ランペイジ

2022年08月15日

先週は5本、たしかに意外なラスト「アプローズ、アプローズ!」、身につまされる「PLAN75」、お気楽に「ハッピーログイン」、「ジェネラルルージュの凱旋」、巨獣映画も。

(★★★?☆)(2020年フランス)(原題:Un triomphe)
囚人たちが戯曲「ゴドーを待ちながら」に挑戦、喝采を浴びるが

08アプローズ

役者としてのキャリアはあるが大舞台には立てないエチエンヌ、舞台の代わりに回って来た刑務所内での演技ワークショップの講師をしぶしぶ引き受ける、曲者揃いの囚人たちを演技指導していく中でエチエンヌは自らの夢を囚人に託すようになっていく、そして、ついに刑務所外での舞台公演を実現、この公演が評判を呼び再演、ついにはパリ・オデオン座からのオファーが舞い込む!



よくあるのも美談かと思いきや、スエーデンで実際にあった物語、映画のラストも事実に沿って、意外な結末を迎えます、2重の驚きも映画的にはスッキリしないかも、予定調和の結末の方が映画としては満足感が高かったかもしれません、良質の映画ですが、どうも映画的にはスッキリしませんでした、

刑務所が出てくる作品を観るといつも思うこと、西欧の刑務所の裁量度量の大きさに驚きます、囚人(それも重罪犯)が刑務所外で舞台公演を行なうなど、日本ではとても考えられない、裁判での長期拘留や入国管理事務所の非道な実態などと考え合わせると日本の収監機関は世界的にみてどうなんだろう?日本人の刑罰感が深すぎる、寛容な視点がないからかな、



〇(スクリーンで鑑賞)「PLAN75」
(★★★★☆)(2022年日本・フランス・フィリピン・カタール合作)
高齢化問題を解決するために導入された“PLAN75”を巡る悲しい物語

08PLAN75

日本の高齢化問題を解決するために「PLAN75」が導入された日本、78歳のミチはホテルの客室清掃の仕事を失う、もう少し働ける自信があるミチはハローワークに通い、新しいアパートを捜すが、希望する職は無く、新しいアパートを借りることも出来ない、親しい友人は先に逝ってしまう、「PLAN75」に応募する事を決めたミチは担当の瑶子と心を通わせやっと平穏な気持ちを取り戻すが、、、



なんともやるせない映画であります、人生100歳などと云われても、実際に幸せな人生を送ることが出来ない老人もたくさんいることでしょう、自分自身の死に方を考えて憂鬱な気分になりました、

監督・脚本の才気を感じます、冒頭では流石に「PLAN75」の概要説明がなされますが、それ以降、その制度の詳細が細かな映画的レトリックで徐々に明かされていく過程はとっても上手、パラレルで進むPLAN75職員や外国人労働者マリアのエピソードも上手にまとめ上げています、

カンヌで好評を得ただけはあります、鑑賞を推奨するには少々重いですが、、、オススメします、



(★★★★☆)(2016年韓国)(原題:Like for Likes)
なかなか正直になれない3組の男女が繰り広げる恋愛コメディ

08ハッピーログイン

詐欺に遭い家を無くしたCAは投資目的で買ったマンションの借主と強引に同居し、有名音楽家は恋愛下手、新米映画プロデューサーはベテラン脚本家に振り回され、主演俳優は過去に関係のあったベテラン脚本家への想いを断ち切れない、男女6人が織りなす恋愛物語、



こちらは予定調和の恋愛コメディ、なんだかんだ云いながら徐々に2人の親密度が高まっていくお決まりの展開ですが、、、安心して観ていられるのがなにより、予定調和過ぎるラストも気持ち良い、

休日の鑑賞にピッタリ、原題はSNS用語の「イイね!」、邦題は意味不明^^)

(★★★★☆)(2009年日本)
救急医療現場を舞台にしたサスペンス、「チーム・バチスタの栄光」シリーズ2作目

08ルージュの凱旋

大病院の倫理審査委員長に就任した公子の元に内部告発状が舞い込む、救命救急センター部長の速水が医療機器メーカーと癒着しているという内容、気乗りのしない公子だが内部調査を始める、そんな日、疑惑のメーカー社員が病院の屋上から飛び降り自殺で死亡、そこに厚生労働省白鳥が骨折で入院、公子と白鳥は速水の周辺を探り始める、



前作「チームバチスタの栄光」を観ていないのに、知らずに2作目を観てしまいました、

こちらもテッパンの配役と完全な予定調和によるラスト、どんなに善人が危うい立場に追い込まれても安心して観ていられます、休日ののんびり鑑賞に最適、

竹内結子さん、これからも活躍できたのに、という想いが湧いてきますね、哀悼、

(★★★?☆)(2018年米国)(原題:Rampage)
遺伝子操作による新物質が事故で流出、動物が次々と巨大化!?

08ランペイジ

宇宙での遺伝子操作研究中に事故が発生、地上に落下したカプセルに触れた狼、ゴリラ、ワニが徐々に巨大化、ゴリラを飼育していたデイビスはなんとかゴリアを救おうと奔走、秘密裡に遺伝子研究を行なっていたエナジン社の研究員ケイトも秘密を暴露しようとするが、エナジン社がコントロールする巨獣3頭はシカゴの街へ侵入、破壊の限りを尽くす、



こういう映画はあれこれ考えてはいけません、たとえばエナジン社の社長と副社長がアホ過ぎるとか、たとえば軍が弱すぎるのにデイビスは強すぎるとか、たとえばゴリラは人を食べないでしょうとか、考えてはいけません、何も考えずに鑑賞しましょう、そうすると、、、これはこれで楽しめます^^)




syougai1pon at 07:52|PermalinkComments(0)