対峙
2023年02月27日
先週は5本、最後に待っている映画的レトリック「ソウルメイト」「ほの蒼き瞳」、対話劇「対峙」、他に「神々の山嶺」「シャイロックの子供たち」
◆(自宅で鑑賞)「ソウルメイト/七月と安生」
(★★★★!)(2016年中国/香港合作)(原題:七月與安生 Soulmate)
幼なじみで親友の“七月と安生”、様々な想いが交錯しながらも変わらない友情

七月と安生は小学校からの親友、優等生の七月とちょっと風変わりな安生は変わらない友情を育んできたが、が、七月は現在消息不明、街で偶然かつての七月の恋人と再開した安生は、話題になっている七月作のネット小説「七月と安生」の展開と共に2人の思い出を掘り起こしていくことになる、
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先週観た「少年と君」のデレク・ツァン監督の前作(デビュー作)、主演も同じチョウ・ドンユィ、やはりこの監督の作品は観応えがあります、物語は小学校時代からの七月と安生の関わりと、現在の安生を追いながら、消息不明の七月の影を追うことになります、安生の生き様が楽しく面白く、これだけでも充分楽しめる映画なのですが、
性格がまったく真逆の2人の生き様があるポイントで逆転することになります、なるほど、人生の摩訶不思議さがこの映画のテーマかと思いきや、そこにはとっても大切な秘密がありました、最後に見事な映画的レトリックで欺かれる事になり、この映画の真のテーマが何であるかを知ることになります、
必見!ぜひ観てください、
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◆(自宅で鑑賞)「ほの蒼き瞳」
◆(自宅で鑑賞)「ほの蒼き瞳」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Pale Blue Eye)
若き日のエドガー・アラン・ポーの探偵冒険談

1830年、米国NY州の陸軍士官学校の士官候補生が心臓をえぐられた死体で発見される、学校は地元に住む元刑事ランドーに調査を依頼、ランドーは緻密な捜査で少しずつ真相に迫っていく、捜査の中で風変わりな士官候補生エドガー・アラン・ポーとも知り合う、エドガーもまた独特の嗅覚を持っており、2人で捜査を進めることになるが、第2の殺人が発生、事態は切迫していく、、、
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若き日のエドガー・アラン・ポー!もちろんフィクションですが“シャーロック・ホームズ”にも“インディアナ・ジョーンズ”にも同様のスピンオフがあるので、その流れでのチャレンジですね、
若き日のエドガー・アラン・ポー!もちろんフィクションですが“シャーロック・ホームズ”にも“インディアナ・ジョーンズ”にも同様のスピンオフがあるので、その流れでのチャレンジですね、
ところが物語は元刑事ランドーがメインで引っ張っていきます、士官学校という閉鎖された世界、犯人もこの中にいるはず、そして、その通りの展開で1件落着、なぜここにポーが出てこないといけないのか?最後までなんとなくしっくり来なかったのですが、、、
ラスト15分のとんでもない事態にポーの出番が待っていました、ある意味禁じ手のレトリック、伏線はしっかりあり、なんとかギリギリ推理小説のルールは守られていますけどね、ラストの受け止め方で評価がかわる作品かな、
ラスト15分のとんでもない事態にポーの出番が待っていました、ある意味禁じ手のレトリック、伏線はしっかりあり、なんとかギリギリ推理小説のルールは守られていますけどね、ラストの受け止め方で評価がかわる作品かな、
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〇(スクリーンで鑑賞)「対峙」
〇(スクリーンで鑑賞)「対峙」
(★★★★☆)(2021年米国)(原題:Mass)
校内での銃乱射事件の被害者と加害者の家族が対面する会話劇

田舎街の小さな教会、セラピストが教会の1室でセッティングしたのは、学校内で起こった銃乱射事件の被害者と加害者の両親同士の話し合い、告訴とは無縁のお互いの胸の内を吐き出す話し合い、緊迫するムードの中で始まり徐々に心の叫びを吐露する4人、お互いを尊重しながらも我が子を失った気持ちを抑えきれない、、、
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なんともヘビーなテーマの会話劇、加害者と被害者の両親の話し合い、こんなことがホントに出来るのか?日本ではちょっと難しいかも知れない、物語の90%は室内での4人の会話、揺れ動く4人の感情にドキドキ、ヒヤヒヤ、ホッとしたり、
なんともヘビーなテーマの会話劇、加害者と被害者の両親の話し合い、こんなことがホントに出来るのか?日本ではちょっと難しいかも知れない、物語の90%は室内での4人の会話、揺れ動く4人の感情にドキドキ、ヒヤヒヤ、ホッとしたり、
普通なら正直聞きたくない会話ですが不思議と集中して観れました、準備段階から妙な緊張感が漂う教会、オーラでまくりのセラピスト、不安定さをしっかり演出して4人の会話劇へ、良く計算されていると思います、会話の中で徐々に死んだ息子たちの輪郭が見えてくるように感じるのも上手な証拠、ラストにやっと本音を吐き出すことで一応の結末を迎えます、
テーマはさておき、映画的には結構面白いと思いました、観て損は無し、
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◆(自宅で鑑賞)「神々の山嶺」
◆(自宅で鑑賞)「神々の山嶺」
(★★★★☆)(2021年フランス・ルクセンブルク合作)(原題:Le sommet des dieux)
エベレスト初登頂の謎を追いながら、厳冬期のエベレストに挑む2人のクライマー

山岳カメラマンの深町はネパールのカトマンズで、伝説の登山家マロニーのものだと称するカメラを売りつけられるが相手にしない、しかし、そのカメラを日本人が奪っていく様子を目撃する、その日本人は長く行方不明だった登山家羽生だった、深町はマロニーのエベレスト初登頂の鍵を握るカメラと共に、羽生が再びエベレストを目指すと確信、羽生の痕跡を追ってネパールへ向かう、、、
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物語の発端はエベレスト初登頂の謎、公式に確認されているのは1953年、その29年前に英国の登山家マロニーが挑戦、消息を絶ったが登頂に成功したかどうかは不明、その時マロニーが所持していたカメラが物語の冒頭に登場します、しかし、映画のテーマはこの謎解きではありません、いろんな因縁に惹かれて再びエベレストを目指す2人のクライマー、なぜ人は山に登るのか?たぶん、経験してみないと分らないこの命題への1つの答えがこの映画のテーマになっています、
物語の発端はエベレスト初登頂の謎、公式に確認されているのは1953年、その29年前に英国の登山家マロニーが挑戦、消息を絶ったが登頂に成功したかどうかは不明、その時マロニーが所持していたカメラが物語の冒頭に登場します、しかし、映画のテーマはこの謎解きではありません、いろんな因縁に惹かれて再びエベレストを目指す2人のクライマー、なぜ人は山に登るのか?たぶん、経験してみないと分らないこの命題への1つの答えがこの映画のテーマになっています、
アニメとは言え登山シーンで足がゾワゾワします、ほぼ垂直の雪壁を何100mもピッケルとアイゼンで登るなんて、絶対にしたくありません、山は好きだけどこれは怖すぎます、何回か眼をそらしました^^)
夢枕獏原作、コミック化からの欧州での映画化、映画祭でも高評価、
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〇(スクリーンで鑑賞)「シャイロックの子供たち」
〇(スクリーンで鑑賞)「シャイロックの子供たち」
(★★★☆☆)(2022年日本)
メガバンクを舞台に金に目が眩んだ欲望渦巻く詐欺事件が繰り広げられます

メガバンクの小さな支店、ノルマ達成のために日々叱咤される行員たち、そんな中で優秀な成績を収める滝野は旧知の会社社長から不正融資を懇願される、過去の因縁からこれを渋々受けることになるが、返済が滞り本店査察部が調査に入ることに、行員の西木は大きな不正の匂いを感じるが、査察は簡単に終了、疑問を覚えた西木は独自に真相を追い始める、、、
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お馴染み池井戸潤原作の小説をオリジナルストーリーで映画化、ま、池井戸ワールドも観慣れてきたのでそんなに驚きはしないが、、、にしても、出てくる銀行員があの人もこの人も金まみれのズブズブ野郎、それにインチキ会社や街の不動産屋が絡んで、なんとも悲しい物語になっています、ズブズブ過ぎてお馴染みのフレーズと共に来る逆転の爽快感もちょっと興醒め感があるのも残念、
お馴染み池井戸潤原作の小説をオリジナルストーリーで映画化、ま、池井戸ワールドも観慣れてきたのでそんなに驚きはしないが、、、にしても、出てくる銀行員があの人もこの人も金まみれのズブズブ野郎、それにインチキ会社や街の不動産屋が絡んで、なんとも悲しい物語になっています、ズブズブ過ぎてお馴染みのフレーズと共に来る逆転の爽快感もちょっと興醒め感があるのも残念、
上戸彩を初めてスクリーンで観たかも、未だ若々しい演技は収穫、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)