博士と彼女のセオリー

2022年03月14日

先週の5本、オススメは「Ribbon」「JUNK HEAD」「博士と彼女のセオリー」、お気楽に「アンチャーテッド」「レッド ノーティス」。

〇(スクリーンで鑑賞)「Ribbon」
(★★★★☆)(2021年日本)
女優のん、企画・主演・脚本・監督作品、期待以上の出来です

03Ribbon

コロナ禍の2020年初春、卒業制作展がコロナ禍で中止になった美大生のいつか、自宅に卒業制作を持ち帰り制作を進めようとするが、一向にやる気が出ず進まない、自宅で鬱々とし近所を散歩するだけのうんざりする毎日、それでも芸術は必要なのか?



女優のんがコロナ禍の世情を正面からしっかり切り取ったね、俳優の企画・主演・脚本・監督ということで、ちょっと危うさを感じながら鑑賞、出だしが抽象的なシーンだったので、不安的中か!?と焦りましたが、、、なんのなんの、しっかりテーマをつかみ取ってエンディングまで持って行きました、中盤までのユル~い会話劇も楽しいし、終盤はちょっとしたサスペンスもあり、そしてラストもちゃんとテーマを昇華、たいした才能です、

コロナ禍での流行語?『不要不急』、芸術は不要不急なのか?生きていく上で芸術は有益ではないのか?様々なジャンルのアーティストが抱えるコロナ禍の自己矛盾と憤懣、それを映画という芸術で答えを出すという、コロナ禍の世情をここまでしっかり捉えた作品は初めてじゃないかな、それだけでこの作品の意味はあります、

Ribbon=リボンは劇中の卒業制作のモチーフ、度々抽象シーンに登場、こういうのは苦手なのですが、、、鑑賞後にリボン⇒リボーン(再生)みたいな洒落なのか?と深読み^^)


◆(自宅で鑑賞)「JUNK HEAD」
(★★★★?)(2017年日本)
一人のクリエイターの情熱が凄い映画になりました、驚異の手作りコマ撮りムービー

03JUNKHEAD

環境破壊で地上に住めなくなった人類は地下に生活空間を開発、地下労働力として“マリガン”を生み出したが、マリガンは独自に進化、人類と争うことになる、それから1600年後、生殖能力を失った人類は地下のマリガンから生殖遺伝子を奪うべく一人の男が地下に送り込まれる、、、



なんとまあ、凄い映画でした、★4つですがそれ以上の怪作です^^)

作ったのは堀貴秀さんというクリエイター、なんと原案、絵コンテ、脚本、編集、撮影、演出、照明、アニメーター、デザイン、人形、セット、衣装、映像効果などほとんどの作業を一人でこなしています、コマ撮りアニメーション、総コマ数は14万コマとか、とても人のなせる業とは思えません、

そして、そのセンスが抜群なのです、セットや衣装、そして多数登場するマリガンや謎のクリーチャー達、独特のテイストですがセンスが光っています、脚本も台詞も洒落ていて面白い、コマ撮りで動くキャラクター達がラストでは生きているように見えてくるから不思議、

ちょっと曲者ですが、99分後にはきっとファンになっています、オススメです、


(★★★★☆)(2014年英国)(原題:The Theory of Everything)
難病ALSを煩った天才スティーブ・ホーキング博士と妻ジェーンの物語

03博士と彼女のセオリー

ケンブリッジ大学で物理学を学ぶ青年スティーブン、難解な証明を簡単に解いてしまう天才、詞を研究するジェーンと知り合い学生生活を謳歌するが、、、突然歩けなくなり、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され、余命2年と宣告される、落胆のスティーブンをジェーンが支え続けるが、、、



発症前のホーキング博士の躍動を見るとなんとも云えない気持ちになります、こんな天才にこんな難病が襲いかかるとは、、、神も厳しい試練を与えます、神を信じないホーキンス博士と信心深い妻ジェーンとの関係は終盤に思わぬ展開となりますが、それでも良き人生、2人の愛情物語と博士の奮闘に拍手、

余命2年と宣告された博士ですが、発症から50年以上研究を続け、2018年3月76歳で死去、ジェーンとの間に3人の子どもをもうけています、

ちなみにアインシュタインの『一般相対性理論』は『General Theory of Relativity』、原題はホーキング博士が目指したもっとシンプルで包括的なセオリー(理論)という意味かな?



〇(スクリーンで鑑賞)「アンチャーテッド」
(★★★☆☆)(2021年韓国)(原題:Uncharted)
伝説の黄金を巡るトレジャーハンターと殺し屋達の冒険談

03アンチャーテッド

ネイトはNYのバーテンダー、手先が器用で盗みも働く、そこへ現れたトレジャーハンターのサリー、行方不明になっているネイトの兄が遺した財宝のありかを示すヒントを探している、さらに女トレジャーハンターのクロエや、富豪、殺し屋が黄金の財宝の争奪戦を繰り広げており、ネイトもそれに巻き込まれていく、



全編、退屈せずに最後まで楽しめますが、、、なんか、既視感がありワクワクドキドキは少ないかも、出だしは若き日のインディ・ジョーンズ?地下迷宮を彷徨い、ラストは「グーニーズ」(古!!)を思い出しました、この映画の原作もゲームなんですね、そういうDNAは感じます、

でも、続編は決まっているようです、新たな人気シリーズになるかな?休日のお気楽鑑賞に、

原題の「Uncharted」は『海図に載っていない』というような意味だそうです、



◆(自宅で鑑賞)「レッド ノーティス」
(★★★☆☆)(2021年米国)(原題:Red Notice)
インターポール、FBIと美術品泥棒の秘宝を巡る虚々実々の駆け引き

03レッドノーティス

FBI捜査官ジョンはインターポールの敏腕捜査官ダスと組み、クレオパトラの秘宝を狙う詐欺師ノーランを逮捕するが、謎の黒幕ビショップの罠にはまりノーラン共々監獄送りとなってしまう、そこで「クレッパトラの3つの卵」にまつわる争奪戦の実情を聞き、自らの無実を証明するためにノーランと手を組みビッショップの裏をかくことにするが、、、



Netflix制作映画、そんな感じアリアリのお気楽クライムアドベンチャームービー、FBI、インターポール、詐欺師、美術品泥棒が入り乱れてのお宝争奪戦、相手の裏をかく駆け引きは2転3転、冒頭から仕掛けられていた映画的レトリックには気付かず、すっかり欺されました、

こちらも休日のお気楽鑑賞に、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)