レ・ミゼラブル

2020年04月02日

先週観た映画20-029~「レ・ミゼラブル」(★★★★☆)(2019年・フランス・104分)

先週観た映画20-029

「レ・ミゼラブル」(★★★★☆)(2019年・フランス・104分)



フランスの貧困の現状、人種的カオス、

ヴィクトール・ユゴーの『レ・ミゼラブル』の舞台でもあるフランスの街、
今や、無法地帯と化している街で起こった悲劇、希望の光はあるのか?

202003レミゼラブル

多くの移民が暮らすパリ郊外のモンフェルメイユに赴任してきた警官ステファンは、この地区を担当しているクリス、グワダと共にパトロール勤務に着く、人種の坩堝の街、さまざまな勢力が小さな衝突を繰り返しながら均衡を保っている、が、少年イッサが起こした些細な犯罪が各勢力を刺激、思わぬ大事に進展、対応に奔走するするクリス達、だが、暴動の最中にグワダがイッサの顔面にゴム弾を発射し大怪我を負わせてしまう、事態は一気に緊張状態に、ステファンは事態の収拾に乗り出すが、、、



タイトルはヴィクトール・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』から、映画の舞台となっている街は小説の舞台でもあるらしい、知りませんでした、ちゃんと小説を読んでません、浅学、小説の邦訳は『ああ無情』(これは有名)、直訳は『悲惨な人々』、まさしく現代のモンフェルメイユは悲惨な人々の街でした、

背景は複雑でよく理解していませんが、とにかく人種の坩堝のモンフェルメイユ、市場一帯を仕切る“市長”一派、イスラム原理主義グループ、地元犯罪組織、さらにはジプシーのサーカス団など一癖も二癖もある輩で溢れている街、そんな環境で育つ子どもたちに希望はあるのか?悲惨な環境で育つ子どもたちへの様々な目線がこの映画のテーマです、



新任警官のステファンは気真面目で、自信と警官の誇りに満ちている、この街を良く知るクリスやグワダの強引な捜査方法や犯罪組織との癒着などには馴染めない、かと云って、犯罪抑止は綺麗ごとだけでは対応できないのも事実、苦悩するステファンの善良な態度に希望の光を垣間見るが、、、ラストで答えは出ません、ステファンの努力は報われるのか?それとも、希望の光は脆くも打ち砕かれるのか?

前半はモンフェルメイユの現状と、そこに暮らす“悲惨な人々”の紹介、強引な捜査活動がちょっとドキュメンタリーぽいカメラワークで描かれます、そして、いつもそこにいる少年たち、無垢なあどけなさと暴力的な顔が共存する怖さ、静かなサスペンスがずっと流れています、



事件が起きてからは一気に物語が動き出します、最近の映画の流行か?些細なことがゴロゴロと転がり出して、破局へ向かう怖さの演出、各勢力がそれぞれの思惑で動きだしアクティブなサスペンスが生まれます、それでも主人公ステファンの善意の行動が映画全体を救うのかと思わせますが、、、

結局、ステファンを窮地に追い込むのは善意を施したその相手、小説『レ・ミゼラブル』をなぞる皮肉な対決、



エンドタイトルの前に小説『レ・ミゼラブル』からの一節が引用されます、

『悪い草も悪い人間もいない、あるのは悪い育て方である」みたいな一節、

観後感はそんなによくないです、エンディングにいちるの希望を見出すしかないです、が、この“悲惨な人々”映し続けることの意味はあったような気がします、



★は4つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)