天外者

2021年01月25日

先週、映画館・自宅で観た映画~先週は中身が濃い3本、お奨めは「ニューヨーク 親切なロシア料理店」、「天外者」もヨカッタ。

先週、映画館・自宅で観た映画~

先週は中身が濃い3本、お奨めは「ニューヨーク 親切なロシア料理店」、「天外者」もヨカッタ、

(★★★★☆)(2019年デンマーク・カナダ・スウェーデン・ドイツ・フランス合作)

202101親切なロシア料理店

バッファローの住宅地に住んでいるクララは息子二人を車に乗せてNYへ出てきた、あてにしていた義父の家に転がり込もうとするが拒絶される、無一文の親子3人はホームレスへと転落していく、同じように様々な悩みを抱える人々が偶然あるロシア料理店に吸い寄せられていくと、、、



なんの予備知識もなしに鑑賞、想像していた映画とは全く違いました、そういう意味ではこの邦題は罪作り、ロシア料理店は親切ではない、ロシア料理店がテーマでもない、料理映画でも恋愛映画でもない、NYはテーマ、ただそれは憧れの街NYというわけではない、原題の「The Kindness of Strangers」を上手に活かすのは難しかったか、

そう、この映画のテーマは見ず知らずの他人への無償の思いやりみたいなもの、クララがなぜ家を飛び出して来たかが分かるにつれ、悲しみの連鎖でジワジワ締め付けられるような重苦しい気持ちになっていく、それでもNYに救いはあるのか?

クララ親子3人の物語が主軸だが、刑務所帰りのシェフ、セラピーに通う弁護士、何もかも上手くいかない若者、燃え尽き症候群の看護師、自分のIDを見つけられないロシア移民、それぞれがフィナーレのピースにピタリとハマる映画的カタルシスが心地良い、



〇(スクリーンで鑑賞)「天外者」
(★★★★☆)(2020年日本)

202101天外者

江戸末期、薩摩藩士五代友厚は諸外国の経済的日本侵略を予見、英国商人グラバーの支援を受け、伊藤博文、岩崎弥太郎、坂本龍馬などと共に日本の国家としての土台造りに奔走、明治政府から離脱した後は、商人として大阪を東洋最大の商都とすべく力を尽くす、、、



五代友厚の一代記モノ、なのでエピソードの積み重ねになってしまうのはやむなし、それでも丁寧に作られた幕末時代劇として観応えがあります、とくに主演の三浦春馬さんは嵌り役で、力のある俳優であることを証明しています、それだけに自死は残念、

自主制作のような座組の良いところも出ている、意外性の西川貴教、若手三浦翔平、共にギリギリのところで踏みとどまった、ラストの森永悠希の伊藤博文は立派、監督の力量か、、、

ラストのエピソード、分かっていても泣けました、



◆(自宅で鑑賞)「迷子の警察音楽隊」
(★★★★☆)(2007年イスラエル・フランス合作)

202101迷子の警察音楽隊

イスラエルの式典で演奏するためやって来たエジプトの警察音楽隊の8人、手違いと勘違いで全く違う田舎町に迷い込んでします、帰りのバスもホテルもないままに、小さな食堂を営む女亭主の好意で町に1泊する事になる、、、



コメディかと思いきや、偶然迷い込んだ田舎町でのなんとも不思議な一夜の物語が紡がれます、台詞が少ない、シンプル、エジプトとイスラエル、隣国だが言語も宗教もおそらく生活習慣も気質も違う、だから会話が少ないのか?歴史の傷跡らしきモノの垣間見れる、だから会話が成立しないのか?

そういう国家的地理的問題よりも大きな個人的問題を抱えている人たち、それがなにか?少しは吐露するが、多くは皆、胸の内にしまっておく、ハリウッド映画にはない気持ちをグッと押さえ込んだ諦めの表情の向こうに普通の人の生活と幸せがあるのか、、、

独特の空気感、映画らしいサスペンス、気に入りました、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)