前科者
2022年02月07日
先週の5本は秀作揃い、オススメは「ブラックボックス」「ハウスオブグッチ」、過去作では「ファーゴ」、邦画は「私の人生なのに」「前科者」
〇(スクリーンで鑑賞)「ブラックボックス 音声分析捜査」
(★★★★☆)(2021年フランス)(原題:Boite noire)
フライトレコーダーの音だけを頼りに航空機事故原因を探る上質サスペンス
最新鋭旅客機が墜落、航空事故調査局が調査に乗り出すが、音声分析官のマチューは捜査から外される、ところが責任者の上司が突如失踪、捜査を引き継いだマチューは上司の分析からテロの可能性を発見するが、フライトレコーダーの記録に矛盾があることにも気づく、、、
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音声だけで事故原因を探るというニッチなサスペンスですが、上手なレトリック構成と意外性のある展開で最後までグイグイと引っ張られます、なんとなくの筋は読めるものの真実がなかなか浮かび上がらないもどかしさ、人付き合いが上手ではない音声専門家のマチューが窮地に追い込まれていくのももどかしい、
音声だけで事故原因を探るというニッチなサスペンスですが、上手なレトリック構成と意外性のある展開で最後までグイグイと引っ張られます、なんとなくの筋は読めるものの真実がなかなか浮かび上がらないもどかしさ、人付き合いが上手ではない音声専門家のマチューが窮地に追い込まれていくのももどかしい、
フランス映画らしい結末もまた悲しい、できればハッピーエンドを観たかったような気もします、原題もフランス語で「ブラックボックス」という意味、
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〇(スクリーンで鑑賞)「ハウス オブ グッチ」
(★★★★☆)(2021年米国)(原題:House of Gucci)
老舗ブランド創業家のお家騒動と壮絶な憎しみ
野心家のパトリツィアは老舗ブランド“グッチ”の後継者マウリツィオと結婚、その知性と野心を最大限に発揮、義父や叔父、従兄弟などを次々と懐柔、マウリツィオを社長に押し上げていくが、その強引さにマウリツィオの心は離れていく、、、
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事実を元にした物語だそうです、マウリツィオの事件を知らずに観たので結構インパクトのある結末となりましたが、それよりも映像や美術、衣装が素晴らしい上質な映画として十二分に楽しめます、さすがのリドリー監督、レディ・ガガは凄い、アダム・ドライバーも好演、一大エンターテーメント映画です、
事実を元にした物語だそうです、マウリツィオの事件を知らずに観たので結構インパクトのある結末となりましたが、それよりも映像や美術、衣装が素晴らしい上質な映画として十二分に楽しめます、さすがのリドリー監督、レディ・ガガは凄い、アダム・ドライバーも好演、一大エンターテーメント映画です、
グッチの店に押し寄せる日本人観光客のシーン、ありましたね、そんな時代が、、、
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◆(自宅で鑑賞)「ファーゴ」
(★★★★☆)(1996年米国)
面白くも悲しく恐い!?どんどん悪くなっていくコメディ?クライムサスペンス
自動車ディーラーのジェリーは金にお困り、富裕家の義父から身代金をだまし取るため妻ジーンの偽装誘拐を計画、誘拐犯と身代金を山分けにして簡単に終わるはずの計画だったが、誘拐犯の2人が逃走中に警官を殺害、そこから事態はどんどんと悪い方向に転がっていく、
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とにかくジェリーがでたらめなダメ男、僅かな金策のために嘘と言い訳を重ねて事態をどんどん悪化させ、妻や息子、義父など周りの人間をどんどん不幸にしていく様がなんとも滑稽で恐い、全体にブラックユーモア満載、捜査を取り仕切る妊娠中の警官ののんびり捜査も面白い、
とにかくジェリーがでたらめなダメ男、僅かな金策のために嘘と言い訳を重ねて事態をどんどん悪化させ、妻や息子、義父など周りの人間をどんどん不幸にしていく様がなんとも滑稽で恐い、全体にブラックユーモア満載、捜査を取り仕切る妊娠中の警官ののんびり捜査も面白い、
観たことあるかな~?と自宅で鑑賞、とても新鮮でずっと楽しめたのですが、終盤近くのシーンを観て気付きました、あ、これ観たことあるわ!!^^)映画あるある、憶えていないものですね、
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◆(自宅で鑑賞)「私の人生なのに」
◆(自宅で鑑賞)「私の人生なのに」
(★★★★☆)(2018年日本)
下半身不随になったアスリートを支える幼なじみの朴訥とした歌
将来を嘱望された新体操選手の瑞穂、突然難病を発症、選手生命を絶たれてしまう、目標を失い生きる気力も無くしてしまった瑞穂の前に、突然現れた幼なじみの淳之介は唐突に一緒に歌を唄うことを提案するが相手にされない、、、
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難病からの立ち直りがテーマ、そのテコになる幼なじみの淳之介が良い、なんとも捉え処のないはみ出し野郎と難病のアスリート、どうも会話が噛み合わない2人のようで徐々に心が繋がっていく過程はなかなか秀逸な展開、車椅子と徒歩で歩みながら会話をする2人を前から撮るカットがこの映画の表札だったような気がします、
難病からの立ち直りがテーマ、そのテコになる幼なじみの淳之介が良い、なんとも捉え処のないはみ出し野郎と難病のアスリート、どうも会話が噛み合わない2人のようで徐々に心が繋がっていく過程はなかなか秀逸な展開、車椅子と徒歩で歩みながら会話をする2人を前から撮るカットがこの映画の表札だったような気がします、
主演の知英は韓国アイドル出身だそうです、へ~、彼女の日本語は完璧、才能か?努力の成果か?
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〇(スクリーンで鑑賞)「前科者」
(★★★?☆)(2022年日本)
仮釈放中の前科者がやむなく犯罪に巻き込まれていく、社会派サスペンス
保護司の佳代は多くの前科者の更生に関わっている、仮釈放中の工藤は真面目な性格で順調に更生、しかし仮釈放が終わり社会に復帰出来る最後の面談日に突如として佳代の前から姿を消してしまう、工藤を信じる佳代、しかし殺人事件の容疑者として工藤が捜査線上に浮かぶ、、、
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物語は分りやすい、たぶんそうだろうなという展開、謎の疾走という事態をもっとサスペンスを前面に押し出して描いても良かったかな?と感じますが、それよりは保護司の献身と佳代の信条に重きを置いた終盤でした、すこし説教臭いけど感動したのもたしか、評価が難しい映画、
物語は分りやすい、たぶんそうだろうなという展開、謎の疾走という事態をもっとサスペンスを前面に押し出して描いても良かったかな?と感じますが、それよりは保護司の献身と佳代の信条に重きを置いた終盤でした、すこし説教臭いけど感動したのもたしか、評価が難しい映画、
最近、出所後の受刑者、仮釈放中の受刑者をテーマにした映画多いですね、たしかに日本では“前科者”に寛容ではない、いや、一度前科が付くと普通の生活が送れない不寛容な社会という実体が映画を作らせているのかな、
保護司が非常勤の国家公務員というのも初めて知りました、ボランティアだとは思っていましたが資格は国家公務員なんだ、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)