映画評

2020年04月08日

先週観た映画20-031~「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」(★★★☆☆) (2020年・米国・109分)

先週観た映画20-031

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」
(★★★☆☆) (2020年・米国・109分)



あまり好きではないゴッサムシティが舞台のお話
でも、コロナウイルスのストレス発散!と、観てみました、

202003ハーレークイン

ジョーカーと分かれたハーレイ・クイン、街中の悪党から恨みを買っている彼女、ジョーカーの後ろ盾を失った彼女に次から次へと襲いかかる悪党どもを蹴散らすハーレイ、そんな中で大金のありかのキーになるダイヤモンドを掏摸(すり)屋の少女かカサンドラがかすめ取り街中を巻き込んだ大騒動に発展、ハーレイは残忍極まりない敵ブラックマスクと対決することになる、



バットマンシリーズのスピンオフストーリー、ゴッサムシティのお話はあまり好きじゃないのですが、うっかり観てしまいました、でもストレス発散映画だと割り切って臨んだので案外楽しめました、残忍なシーン、非道徳的なシーン満載ですが、



とにかく乱闘の連続で(これは「スーサイド・スクワッド」で学習済)少々食傷気味、武器はバット他なんでも、足払いが得意、独特のアクションシーンも演舞だと思えば結構楽しい、

たくさんの死者が出ますが、ま、観後感はそこそこ、先日観た三池崇史監督の「初恋」と同じような爽快感さえ少しあります、ラストもとってもシンプル、伏線カットはしっかりありますが、にしても何ともアッサリ一発逆転、



大ボスに挑むエエもん(最悪なエエもん達ですが)は、白人、黒人、ヒスパニック、中国系?と多様性を重視、今やハリウッド映画でも白人至上主義では世界興行成績が上がらないのでしょう、中国が最大のお客さんですから、

ハーレイ・クインを演じるのは「スキャンダル」で若手キャスターを演じたマーゴット・ロビー、表情豊かでキュート、映画がなんとなくうまく着地しているのは彼女の力も大きいです、



原題も珍しく長い、シリーズ物はあちらでもこういう感じになるのか?

『Birds of Prey: And the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn』



緊急事態宣言で都市部では映画館も休業かな、これが最後に観た映画になっちゃったがな、

★は3つで良いでしょう、ストレス発散にどうぞ、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも





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2020年04月03日

先週観た映画20-030~「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(★★★★★)(2020年・日本・108分)

先週観た映画20-030

「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」

(★★★★★) (2020年・日本・108分)



発見!ビックリの面白さだった!!

1969年の熱気、情熱と敬意をもって真摯に向き合う言葉の重み、
今の日本の現状を俯瞰で観る!という意味さえ感じる50年前の記録、



1969年5月、東京大学駒場キャンパス900番教室で2時間半にわたって行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会、当時の右翼活動家と左翼活動家の正面切っての対決!そこには、想像もしなかった素晴らしい出会い、愉快と云っても良い出来事があった、

202003三島由紀夫



まずタイトルが上手だ!ワタシが持っていた既成固定概念の通り、このタイトルから感じるのは『右翼vs左翼』『大人(文学者思想家)vs学生(生活者革命家)』といった対立の構図である、おそらく50年前当時の世相を代表する人物と組織が真っ向から対決する思想論争、、、そんな内容を連想させるタイトル、、、

しかし、スクリーンの映像は、そしてこの映画は見事にその期待を裏切ってくれる、対立の構図などという単純な既成固定概念は見事に吹っ飛ばされて、もっと高みにあるなにか人間のあるべき本質みたいなところを感じさせるところまで連れて行ってくれる、副題的に付いている“50年目の真実”が云い得て妙である、知らなんだ、、、



映画の舞台となる1969年当時の時代背景とか空気感が分からないと、この映画もそんなに面白くないかな?とも思う、60歳以上には分かるはず、でも若い人たちにもぜひ観て欲しい、そして今の日本の政治の現状をもう一度噛み締めて欲しい、そんな気持ちにもなりました、



とは云え、ワタシもこの討論会のことは知らない、14歳でした、全共闘の成り立ちも知らなかったし(言葉としては知っていても)、三島由紀夫の作品も読んでいない(自決事件は生放送で観た記憶があります)、

ちょうど、そんな表面の記憶と知識だけで既存固定概念に凝り固まっていたからこそ、面白かったのかもしれません、



討論会での三島由紀夫の懐の深さと思想の強烈さと純真さには感動さえ覚えました、三島は終始、学生たちと正面から向き合います、言葉遣いは丁寧、敬意ある態度です、学生たちの闘争に理解を示し、それでも自分の考えを彼らに理解させようと懸命に説得します、声を荒げるシーンは一度たりともありませんでした、

全共闘の学生たちもまた三島に敬意を表します、アジテーション(合ってるか?通じるか?)な口調になる場面もありますが、決して感情的にならずに自分たちの思想理論を展開します、とにかく熱い、自分の国をどうしたらよく出来るか、真剣に論じているのです(もちろん、彼らの革命は成功しませんでしたが)、

翻って、今の日本に若者の政治への無関心さ、大人の無気力さ、権力への迎合、古典的国粋主義の台頭などなど、、、フワフワした今の日本、その貧弱さ、脆弱さに泣けてきます、情けない、、、



映画の中には難しい言葉や知らなかった事実がたくさんちりばめられています、

全共闘と民青同の対立、セクトと全共闘の関係、警察の警護を断った三島、全共闘は民青同の襲撃を警戒していました、

三島のトラウマ?(大戦で死にきれなかったことへの悔い)、非合法的暴力、非知性主義、強靭な肉体への執着、具体的行動への執着、明快な語り口、自信、ユーモア(結構、会場の学生にウケていました)、相手の論理的破綻を突かない紳士的態度、



現代の知識人による解説・分析も適量でヨカッタ、内田樹さんの話も分かり易くちょっと感動的、

存命の討論会出席者の証言も興味深い、50年の月日が積み重なった顔と言葉、そこには歴史の真実があります、当時全共闘最高の論客といわれた芥正彦氏も存命、演劇家らしく三島の言動と思想を今でも厳しく糾弾するが、、、最後に三島への敬意も滲ませたところが見もの、



1969年、あの場所にあった情熱と敬意と言葉の重さ、2020年に公開された意味はとても大きいと思う、もう一度、今の日本を考えるきっかけになる!

★は5つでお願いします、最高に面白いドキュメンタリーでした、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも





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2020年03月26日

先週観た映画20-028~「Fukushima50」(★★★★☆)(2020年・日本・122分)

先週観た映画20-028、

「Fukushima50」(★★★★☆) (2020年・日本・122分)



もう一度、しっかり原発の事を考えるきっかけに!

2011年3月11日、大津波に襲われた福島第一原発事故、
世界最悪の原発事故に決死の覚悟で立ち向かう東電職員の奮闘を描く、



2011年3月11日、M9.0の大地震による大津波が福島第一原発を襲う、敷地内が浸水、非常用電源他全電源を失い冷却できなくなった原子炉は暴走、炉心溶融を起こすのは時間の問題になる、世界最悪の原発事故を目前にしながら、1号機中央制御室に勤務中だった伊崎、所長の吉田らは現場に踏みとどまりながら原子炉のコントロールを試みるが、、、

202003Fukushina50

現場で事故対応に奮闘した人々の群像劇、そして東電本社(映画では東都電力とかになっている)の無能ぶり、当時の首相(菅直人氏だがこれもたしか名前は出ない)の対応など、事実に基づいた物語となっています、命を懸けてなんとか炉心溶融(メルト ダウン)を未然に防ごうと最後まで業務を遂行した最前線の職員の方々には敬意を表して然るべき、と素直に感じました、



日本映画としては比較的リアリティを担保しており健闘しています、それなりのサスペンスもある、が、やはり説明的台詞や情緒的シーンが過多、たしかに様々な感情が入り乱れた現場だっただろうが、もっとクールに事故の状況を描いて欲しかった、メインの2人にフォーカスが当たりすぎた感があり、その割に登場人物が多く各々のキャラクターまでは描ききれなかった、

感動的な現場職員の奮闘と対照的に機能不全な東電本社と政府官僚、最近の関西電力を見ても電力会社の機能不全(ガバナンス・コンプライアンスの崩壊)はもう当たり前なので驚きはないし、菅首相の描き方が妥当なのかどうか?分からないがまあこんな感じだったのかな?という感じ、



映画を観て一番感じたのは『やはり原発は人間にはコントロールできないな』という根源的な問題、撮影セットとはいえ劇中で原子炉建屋内の様子、中央制御室の様子を観ることが出来たのが収穫、

原発はとても複雑で繊細な怪物であることを実感、あの建屋内の広大巨大なコンビナート的配管施設を見ると、とても“原発は完全にアンダーコントロール”などと自信を持って云える人はいないだろう、もし放射能が漏れたら(実際に漏れたのだが)修理やメンテはほぼ不可能、造れるけどコントロールできない、あんなものはやはりもう作ってはいけない事を再確認、

中央制御室の設備も、え!?なイメージ(技術的なことは分かりませんが)、原子炉内の圧力や温度を計測するゲージなどがあんな簡便なものしかないのに驚きました、バックアップとか、自立電力の監視装置とかありますよね、きっと、それでも通常時は良いとして、災害時にはあっという間に無力化するのも無理はない(再稼働審査レベルではもっと強化・進化しているのでしょうか?)、



予告編で強調していた“初の米軍全面協力”はこけおどし、「トモダチ作戦」には感謝していますが、劇中のシーンはテーマとは直接関係ないし貧弱、



そして、ラストがいけない、イケてない、ネタバレはあまり書きたくないのですが、まるで原発問題はすでに終息、福島は復興オリンピックで湧いている(これも延期になりましたが)、というような心象を残すエンディング、これは違うなあ~とガッカリしました、

もし、この映画が発するメッセージがあるとすれば、、、
『福島の原発事故はまだ終わっていない』 
『廃炉は今後40年、いや100年掛かるかもしれない』、
『この事故の教訓を日本の未来に活かさなければならない』というところではないかと思います、
もっと踏み込むなら、『日本政府は原発路線を変えず、再稼働を推進している』ということか、

こういうエンターテーメントで原発問題に関する関心を高める、啓発するのが映画人の務めだと思います、



最後まで命を懸けて闘ったFukushima50の方々の無私の奮闘に無条件に感動します、
彼らに敬意を表して星は★4つにします、

そして、この映画が原発問題啓発の一端になることを祈ります、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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2020年03月24日

先週観た映画20-027~「ジュディ 虹の彼方に」(★★★★★)(2019年・英国・118分)

先週観た映画20-027、

「ジュディ 虹の彼方に」(★★★★★) (2019年・英国・118分)



迫真のラストステージ!

「オズの魔法使い」で一世を風靡したジュディ ガーランドの物語、
ステージでの歌唱シーンは圧巻!アカデミー賞主演女優賞に納得、

202003ジュディ

1968年米国、「オズの魔法使い」で名声を得たジュディだが、今は2人の子どもを連れて場末のステージに立ち、ホテル代にも事欠くその日暮らし、そんな時にロンドンでのショーの話が舞い込む、再起を誓い子供達を米国に置いたままロンドンでのステージに立つジュディ、ショーは好評を博すが精神的には不安定なジュディはいくつかの失敗を重ねていき、ついにはステージで醜態を晒すことに、、、



まずは、この作品で第92回(2020年3月)のアカデミー賞主演女優賞を獲得したレニー・ゼルウィガーの演技に拍手!映画としての価値はここにあると確信します、



17歳で「オズの魔法使い」のドロシー役で一躍スターダムにのし上がったジュディ ガーランドの伝記ドラマではありますが、その生涯を追うのではなく、物語は彼女の死の半年ほど前の英国ロンドンでのショーを中心に物語は進みます、この時すでにジュディは何度かの離婚、薬物中毒、自殺未遂を繰り返しており、生活は荒れています、

ロンドンでの物語と共に、子役から「オズの魔法使い」当時の回想シーンが挿入されます、そこではまだ10代前半のジュディに課せられた女優としての過酷な使命の様子が描かれています、極端なダイエット、過重労働、寝る間もなく食事もろくにとれない、デートも出来ない10代の生活、その後の彼女の荒れた生活のルーツがそこにあったと推測できるエピソードが満載、なんか悲しい、、



ロンドンでも酒と薬に溺れステージをしくじり、若い恋人との電撃結婚など話題を振りまくジュディ、この辺りはちょっと共感しにくい転落ぶりです、

でも、ステージでの歌唱シーンは圧巻です、もちろんレニー・ゼルウィガーの生唄だと思いますが、これが素晴らしい、音楽映画によくある曲の一部だけさらっと聴かせるというのではなく、何曲かはフルコーラスをたっぷり聴けます、華やかかりし頃の映画やミュージカルを彷彿とさせるステージ、日本でのステージショーもこの辺りを見よう見まねでやってきたんだろうな、とか思いながら観ていました、

とくにラストのステージは圧巻です、ステージをしくじってしまったジュディの最後のステージ、ここは泣いてしまいました、歌唱シーンで泣くのは珍しい!そしてあの曲も唄います、ラストの映画的レトリックもやられました、あのファンとのシークエンスはこのためだったのか!!



天賦の才能でスターになった人は多い、しかし生涯を通して幸せだった人ばかりではない、トップの座に登り詰めるということがどれほど大変で、過酷で残酷なことか、ほんの一握りの人達だけの特権だけに、その反作用も大きいのでしょうね、家族も恋人も名声も失っていくジュディ、なんか“人間、プラスマイナスゼロやなあ”という感じ、

娘のライザ・ミネリーも少し登場、彼女もまたジュディから天賦の才能を引き継いでいたことを再実感、またLGBTへの理解者であったこともしっかり物語に活かされています、


ジュディの生活ぶりに共感できない、ちょっと引いてしまう、ということもあると思いますが、それでも歌唱シーンとラストのレトリックで映画的には成功したと思います、

レニーの女優魂に敬意を表して、星は★5つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも





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2020年03月19日

先週観た映画20-026~「スイング キッズ」(★★★★☆)(2018年・韓国・133分)

先週観た映画20-026、

「スイング キッズ」(★★★★☆) (2018年・韓国・133分)



やはり面白い韓国映画!!

朝鮮戦争中の1951年、韓国内の捕虜収容所でタップダンスチームが結成される、
複雑な半島情勢、人種、言語を超えた音楽の力、しかしは銃は暴発する、、、



韓国内の巨済島捕虜収容所、北朝鮮遇捕虜のロ・ギスは英雄の兄を持つ勇志、しかしダンスが好きな青年でもある、国連軍の米国出身元ダンサー ジャクソンはダンスの楽しみを共有しようとロ・ギスを誘いダンスチームを作る、収容所長はこれをプロパガンダ工作に利用しようと、収容所内でのクリスマスパーティでダンスを披露することになるが、、、

202003スイングキッズ

まず「朝鮮戦争」の事を理解しないともお語りがよく理解できないかもしれません、それは後で書くとして、



やはり韓国映画の物語のテーマ性と意外性は面白いな~、と思わせる映画でした、ダンスシーンはそれなり、タップダンスは面白いんだろうけど動きに制限があるので、、、ま、普通に楽しめます、

それより物語、序盤=よくある青春音楽映画、中盤=朝鮮半島を取り巻く民族問題提議(ここがやや冗長)、そして終盤、映画は一気にエンターテーメントととも、この収容所に憑りついていた悪魔が正体を現します、クライマックスが如何にも韓国映画と云う感じ、「パラサイト」でも感じた唐突感と暴発感、あれよあれよという間に半島の現実に引き戻されます、



捕虜収容所を舞台にした映画というと、懐かしい「大脱走」や「戦場にかける橋」、そして「戦場のメリークリスマス」と名作が並びます、これはやはり敵味方、主義思想、言語習慣、そして人種、感情が入り乱れる収容所という独特のシチュエーションが生み出す物語だからでしょう、本作はさらに複雑、朝鮮半島の南北両断というシチュエーションの理解が重要なポイントになります、

朝鮮戦争は1950年に朝鮮民主主義人民共和国軍(北朝鮮)の38度線突破により始まり、これに連合国軍(米国他多数)と中国、ソ連(間接的に)が参戦し自由主義と共産主義の代理戦争となり、1953年に休戦協定が結ばれ現在に至っています、正確に云うとこの戦争は未だ終結しておらず、韓国と北朝鮮は未だに休戦状態、臨戦態勢にあると云うことになります、

70年に渡り続いている戦争、劇中で『この戦争はすぐに終わるさ、君達は同一民族なんだから』という米兵の台詞があります、現在の半島の状況が如何に不条理で空虚なものか、映画は問いかけてきます、



この巨済島収容所には4つの主義(劇中ではイデオロギーと呼ばれています)があります、国連軍(ここでは米軍)の主義、韓国軍の主義、北朝鮮の捕虜は2つに分かれます、自由主義に憧れる者と、あくまで共産主義を貫こうとする者、複雑な状況ですが、実はこの主義はすべて外国からもたらされたものです、半島が一つの国だった時代には自由主義も共産主義もなかった(劇中の台詞)、この戦争の前には日本帝国主義統治による精神的蹂躙もありました、これらが朝鮮半島の悲劇の根底に流れています、

ダンスチームのメンバーは韓国、北朝鮮、中国、米国とそれぞれイデオロギーが違う、果たして音楽は、ダンスはこのイデオロギーのカオスを凌駕することが出来るのか?物語は最後にその答えを示せるのか?

未だ休戦状態続いている半島の現状がその答えであります、



ラストの15分くらいはやられました、星は★4つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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2020年03月17日

先週観た映画20-025~「黒い司法 0%からの奇跡」(★★★★★)(2020年・米国・137分)

先週観た映画20-025、
「黒い司法 0%からの奇跡」(★★★★★) (2020年・米国・137分)



心が震えた~!絶対観るべし、

無実の黒人死刑囚を助けるために奔走する黒人弁護士と、
あらゆる手段を講じて犯人に仕立て上げようとする白人保安官、実話を映画化、

202003黒い司法

1980年代末アラバマ州、ある日突然、黒人ウォルターはまったく身に覚えのない殺人の罪で逮捕、死刑の宣告を受け刑務所に収監される、そこに黒人弁護士ブライアンが接見に訪れる、黒人迫害に絶望していたウォルターだがブライアンの熱意に押されて再審への道を探すことにする、証拠は別件で逮捕されていた男の証言だけ、無実を証明する証言や証拠が多数あるにもかかわらず検事も保安官もあらゆる手段で弁護活動を妨害する、正義は守られるのか?



まずこの物語が僅か30数年前のアメリカで実際にあった実話であることに驚愕、序盤からあきらかに冤罪なのであるがそれが認められないもどかしさ、判事までが不当な判決で冤罪を支持する、年代、南部アラバマ州という地域特性もあるのだろうが、それにしても酷い裁判と判決、酷い保安官と検事、映画的サスペンスを通り越して怒りで心が震えます、



出だしのテンポの速さが良い、ウォルターはあっと云う間に、有無を云わさず逮捕、刑務所に送られる、同じ黒人とはいえエリート弁護士にはなかなか心を許さない、差別司法と戦う前に依頼人と弁護士の葛藤がある、前半はほんとサスペンスに溢れている、しかし後半はその映画的サスペンスを怒りが凌駕します、

最近の米国映画の流行、(良いフィクション原作がないから?)実際に起った事件の映画化、そして実名での制作、毎度のことながらこれにはやはり驚く、冤罪に加担した側の人間も実名で登場するのです、流石と云いうか、、、日本ではまだまだ無理だろうなあ、、、いや、そこを無理の一言で片づけてはいけない、



劇中でも誰もがおかしいと思っているし、悪を正したいと思っているけど、ことごとく潰されてしまう良心、やり遂げるには不屈の闘魂が必要であることをこの弁護士は教えてくれます、日本でも正義を行うには正論だけでは無理な時代になって来ているような気がする、不屈の闘魂がないと正義を行えない時代、、、



舞台のアラバマ州は南北戦争時に南軍(アメリカ南部連邦という別の国が出来ていた)の首都が置かれたこともある州、黒人差別迫害がまだまだ根強い時代、、、現在はどうなんだろう?まだ?、、、

劇中でアラバマ物語記念館に関する台詞が出てきます、舞台となったモンロー郡にあるようだ、『アラバマ物語』は黒人を弁護する心優しい白人弁護士の物語、なんとも皮肉な巡り合わせ、



日本でも刑事裁判で起訴されれば99%有罪、警察も検察もメンツにこだわらない、と云うと嘘になる、人質捜査で追い込んで自白させる、おそらく冤罪はワタシ達が知っている以上にたくさんあるのではないか?、、、背筋が冷たくなりました、

迷わず★5つ、ぜひ観て欲しいです、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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2020年03月13日

先週観た映画20-024~「星屑の町」(★★★☆☆)(2020年・日本・102分)

先週観た映画20-024、

「星屑の町」(★★★☆☆) (2020年・日本・102分)



惜しい~!

6年振りの“のん”実写映画出演作、
昭和ムード歌謡に乗せて送るしょぼくれおじさん達と田舎娘のオンステージ、
好きなテイストです、

202003星屑の町

ドサ回りのムード歌謡コーラスグループ「山田修とハローナイツ」はリーダー山田の故郷、東北の田舎町でのステージを迎える、地元のスナックで働く歌手志望の娘“愛”は強引にグループへの入団を希望、若い娘の押しの強さにたじたじのメンバー、この騒ぎがきっかけで溜まっていたメンバーのストレスも暴発、メンバーの気持ちがバラバラになって行くが、、、



なかなかTVではお目に掛かれない“のん”6年振りの映画出演、それに昭和のムード歌謡コーラスがモチーフということで興味津々、珍しく公開初日に観に行きました、

結論から言うと、、、惜しいな~、アイデアもキャストもエエと思うんだけど、もう一つ皮がむけなかった!という感じでした、惜しい~、



まず、“のん”が演じる“愛”のキャラクターが今ひとつ浮かび上って来なかったのが残念、“のん”の演技もなにやらフワッとして見える、というか「あまちゃん」と同じ東北の娘の設定、しゃべり方も「あまちゃん」と一緒、そちらのイメージにワタシが引きずられてしまったからか?三陸鉄道リアス線らしき電車も登場するし、東北へのエールは分かるけど、“愛”のキャラが分からない、、、

“のん”は歌手活動もしているし、唄も上手、そういう意味でのキャスティングは好適、歌唱シーンやギター演奏シーンもそれなりに成功しているし、キティ岩城役の戸田恵子さんの歌唱力も周知の事、音楽映画として最も重要な歌唱部分は担保されているのに満足度メーターが振り切れなかったのは、、、ドラマパートの問題なのかな、やはり、



ドラマパートで云うと、愛の登場で揺れるハローナイツのメンバーたちのステージ前のやり取りはそれなりに楽しめます、サブローさんとラサールさんの迫真のシーンで絶頂を迎え、お!?このままシチュエーションドラマに終始してもエエかも!?と思わせるノリもあった、、、のですが、、、そこでしぼんでしまったなあ、後半のステージシーンは楽しいし、“のん”の歌唱シーンも存分に楽しめてそれはとても満足なん出来たのですが、最後にキュッと〆て欲しかったなあ、



ハローナイツのメンバーは個性的、芸人さんと俳優さんが凄く頑張っています、リーダー役の小宮孝泰さん熱演、とてもヨカッタです、でんでん、渡辺哲、有薗芳記のみなさんもさすがの貫録、戸田恵子さんも気持ち良くステージで唄っておられます、

それぞれの役回りは良く考えられているのだけど、なにか中途半端な感じがするのは、やはり結末、最後の〆がしっくりこないからかな、愛が加入してからのメンバーの心の動きも曖昧だし、ラスト前の水族館のシーンでもう少し台詞なり心の動きがあったらラストシーンの印象も変わったかも、とか思う、、、



懐かしい昭和歌謡がいっぱい聴けたし、“のん”の歌唱シーンもいっぱい聴けて、とても楽しい映画ですが、それだけに観終わった後にもう少しなにかを残してほしかったなあ~、というのが正直な感想、

個人的には★4つあげたいけど、ここはちょい辛めに★3つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも





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2020年03月10日

先週観た映画20-022~「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」(★★☆☆☆)(2018年・中国・フランス合作・138分) 

先週観た映画20-022、

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」
(★★☆☆☆) (2018年・中国・フランス合作・138分)



中国の新世代監督の野心作ということで鑑賞、
残念ながらワタシが最も苦手とする観念的映像芸術作品でした、

202002ロングデイズジャーニー

いつもは大まかなストーリーを書くのですが、、、物語が全く理解できませんでした、のでストーリー紹介は無しです、



なんとなく、主人公がある女性と逃避行をするような感じで、その女性はヤクザの女?幼馴染?有名女優と同じ名前?、、、よく分かりません、時間的にも地理的にも行ったり来たりするし、シーン間の脈絡は無い観念的なシーンの連続、なので物語を理解しようとする姿勢は無用です、1シーン毎の雰囲気を楽しみながら、映画全編で映像的満足度を得る?、、、そんな器用な芸当はできませんでしたが^^)

後半はさらに摩訶不可思議な世界に迷い込みます、ここは3D版もあるようですがワタシは2Dで鑑賞しました、卓球したりビリヤードしたりする謎の街での不思議な体験がワンカットで撮影されています、が「カメ止め」や「1917」のようなワンカットで撮影する必然性はありません、街の中をグルグル回っているだけ、

138分と長いです、でも、それなりに時間が経つのは早かった、1カットが長いのはこういう効果もあるですね、、、各シーンはクオリティが高い、撮影も照明も上手な気がしますが、が、、、ラストは、、、あれ?ラストシーンはどんなんだったけ?もう呆然として観ていたのでそれさえ覚えていませんわ、



ということで「嵐電」以来の★1つかと思いましたが、
映像美に敬意を表して★2つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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2020年03月07日

先週観た映画20-023~「初恋」(★★★★☆) (2019年・日本・115分)

先週観た映画20-023、

「初恋」(★★★★☆) (2019年・日本・115分)



これは収穫、

恋愛映画ではない、これはバイオレンス映画、でも“初恋”の物語なんだな、これが、
各国の映画祭出品、米公開からの逆輸入公開、「十三人の刺客」の三池崇史監督作品、

202003初恋

期待の若手ボクサー レオはリングでいきなり昏倒、脳腫瘍で余命わずかと宣告される、呆然と夜の街を彷徨するレオはクスリの幻覚症状で逃げ回る少女モニカを偶然助けてしまう、モニカはヤクザにクスリ漬けにされており、クスリの取引を巡ってヤクザ、中国マフィア、悪徳刑事が入り乱れてモニカを追うことに、レオとモニカの逃避行、果たして2人は明日の夜明けを見ることができるのか?



ワタシ、あまり観ないバイオレンス映画です、あまり観たくないヤクザ映画です、バタバタと人が死んでいきます、銃殺、撲殺、轢殺、放火、日本刀に青竜刀、なんでもありのとんでもない展開ですが、、、そのメインストリームは“初恋”という、、、そんな難しい企画を相当高いレベルで映画化に成功しています、企画・脚本・監督・俳優の一体感がとても良い、なぜか観後感も悪くない、くそ~やられた^^)



出だしのテンポが良い、説明的な台詞が少なく、短いカットで複雑な状況と登場人物を上手に紹介、テンポが良いのでこの辺りからもうサスペンスが滲み出てきて、グイグイと引き込まれます、

キャラクターがすべて良い、孤高のボクサー、悲惨な家庭環境で育ったモニカ、悪徳刑事と悪知恵が働く若手ヤクザ、任侠系ヤクザの頭とタカクラケンを信奉する中国マフィア、そして男を殺されて復讐に狂う女、それぞれに気持ちが入るのはリアリティがあるから、俳優陣もがんばりました、



ちょっとした手違いから小賢しい計画が崩れていき、どんどんと事態が悪化、破滅に向かって転がって行く感じ、なんかタランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に通じる不安定感、これが前半のサスペンスの根源、ここが一番面白いかな、

後半はバイオレンス活劇、ここもカーチェイス・銃撃戦・剣劇、そして拳闘と上手にまとめました、クルマでの脱出シーンはさすがに実写撮影はできなかったようでちょっと違和感のある演出に、ま、これはご愛嬌ということで、そして、終わり方、、、最後のシークエンスは蛇足かと思いきや、結構観後感もヨカッタ、



物語の主役はレオとモニカですが、この2人を喰っているのが序盤から終盤までずっと狂言回しの役を演じるベッキー、復讐の鬼と化したベッキー、凄かったです、よくやりました、サービスカット^^)

202003初恋2

主役の窪田正孝さんカッコエエ!染谷将太さんキレッキレ!藤岡麻美さん謎の女!そして内野聖陽さん嵌りました!!


タイトルもヨロシイ、「初恋」、要らぬ副題もなし、宣伝ポスターもキレている、飾らずに作品を端的に表現できています、こういう姿勢はとても好き、

ということで★5つでも良いかと思わせるノリノリ感ですが、ここはグッと冷静に★4つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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2020年03月05日

先週観た映画20-021~「スキャンダル」(★★★★☆)(2019年・カナダ・アメリカ合作・109分)

先週観た映画20-021、

「スキャンダル」(★★★★☆) (2019年・カナダ・アメリカ合作・109分)



2016年に米国で実際に起こったセクハラ事件を実名で映画化、
豪華3大女優共演で熾烈なTVキャスターの世界を生々しく描く、

202002スキャンダル

2016年、全米視聴率No.1ニュースTV局FOXニュース社、ベテランのグレンチェル、人気キャスターのメーガン、メインキャスターに登り詰める野心を抱く若手のケイラ、それぞれが華やかなTVニュースの世界で生き馬の目を抜く日々を送っていた、CEOロジャーはセクハラ、パワハラを繰り返し行い、ロジャーの意向に沿わない姿勢を見せたグレンチェルは首になり職を失う、しかし彼女はロジャーを訴える準備を在職中から粛々と準備していた、多くの女性キャスターが賛同してくれると信じ、グレンチェルは一人ロジャーをセクハラで訴えるが、、、



まずは、わずか4年ほど前のスキャンダラスな事件を実名(人物・社名とも)でこういう映画にしてしまう米国映画界に畏敬の念を抱かざるを得ない、日本でも風刺的に政治家を扱う映画がありましたが、さすがに実名では無理!と思ってしまうのは、日本と云うガラパゴスな社会に飼いならされている証か、、、2年程前の「記者たち」と「新聞記者」の違いで感じた感覚と同じ、

若手のケイラは創作の人物のようですが、グレンチェル、メーガン、ロジャーは実在の人物、FOX社の関係者や弁護士、政治家(トランプ大統領もニュース映像で出てくるし、CEO側の登場人物とも親しい関係者として描かれている)他諸々、実在の人物が多数登場、ドキュメンタリーのような趣の作風となっています、

ちなみに『トランプはFOXニュースしか観ない』という台詞がありました、そういう放送局なんですね、そんな局内での上司のセクハラを訴えるのにどれほどの勇気が必要か、黙り込む、もみ消す、懐柔される、脅される、そりゃなんでもありの世界、物語は遅々として進まず、正義と私欲の間で揺れ動くキャスターたち、重苦しいサスペンスが続きます、



実名で描くことの意味は大きいと思いますが、ドキュメンタリーを意識した作風はどうだったか?そうしないと成立しなかったのか?純粋にフィクション映画として撮っても良かったような気はします、日時、登場人物説明のテロップはまだ分かるとしても、妙にドキュメンタリーぽいズームインアウトのカメラワークはちょっと鼻につきました、



実名の役柄ということで主役3人は本人に似せた特殊メイクをしています、

202002スキャンダル2

シャーリーズ・セロンはより切れ味のある顔に、ニコール・キッドマンは丸顔に、ロジャー役のジョン・リスゴーは如何にも好色な親爺にメイクされています、日本では実在の本人の顔はほとんど知られていないのでこのメイクはあまり効果的ではありませんが、米国ではここは拘らないとリアリティがなかったんでしょうね、個人的にはニコール・キッドマンは素顔で観たかったかな^^)



特殊メイクのカズ・ヒロはこの作品で第92回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています、2018年の「ウインストン・チャーチル」以来2回目、カズ・ヒロはもちろん日本人ですが、すでにアメリカ国籍を取得、日本国籍から離脱されているそうです、理由を聞いてドキッとします、『日本の文化が嫌い』、、、やはりガラパゴスなのか、、、“日本人にこだわりすぎる日本人”“日本にこだわりすぎる日本人”たしかに!最近の日本でとてもよく感じる感覚です、



原題は「Bombshell」、沈黙の爆弾、という感じか、怖い~、

このテーマを真正面から取り上げたことに敬意を表して★4つでお願いします、

(私的ざっくり鑑賞おススメ度★)
★★★★★=ぜひ観て欲しい
★★★★ =観て損はなし
★★★  =時間があれば観てみよう
★★   =観なくても良いです
★    =観たらがっかりするかも




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