映画

2024年04月08日

先週は5本、「オッペンハイマー」「バンク ジョブ」「海街Diary」「ツユクサ」「ゴーストバスターズ フローズンサマー」

〇(スクリーンで鑑賞)「オッペンハイマー」
(★★★★!)(2023年米国)(原題:Oppenheimer)
米国の原爆開発を率いた物理学者オッペンハイマーの苦悩と葛藤

04オッペンハイマー

第2次世界大戦末期、米国とナチスドイツは原爆開発競争にしのぎを削っていた、軍からマンハッタン計画(原発開発計画)のリーダーに指名された物理学者オッペンハイマー、様々な困難を乗り越え、優秀なスタッフを集め、多額の予算を投入して大規模な実験場を作り原爆開発に邁進、ついに原爆実験に成功する、しかし予想をはるかに上回る原爆の威力を目の当たりにして、オッペンハイマーは世界の崩壊を危惧するようになる・・・



オッペンハイマーの原爆開発成功物語というシンプルな映画ではありません、2つの大きな苦悩と葛藤があります、1つは原爆開発の是非と日本への原爆投下の是非という問題、ナチスへの切り札として開発していた原爆でしたが、1945年5月にヒトラーは自殺、目標は日本に変更されます、日本が負けることはもはや明白な時期、果たして投下が必要なのか?軍と対立するオッペンハイマーや開発スタッフは、冷戦時の水爆の開発にも反対します、

2つ目はオッペンハイマー自身や家族の経歴、米国共産党に入党していた過去があったため戦後赤狩り時代にソ連のスパイではないかと疑惑の目を向けられます、政敵の策略で聴聞会に掛けられたオッペンハイマーは物理学者としての権利をはく奪され原子力委員会から追放されてしまいます、

3時間という長尺、冒頭は少しウトウトしてしまいましたが、それ以降は時間の長さをあまり感じない映画的サスペンスの連続、開発計画を巡る主導権争い、開発を巡る軍との駆け引き、共産党疑惑、そして実験の成功と広島長崎への投下、戦後の水爆開発反対とスパイ疑惑、赤狩り、

原発開発成功者の伝記モノではない、アカデミー好みの内容になっています、映像効果と共に音響・音楽効果が凄いです、眠気も吹っ飛びます^^)

オスカー作品賞、監督賞、主演男優賞他、合計7部門受賞映画、必見です、



◆(自宅で鑑賞)「バンク ジョブ」
(★★★★☆)(2008年英国)(原題:The Bank Job)
一攫千金!銀行の貸金庫からの強奪に成功したが、貸金庫には思わぬ秘密が隠されていた

04バンクジョブ

借金で首が回らなくなっていたテリー、元恋人から銀行強盗の計画を持ち掛けられ乗ることにする、練り上げた計画は順調に進み、貸金庫から多額の現金を盗み出すことに成功するが・・・この計画には裏があった、英国王室のスキャンダルのネタ元を回収するための諜報機関の策略だったのだ、想定外の展開にテリーたちは窮地に追い込まれる、



事の発端は英国王室アン王女の暴露写真、これを回収するために諜報機関MI-5とMI-6が仕組んだ銀行強盗だったが、計画は失敗、どんどん事態は悪い方へ傾いていく、スキャンダルのネタ写真を持つ麻薬組織、ポルノ館に出入りする国会議員、裏帳簿を奪われたポルノ産業の帝王と悪徳警官などが、貸金庫から出回った写真と帳簿を巡って入り乱れます、

と、奇想天外な物語、結構楽しめるクライムサスペンスですが、、、

これがなんと実話ベース、アン王女のスキャンダルに端を発し、麻薬組織、ポルノ帝王、悪徳警官、国会議員など、多数の逮捕者を出した1971年の現実の事件が下敷きだそうです、なんとも物凄い事件です、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「海街Daiary」
(★★★!☆)(2015年日本)
舞台は湘南鎌倉、一緒に暮らすことになった三姉妹と末の四女の家族劇

04海街

鎌倉にある古い一軒家、幸、佳乃、千佳の三姉妹が暮らしている、長らく別に暮らしていた父親が無くなり、山形まで葬儀に出かける、そこには異母妹のすずがいた、継母とは血が繋がっていないため、幸はすずを鎌倉に呼び寄せることにする、すずも同意、姉妹4人の生活が始まる・・・



長女の幸は責任感が強く3人の妹の面倒を見ながら働いています、次女の佳乃は酒と男を愛するおおらかな性格、三女の千佳は自由奔放、そんな中で一緒に暮らす妹のすずとの交流、家族の記憶、時に悩み、挫折し、幸せを手放し生きていく4人、それぞれの人生のかけらを切り取りながら、姉妹は前へ進んで行きます、

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと豪華キャストの4姉妹、脇もオールスターと呼べる俳優で固められ、しっかりした一編になっています、エピソード・シークエンスが細かすぎる感がありますが、ほっこりした観後感で観終わります、キャストのお陰かな、

是枝裕和監督作品、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「ツユクサ」
(★★★!☆)(2022年日本)
辛い思い出を抱えて小さな港町にやって来た女性の再生の物語

04ツユクサ

小さな港町で暮らす芙美、断酒の会に通っており、親友直子の息子航平と友達のような付き合いをしている、ある日、芙美の運転する車に小さな隕石が衝突、航平と共に隕石を見つけた芙美はそれをペンダントにする、それをきっかけに、閉じていた芙美の生活に少しずつ変化が現れる・・・


芙美がこの港町にやって来たのには理由がある、断酒の会に通うのも悲しい過去の出来事が理由のようだ、なにごとにも前向きに向き合い、明るく生きているように見える芙美にも心の闇があります、隕石ペンダントのお陰か?偶然知り合った陰のある男篠田にはなぜか徐々に心を開いていく芙美、小さな街で交差する人生模様、

小林聡美ならではの空気感がある物語、大きな事件も犯罪も奇跡も起こりませんが、心にチクチク刺さっていた棘がすっと消えていくような結末、芙美と篠田の不器用な恋物語もすっと入ってきます、平岩紙、江口のり子ももったいないくらいの好演、

ラストシーンだけはちょっと違和感あり、これが奇跡という事か?個人の感想です^^)



(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Ghostbusters: Frozen Empire)
なんでも凍らせる最強のゴーストがNYに出現!フルメンバーで挑むゴーストバスターズ

F04GB

うだるような暑さの夏のNY、ゴーストの出現が活発になり大忙しのゴーストバスターズのスペングラー一家、最年少の娘フィービーは未成年のため、市長から労働禁止令が出て、ゴースト退治に出動できなくなる、ひとり悶々とするフィービーは夜の公園で焼死した娘のゴーストと出会い、心を通わせるが、その先には最強のゴーストを復活させるための罠が待ち受けていた、



1980年代に大ヒット、2作が作られ、2021年に作られた3作目の続編、世代を超えて引き継がれている“ゴーストバスターズのお仕事”、基本は1980年代と変わらずの装備でゴーストを捕獲していきますが、今回の相手は最強、今までも武器は通用しません、

と、いう筋書きですが、最強ゴーストの登場はラスト30分ほど、そこに行きつくまでがどうもテンポが悪いし、最強ゴーストもチャーミングじゃない、この映画のゴーストはチャーミングであってほしい^^)フィービーはチャーミングだけどね、

ダン・エイクロイドはしっかり出演、ビル・マーレイはほぼカメオ出演、インド人、韓国人、アフリカ系と多民族編成で戦います、

個人的には2作目のシガニーが好き、




来週の映画記事はお休みします、






syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年04月01日

先週は5本、「DOGMAN」「侵入者たちの晩餐」「ザ バンク」「ニューヨークの恋人」「六月橙の三姉妹」

〇(スクリーンで鑑賞)「DOGMANドッグマン」
(★★★★☆)(2023年フランス)(原題:Dogman)
検問に掛かったトラックには負傷した男と多数の犬、何があったのか?

03ドッグマン

負傷した女装の男、荷台には多くの犬、そして足が不自由なため車椅子、検問で捕まった不審な男は何も語ろうとしない、交渉役を頼まれた精神科医エヴリンが駆け付けると、男はなぜかエヴリンには少しずつ自らの事を語り始める、男はダグラス、少年時代に父親と兄から酷い虐待を受け、それがもとで不自由な身体に、犬をこよなく愛するダグラスの数奇な運命、意外な才能、失恋、そして決して罪を犯さなかったダグラスが、、、



犬をこよなく愛するダグラス、保護犬のシェルターを管理していますが、資金を稼ぐためにショービジネスの世界でアルバイトをし、街のギャングから友人を守るために一肌脱いだりする正義漢の側面も、しかし、役所からのシェルターへの補助金は打ち切られることになり、資金稼ぎのためにちょっとした悪事を働き保険会社の調査員に追跡され、さらに復讐に燃えるギャングからの襲撃を受けることになります、絶体絶命の歩けないダグラスを救うのは!?

なんとも奇妙奇天烈な映画ですが不思議と観後感は悪くない、リュック・ベッソン監督の剛腕が男と犬たちのあり得ない絆を強引に描き切りました、なんとも落ち着かない不安定感、なのにダグラスへの共感もしっかり呼び起されます、舞台は米国のようですが、このテイストはれっきとしたフランス映画です、

もし、興味があればご鑑賞を、



◆(自宅で鑑賞)「侵入者たちの晩餐」
(★★★★!)(2024年日本)
社長宅に忍び込んで現金を盗むことにした3人が過ごす奇妙な一夜の出来事

03侵入者たちの晩餐

家事代行会社に勤める亜希子、同僚の恵から自社の女性社長が脱税しているのでは?という噂を聞く、日頃の鬱憤が溜まっていた2人は社長の自宅から脱税で貯めたタンス預金を盗む計画を立てる、恵の友人ミステリーマニアの香奈枝も加わり、海外旅行で不在の社長の家に無事忍び込むことに成功、しかしタンス預金は見つからず、やむなく退却するつもりだったが、、、



軽妙なコメディ、バカリズムの脚本がホントに面白い、3人が忍び込んでから次から次へと起こる予定外の出来事、侵入者の3人、部屋に戻った女性社長、マンションのコンシェルジュ、空き巣犯、出て来る全員がズルくて間抜け^^)視点を変えることで次々と事実が暴かれるという映画的レトリックも大成功、声を上げて笑えるドラマは久しぶりでした、

2024年正月に放送されたTVドラマです、菊地凛子、平岩紙、吉田羊の掛け合い漫才も秀逸、楽しいドラマでした、



(★★★!☆)(2009年米国・ドイツ・英国合作)(原題:The International)
巨大銀行の悪事を暴くインターポール捜査官とNY検事の悪戦苦闘

03ザバンク

開発途上国への武器輸出の裏で暗躍する巨大銀行IBBC、インターポール捜査官のサリンジャーは証人確保まであと一歩に迫るが関係者が次々と暗殺され捜査は暗礁に、それでもNY検事局のホイットマンと共に捜査の手を緩めない、やっと暗殺者に辿り着くがIBBCの妨害により暗殺者も殺害される、もはや合法的な捜査ではIBBCを追い込むことが出来ないことを悟ったサリンジャーはホイットマンと決別、囮捜査で証拠を掴もうとするが、、、



実話ベースかと思わせる巨大銀行の悪事、捜査の手が迫ってくると次から次へと関係者を暗殺する非情な銀行経営陣、イタリア大統領候補まで暗殺されるのだから、もうお手上げの捜査陣の苛立ちがよく分かります、

ベルリン~NY~イスタンブールと世界を巡る割には重くシリアスな展開、007シリーズなどとは一味違います、NYのモダンな美術館(の設定)での銃撃戦が迫力あり、真っ白な壁にどんどん撃ち込まれる銃弾、壊れていく美術館、これはどうして撮影したんだろうね、ホントに壊しちゃったのかな?



(★★★!☆)(2001年米国)(原題:Kate & Leopold)
19世紀からタイムスリップしてきた公爵との恋物語、メグ・ライアン主演のラブコメディ

03NYno

時空の裂け目を見つけたスチュアートと共に、19世紀から現在のNYにタイムスリップして来たレオポルド公爵、広告会社勤務のスチュアートの元恋人ケイトに好意を抱くようになる、正体を隠して21世紀に徐々に順応していくレオポルド、ケイトの会社の重役J.Jもケイトに好意を持っているが、これがとんだ俗物、レオポルドは2人の仲を裂こうとする、ケイトは担当した商品のタレントにレオポルドを起用、その気品に満ちた演技で商品は大ヒット、ケイトはJ.Jを蹴落とし重役の椅子を約束されるが、レオポルドは元の世界へ帰ってしまう、、、



ラブコメディならこの人、メグ・ライアン主演の軽妙洒脱なラブコメディ、タイムスリップといっても120年程前のNYから現代のNYへ、公爵が上手に立ち回れるくらいのギリギリの設定、微妙なズレやちぐはぐさが物語のエッセンスになっています、高貴な公爵がTVCMで活躍するのも面白い、

メグ・ライアンはチャーミングの絶頂ですね、2001年制作ですか、時が経つのが早いです、



◆(自宅で鑑賞)「六月橙の三姉妹」
(★★★☆☆)(2013年日本)
鹿児島の和菓子屋を舞台にした三姉妹の人情劇、

03六月橙

「とら屋」の次女奈美江が夫と離婚することになり東京から帰ってくる、それを追って夫の徹も「とら屋」にやってくる、離婚したくない徹、鹿児島に1泊だけして奈美江を説得しようという考えだ、長女の静江と三女の栄は分かれてしまえばいいと至ってクール、母親は迷っているが、継父は徹にはにべもない、鹿児島の風物詩である夏祭り『六月橙』の準備を進めながら、それぞれの想いがぶつかる夏の日、、、



鹿児島市のある老舗和菓子屋「とら屋」の家族構成は複雑だ、母親は再婚相手と離婚して、2人で「とら屋」を切り盛りしている、長女静江は離婚して家業を手伝っている、最初の離婚で静江と奈美江は離れ離れになり10数年ぶりに再開、三女は継父との間の子供、こう書いても分かりにくいか^^)

『六月橙』は神社やお寺で燈篭を飾り付ける鹿児島の夏祭りだが、そんなにフューチャーはされていませんでした、「フーテンの寅さん」の鹿児島版?のような人情劇です、鹿児島県・市の街興し的要素もあり、のんびり鑑賞してください、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年03月25日

先週は5本、「沈黙の艦隊 東京湾大海戦」「デューン PART2」「アップグレイド」「ミケランジェロ プロジェクト」「銀座カンカン娘」

(★★★★!)(2024年日本)
最新型原潜を乗っ取り、独立国「やまと」を名乗って米軍と対峙する海江田の真意は?

03沈黙シーズン1

海上自衛隊の潜水艦が沈没、艦長の海江田以下全員が死亡と伝えられたが、この事故は日米の密約による偽装、最新型原潜「シーバット」に乗り換えた海江田らは演習の際に米軍から離反、独立国「やまと」を名乗る、海江田をテロリストと認定し、平和の番人の面子にかけて「シーバット」撃沈を命じる米大統領、米海軍は総力を挙げて「やまと」に挑むが、海江田の巧みな操船・戦術に翻弄され、ついに空母や原潜を失ってしまう、「やまと」は日本との条約締結のため東京湾に出現、再び米軍艦隊との海戦に突入する、



全8話の形で配信中、2023年にスクリーンで公開された「沈黙の艦隊」の続編という事ではなく、1~2話辺りは映画版を再構成、それ以降は続編というかカタチ、てっきりスクリーンで続編を公開するかと思っていたのですが、配信での公開となりました、

原潜を乗っ取り、独立国を宣言、米軍相手に戦闘状態に入る、ついには米軍空母や原潜が沈む!?という荒唐無稽なお話、でも、絵空事なのにリアリティがある!というのはおかしな表現かもしれませんが、細部まで溢れるリアリティ、全編サスペンスの連続、俳優陣の演技も素晴らしく、全話で6時間以上の大作ですが、心配無用、最後まで画面に集中できます、

物語は潜水艦内と米艦隊の戦闘、そして日米首脳陣の政治的駆け引きの両面で描かれていきます、ある意味、実写部分は密室劇でもあるので製作費が膨らまない?からか、CGパートの出来栄えが素晴らしい、違和感なく物語に没入できます、

主演の大沢たかおが製作にも名を連ねています、思い入れの程が分かりますね、このままいけばシーズン2もありそうです、楽しみです、必見、



◆(スクリーンで鑑賞)「デューン砂の惑星 PART2」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Dune: Part Two)
陰謀により父を失ったポールは、デューンの砂漠の民と共に反撃に転じる、SF超大作

03デューン2

抗老化作用のある香料の利権を巡って陰謀に巻き込まれ、一族が滅亡したポールと母親、ポールは砂漠の民フレメンと共に闘うため、厳しい儀式を乗り越え勇者へと成長し、宿敵ハルコンネン一族の攻撃を撃退する、皇帝をも欺いて野望を実現しようとするハルコンネン男爵は若き戦士と共にデューンに現れ反撃を開始、ポールに最終決戦を挑む、そこに皇帝も現れ事態は一気に緊張、全面戦争が始まる、



2022年に公開された「ディーン砂の惑星」の続編、今回のエピソードはデューンの完全な掌握を目論むハルコンネン男爵とポールとの闘い、ポールの出自の秘密や、ハルコンネン次期男爵候補の若者の登場など、中盤は少々散漫な印象だが、ポールが覚醒した終盤は一気に物語が動きます、ちょっとあっけないくらいに事態は終結します、

映像のクオリティは高く、コスチュームや武器、宇宙船他のデザインの完成度も高く観て損は無し、3作目もありそうな展開ですが、製作費が間に合うのか?心配になるほどの作り込みようです、

(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Upgraded)
一流オークション会社で頑張る普通の女子の成り上がり物語、洒落たコメディ

03アップグレード

一流オークション会社のインターンのアナ、ある日ちょっとした機転で上司に認められアシスタントに抜擢される、パリへの出張に同行することになる、その機上で隣り合わせた財閥の息子ウイリアムと知り合う、ウイリアムの勘違いもあり、アナは自分がNY支社長だと嘘をついてしまう、パリに着いてからも偶然が重なり、アナは支社長に成りすましたままウイリアムとの恋を楽しむのだが、社の命運をかけたオークションの出品者がウイリアムの母親だったことから、アナの噓がほころび始める・・・



NYとパリを舞台にした軽快でお洒落なラブコメディ、アナは少々調子に乗り過ぎたようで、嘘が嘘を呼んでしまうよくある展開、それでも根っこは真っ当な人間、絶体絶命のピンチも寛容な大人に囲まれてハッピーエンドで終わります、こういう逆転の物語は観ていて楽しい、観後感良し、

教訓、でもやっぱり嘘はいけません、もし嘘をついてしまったなら、なるべく早く告白して謝りましょう^^)

(★★★!☆)(2014年米国)(原題:The Monuments Men)
ナチスが略奪した美術品を救出するために前線に赴いた美術専門家たち、実話ベース

03ミケランジェロ

美術に魅入られていたヒトラーは欧州各地であらゆる美術品を略奪していた、連合軍の反撃が始まり後退するナチスドイツ、歴史的価値が高い美術品も次々と失われていく、そんな窮状を見かねた美術館長のフランクは軍に美術品救出の必要性を説く、そして自ら仲間と共に前線へ赴き、命を掛けながら美術品の救出に挑む・・・



ヒトラーは美術学校受験に2度失敗しているそうです、強大な権力を得たヒトラーは欧州各地で歴史的・芸術的価値の高い絵画・彫刻などを略奪、総統美術館を作る計画だったようです、

奪われた美術品を救い出すのは兵士ではなく学者や学芸員などの美術専門家、新兵訓練を受けて前線へ赴きますが、戦場で美術品の価値を説いても戦闘兵士たちは見向きもしない、それでも苦労しながら一つ一つ、貴重な美術品を回収していきます、

後退するナチスドイツが絵画を焼き払うシーンには胸が痛みます、樽一杯に集められた金歯にも、、、このプロジェクトで多くの美術品が救われたようですが、その代償も大きい、近年でも戦争により世界遺産が破壊されたりしています、そろそろ目覚めてもよさそうですが、人間はいつまでたっても戦争は止められないようです、

ビル・マーレイのおふざけシーンが無かったのにもビックリ!!^^)



◆(自宅で鑑賞)「銀座カンカン娘」
(★★★!☆)(1949年日本)
笠置シヅ子、高峰秀子主演、なんとミュージカルパートもあるクラシックコメディ

03銀座カンカン娘

戦後間もない東京、2階に居候しているお秋、その友人のお春も転がり込んできた、なんとか生活費を稼がなければならない2人、ひょんなことから知り合ったミュージシャンの白井と共一緒に銀座のバーやキャバレーで歌を歌ってみることにする、



朝ドラ「ブギウギ」のモデルとなった笠置シヅ子主演映画ということで初鑑賞、「銀座カンカン娘」の作曲は服部良一、劇伴も服部、劇中では「ラッパと娘」「ジャングルブギ」「東京ブギウギ」などを短いながらも笠置が歌います、

5代目古今亭志ん生も出演、最後が志ん生の落語で終わるという、なんとも平和な映画です、昭和24年、こういう映画が必要だった時代ですね、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年03月18日

先週は5本、「52ヘルツのクジラたち」「ゼニガタ」「コットンテイル」「ウエストサイド ストーリー」「バイオハザードザ ファイナル」

〇(スクリーンで鑑賞)「52ヘルツのクジラたち」
(★★★!☆)(2024年日本)
ヤングケアラー、DV被害児、トランスジェンダー、必死に生きる彼らの行きつく先は?

0352ヘルツ

海沿いの町に一人引っ越してきた貴瑚、ある日、港で口を利かない男の子を見つける、その風体から虐待を受けていると察した貴瑚は男の子の母親に迫るが、母親は子供をムシと呼びすて、ついにはムシを捨てて出奔してしまう、ムシを引き取る覚悟を決めた貴瑚、彼女にもつらい過去があった・・・



貴瑚はヤングケアラー、高校卒業後は父親の介護に人生を費やしていた、そんな貴瑚を救い出したアンさんこと安吾との過去エピソードと、現在のムシとの関りが行き来しながら物語が進行します、貴瑚を想い懸命に支援するアンさんもまた重い宿命を抱えています、裕福な恋人が出来た貴瑚はやっと人生に光が見えたと感じますが、そこから騒動が起こり、アンさんの宿命までもが炙りだされてしまいます、

直視すべき現代日本が抱える日常の闇を描くなんとも悲しい物語ですが、ラストには救いもあります、観後感は悪くない、

タイトルは“声が特別な周波数のため仲間と交信できない”クジラのことだそうです、



◆(自宅で鑑賞)「ゼニガタ」
(★★★!☆)(2018年日本)
居酒屋「銭形」を営む銭形兄弟、実は街の高利貸し、容赦なく利子を取り立てるのだが・・・

03ゼニガタ

小さな漁港の町の居酒屋「銭形」には金に困った人間と、金に目が眩んだ人間が集まってくる、法外な利子を取り立てる富男と静香の兄弟、取り立ててでやり合ったボクサー崩れの八雲も仲間に入る、浪費癖のある珠は水商売のアルバイトをしながら銭形からの借金を重ねる、そこに銭形の宿敵、ヤクザの磯ヶ谷が出所して街に戻ってくる、珠は磯ヶ谷の持っている現金を盗みとる計画を立てるが・・・



銭形の利子は10日間で3割=トサンというべらぼうな額、それでも金を借りに来る人間が後を絶たない、銭形兄弟はアコギな金貸しではあるが、どうもそれだけではなさそうだ、トサンではあるが、必死に生き延びようともがいている人間にも金を貸し、どうやって生きていくべきかを問う富男、膨大な金を手元に置いても心が休まらない静香、その金の意味を見極めたい八雲、

お金に縛られないで生きていく事の難しさ、みたいなのが裏のテーマのようです、たしかに生きていくのに絶対に必要なお金、でも、金が絡むと人の心がどんどん劣化していく様がなんとも怖いです、

小品ながら佳作、観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「コットンテイル」
(★★★☆☆)(2023年英国・日本合作)(原題:Cottontail)
先立たれた妻の遺灰を英国の湖に散骨する夫と息子の物語

03コットンテイル

妻に先立たれた兼三郎は生きる希望を失ってしまい自暴自棄に、そんな醜態を息子から叱咤される、なんとか妻の葬儀を済ませるが、そこで住職から妻の遺言を受け取る、そこには思い出の地である英国の湖に自身の遺灰を巻いてほしいと書かれていた、驚いた兼三郎だが、息子夫婦と孫と共に英国へ渡る、そこでも息子と衝突した兼三郎は独り遺灰を持って湖を目指すことになるが・・・



新進の英国人監督・脚本作品、合作となるとやはり独特の雰囲気が出ます、冒頭の東京のシーンは奇妙な緊張感がある出来栄えになっていますが、英国に渡ってからは少し退屈、兼三郎の性格が良く分からない、妻を失ったことで、息子との葛藤が顕在化しているのでしょうが、それにしても行動に脈絡が無い、成り行きで身を寄せた英国人農家でのエピソードも中途半端な感じ、

リリーフランキーは嵌っています、彼以外ではこういう作品にはならなかったのではないか、と思わせるのは流石、英国の田舎の風景も収穫、

東京の鮨屋のシーンがヨカッタ、タコの寿司が食べたくなりました^^)



(★★★!☆)(2021年米国)(原題:West Side Story)
NYマンハッタン、ポーランド系とプエルトリコ系グループの対決と悲恋の物語

03ウエストサイド

再開発により住む場所を奪われるプエルトリコ移民の若者グループ「シャークス」は白人グループの「ジェッツ」といがみ合っている、元ジェッツのリーダーで保護観察中のトニーはダンスパーティでシャークスのリーダーの妹マリアと恋に落ちる、もちろん周囲は2人に諦めるように諭すが2人を引き裂くことはできない、2人の関係が明るみに出てジェッツとシャークスは決闘することになり、そこで悲劇が起こる、



1961年に映画化された名作ミュージカルのスピルバーグによるリメイク、王道のミュージカル映画で、とにかくいきなり歌いだします^^)恋人が死にかけているのに歌われてもなあ、と思ってしまうミュージカル苦手者です、

キレッキレのダンスは素晴らしいし、「Tonight」「Cool」「Maria」など聞き覚えある名曲もたくさん流れます、これはこれで楽しいのですが、、、やはりミュージカルではない「ウエストサイド ストーリー」を観てみたいと思ってしまいました、



(★★★☆☆)(2016年米国)(原題:Resident Evil: The Final Chapter)
お馴染み「バイオハザード」シリーズ、ファイナルという事ですが、終わらない!?^^)

03バイオハザードF

アンデッドの世界と化した地球、わずかに残った人類もあと2日で滅亡する危機、人類最後の希望アリスは、アンデッドを一気に壊滅させるワクチンを手に入れるために、この危機を招いた首謀社アンブレラ社に乗り込む、幾多の危機を乗り越えてアリスは人類を救うことが出来るのか?



日本製ゲームソフトが2002年に映画化されたシリーズの最終章、1作目と2作目は観ましたが、今作は6作目
(他にリブート作品が1作あり)、間の3作は観ていませんが、ま、だいたい物語の想像はつくので、今作だけ見ても楽しめます、

ゲーム原作という世界観は守られており、とにかく強い主演ミラのアクションシーン+ゲーム感覚のスリリングな脱出ステージの連続、1作目に出てきたレーザー通路?もしっかり出て来て楽しめます、アリス役もオリジナルのミラなのでしっくりきます、

ま、休日のお気楽鑑賞に、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年03月11日

先週は4本、「続 夕陽のガンマン 」「FALL」「ネクスト ゴール ウインズ」「アバター ウェイ オブ ウォーター」

先週は4本、「続 夕陽のガンマン 」「FALL」「ネクスト ゴール ウインズ」「アバター ウェイ オブ ウォーター」

(★★★★!)(1967年タリア・スペイン・西ドイツ合作)
(原題:I due magnifici straccioni)
イーストウッド主演、マカロニウエスタンの傑作、やっと観ました

03続夕陽のガンマン

アメリカ南北戦争末期、ブロンディとチェコは賞金が掛かった犯罪人をネタに詐欺まがいの手法で荒稼ぎをしているが、仲たがいをしてコンビを解消、荒野に取り残されたチェコはブロンディを追う、一方、エンジェルは一人の南軍兵士を探して次々と関係者を抹殺していく、目当ては隠された20万ドルの金貨、この3人が奇妙な偶然に導かれて金貨争奪戦に発展、3人の最後の決闘の行方は・・・



1967年制作、C・イーストウッド主演のイタリア製西部劇=マカロニウエスタン、マカロニウエスタンというと、なにやらレプリカ西部劇のような印象もありますが、この作品はホントに面白い、3時間近い長尺ですが最後まで飽きずに鑑賞できました、

イーストウッド主演となっていますが、3人対等で主演格、いや、相棒役のチェコの方が人間味豊かで出番も一番多いので、彼が影の主演と言えるかもしれません、

金貨争奪戦の派手なガンアクションもありますが、西部で生きる庶民の人間模様、無意味な南北戦争の悲惨さ、チェコの生い立ち物語など、アクション以外の要素もたっぷり盛り込んだ、いわば西部大河ドラマのような様相も呈しています、音楽・効果音も面白い、若かりしイーストウッドを存分に観られるのも嬉しいです、ぜひ観てほしい作品です、

ちなみに、米国では“スパゲッティ ウエスタン”と呼ばれたイタリア製西部劇、和名“マカロニ ウエスタン”は映画評論家の淀川長治氏の命名だそうです、



◆(自宅で鑑賞)「FALL」
(★★★!☆)(2022年英国・米国合作)(原題:Fall)
地上600mの電波塔の先端に取り残された2人の決死の脱出劇

03Fall02

同伴クライミング中の事故で夫を失ったベッキーは1年近くふさぎ込み酒におぼれる毎日、友人クライマーのハンターは現状から抜け出すために、再び挑戦すべきだと提案する、登るのは荒野にぽつんと立っている高さ600mの電波塔、ベッキーは渋々承諾、2人は無事先端まで到着、ベッキーはトラウマを克服できたかと思われた瞬間、登って来た梯子が崩れ落ち、2人は高さ600mの先端に取り残されてしまう!!



電波塔の先端は直径1m程のスペース、直下の梯子が崩れ落ち、降りるのは不可能、手元にあるのは15mのロープ、スマホ、撮影用のドローン、双眼鏡、信号弾、そして2人の勇気と知恵だけ、はたしてこれでこの危機を脱することが出来るのか?という物語、

スマホで救援を呼ぼうとするが高すぎて電波が入らない、信号弾やドローンを使ったあの手この手の奇策も不運に見舞われ、最後に遺された手段は無理!と叫びたくなるような危険すぎるチャレンジになります、

ワタシ、高所恐怖症です、とても正視できないシーンの連続なので、スクリーンでの鑑賞は回避しました、正解でした、自宅でも前半は画面から目をそらすシーン続出、地上600mは下を観るだけで怖い、それでも慣れてくるもので、後半は正視できるようになりました^^)

高所恐怖症の方は観ないほうが良いかも、



〇(スクリーンで鑑賞)「ネクスト ゴール ウインズ」
(★★★☆☆)(2023年英国・米国合作)(原題:Next Goal Wins)
W杯サッカー予選史上、最弱の米領サモア代表チーム、初得点を目指して奮闘するが・・・

03ネクストゴール

米領サモアの代表チーム、2001年W杯サッカー予選で史上最多失点0対31で歴史的敗北を期する、再起を誓う地元サッカー協会は米国本土に有能な監督の派遣を依頼、リーグ戦で成績を残せなかった監督トーマスに白羽の矢が立つ、嫌々サモアに赴いたトーマスを待っていたのは代表チームとは名ばかりのヤル気のない選手たちだった・・・



実話ベース、31失点も実話のようです、代表チームといっても兼業選手ばかり、協会の会長も前監督も素人、ろくな練習メニューもなく負け続けるチームに、トーマスも音を上げ何度もチームを放り出してしまいます、この監督の性格もどうかなと思いますが、そこにも悲しい物語がありました、

でも、深刻なお話ではありません、南国サモアののんびりした環境の中、ユーモアたっぷりにチームの挑戦を描いています、いわば『がんばれ!ベアーズ』の大人サッカー版、こういう、どう見ても勝てなさそうなチームがひょっとしたら勝つのではないか?という物語はやはり面白い、最後は米領サモア代表を応援してしまいます、

(★★★!☆)(2022年米国)(原題:Avatar: The Way of Water)
アバター2作目、逃げ延びた森の民が海の民と共に人間側アバターと戦います

03アバター2

神秘の星パンドラ、元海兵隊員のジェイク伍長は森の民となり妻と4人の子供と平和に暮らしている、しかし人類が再びパンドラ侵攻を開始、裏切り者とされたジェイク一家は海の民が住む辺境の島まで逃げ延び、そこで一時の平安な時を過ごす、人類は捕鯨会社の船を接収、ジェイク一家のいる島に迫る、ジェイクと海の民は人類との戦いに突入する、



こちらも192分と長尺、全編ほぼCG、人類とは違う姿形のパンドラの民はどうして撮影したんだろう?と思える精密な動きと表情なのだが・・・結局はずっとCGを見せられると、どうしても慣れてしまいます、1作目のようなCG技術のすばらしさに息を飲む、という事が無いのが実際の感想、中盤の1時間程はCGの素晴らしさを見せつけるためのシーンの連続、ちょっと退屈、終盤の1時間でやっと物語が動き、アクションシーンになる頃にはパンドラの民の顔も見分けられるようになり楽しめましたが・・・

ここまでCGが多いと逆に実写部分が新鮮で魅力的に見えるという事実を確認、という皮肉な結果に、映画はやはり実写がメイン、そこにCGが加わる事での視覚効果を楽しむのが本道と再確認しました、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年02月05日

先週も5本、「哀れなるものたち」「僕らの世界が交わるまで」「雪山の絆」「スターリングラード」「ネメシス 黄金螺旋の謎」

〇(スクリーンで鑑賞)「哀れなるものたち」
(★★★?☆)(2023年英国)(原題:Poor Things)
赤ん坊の脳を持つ女性の成長物語?なのだが、グロ・エロ満載、鑑賞注意^^)

02哀れなる

天才外科医師ゴッドにより、母親の身体に赤ん坊の脳を移植され誕生したベラ、ゴッドの屋敷内で日々成長し、徐々に自我を持つようになる、外の世界を観たいという願望から遊び人ダンカンと大陸横断旅行へ飛び出す、現実を見て少しずつ世界を理解し始めるベラだが天真爛漫そのもので周りを振り回し、遊びのつもりだったダンカンさえ虜にしてしまう、しかし、成長し旅を終え帰ってくるベラを最も厳しい試練が待ち受けていた、、、



継ぎ接ぎだらけの天才外科医、脳を移植された美しい女性、今の世界とは違うゴージャスでアーティスティックな別世界の物語だが、子供の目線で見ると疑問と矛盾だらけのこの世界、そして成長し理想を目指すベラ、、、と、ここまでならなんとかついていけるのですが、、、

原作小説があるそうですが(未読)、その小説の世界観なのか?とにかくえげつない映画です、前半グロ満載、中盤エロ満開、21世紀に観た映画では最多!ファックシーンの連続、エマ・ストーンもよくぞ出演引き受けましたね、という感じ、終盤にようやく人間らしい感情が溢れるシーンがありホッとしたのもつかの間、またもや不快感満載の展開に、ラストも個人的には不快、とにかく観後感・後味が悪いのでもう仕方ない、衣装やら美術やらメイクやら、エエとこ全部合わせても間に合いません、

稀代の名作か?クソ映画か?そんなメーターがあるとすれば、ややクソ映画にメーターは振れました、覚悟して鑑賞しましょう、



〇(スクリーンで鑑賞)「僕らの世界が交わるまで」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:When You Finish Saving the World)
愛しているのに理解できない、母と息子の世界が交わるまでの物語

02僕らの世界

DV被害者を収容するシェルターの責任者エブリン、高潔な理想と志を持って施設を運営している、息子のジギーは自作曲のネット配信で小遣いを稼ぐのに夢中、お互いに相手のことが理解できずに、すれ違い、喧嘩に明け暮れる毎日、そんな時、ジギーは世界の政治に関心のある同級生ライラに魅かれる、彼女に取り入ろうとエブリンに政治的な話をするためのコツを聞くと、上面だけの薄っぺらな考えを一括され、またもや喧嘩に、一方、エブリンも施設に逃げてきた青年に好意を持ち、彼の大学進学に情熱を燃やすが、行き過ぎた思い入れは空回り、2人はやっと自分の大切なものを見失っていたことに気付く、



驚くような大きな事件は起こりません、高潔で清らかな良心を持っていると自負している母親、自ら突き進む道が正しいと確信している息子、お互いに相手の欠点ばかりを見て、それ以上踏み込むことが出来ない2人、それぞれが想いを寄せる相手はお互いを投影したダミーのようにも見えます、

88分という長さもちょうど良い、突然訪れるラストシーンも余韻があって良い、という意見もあると思いますが、ワタシ的にはもう1カット、あと10秒でいいから2人の次のアクションが観たかった、というのは欲張り過ぎなのか、監督の意図を尊重しましょう、

エマ・ストーンが製作に参加、製作者としての才能もあるんだ、



◆(自宅で鑑賞)「雪山の絆」
(★★★★☆)(2023年スペイン・アメリカ・ウルグアイ・チリ合作)
(原題:La sociedad de la nieve)
アンデス山中に墜落した旅客機の乗客たちの壮絶なサバイバル劇、実話、

02雪上の絆

1972年、ラグビーチームの選手たちを乗せた旅客機が雪のアンデス山中に墜落、雪上を滑走したため墜落時45名中29名が生存、過酷な環境の中、救援を信じて待ち続けるが、一人また一人と命を落としていく、墜落現場は雪崩にも襲われ、食料も尽き果て、生き残った者は生存を掛けた究極の選択を迫られる、、、



この航空機事故は“アンデスの奇跡”と呼ばれ、結果的には72日後に16人が生還しています、雪山で72日間生き延びるのは本当に難しい、乗客がラグビーチームだったことが団結と冷静な判断を生み出した一因、にしても食料が尽きてからの生存への究極の判断は重い、、、

無線機やバッテリーの修理チャレンジ、寝袋の制作などなど、よくぞここまで頑張れたものだと感服、最後は救助を待つのをあきらめ、2人が徒歩で延々と続くアンデス山脈を越えて助けを求めることになりますが、、、

結果が分かっていてもサスペンスが続き集中して観れます、そして泣けます、

(★★★!☆)(1993年米国・ドイツ合作)(原題:Stalingrad)
独ソ戦最大の市街戦スターリングラードでの悲惨な戦闘とその後

02スターリングラード

1942年、ナチス・ドイツは戦略上の要衝スターリングラード攻略のためアフリカ戦線で活躍した工兵大隊を投入、簡単に勝利すると思われたが、初日の戦闘で大隊の8割が戦死、ハンスの小隊は敵に包囲され、戦線からの脱出を試み司令部に応援を求めるが、逆に脱走兵として処罰され過酷な任務に回される、そこからハンスの小隊の悲劇が続く、



俯瞰的な戦史映画ではなく、一個の小隊が辿る運命を追いながら戦争の悲惨さを訴える、反戦的な意味合いが強い物語でした、新任の小隊長ハンスは真面目な一市民、非人道的な捕虜の扱いへの抗議や敵兵との交流など、人間的な一面を見せましすが、ナチスはそんな彼を一刀両断、ハンスの小隊は次々と過酷な戦線に送られ隊員は次々と戦死、ついにはハンスも、、、

どんな戦争でも、どこの国の軍隊でも、死んでいくのは無名の兵士と市民、スターリングラードの戦いではドイツ枢軸軍85万人、ソ連軍120万人、市民20万人が死傷、捕虜になったドイツ兵30万人のうち生きて母国に帰ることが出来たのは6000人程度と言われています、人の命が軽すぎます、ワインを飲みながら戦略を練るナチスの高級参謀・将軍たちの愚かさに憤りを感じます、ささやかな人間らしさも結局は散っていく、やはり戦争はしたらアキマセン、ラストシーンが哀しいです、



(★★☆☆☆)(2023年日本)
TVドラマ「ネメシス」の映画化、複雑すぎて理解不能な物語

02ネメシス

探偵事務所「ネメシス」の美神アンナは世界初の遺伝子操作ベイビー、その情報を狙う謎の組織が現れ、アンナは周辺の人物が次々に殺されていく悪夢に悩まされる、そんな時、アンナの前に「窓」と名乗る人物が現れ情報提供を求めるが、組織に殺害されてしまう、、、



と、まあそんな話の様でしたが、夢と現実が何度も行き来する複雑な構成、の割に探偵モノでもないし、タイトルの謎は謎以前のレベルでサスペンスらしきものもない、妙に大掛かりな機械が出て来て他人の夢を操作するという、なにやら観たことがあるようなアイデアもピンと来ず、途中で理解するのをあきらめました、

広瀬すずも華が無かったなあ、残念、観なくても大丈夫です、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年01月29日

先週は5本、「グッドウィルハンティング」「アウトフィット」「ゴールデンカムイ」「リフト」「北の桜守」

(★★★★!)(1997年米国)(原題:Good Will Hunting)
清掃係が難解な数式を解いてしまったことから始まる物語

01グッドウィル

MIT(マサチューセッツ工科大学)でアルバイトの清掃係をしているウィル、高名な数学教授が学生に出題した難解な数式を見事に解いて見せる、教授はその解答を書いた学生探しに奔走、ウイルは少年時代から不遇な生活を送っており、不良仲間と遊び惚けている毎日、ついに暴行罪で保護観察処分になる、そんなウィルが解答者だと知った教授はウィルの保護観察官となって引き取り、数学の勉強をするように勧めるが、ウィルはいう相変わらず奔放な生活を続ける、、、



神は時にとんでもない天賦の才を与えるものです、ウィルの才能は半端なく、高名な教授など足元にも及ばない天才頭脳、しかし、少年時代のトラウマから人に心を開くことが出来ず、自分が何者かになるという発想もなく、ひたすら日々を無為に過ごします、何人ものカウンセラーがウィルの治療に匙を投げる中、最後のカウンセラーがウィルの心の闇に気付きなんとか心を開かせようとしますが、それは苦難の道、ついには彼もウィルと決別、最後にウィルの心を開かせるきっかけを作るのは意外にも・・・

海外では数学映画がとてもよく作られます、それだけ知的好奇心を刺激する題材なのでしょう、本作は天才学者の活躍エピソードではなく、過去のトラウマに悩む青年の物語、彼たまたまが天才だっただけ、ウィルは恋人にも心を開いたことが出来ず、生涯自分の殻に閉じこもって生きていくしかないと考えているようです、与えられた才能が花開くことなく消えていきそうになるのが歯がゆいです、

27年前のベン・アフレックとマット・デイモンが脚本を担当、天賦の才はここにもありました、傑作です、必見、



◆(自宅で鑑賞)「アウトフィット」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Outfit)
シカゴの洋服仕立て屋で起こるギャングにまつわる一夜の事件

01アウトフィット

1956年シカゴ、ロンドンからの移民レオナルド、受付のマーブルと2人で洋服の仕立屋を切り盛りしている、店にはギャングが出入りしている、恩義のあるボスの資金洗浄に一役を買っているのだ、ある夜、ボスの息子リッチーが用心棒のフランシスと共に転がり込んでくる、リッチーは銃で撃たれ負傷している、組織の内部情報が洩れスパイを突き止める証拠を巡っての争いだ、いったい誰がスパイなのか?疑心暗鬼の中、リッチーとフランシスの争いになり、フランシスはやむなくリッチーを射殺、組織のボスが店に来るまでに死体を処理しなければならない事態に陥る、



店の外観が少し映りますが、それ以外はカメラは店の外に出ません、舞台劇のように狭い空間で、ややこしい物語が進行します、死体が一つ、仕立屋、受付嬢、用心棒、ボスと手下、さらには敵組織の3人、緊張の連続、巧みな話術で危機を次々に切り抜けるレオナルドとフランシス、しかし、この事件の裏にはアッと驚くからくりが隠されていました、

面白かったです、あっという間の105分、逆転に次ぐ逆転、全員が一癖も二癖もある、レオナルドも受付嬢も、、、なんとか危機を切り抜けたと思われたレオナルドですが、最後にまだ、、、これも必見です、



〇(スクリーンで鑑賞)「ゴールデンカムイ」
(★★★!☆)(2024年日本)
明治時代の北海道、アイヌの黄金伝説を巡って悪党たちが群がる

01ゴールデンカムイ

日露戦争で活躍した不死身の杉本、旅の途中で聞いたアイヌの黄金伝説を信じてはいない、山中でクマに襲われたところをアイヌの少女アシリバに助けられる、黄金伝説の話をするとアシリバの父親もその黄金のせいで殺されたという、さらに帝国陸軍精鋭部隊も黄金を追っていることが判明、杉本とアシリバも争奪戦に参戦することに、黄金の在り処は網走刑務所から脱走した囚人の身体に掘られた入れ墨、情報を求めて小樽に入った2人は帝国陸軍との戦いに巻き込まれる、



黄金争奪戦という分かりやすい状況、コミック原作らしく、キャラが立っていてなかなか面白いし、それなりにしっかり作っている感じはしますが、3部作になるのかな?本作はまず状況説明+杉本vs帝国陸軍まで、で130分、途中少し間延びしました、

アクションも「キングダム」のほうが好きかな、2時間で物語の結末まで行くくらいのスピード感が欲しいところだが、興行的には難しいか、ま、観て損はないので覗いてみてはいかがでしょうか、


◆(自宅で鑑賞)「Lift リフト」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Lift)
不可能を可能にする窃盗チームの新たなるミッションは金塊強奪

01リフト

サイラス率いるそれぞれ特技を持つ5人の窃盗チーム、宿敵のインターポール捜査官アビーの目の前で名画を盗み溜飲を下げる、サイラス検挙を目指すアビーに、上層部からサイラスを利用してより大きな悪の組織を壊滅させるよう指示が来る、やむなくアビーはサイラスと手を組み共同ミッションに参加する、奪うのは武器商人が利益を得るために用意した5億ドルの金塊、飛行機で運ばれるこの金塊をサイラスとアビーは強奪することができるのか、



たぶんシリーズ2作目、1作目で偶然出会ったサイラスとアビーは身分を隠したまま、一時恋仲になった、その2人が立場を超えてミッションに挑むというのがミソ、軽いタッチながらテンポよく世界を駆け回り、大掛かりなトリックで金塊強奪に挑む、タイトルの意味はラストを観ると分かります、

前作同様、ラストにはさらなるどんでん返しのトリックも用意されていますのでお楽しみに、



◆(自宅で鑑賞)「北の桜守」
(★★!☆☆)(2018年日本)
樺太からの引揚者が懸命に生き抜いた戦後

01北の桜守

ソ連軍の参戦により夫と樺太で生き別れ、2人の息子を連れて命からがら北海道に逃げ延びたテツ、今は一人老後の生活、夫の帰りを待ちわびている、ビジネスマンとして成功した次男の修二郎は札幌に外食店舗を開業、長年疎遠になっていたテツを訪ねる、テツはゆっくりと老いの世界に入っていた、、、



樺太からの引き揚げの惨状、戦後の苦しい生活、息子の出世、息子と嫁の葛藤とあれこれ詰め込み過ぎた感あり、樺太、戦後の国内、現代の札幌とシーンは行き来しながらテツが大切にしてきた桜にフォーカスが合っていく、という段取りなのですが、合間になぜか舞台劇が入りますが、これが良くない、物語がぶつ切りになるわ、物語への没入感がなくなるわで、いったいどんな効果を狙ったのか?まったく理解できませんでした、

現代パートの息子夫婦の物語も成功しているとは思えない、引き揚げと戦後の苦労にフォーカスしたほうが良かったかも、コスチュームもリアル感なく残念、

小百合さんが認知症役を演じたことは好感、こういう役をこなすのが俳優ですよね、





syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年01月22日

先週も4本、「あの花が咲く丘で、君とまた会えたら。」「カラオケ行こ!」「レザボア・ドッグス」「真夜中の虹」

(★★★★☆)(2023年日本)
女子高生が昭和20年6月の日本にタイムスリップ、特攻隊員と恋に落ちる

01あの花の

高校3年生の百合、進路をめぐって教師や母親とうまくいかず、家を飛び出し街はずれの防空壕跡に迷い込み眠り込んでしまう、眼が覚めるとそこは昭和20年6月の日本だった、訳の分からぬまま彷徨う百合を特攻隊員の彰が助け、陸軍御用達の食堂の女将ツルに預ける、戦況が刻々と悪化する中、懸命に生きる市井の人々を見て百合は戦争の虚しさと命の大切さを知る、そしてついに彰にも出撃命令が下る、、、



タイトルやキャスティングから甘い恋物語かと思いきや、硬派な反戦メッセージ色が強い映画でした、戦闘シーンや航空機の表現にリアリティにかけるパーツもありますが、そもそも戦争映画ではないと考えると納得のいく範囲です、

百合が現代に戻ってきてからの映画的レトリックがよく効いています、エンドロールが終わってもすぐに立つ観客はほとんどいません、みんな泣いています、観客のほとんどが10~20代、彼ら若い世代に若い俳優のセリフで戦争の虚しさと命の大切さを伝える、この方法論が有効であることが証明されたような気がします、ぜひの鑑賞を!


〇(スクリーンで鑑賞)「カラオケ行こ!」
(★★★★☆)(2024年日本)
合唱部の高校生とやくざとのカラオケ交流!?

01カラオケ

中学合唱部長の聡美、聡美は変声期を迎えていてコンクールに出るかどうかで悩んでいる、ある日、見知らぬ男狂児にカラオケに連れ込まれる、狂児は地元のしがないやくざで聡美が合唱部だと知りカラオケを教えてほしいと頼み込む、あっけにとられる聡美だが、どうも狂児を憎み切れない、徐々に2人の距離が近くなり奇妙な関係が続くが、ある日、狂児はやくざ仲間からの恨みを買い襲われる、、、



中学生とやくざ、どう考えてもあり得ないシチュエーションですが、主演の2人がその不自然さを感じさせない好演、綾野剛がカラオケで唄いまくるのが、それだけでなんか面白い、中学合唱部内の悩みや揉め事も、みずみずしく微笑ましい、地元やくざの悲哀もある、上手に作られた物語、原作コミックと映画に相乗効果が生まれた好例かな、ラストの映画的レトリックは「パッチギ!」の熱唱を思い出させます、観て損は無し、



(★★★★☆)(1991年米国)(原題:Reservoir Dogs)
犯罪者8人のクライムサスペンス、タランティーノ第1回監督作品

01レザボアドッグス02

大きなヤマのためにボスのもとに集められた7人の男たち、お互いの名前も素性も知らず、仕事が終われば二度と会わない予定だったが、宝石店襲撃現場には警察が待ち伏せており2人が死亡、瀕死の重傷のオレンジを連れてアジトに戻ったホワイトとピンク、内通者がいたと互いに疑心暗鬼になる、ボスと他のメンバーもアジトに現れる、ボスはオレンジが刑事だと告げるがホワイトは承服できない、現場は一触即発の緊迫した状態になる、、、



タランティーノ監督が世に出た第1回監督作品、派手な襲撃シーンや銃撃戦描写は少なく、どちらかというと心理劇と男たちの友情劇、低予算でも面白い映画が作れるという見本、タランティーノも出演していますがあっけなく退場、

冒頭15分ほどの無意味と思える8人の会話、あっけなく死んでしまう男たち、そしてラストは「椿三十郎」のような決闘劇、そしてすべてが失われるという東洋的世界観の結末、タランティーノ独特の語り口が100分間のサスペンスを支えています、デジタルリマスター版でサブスクとスクリーンでリバイバル公開中、


◆(自宅で鑑賞)「真夜中の虹」
(★★★!☆)(1988年フィンランド)(原題:Ariel)
新しい生活を目指す男の失敗と復活

01

鉱山の閉山で職を失ったカスリネンは友人からもらった車で温暖な南を目指す、が、いきなり暴漢に襲われ全財産を奪われる、港湾労働でなんとか喰い繋いでいる時、母子家庭の母親イルメリと知り合い同棲を始める、少しずつ生活が安定するかと思えた時、カスリネンを襲った暴漢と偶然出会い、揉み合いになり警察に誤認逮捕され服役することに、、、



寒々しい風景と淡々とした語り口、なんか「過去のない男」と似たお話だな、と思って観ていたら同じ監督でした、フィンランドを代表する監督でカンヌグランプリ、ベルリン監督賞などを受賞、

北欧映画というのは独特のテイストがあります、夏が短いとこういうカルチャーが生まれるのかな、とか思ってしまいます、ちと暗いけど不思議と観後感は悪くありません、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2024年01月09日

年末年始は6本、「グランド ブダペスト ホテル」「バベットの晩餐会」「レベルムーン炎の子」「SPY×FAMILY CODE: White」「市子」「パイプライン」

(★★★★☆)(2014年米国)(原題:The Grand Budapest Hotel)
欧州の高級ホテルベルボーイの奇想天外な冒険奇談、オスカー4部門受賞

01ブダペスト

アルプスの麓にある高級ホテル“グランド ブダペスト ホテル”、コンシェルジュのグスタフは常連客に最高のサービスを提供している、新人ベルボーイのゼロは不法就労者、ある日、常連の伯爵夫人がグスタフに家まで送ってほしいと懇願するが、グスタフは丁重に辞退する、その後、自宅で伯爵夫人が亡くなったことを聞き、送っていかなかったことを後悔したグスタフはゼロを供に従え葬儀に出席する、そこで夫人の遺言により傑作絵画「少年と林檎」がグスタフに遺されたことを知る、これに息子ドミトリーが激怒、引き渡しを拒否する、グスタフとゼロが深夜に「少年と林檎」を盗み出した事から2人の奇妙な逃避行が始まる、



架空の高級ホテルから物語は始まります、完璧な仕事をするコンシェルジュと不法就労者のベルボーイの30年余りに渡る友情と冒険奇談、高価な絵画の争奪戦がテーマですが、色彩・衣装デザイン・人物造形とも独特で、奇想天外な空想物語・絵空事だと思いきや、その人物キャラクターが浮かび上がってくると、妙に友情物語にも気持ちが入ってしまいました、これは名作かも、

米国アカデミー賞の美術・衣装デザイン・メイキャップ&スタイリング・作曲の4部門受賞作品、ぜひの鑑賞をお勧めします、



◆(自宅で鑑賞)「バベットの晩餐会」
(★★★★☆)(1987年デンマーク)(原題:Babette's Feast)
質素に暮らす村人たちとパリから逃げ延びてきた女性の心温まる晩餐会、

01バベット

デンマークの辺境の漁村、牧師の娘2人は村人に奉仕することを生きがいに質素につつましく暮らしている、そんな姉妹の家をフランスパリから女性バベットが訪ねてくる、パリコミューンにより資産階級だった夫と家族を殺害され、2人を頼ってきたのである、無給で家政婦として働くこと10数年、姉妹に奉仕し続けたバベットに幸運が舞い込む、宝くじに当たり大金を手に入れる、バベットはそのお金で村人を招いて晩餐会を開きたいという、、、



貧しい漁村、姉妹も村人も全員善人、でも狭い村ではいさかいが無いわけではない、そんな村にやってきたバベットも何も望まず生きていきます、21世紀には無くなってしまった生活風景、これだけで心が癒されます、宝くじで大金を手に入れても予想に反してバベットは村を去ることはなく、大金を投じて村人を招いての晩餐会を開きます、フランス料理に懐疑的だった村人の凝り固まった心もバベットの美味しい料理で徐々にほぐれていき、、、

姉妹の姉に恋心を抱きながら村を去った軍の士官がバベットを村に導きます、奇跡の晩餐会にも士官は出席、バベットの料理を絶賛、いさかいがあった村人たちも温かい気持ちに包まれていきます、ほとんど事件が起きない物語ですがバベットの良心が心にしみこんできます、良質なグルメ映画でもあります、ホントに美味しそうなバベットの晩餐でした、

ぜひ鑑賞してください、第60回米アカデミー賞外国映画賞受賞作品、



(★★★!☆)(2023年日本)(原題:Rebel Moon: Part One - A Child of Fire)
強大な帝国に戦いを挑む戦士たちを描くスペースオペラ

01レベルムーン

辺境の惑星の貧しい農村に帝国の宇宙戦艦が来襲、来季の収穫をすべて帝国に差し出すよう強要し去っていく、従うしかない農民、監視に残った兵士が村の娘を襲ったことから、帝国から追われ村に身を潜めていた若き女性戦士コラが兵士を倒してしまう、帝国と戦う決心をしたコラは伝説の将軍タイタスを味方につけるために宇宙への旅にでる、、、



貧しい農村の収穫を略奪する帝国軍、立ち上がる農民、コラが旅先で出会う戦士たち、もう「七人の侍」へのオマージュ以外のナニモノでもないのは誰が観ても分かります、戦士の数も七人になるのかな?と思って数えていたら、どんどん増える味方の戦士、あれ?七人を超えますけど、あ、この戦士は死んじゃうんだ、とか、こいつは裏切るんだ、とか、あのロボットは戦士の数には入らないのか?とか、ま、あれこれ興味の種はあります、

SWシリーズのオリジナリティにも敬意を払っているのも、クロサワの流れから考えると自然なこと、既視感があるビジュアルデザインが作品の評価を下げているようですが、ワタシはこういうなん好きです^^)パート2も観ます、



〇(スクリーンで鑑賞)「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」
(★★★☆☆)(2023年日本)
普通の家族を演じるスパイと殺し屋の両親、超能力を持つ娘が陰謀に巻き込まれる

01スパイファミリー

父は一流のスパイ、母は凄腕の殺し屋、娘は人の心が読める超能力者、3人は他人だが任務のためにお互いの正体を隠して家族を演じている、娘が学校の調理実習で優勝できるように、有名レストランのデザートを真似るために旅に出る、そこで娘が軍の機密を記録したマイクロフィルムを飲み込んでしまったことから、世界大戦勃発の危機に瀕する!



もちろん原作コミック未読、わりと評判が良いので観ました、まずまずかな、どこかで見たことがあるような作られた家族、スパイと殺し屋は互いの素性を隠すことにアタフタ、家族のままでいたい娘は人の心が読めることを隠している、という設定が巻き起こす大人向けドタバタコメディ、というところ、たしかに映画としては一定のレベルをクリアしたかもしれません、

途中、少しウトウトしてしまったのは、やはりちと退屈な時間があったかからか?大事なマイクロフィルムを飲み込むシーンを見逃してしまいました、失敗、



〇(スクリーンで鑑賞)「市子」
(★★★!☆)(2023年日本)
結婚を決めた翌日に姿を消した市子の行方を追うと、意外な過去が浮かび上がる

01市子

市子は3年間共に暮らした長谷川からプロポーズを受け、心からの喜びを感じる、が翌日、長谷川が家に戻ると、市子の姿はなかった、消息を追う長谷川の前に市子を探す刑事が現れ、市子は存在しない人間だと告げる、わずかな手掛かりを元に市子の故郷を訪ね同級生らに話を聞くうちに、不可解な市子の過去が少しずつほぐれていく、、、



市子の過去自体がこの映画のコア、なのでなかなか記事が書きにくい、刑事が市子を探しているということは、過去にあった事件に市子が関わっているのか?TVから流れてくる豪雨による土砂崩れで発見された白骨死体のニュース、市子ともう一人の少女、察しが付く親切な展開は映画作りとしてはまっとうな姿勢で好感、

唯一の市子の理解者の行く末がちょっと疑問、もう少し救いのある展開があったような気がします、しっかり作られているのに、観後感が良くないのがとても残念、



◆(自宅で鑑賞)「パイプライン」
(★★★☆☆)(2021年韓国)(原題:Pipeline)
パイプラインから石油を盗むプロ集団のドタバタ・コメディサスペンス

01パイプライン

ドリルを扱うとピカ一のピンドリは石油を盗む“盗油”のプロ、大企業オーナーからの盗油計画を持ち掛けられ、溶接工・地下施設・掘削・ITのプロ達と地下パイプラインからの盗油計画を進めるが、様々なトラブルがピンドリたちを襲う、



韓国ではこういう盗油という犯罪が実際にあるのでしょうか?パイプラインに穴をあけて石油を盗んでしまうという荒っぽい犯罪、一括千金を夢見る犯罪者たちだが、ことはそう簡単には進まない、盗油のためのトンネルを掘る5人に、ピンドリを追う警官、仲間たちの仲たがいと裏切り、依頼者の悪だくみとそれなりのサスペンスは仕込まれているのですが、、、

あれやこれやと詰め込みすぎたか、物語はサスペンスをリアリティと引き換えにしてしまい、後半はちょっとまとまりが無くなり、もはやコメディに、韓国映画らしく引っ張りに引っ張りますが、残念ながらサスペンスもなく終了、休日のお気楽鑑賞にでも、






syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)

2023年12月25日

先週は4本、「窓ぎわのトットちゃん」「線は、僕を描く」「シティオブエンジェル」「終わらない週末」

〇(スクリーンで鑑賞)「窓ぎわのトットちゃん」
(★★★★☆)(2023年日本)
幼少期の黒柳徹子を描いた著書をアニメ映画化、自由奔放なトットちゃんの物語

12トットちゃん

なんにでも興味を示し、すぐに行動に移すトットちゃん、授業が進められないという理由で転校を強要される、転校先はユニークな教育方針で様々な子供を受け入れている「トモエ学園」、校長の小林先生はトットちゃんの行動に理解を示し、のびのびと育てていく、友だちとも上手に付き合っていけるようになったトットちゃん、しかし戦争の足音が忍び寄ってくる、、、



ご存じ、日本初のTV俳優 黒柳徹子の6才から12才くらいまでの生活ぶりを描いた物語、今で云う多動症という感じでしょうか、とにかく落ち着きがなく、興味のあるモノをみつけると制御が利かないトットちゃんですが、心根はとってもまっすぐ、足に障害のある友だちとの交流を中心に、トットちゃんの成長と忍び寄る戦争の恐怖、家族と学校の先生の優しさを描いていきます、

原作未読、読まなきゃ行けませんね、おそらく生きていく上での大切な事柄がたくさん書かれていると思います、NHK-TV放送初日から出演し続けている黒柳さん、御年90才、凄いとしか言い様がありません、

エンドロールの歌にガツンとやられました、え!誰!と思ったら“あいみょん”でした、彼女もまた多才なアーティスト、素晴らしい、

ぜひの鑑賞をお奨めします、



◆(自宅で鑑賞)「線は、僕を描く」
(★★★!☆)(2022年日本)
水墨画の世界と出会った青年が生きる希望を見つけて行く

12線は

事故で家族を失い深い喪失感に蝕まれていた青年霜介、アルバイト先で水墨画の大家篠田のパフォーマンスに触れ心を動かされる、篠田からの誘いで篠田に弟子入りした霜介は水墨画技法の習得に励む、そこには霜介がまだ見たことがない世界がひろがっていた、



水墨画という馴染みのないテーマを馴染みやすい物語に変換、それなりに楽しく鑑賞出来ます、が、霜介の弟子入りの経緯や、霜介のライバルとなる篠田の孫娘とのエピソードの細部がどうも荒っぽく感じ、入り込めなかった面も、、、

即興の水墨画パフォーマンスは迫力満点、三浦友和、江口洋介、富田靖子などのベテラン陣の存在感が目立ちます、演技派という評価のある清原果耶ですが、ここでもどうもピンと来ない、

エンドロールが気に入りました、



(★★★!☆)(2023年米国)(原題:City of Angels)
人を死に導く天使が人間との恋に落ちる

12エンジェル

黒服の男セス、死期が近づく人の側に現れると、死を自覚する人にだけ彼が見える、そして穏やかな気持ちで天国へ向かう、そんな生業の天使セス、ある病院で患者を必死に救おうとしている心臓外科医のマギーの行動に心を震わされ、恋に落ちる、何度もマギーの周辺に現れるセスはついにマギーと直接言葉を交わし、天使を止めて人間になることを決心するが、、、



ヴィム ヴェンダース監督の「ベルリン天使の詩」
(1987年)のリメイク、舞台をLAに移し、天使と女性外科医の恋を描きます、、黒服の男達が天使という奇異な世界観は維持されていますが、オリジナルにあった天使の羽根はない、天使は永遠の生命を持っているのですが、その永遠の生命を捨てれば人間になれるよう、先に人間になった天使と出会ったセスは人間になりマギーと結ばれるのですが、、、

マギー役はメグ ライアン、大好きなラブコメディの女王、笑顔がステキなメグですが、今作では患者の死に悩める外科医、劇中でほとんど笑わないのは新しい役柄への意図的な挑戦にみえます、

個人的には好きな作品です、



◆(自宅で鑑賞)「終わらない週末」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Leave the World Behind)
豪邸を借りて優雅な週末を過ごすはずが、不可思議な現象が次々と起こるサスペンススリラー

12終わらない週末

仕事に忙殺される日々を送るアマンダとクレイ夫妻、思い立って海沿いの豪邸をレンタル、仕事を忘れ家族4人での週末を楽しむことにする、が、海辺でくつろいでいると大型タンカーが砂浜に乗り上げ大事故に、さらにインターネットが繋がらなくなり、4人は豪邸で不安な一夜を過ごすことになる、そこに謎の訪問者が現れる、親子とみえる2人はこの豪邸の持ち主だという、事情があり一晩泊めて欲しい懇願され困惑するアマンダとクレイ、さらに不可解な出来事が次々と起こり、、、



とにかく、何が起こっているのか?良く分らないまま、どんどんと追い込まれていく主人公達、不安定なカメラと効果的な音楽がとても上手に使われています、が、恐怖の正体が分らないので、なんでもありの状態になってしまいます、なにやらそれらしい説明があったりもしますが、結局最後までよく分らない恐怖の源泉は??

こんな状態なのに、皆てんでバラバラに行動するのも、突っ込みを入れたくなります、みんなもっと協調性を持って行動しようよ^^)

ジュリア ロバーツ好演も報われず、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)