映画らしくならない、松たか子さんもフワフワしているかと思うと、ちょっと怖い面もあって好演、


広瀬すずさんはもはや貫禄ありすぎるくらいで、それよりも森七菜さんの演技の方が魅かれました、酒場で乙坂と対峙する豊川悦司さんが迫力満点、どう考えてもアカン奴みたいなのに妙に説得力ありました、流石、小室等さん、映画でお目にかかるとは^^)




唯一、観ながらちょっと納得がいかなかった“別の2人から来る偽の手紙”に気付かない乙坂はないやろう、とか思っていました、一応終盤一言で回収はされますが、できれば中盤でヒントになる分かりやすいカット1つ欲しかったなあ、ワタシが見逃しているのかもしれませんが、


できれば広瀬すずさんの汚れたところが観たかったような気もする、その方がラストは盛り上がったかな、中山美穂さんに投影されているのだと思いますが、、、直に大人の未咲が観たかった、、、




個人的な興味で云うと『東一市場』で呑んでみたくなりました、一度路地を通ったのに未探訪、


ということで、監督の力量に素直に感謝して★は5つでお願いします、


(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★  =観て損はなし
★★★    =時間があれば観てみよう
★★      =観なくても良いです
★        =観たらがっかりするかも





syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)