映画

2023年12月18日

先週は3本、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」「チャーリーとチョコレート工場」「ナポレオン」

(★★★★!)(2023年米国)(原題:Wonka)
あのウォンカがチョコレート工場を始めるまでの物語、とても素敵なファンタジー

12ウォンか

世界一のチョコレート店を始めるため「チョコレートの街」へやって来た若き魔法使いウォンカ、性悪な下宿屋に欺されて洗濯屋での強制労働をするハメに、それでも仲間のヌードルらと共にチョコレートを作ってたちまち街の評判になる、しかし街を牛耳る「チョコレート組合」は警察を買収してウォンカの評判を落とすため罠を仕掛ける、さらに謎の小さな紳士ウンパルンパもウォンカのチョコレートを狙っている、、、



「チャーリーとチョコレート工場」の前日譚、若きウォンカがチョコレート工場を作るまでのエピソードをミュージカル仕立てで綴っていきます、実はワタシ、ミュージカルが苦手なのですが、、、とても楽しく鑑賞出来ました、

ウォンカは夢を見るような味わいのチョコレートを作ることが出来る魔法使い、なのですが、どうも要領が悪いというか純真すぎるというか、「チョコレート組合」の3悪人や、警察署長、悪徳下宿屋に振り回されます、でも魔法使いですから^^)仲間のヌードルと共にピンチを切り抜け「チョコレート工場」を見事完成させます、ウォンカのチョコレートを狙っている生真面目なウンパルンパの活躍も楽しい、

家族で楽しめる良質なミュージカルファンタジー、ぜひの鑑賞をお奨めします、

(★★★!☆)(2005年米国)(原題:Charlie and the Chocolate Factory)
謎のチョコレート工場と少年チャーリーに舞い込んだ幸運の結末は?

12チャーリー

両親と4人の祖父母とウォンカのチョコレート工場の街で暮らすチャーリー、父親は失職し毎日の食事にも汲々とする生活、ウォンカは突然5人の少年を工場に招待すると発表、招待券はチョコレートの中に隠されている、世界中の子どもたちがその招待券を求めてチョコレートを買い漁る、チャーリー一家にはチョコレートを買う余裕はないが、祖父のなけなしのへそくりで買った1枚のチョコレートの中になんと招待券が!!チャーリーは4人の少年と付き添いと共に工場に招待される、そこは奇想天外な世界が拡がっていた、



児童小説が原作だそうです、なんとも奇想天外な物語が工場内部で起こります、チャーリー以外の4人の少年と付添の親は曲者ばかり、1人だけに与えられるプレゼントを獲得するために、ずる賢く立ち回ろうとするがそれが裏目に、なんともブラックな運命が彼らを待っています、ただひとり、優しくウォンカに接するチャーリーが手に入れたモノとは?そしてウォンカが手に入れるモノは?

独特の世界観とブラックユーモア、ちょっとワタシのセンスではついて行けないパートもあります、ジョニー デップは当り役かな?う~ん、どうなんだろう?前日譚の方がお勧めかな、



〇(スクリーンで鑑賞)「ナポレオン」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Napoleon)
一軍人からフランス皇帝まで登り詰めたナポレオンの一生を綴る叙事詩

12ナポレオン

18世紀末、革命で混乱するフランス、砲術を得意とする陸軍中佐のナポレオンは対英国戦での手柄で少将に昇進、以降各地の戦いで連戦連勝、総司令官となる、が遠征中に妻ジョセフィーヌは浮気三昧、前線を放り投げ帰国したナポレオンを議会は糾弾するがナポレオンはクーデターを起こし、ついに皇帝の座に着く、英国との戦いのため欧州同盟作りを図るがオーストリアの裏切りでロシアと開戦、モスクワまで攻め込むが冬将軍が立ちはだかり撤退、ナポレオンの破竹の勢いにも陰りが見え始める、、、



誰もが知っているナポレオン、でもその人柄はたしかに知らなかった、そのナポレオンの人となりも描く大河物語、戦術面での秀でた才能はこれまで知られていた通りですが、今作でのナポレオンは神経質で女性コンプレックスを抱える悩み多き男、連戦連勝の将軍と悩める小心者の対比が狙いだったのか?どうも居心地の悪い観後感、、、

前半戦の戦いぶりは流石、氷原でロシア・オーストリア軍を打ち破る段は息を飲みます、最終戦ワーテルローは案外無策、英国軍の冷静さが際立ちます、と戦闘シーンも観所はあるのですが、、、

エンドロールに出たナポレオンの戦績に書かれたフランス軍兵士の死者数がこの映画の真の意図を示しているような気がします、もっとも多くの敵軍を破ったナポレオンですが、その戦いで死んだフランス軍兵士も膨大な数、結局、もっとも自国軍兵士を死なせた軍人ということでもあるようです、そうならば、この映画の観後感の居心地の悪さも納得できます、

監督の意図は如何に?




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2023年12月04日

先週も4本、「戦火の馬」「恋愛適齢期」「燃えよドラゴン」「首」

◆(自宅で鑑賞)「戦火の馬」
(★★★★★)(2012年米国)(原題:War Horse)
少年に育てられた1頭の馬が辿る数奇な運命と、それに関わる人間ドラマの傑作

11戦火の馬

第1次世界大戦直前の英国、一頭の仔馬に魅入られた父親は農耕馬の代わりにサラブレッドのジョーイを購入、息子のアルバートは一心にジョーイの世話をし素晴らしい馬に育て上げるが、戦争が勃発、ジョーイは軍用馬として英陸軍騎兵隊将校の愛馬となる、そこからジョーイの数奇な旅が始まる、ジョーイに愛情を抱くドイツ軍の若者、農家の少女、またもやドイツ軍の馬係兵、激しい戦火の中をジョーイは奇跡的に生き抜いていくが、ついに戦場で傷つき力尽きる、、、



素晴らしい物語です、気難しい1頭のサラブレッドのジョーイは農家の少年アルバートと共に農耕生活を送るのか?と思いきや、一転、騎兵隊の軍用馬となります、そこからは主は二転三転、英陸軍騎兵隊将校は戦士、ジョーイを可愛がった独軍の少年兵は脱走、ジョーイがたどり着いた農場の少女もジョーイも愛しますが、またもや独軍に接収されてふたたび戦場へ、

つぶらな瞳の1頭のサラブレッド、馬の命など二の次の戦争、いつジョーイが傷つき死んでしまうのか?ハラハラドキドキ、映画的サスペンスの連続です、同僚馬とジョーイのふれあいも涙を誘います、

第1次世界大戦は機関銃・手榴弾・毒ガス・戦車・飛行機などの近代兵器が登場したことで、それまでの騎士道的な1対1の闘いから大量の戦死者を出す壮絶な闘いへと変貌した最初の戦争、初戦の戦闘描写も、サーベルをかざして突撃する英陸軍騎兵隊が独軍の機関銃の前に全滅してしまいます、まるで長篠の戦い、多くの軍馬も主と共に戦死する様は悲惨の一言、他の新兵器も含めてこの辺りの描写は正確で丁寧、

スピルバーグの手腕が馬と人間のドラマを見事に描き出しました、結末は?鑑賞してのお楽しみです、



◆(自宅で鑑賞)「恋愛適齢期」
(★★★★☆)(2007年米国)(原題:Something's Gotta Give)
恋愛下手の実業家が若い彼女の母親に惹かれていく?

11恋愛適齢期

独身実業家のハリーは若い娘との交際を続ける発展家、恋人マリンの母親の別荘で2人の時間を過ごそうとしていたら、突然母親エリカも現れ一騒動、帰ろうとするハリーだったが結局母親姉妹も一緒に夕食を摂ることに、そこでハリーは心臓発作を起こし病院へ担ぎ込まれる、安静が必要なのでそのまま別荘に留まることになったハリー、エリカは劇作家、新作の脚本を書き上げるため別荘に留まり、ハリーの世話をするハメになる、なにかにつけて対立する二人だが、、、



ハリウッドお得意の大人の恋愛物語、結末が分っていながら楽しく観られるコメディです、ハリーは発展家ですが、実は恋愛下手、本当に人を愛するということがどういう事なのか理解できないでいる、娘の恋人として登場したハリーを母親のエリカは当然認めようとしない、そこにハリーの心臓発作を診断したイケメン主治医も絡んで期待通りの展開になります、

ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートンとも嵌り役、若い主治医は「マトリクス」後のキアヌ・リーブスと豪華キャスト、

日本映画ではこういう“洒落た大人の恋愛”モノが少ないですねえ、様にならないのかもしれませんが、これからこういう物語を演じられる俳優さんがいっぱいいると思うので、大人の洒落た恋愛コメディ、ぜひ作って欲しいです、



〇(スクリーンで鑑賞)「燃えよドラゴン」
(★★★☆☆)(1973年米国)(原題:Enter the Dragon)
伝説のカンフースター、ブルース・リーの出世作、4Kリマスターで上映中

12ドラゴン

少林寺の奥義を極めたリーは無敵の強さ、香港で開催される武術トーナメントに参加することになるが、トーナメント主催者は香港裏社会の首領ハン、リーは特命を携えて香港入る、そこには世界中から名うての武術家が集まっていた、トーナメントが始まるとリーはその強さを遺憾なく発揮するが、その裏でハンは組織拡大のための悪巧みを進めていた、、、



初演1973年、彗星の如くハリウッド映画界に現れたブルース・リー、当時の日本でも一大旋風を巻き起こしました、当時の中高生男子は間違いなく『アチョ~~!!』という奇声と共に彼のモノ真似をしたものです、懐古鑑賞、

久しぶりに鑑賞、物語の部分はほとんど憶えていなかったのには自分でビックリ、今観ると音楽や悪の巨大組織の感じは“007シリーズ”を強く意識しているのが分ります、ボンド+カンフーな狙い、

リー自身は1973年に急死、伝説の映画スターになってしまいました、この後、ジャッキー・チェンが現れカンフー映画は全盛期を迎えますが、そのジャッキー、本作ではリーに倒されるエキストラ(役名無し)として出演しています、探してみてください、



〇(スクリーンで鑑賞)「首」
(★★★☆☆)(2023年日本)
北野武監督作品、新解釈で「本能寺の変」前後の戦国武将を描く

11首

天下統一を目前にした織田信長、謀反を起こした荒木村重を追討するが村重は遁走、忍に捕えられた村重は明智光秀に差し出される、村重と交友のあった光秀は村重を密かに囲うことにする、信長の横暴は凄惨を極め、配下の武将の間に不安と不満がくすぶる、密かに天下を狙う秀吉、巧みに立ち回る家康、村重と光秀の仲を察知した秀吉は、それを利用して光秀に信長征伐をたきつける、



合戦シーンの一コマや、信長の残虐な振る舞いなど、部分的には黒澤映画のような空気感をスクリーンに漂わす事には一応成功しているように見えますが、残念ながら大成功とは言えないようです、一番の原因はキャストかな、豪華なオールスターキャストが災いしたようです、台詞回しも影響して秀吉はたけしさんにしか見えず、光秀は西島さんにしか見えなかった、以下同様、唯一、織田信長だけが織田信長に見えたのは役者の力量か?監督の技か?

武将の力関係に男色ばかりが作用しているのも、物語の本筋の魅力を削いだように感じる、過ぎたるは及ばざるが如しか、信長の首取りシーンは面白かったです、




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2023年11月27日

先週は4本、「ライフ オブ パイ」「ユリョンと呼ばれたスパイ」「デシベル」「ジェロニモ」

(★★★★☆)(2012年米国)(原題:Life of Pi)
ベンガルトラと若者が小舟で漂流、極限の状況で生き残りを懸けた漂流生活が始まる

11パイ

インドで生まれ育ったパイ、名前をからかわれたり、淡い恋を経験、多感な少年時代を過ごしていた、両親は動物園を営んでいたが経営が立ちゆかなくなり動物を連れてカナダに移住することになる、動物たちと共に乗り込んだ貨物船に乗り込んでカナダを目指すが、嵐の夜に貨物船は難破、パイはただ一人生き残り漂う救命船に這い上がる、そこには何頭かの動物となんとベンガルトラも乗っていた、、、



なんとも凄い物語です、小説が原作、現実にはこんな状況で生き残ることは無理かな?と思える状況、それも227日間って、、、それでも物語はラストまでなんとか破綻せず、まるで夢を見るような感覚でベンガルトラと少年の漂流記を観ることになります、

227日間、生き残るための最低限の幸運はありました、大人数が乗れる救命船なので水と食料は比較的多量にあった、がトラブルでそれも散逸、パイは冷静に備え付けのサバイバルマニュアルを読み、ありったけの知識を動員して、ベンガルトラとの共存を目指します、動物園のトラとはいえ野生が衰えているわけではない、トラに襲われる恐怖と漂流生活のダブルパニック、

生き残ったパイが過去の経験を語る形で物語は進行、前半はパイの青春賛歌、別の映画のようですが前半パートも楽しめます、お勧めの1本、

半分以上が日本語会話の韓国映画、副題は内容そのまま、分りやすい、


(★★★★☆)(2023年韓国)(原題:Phantom)
日本からの独立のために、朝鮮総督府に潜り込まれた朝鮮人スパイは誰だ?

11ユリョン

1933年日本統治下の朝鮮半島、「黒色団」と呼ばれる抗日組織は「ユリョン」(幽霊)と呼ばれるスパイを朝鮮総督府に送り込んでいた、ユリョンの正体を暴くため、疑がわしい4人の総督府職員を人里離れたホテルに軟禁、日本人警備隊長は24時間以内にユリョンの正体を密告することを4人に求める、誰がユリョンなのか?4人と警備隊長の心理合戦が始まる、



スパイアクションかと思いきや、前半は豪華なホテル内でのお互いの正体を暴き合う虚々実々の心理劇、まるでクリスティの小説のような展開、ユリョンは誰なのか?アット驚く映画的レトリックも結構面白い、個人的には坂口安吾の「不連続殺人事件」を思い出しました、正体が暴かれてからは一転銃撃戦からの脱出劇、そして朝鮮総督暗殺計画へと一気に展開、スパイアクションの触れ込みに応えてくれます、後半パートも楽しめます、

1933年の雰囲気?なのか?ファッションや小道具などが独特の空気感を醸しています、ここも成功の一因ですね、「上海バンスキング」の時代と似ているかな、

この副題も分りやすい、



〇(スクリーンで鑑賞)「デシベル」
(★★★!☆)(2022年韓国)(原題:Decibel)
音量に反応する時限爆弾事件が連続発生、犯人の狙いは?

11デシベル

元潜水艦乗組員の自宅で爆破事件が発生、現場に向かう上官カンのスマホには犯人から連絡が、妻と娘にも危機が迫っていることを知らされる、妻は爆弾処理班のエース、音量時限爆弾の解体に挑むがトラップにかかり入院、そして娘も誘拐されてしまう、犯人の狙いは何なのか?当局の捜査班長は必死に真実に迫るが、上層部の不祥事隠蔽工作も絡み、カンは窮地に追い込まれる、



題名の「デシベル」爆弾は本題ではありませんでした、音量に反応する爆弾の恐怖は映画的にはそれほど機能していません、本題は冒頭15分ほどの海軍艦艇で起こった事故時のドラマ、後半の事故時の真実回想シーンはそれなりに緊迫感があります、

犯人の動機が少々真実味に欠けますが、それでも最後まで集中して鑑賞できました、韓国映画のこけそうでこけない粘り強さに感服、


◆(自宅で鑑賞)「ジェロニモ」
(★★★!☆)(1993年米国)(原題:Geronimo: An American Legend)
合衆国陸軍に最後まで抵抗した族長ジェロニモの生き様を描く叙事詩

11ジェロニモ

1885年、西部開拓が終わりを告げようとしていた時代、アメリカ先住民族は決められた居留地区での生活を余儀なくされていた、最後まで抵抗していた族長ジェロニモも自ら投降、彼を居留地まで護送する任務にゲイトウッド中尉と新人のデイビスの2人があたる、ジェロニモを絞首刑にしたい保安官の襲撃も退け無事護送を完了するが、小競り合いから居留地内で偶発的な銃撃戦が勃発、ジョレニモは再び戦士達を率いて逃走、ゲイトウエイとデイビスは今度はジェロニモ追跡の任務に就くことになる、



騎兵隊とインディアンの戦いというステレオタイプな西部劇ではありません、先住民族ネイティブアメリカンと開拓者の白人との長期の戦いで、先住民族の平和な生活は破壊され失われていった、そんな思いがゲイトウッド中尉の視線の根底にあります、21世紀の現在、その開拓者であった白人だけの国でもなくなったアメリカ合衆国、なにやら人の世界のはかなさを感じる映画でもあります、

ゲイトウッド中尉とジェロニモは友情で結ばれています、しかし互いの立場から目指す場所も利害も一致しない、互いに銃口を向け合うことになりますが、最後は2人とも戦士と軍人の尊厳を守り抜きます、原題にあるが如し、

陸軍幹部をジーン・ハックマン、若い兵士デイビスをまだ無名に近いマット・デイモンが好演、





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2023年11月20日

先週は5本、「正欲」「愛にイナズマ」「駒田蒸留所へようこそ」「335」「七人の秘書」

〇(スクリーンで鑑賞)「正欲」
(★★★★☆)(2023年日本)
あるモノに性的衝動を感じる事をひた隠しにして生きる3人の物語

11正欲

地元のショッピングモールで働く夏月は友だちが一人もいない、優秀なダンサーの大也だが人に心を開くことはない、検事の寺井は不登校の息子のことが理解できない、学校に行くことはふつうのことなのに、なぜそれが出来ないのか?そんな時、夏月の同級生佐々木が横浜から地元に戻ってくる、佐々木と夏月は互いに自分たちが普通の人間ではないことを知っている唯一の間柄だった、、、



多様性、それも性欲の多様性がテーマです、性的フェティシズムを正面から捉えながら、物語は瑞々しく、そして苦しく切ない、普通に生きることが出来ない人の心の葛藤を真摯に描いています、エリート人生を歩む検事、“普通”であることが当たり前で、それを完遂することに生きる意味を見出しています、フェティシズムは彼の世界には存在しない、普通ではあり得ない!普通の人と普通ではない人、そういう構図を突きつけられた時に初めて“普通”の価値と“普通ではない”人の生きる意味を考えさせられます、

新垣結衣が違う顔を見せています、稲垣吾郎はしっかり役に没入、役者魂がぶつかり合うラスト10分の対峙シーンでは2人から期待した台詞は出てこない、夏月は自分の奇異な性癖をけっして吐露することはない、普通ではない事と向き合う覚悟に息を呑みます、希に見る寡黙でスリリングなシーンでした、監督の手腕、

とても良い映画だと思います、観る価値あり、


〇(スクリーンで鑑賞)「愛にイナズマ」
(★★★!☆)(2023年日本)
家族をテーマに映画を撮ろうとしたことで、家族の本当の姿が露わになってきます

11愛にイナズマ

念願の監督デビューのチャンスを得た花子、プロデューサーや助監督に揉まれながらも企画は進行、失踪して行方知れずの自らの母親がテーマの作品なのだが、ある日突然監督交代という憂き目に遭う、自暴自棄になる花子だが、偶然知り合った寡黙な青年正夫の不思議な励ましに支えられ、疎遠だった父親や2人の兄と再会、再び家族をテーマに映画を撮りはじめると、、、過去の家族の秘密がボロボロとこぼれだしてくる、



不思議なテイストの映画だったような気がします、物語のテーマがどんどん移行していくので、あれ?あれ?という感じの展開にちょっと戸惑いました、ワタシがよく分っていないだけか?でも、達者な役者が揃っているので物語が破綻することはありません、それなりにしっかり展開、ラスト前にやっと感じることが出来る家族感にホッとしたのが正直な感想、

個人的には少し長かった、ホッとした後の20分くらいは不要かな?ホッとしたあそこでエンドロールが流れたら、それはそれで心地ヨカッタかも、あくまで個人の感想、

観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「駒田蒸留所へようこそ」
(★★★!☆)(2023年日本)
立ちゆかなくなったウイスキー蒸留所を立て直す女性の物語、アニメ先品

11駒田蒸留所

美術学校に通っていた琉生、父親が逝去、地震被害などで立ちゆかなくなり廃業寸前の家業の駒田蒸留所を継ぐ決意をする、ウイスキー造りを一から学び、借金をし、残っていた原酒で新ブランドを発売、なんとか数年後の新しいウイスキー造りを目指している、家を出た兄は大手酒造メーカー勤務、生き残るために駒田蒸留所の買収を迫る、そんな時、またしても蒸留所を災難が襲う、、、



とっても分りやすい熱血中小企業再生物語、とはいえウイスキー造りの蘊蓄がしっかり活かされていて面白い、新米ライターの成長に、従業員の心意気、家族の再生と上手にエッセンスを織り込みました、ウイスキー造りに惚れ込んだ面々の頑張りが実を結ぶという既視感ある結末にも素直に拍手を送りましょう、

観後感良し、ウイスキー好き、お酒好きの方もぜひ、観る価値あり、



◆(自宅で鑑賞)「355」
(★★★☆☆)(2022年英国)(原題:The 355)
世界を支配できるデバイスを巡って各国の女性スパイが大活躍

11335

世界中のネットワークに侵入できる唯一無二のデバイスが闇市場に流出、世界中の裏組織がこれを狙って暗躍、CIAの女スパイ メイスも単身デバイスに迫るが、ドイツ情報局、コロンビアの諜報機関、そして英国MI6の女スパイも加わり争奪戦は混迷、あと一歩のところでデバイスは裏組織の手先に奪われてしまう、デバイス奪還のため4人は一旦休戦、チームを組んで裏組織追求とデバイスの追跡を再開する、、、


女性スパイ4人が力を合わせると相当破壊力のあるチームになりますが、最強というわけではなかった、一旦取り戻したデバイスは突然現れた中国人組織に奪われ、舞台は上海へ、今や映画資本社会でも中国は無視できない存在、そんな裏事情もありありな感じで女性タッグチームは5人になり^^)ラストへ向かって疾走します、

女性スパイばかりで、髪の毛の色もどんどん変わるし、衣装も変わるし、顔が見分けられないワタシは大混乱、最初の30分は誰が誰やら、敵か味方かサッパリ分らん状態、ま、4カ国のスパイが入り乱れるんだから仕方なし、後半戦は4人がチームを組み、バッタバッタと悪を撃ち倒しまくります、ここらはそれなりにストレス発散はできるかな、

休日のお気楽鑑賞に、



◆(自宅で鑑賞)「七人の秘書」
(★★!☆☆)(2022年日本)
リゾート開発に絡んだ悪事を知った七人の秘書が先入捜査を開始、悪を成敗する

11七人の秘書

メンバーの一人望月がついに結婚することになる、お相手はリゾート開発会社の御曹司、しかし婚約発表の場に新郎は現れず、謎の火災で新郎は行方不明に、開発会社社長九十九道山は政治家と結託、巨額の利益を得るために従業員に過酷な工事を強いていた、この事実を知った七人の秘書は巧みに開発会社に潜入、道山の悪事を成敗する、



TVドラマ版は観ていないのですが、ま、だいたい想像はつきます、7人で戦うというのは黒澤以来のゴールデン面子、個性の組合せの妙とその戦い振りが観所なのですが、、、今作はそこまでの巧みさはありません、

休日のお気楽鑑賞、贔屓の女優さんの応援鑑賞、というところかな、




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2023年11月13日

先週も4本、「ゴジラ-1.0」「私がやりました」「総理の夫」「バビロン」

〇(スクリーンで鑑賞) 「ゴジラ-1.0」
(★★★★!)(2023年日本)
ゴジラ最新作、終戦後の廃都東京をゴジラが襲う!

11ゴジラ

特攻隊の敷島は不時着した島で恐竜のような生物に襲われる、整備部隊は全滅するが敷島は生き残ってしまう、引き揚げて東京でなんとか暮らす敷島、両親を失った典子と赤ん坊を引き取り、生活費を稼ぐために機雷掃海の危険な仕事に就く、そんな時、日本南方で米軍艦が謎の事故で大破、さらに巨大生物ゴジラが東京に上陸、東京の街を破壊し尽くす、敗戦国日本に軍隊はなく、米軍もソ連と対峙しており、ゴジラ殲滅作戦は民間の旧海軍兵士有志に託されることになる、ゴジラ上陸で典子を失った敷島は再び特攻作戦を実行する、



山崎監督・CG白組・制作ROBOTと「3丁目の夕陽」「永遠の0」からの流れを踏襲、安心して観ていられる出来映え、とくに人間ドラマパートは過去の“ゴジラ作品”の中では最高の出来映えではないだろうか?朝ドラ「らんまん」の2人が奮闘、ともするとゴジラ映像だけが際立つリスクのあるゴジラ映画をしっかり一篇のアクション映画に仕上げました、

CGゴジラもハリウッド作品や「シンゴジラ」で観慣れている、でも、監督の好みなんだろうか?機雷掃海作業、飛行する局地戦闘機「震電」の勇姿、重巡「高雄」の帰還参戦と昭和世代にはワクワクするエピソードも満載、戦後の日本で民間人がゴジラ殲滅作戦を実行するという無理難題もなんとかクリア、ラストの2つの映画的レトリックにもニヤリとさせられます、

無心で楽しめるエンターテーメント作品、ぜひ鑑賞を、



〇(スクリーンで鑑賞)「私がやりました」
(★★★!☆)(2023年フランス)(原題:Madeleine)
殺人事件を踏み台にスターダムにのし上がる女優に思わぬ厄災が降りかかる

11私がやりました

有名映画プロデューサーが殺害され、無罪の新人女優マドレーヌが逮捕される、正当防衛を認めることで判事と取引、犯行を認める、裁判では友人の弁護士ポリーヌの巧みな弁論で見事無罪を勝ち取る、この事件をきっかけにマドレーヌは一躍人気女優に、多くのオファーを受け順風満帆の女優生活が始まったかに思えたが、ある日、真犯人がマドレーヌの前に現れる、それはかつての大女優だった、



フランス製お洒落なクライムコメディ、災難かと思える殺人の濡れ衣を逆手にとって見事な演技?と弁論で民衆の心を掴み取り裁判を勝ち抜き一躍スターダムにのし上がる2人、そこに現れるのが真犯人の往年の大女優、殺人で人気が出るのなら、私も罪を告白する、殺人で再び脚光を浴びるために“私の罪”を返しなさい!と迫ってきます、それでもしたたかなマドレーヌ、巧みな処世術で危機を乗り切ってみせます、

そこまで才覚があるなら嘘の罪を背負う事などせずに、まっとうに生きれば良いと思うのですが^^)如何にもフランス映画っぽいクライムコメディ、ひょっとするとハリウッドでリメイクするかも!?

観て損はなし、



◆(自宅で鑑賞)「総理の夫」
(★★★☆☆)(2021年日本)
日本初の女性総理大臣が誕生、日本初のファースト・ジェントルマンになった夫は

11総理の夫

鳥類学者の相馬、鳥類観察の出張から帰ってくると妻の凛子が総理大臣になっていた、マスコミに追いかけられながらなんとか帰宅、凛子の総理就任を喜ぶが、“総理の夫”は想像以上に多忙な毎日、秘書の管理下に置かれた相馬は不自由この上ない、すこし羽を伸ばしたところをゴシップ記者がスクープ、さらに凛子の妊娠が判明、前代未聞の総理の妊娠、、、2人の選択は?



政治コメディとしては良く出来ています、主演2人がハマり役、学者の相馬と信念の政治家凛子、ここが決まればあとはなんなりとどうぞ、事件続発もそれを乗り切る凛子の魂、という感じで進行しますが、凛子の妊娠で急ブレーキ、う~ん、やはり選択肢はあれしかなかったのか?議事堂に子連れで出勤して欲しかったです^^)

敵役政治家に岸部一徳、今や日本の黒幕政治家はこの人で決まり!というキャスティング、それでもコメディですから結構良い役周りになっています、休日のお気楽観賞に、



◆(自宅で鑑賞)「バビロン」
(★★!☆☆)(2023年米国)(原題:Babylon)
1920年代のハリウッド映画界の栄華と狂気、そしてその先にあるものは?

11バビロン

メキシコから夢を追いハリウッドにやって来た青年マニー、捨て身の売り込みで端役を掴む新人女優ネリー、2人は無声映画のスター ジャックと知り合うことで映画業界の核心部分に入り込むことに成功するが、華やかな映画界の舞台裏はドラッグと狂気と欲が渦巻く闇社会、一段一段階段を登り続ける3人、はたしてその先に待っている物は?



無声映画からトーキーに移り変わる頃からのハリウッド映画黒歴史、みたいな物語であります、一つひとつのエピソードに意味はなく(と感じました)、とにかく映画界の狂気を積み重ねていく感じ、エロ・グロ・ナンセンスに死人満載、そして3人の終着点は、、、観後感が良くないので評価も低いです、マーゴットの存在感は流石と感心、

無声映画時代のむちゃくちゃな撮影現場の滑稽さ、死人まで出す戦闘シーン、トーキーになると台詞が言えない俳優、色気のない声の俳優、さもありなんと感心したりもしましたが、やはり製作の意図が理解できませんでした、観なくても良いかも、




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2023年11月06日

先週も4本、「BLUE GIANT」「ジョジョラビっと」「ドミノ」「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

〇(スクリーンで鑑賞) 「BLUE GIANT」
(★★★★!)(2023年日本)
最高のジャズプレイヤーを目指す3人の物語、コミックのアニメ化

11BlueGiant

仙台の高校生、宮本大は一流ジャズプレイヤーを目指して上京、同級生の玉田の家に転がり込む、アルバイトをしながら鉄橋の下でサックスを吹き続ける日々、ある日ライブハウスで天才ピアニスト沢辺と出会い、一緒にプレイしようと誘う、沢辺は大を歯牙にもかけないが、大の演奏を聴いてその迫力に圧倒される、素人の玉田をドラムに迎え、ジャズの聖地「So Blue」のステージを目指して3人の挑戦が始まる、



初演時に見逃していたのですが、アンコール劇場公開があったので鑑賞、いや~ヨカッタです、面白いアニメ映画でした、私はジャズが苦手(ビッグバンドだけはOK)、そんなワタシが3人の青春物語に没頭、まさかジャズ演奏を聴きながら泣くとは思ってもみませんでした、

画はアニメーションですが、演奏はもちろん実演、一流アーティスト演奏のサックス、ピアノ、ドラムを堪能できます、とくにサックスが重要な役回り、大のサックスが周りの人たちをどんどん魅了し巻き込んでいきます、

3人のキャラクターもしっかり立っているので物語に緊張感とリアリティがあります、最後の映画的レトリックはどうかな?という感じもしますが、圧巻のラストステージまでグイグイと力技で引っ張られます、ジャズ好きでない方へもぜひの鑑賞をお勧めします、

タイトルは“温度が高すぎて赤を通り越して青く輝く巨星”のこと、一流ジャズプレイヤーを意味する比喩言葉、



◆(自宅で鑑賞)「ジョジョラビット」
(★★★★☆)(2019年米国)(原題:Jojo Rabbit)
第2次大戦中のドイツ人少年とユダヤ人少女の友情をユーモアたっぷりに描くディズニー映画

11ジョジョラビット

敗戦目前のドイツ、母親と2人暮らしの10歳の少年ジョジョ、ナチスの少年兵教育を受け一人前の大人になることを夢見ているが、訓練中に優しい一面を見せてしまい“ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまう、家に引き籠りがちになったジョジョは、ある日家の2階で隠し扉を発見、その扉を開けると、、、そこにはユダヤ人の少女エルサが潜んでいた、母親はドイツの敗戦を信じてエルサをかくまっていたのだ、エルサと秘密を守る約束をしたジョジョだが戦況は徐々に悪化、米軍とソ連軍双方が町に迫ってくる中、ナチスの迫害は厳しさを増し、ついに母親にも追及の手が及ぶ、、、



ナチスのユダヤ人迫害という重いテーマをユーモアたっぷりに揶揄していきます、エルサとの交流でジョジョのユダヤ人への偏見が少しずつ薄れていき、ナチスの行いに疑問を持ち始めた時、悲劇が訪れます、それでもたくましく生きる2人、新しい世界の始まりへの期待が2人に込められています、

ナチス教育部隊女性教官の滑稽さ、アーリア人優等国民思想とユダヤ人差別、少年兵や市民兵が駆り出される市街戦の虚しさ、ジョジョを護ろうとするドイツ士官もいる、程よいバランス感覚とユーモアで悲惨な差別と戦禍をなんとか潜り抜けて、平和な未来を2人にプレゼントします、

観後観良し!鑑賞をお勧めします、



〇(スクリーンで鑑賞)「ドミノ」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Hypnotic)
娘を誘拐された刑事が巻き込まれるサイキック犯罪、その裏には、、、

11ドミノ

娘を誘拐された刑事ダニー、犯人は犯行当時の記憶がなく娘も行方不明のまま、銀行強盗の通報を受け現場で待ち伏せるダニーの目の前で銀行強盗が発生するが、警官も銀行員も不思議な行動で犯行を助ける、独断で銀行に入り込んだダニーは犯人の目当ての貸金庫から娘の写真を発見!なぜ娘の写真が?ダニーは犯人の男を追い詰めるが周りの警官も次々と犯人に洗脳されていく、、、



クライムサスペンスかと思いきや、サイキックものでした、犯人は他人の脳をコントロールできる?、ので、まあ何でもありの状態で物語はどんどん転がっていきます、あ~~ネタバレになるので何も書けないわ^^)

終盤は逆転に次ぐ逆転、何でもありなので集中していないと混乱するかも、というか細かな論理的破綻は覚悟の上で強引な結末へ、ラストシーンは思わせぶり、はたしてシリーズ化されるのか?難しいかな?

(★★☆☆☆)(2023年日本)
歌舞伎町のバー亭主で探偵のマリコの元へ不思議な依頼が舞い込む

11探偵マリコ

歌舞伎町でバーを営むマリコ、もう一つの顔は探偵である、ある日FBIから地球外生命体を探してほしいという依頼が舞い込む、さらに行方不明の娘の捜索、常連客の悩み相談などマリコの周囲はいつも騒がしい、そしてマリコ自身が抱えているトラウマもある、恋人のMASAYAと共に奔走するマリコ、はたして事件は解決できるのか?



と書きましたが、、、なか辛い辛い出来栄え、この作品、解説によると6つのエピソードを2人の監督が撮影しているそうです、面白い企画ですが、、、結果的に成功していません、1日の話でもないし、なぜこのタイトル?

タイトルから同じく探偵物の秀作「我が人生最悪の時」(1994年林海象監督作品)をイメージして鑑賞したのですが残念な結果でした、最初の依頼が地球外生物探しという時点で物語にリアリティはなく、後のエピソードも、ま、こういうこともあるよね、というレベル、心中と心中未遂のシーンだけはちょっとインパクトありましたが、他はラストも含めて退屈、まあ、観なくて良いかな、




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2023年10月30日

先週は4本、「ダンサーインParis」「キラーズオブザフラワームーン」「おまえの罪を自白しろ」「頑張れ!グムスン」

〇(スクリーンで鑑賞) 「ダンサー イン Paris」
(★★★★☆)(2022年フランス・ベルギー合作)(原題:En corps)
怪我で踊れなくなったトップダンサーが見つけたものは?

10ダンサーイン

パリ・オペラ座のバレイ団でトップスターを目指すエリーズ、公演中に過去にも痛めたことがある足首を捻挫、長期の治療が必要になる、トップ目前で踊れなくなり絶望感に苛まれ、父親ともぎくしゃく、新しい生き方を探るエリーズは友人の誘いで田舎町へ、そこで料理アシスタントのアルバイトを始める、そこはパフォーマンスアーティストたちが集まる合宿所、ある日やって来たコンテンポラリーダンスの一団と出会ったエリーズは、、、



冒頭のクラシックバレイの舞台シーンが圧巻、主人公の肉体美とクラシックバレイの様式美に魅了されます、開幕直前に恋人の裏切りを知り動揺するエリーズの心の内と、完璧に踊りきるエリーズの肉体の対比、メタリックなギターでの音楽的対比、完璧な肉体から溢れる情熱、いきなりの映画的サスペンス満載のシーンでした、この作品の成功の源泉、

その後の展開はまあそうだろうな、という感じ、エリーズがまた怪我をしないかとハラハラ、父親との噛み合わない会話にイライラ、エリーズに恋心を抱く療法士にはちょっと嫉妬と同情、そしてエリーズが見つける新たな世界のパフォーマンスがこれまた素晴らしい、

欧州で歌舞伎が受けるのも分ったような気がします、クラシックバレイの様式美は歌舞伎の様式美にそっくり、そして躍動するコンテンポラリーダンスの魅力にも気付かされます、悪人が出てこない清廉な物語、観後感良し、ぜひ鑑賞を!

邦題は如何にもという感じですがまずまず、原題は『体内』というような意味のようです、

(★★★!☆)(2023年米国)
次々に人が死ぬ!実際にあった先住民族迫害の黒歴史

10キラーズオブ

1920年代のオクラホマ州オーセージ郡、湧き出た石油の利益で先住民のオーセージ族住民は全米一贅沢な生活をしていた、兵役を終えたアーネストは叔父キングの奨めで富豪でオーセージ族の娘モーリーと結婚、幸せな生活を送り始めるが、モーリーの親族が次々と死んでいく、母親、妹、姉、糖尿病の持病があるモーリーも体調を崩し寝込んでしまう、この街ではいったい何が起こっているのか?



石油が湧き出たことで莫大な利益が約束された先住民、その利権を目当てに群がる白人、叔父のキングは先住民と良好な関係を維持しているが、その腹の中は腐りきっています、次々と不審な死を遂げる先住民、徐々に叔父に洗脳されていくアーネストが歯痒い、史実を基にしているので、ラストは痛快な逆転劇!と云うわけにも行かず、暗澹たる気持ちで劇場を出ることになります、

206分という超長尺作品、ここまでの尺が必要だったのか?主演2人の濃厚な演技、無口で端的な演出、緊迫感溢れる音響効果など観所はあり、退屈はしませんが、物語の観後感が悪すぎます、、、



〇(スクリーンで鑑賞)「おまえの罪を自白しろ」
(★★★!☆)(2023年日本)
汚職スキャンダルにまみれた政治家の孫娘が誘拐される、突きつけられた要求は?

10おまえの罪を

土木工事を巡る汚職スキャンダルの渦中にいる国会議員宇田、その孫娘が誘拐され、宇田に突きつけられた要求は身代金では無く『おまえの犯したすべての罪を自白しろ』というもの、宇田の次男で秘書の晄司は事件解決に奔走しながら、父親には全ての罪を告白して孫娘の命を救うよう迫るが、政治的駆け引きに事態は混迷、そして犯人の真の目的は?



誘拐事件発生から終結まではテンポ良く展開、物語のリアリティもなんとか担保されていますが、、、キャスティングがちょっと残念、政治家絡みの案件だからか?刑事がシュッとし過ぎ^^)犯人もキャストでバレバレ、

誘拐犯捕り物と政治スキャンダルに集中しすぎて、犯人探しがアラっぽ過ぎます、海外のサーバーを経由してメールを送りつけるという犯人像とはしっくりこない人情物語はどう?

この物語の核心は犯人捜し、怪しい人物はワンサカいる、ライバル政治家、幹事長に首相、レポーター、家族、、、誰もが怪しい!!という物語にするために、もっと犯人と動機に伏線をはりまくれば面白かったかも、

主演俳優のおかげで評価は高いみたいですね、


■(自宅で鑑賞)「頑張れ!グムスン」
(★★★☆☆)(2002年韓国)
赤ん坊を背負った主婦が夜の街を疾走!?するノンストップコメディ

10グムスン

元バレーボール選手のグムスン、出来ちゃった婚で今は主婦、夫が新しい就職先の歓迎会で泥酔、ぼったくりバーで高額を請求される、夫を迎えに行く濃うとするが、バーの場所が分らぬまま夜の街を走り回るグムスンが暴力団抗争のきっかけになってしまう、、、



91分の小品、一夜のドタバタ劇を描くノンストップコメディ、夫と会いたいために夜の街を走り回るうちに、あれよあれよという間に騒ぎは拡大、善人も悪人もグムスンに振り回されます、元有名バレーボール選手という設定はグムスン活躍のため、

しかし、赤ん坊を背負ってそんなに走っちゃダメでしょう^^)理屈抜きの休日鑑賞に、




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2023年10月23日

先週も5本、「ロストキング 500年越しの運命」「バーナテッド ママは行方不明」「忘れられし愛」「イコライザー THE FINAL」「空軍大戦略」

(★★★★☆)(2022年英国)(原題:The Lost King)
1人の女性が英国王の不名誉な歴史評価を覆す、痛快な実話ベース

10ロストキング

職場で正当な評価を受けられないことに不満を抱いているフィリッパ、ある日、シェイクスピアの「リチャード三世」を観劇、残虐な王として悪名高いリチャード三世の後世の歴史評価に疑問を抱いたフィリッパは歴史書を読みあさり、研究者を訪ね、ついに個人でリチャード三世の墓を探すことを決意、資金集めに奔走、冷ややかな専門家の視線を浴びながらも、ついに墓の発見に成功!!しかし、フィリッパの闘いはそこから始まる事になる、、、



痛快な物語、したり顔の研究者や専門家の固定概念を打ち破って、たった一人で歴史的発見を成し遂げる過程はワクワクする、歴史上人物の評価が如何に偏見に満ちた憶測と間違った研究によって成り立っているのかを痛感、日本の歴史上人物の評価も同じようなものだろうな、「本能寺の変」の真実が知りたい^^)

しかし、物語は「歴史的発見」では終わりません、そこからフィリッパの本当の苦悩が始まります、そんな身勝手な!!という展開に苛立ちを押さえ切れません、フィリッパの功績ははたして歴史に残るのか?とても映画的で面白かったです、

副題は機能せず、不要でしたね、



(★★★★☆)(2019年米国)
極度の人間嫌いで他人と馴染めない天才建築家が一人南極へ!?

10バーナテッド

独創的な建築で高い評価を得ていた天才建築家バーナテッド、しかし彼女は極度の人間嫌い、創作活動から引退して夫と娘と3人で古民家を買い取り平穏に暮らす、、、予定だったが、ご近所やママ友とのトラブル頻発、彼女の奇異な行動も目立つようになり、夫は精神科医に相談、バーナテッドを治療施設に入れようとする、、、



これまた、主婦が大活躍する物語、たしかにバーナテッドはちょっと付き合いにくそうな女性だが、彼女が人間嫌いになった原因を本人も周囲もよく分っていない、娘とだけは強い絆で結ばれているが、家族3人で行く予定だった南極旅行出発直前に精神科医が登場、旅行はご破算、パニックに陥ったバーナテッドは逃げるように姿をくらましてしまいます、ここからはちょっとご都合主義な展開になりますが、バーナテッドのストレスと奇異な行動の原因がとても分りやすく解決される終盤でスッキリ、あ~~、人ってこういうことなんだなと納得させられました、とても良い作品です、2019年制作、公開まで時間が掛りましたね、

副題は作品のイメージ作りに少し寄与していますが、本質とは違うような気がします、上質な人間ドラマ、家族の物語です、



◆(自宅で鑑賞)「忘れられし愛」
(★★★★☆)(2023年ポーランド)(原題:Znachor)
運命に翻弄される高潔な外科医とその娘の物語

10忘れられし愛kai

多忙を極める優秀な脳外科医の男、妻は娘を連れて恋人の元へ去り、暴漢に襲われ瀕死の重傷を負い記憶を失う、田舎町を放浪しているところを村の女に拾われ製粉所で働き始める男、一方美しい娘も町に流れ着き酒場で働き始める、この娘がなぜか気に掛る男、地元貴族の跡取り息子も娘に気を寄せる、娘の唯一の幼なじみが事故に遭い歩行不能に、男は彼の足の外科治療をする事になるが、、、



ポーランド発の人間ドラマ、記憶喪失の男、その娘、身分不相応な貴族の跡取り息子、ステレオタイプな設定ながら、100年ほど前?のポーランドの田舎町で起こる事件を丁寧に追っていくうちに、男の高潔な生き方の輪郭がハッキリとしてきます、跡取り息子も善人なのが功を奏して、物語はしっかり着地、観後感良し!

Netflixで配信中、鑑賞をお奨めします、



〇(スクリーンで鑑賞)「イコライザー THE FINAL」
(★★★!☆)(1998年米国)(原題:The Equalizer 3)
名うての暗殺者がイタリア アマルフィの田舎町で地元マフィアを成敗する

10イコライザーF

シチリアの麻薬組織のアジトに単身乗り込んだマッコールは9秒で全員を処刑、が自らも銃弾を浴び瀕死の重体に、田舎町の医師に助けられたマッコールは傷が癒えるまでこの町で暮らすことになる、が、町はマフィア下部組織のチンピラの横暴な振る舞いに悩まされていた、一方、シチリアの組織壊滅を受けてCIAもマッコールの足跡を追い始める、度重なる悪行についにチンピラとマッコールが衝突、マフィアのボスやテロ組織、CIAも絡んで町は騒然とした雰囲気になる、、、



シリーズ3作目の敵は、世界の巨悪ではなくイタリアのマフィア一族、わりと小振りな闘いになっています、負傷したマッコールは治療の間に田舎町の住人と心を通わせ、これまでの暗殺者としての生活から抜け出そうとしているように見えますが、そうは問屋が卸しません、親しい住人に危機が迫るに及んでマッコールの堪忍袋の緒が切れます、

マッコールの活躍よりも、田舎町での暮らす振りの方に重点が置かれています、ま、これも良しという感じ、冒頭のエピソードもしっかり回収されスッキリ、休日に気楽に楽しめる1作です、



◆(自宅で鑑賞) 「空軍大戦略」
(★★★☆☆)(1969年英国)(原題:Battle of Britain)
1940年7月、ドーバ海峡を挟んで行われた熾烈な航空戦の記録

10空軍大戦略

1940年、フランスを駆逐占領したヒトラーと英国が対峙、独軍は圧倒的な航空兵力で英国本土爆撃を開始、航空戦力に劣る英国はレーダー技術と勇敢なパイロットの奮闘、そして全国民の団結で7週間に及ぶ独軍の攻勢を防ぎきる、



「バトル オブ ブリテン」と呼ばれる第2次世界大戦の分水嶺となった航空戦を語る叙事詩、物語は淡々と進み、ヒーローのいない戦争の悲惨な現実を追っていきます、連日押し寄せる独航空機の迎撃に疲弊する英パイロット、増え続ける戦死者、、、のちのチャーチルが残した言葉『人類の歴史の中で、かくも少ない人が、かくも多数の人を守ったことはない。』、近代兵器戦の本質が初めて確認された闘いであります、

英国の戦闘機「ハリケーン」「スピットファイヤー」実機が空を舞います、エンジンを装換した独軍のMe109やHe111も空を飛びます、1969年の公開当時はこの空中戦シーンの美しさに(ちょっと語弊はありますが)魅了されました、

“戦略”という言葉も当時は新鮮で、翌年制作のイーストウッド主演の戦争映画には「戦略大作戦」という邦題が付けられました、懐かしい、




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2023年10月16日

先週は5本、「アナログ」「沈黙の艦隊」「ハント」「ジョーブラックをよろしく」「プロジェクトX-トラクション」

〇(スクリーンで鑑賞) 「アナログ」
(★★★★☆)(2023年日本)
スマホを持たない女性と生真面目な青年の清々しい恋の物語

10アナログ

人が良すぎる建築デザイナーの水島、仕事の手柄は社長に取られるし、仲の良い同級生2人にはいじられ、未だに彼女もいない、ある日、自分がデザインしたカフェでみゆきと出会う、みゆきは水島のデザインを気に入った様子、勇気を振り絞ってみゆきをデートに誘う水島、2人は意気投合、しかし、みゆきはなんとスマホを持っていない!毎週木曜日、決まった時間にカフェで待ち合わせることで恋は始まり、2人の距離はどんどん縮まっていくが、、、



上質で爽やかな映画です、水島とみゆきの普通の恋の始まりから距離を縮めていく過程がとても美しい、画面にスマホが出てこないだけで、21世紀の恋も透明感のある心の物語になる事を証明しました、一番便利なものが一番不自由を招く?

水島の同級生2人(桐谷健太・浜野謙太)も善人で会話も楽しい、このままなにも起こらずに物語が終わったとしても映画として成立したような気がするくらいです、しかし物語は急転、みゆきは突然水島の前から姿を消します、なぜ?連絡先が分らないもどかしさ、はたして物語の結末は???

ビートたけし原作、誰も死なない清々しい映画です、鑑賞の価値あり、



〇(スクリーンで鑑賞) 「沈黙の艦隊」
(★★★!☆)(2023年日本)

米国製の最新鋭原子力潜水艦を乗っ取った海上自衛隊乗組員!?

10沈黙の艦隊

米国潜水艦と自衛隊潜水艦が衝突、自衛隊潜水艦は沈没、海江田艦長以下乗組員全員が死亡という事故が発生、海江田の同僚で潜水艦艦長の深町はこの事故発表に疑問を感じる、事故当時の記録音源を解析すると、自衛隊潜水艦の乗組員は事前に脱出していた疑いが浮上、この事故の裏には最新鋭米国原潜に日本人クルーを乗せて核保有を既成事実化しようとする日米両政府の陰謀が隠されていた、、、



ご存じコミックが原作、荒唐無稽な物語ですが、綿密な考証とCGと大沢たかおのド迫力?で、最後までそれなりのリアリティを感じさせる出来映えです、

米国原潜に乗り組んだ海江田は訓練中に原潜を乗っ取り、独立国「やまと」を名乗ります、米第7艦隊は総力で「やまと」撃破に乗り出します、と、ここから大沢:海江田艦長の腕の見せ所、ま、いろいろツッコミ所があるにせよ潜水艦バトルは緊迫感あり、かたや日本政府の慌て振り、米国政府の上から目線と、現代日本の置かれている状況もしっかり揶揄、

さて、海江田の真の狙いは?その結末は?たしかに2時間では無理か、、、

今作は大沢たかおが主演とともにプロデュースもしています、



〇(スクリーンで鑑賞) 「ハント」
(★★★!☆)(2022年韓国)(原題:Hunt)
韓国情報機関に潜入した北朝鮮スパイを巡る壮絶な内部抗争

10ハント

1980年代の韓国、要人警護の情報が漏れ北朝鮮の襲撃を受けた責任を追求されるライバル2人、海外班長のパクと国内班長のキム、組織内のスパイを見つけ出すことを命ぜられた2人はスパイ捜しに躍起になる、誰もが疑わしい状況下で2人は互いに身辺捜査を始める、北朝鮮への隠密作戦も情報漏れで失敗、さらに韓国大統領暗殺計画の情報が飛び交い、緊迫した状況はピークに達する、、、



1980年代の韓国が舞台、クーデターによる軍事政権誕生と、光州事件での市民大虐殺という悲惨な社会情勢が背景にあります、北朝鮮との情報戦、国内の民主化運動の盛り上がりとそれの圧殺、とても複雑な時代の物語なだけに、2人の心理戦は後半逆転に継ぐ逆転、

2人のライバルは共にやり手、洞察力と行動力を併せ持って降り、互いに一歩も譲らない、物語は2人の過去の因縁にも触れるので時間軸が飛びます、北朝鮮地下組織も絡みます、それに顔が皆似ていて(ワタシの顔認識能力の低さが原因ですが^^)誰が誰やらよく分らなくなりました、物語を追うには相当集中力が必要かな、

焦点は「北朝鮮のスパイは誰か?」、はい、ちゃんとスパイの正体は暴かれますが、そこからはあれよあれよと、韓国映画らしく、しつこくラストまで全員が泥まみれで転がっていきます、ま、観て損は無いかな?

(★★★!☆)(1998年米国)(原題:Meet Joe Black)
一目で恋に落ちた2人の奇妙な恋物語

10ジョーブラック

大富豪の娘スーザンは街角のカフェで偶然ジョーと出会う、互いに惹かれ合う2人だがそのまま右と左へ、直後にジョーは交通事故に遭う、翌日スーザンの父パリッシュのもとになんとジョーが現れる、それを見たスーザンも仰天しながらも再会を喜ぶ、しかしジョーの様子はなにかおかしい、、、実はジョーは交通事故で死亡、パリッシュの前に現れたのはジョーの身体を借りた死神だったのです、、、



ブラピはほとんど死神として演技します、でもおどろおどろしい演出はなく、大富豪パリッシュもとても冷静に死神と対峙します(なんか不自然^^)、そこからは美女と死神のラブストーリー、パリッシュの会社を乗っ取ろうとするスーザンの婚約者、死神のくせにスーザンへの未練を持つジョー、パリッシュとスーザンと奇妙な心の交流が始まります、、、という奇妙なお話ですが、ラストの映画的レトリックは面白い、そうかな?と思ったらそうでした、181分と長いですが、ラストを楽しみに観てください、

無口で長回しのクローズアップカットを多用、こりゃ長くなるよね、でもスーザンとジョーのトークシーンは観応えありました、監督は小津ファンか?



(★★☆☆☆)(2023年中国・米国合作)(英語原題:Hidden Strike)
ジャッキーチェン主演、人質救出のため民間戦闘チームが奮闘

10トラクション

中東の砂漠地帯?中国資本の石油採掘コンビナートがテロ組織の攻撃を受ける、民間戦闘チームが従業員救出作戦を敢行、しかしコンビナートの責任者がテロ組織の手に落ちてしまう、テロ組織の目的は大掛かりな石油泥棒、責任者が持っているコンビナート再稼働のためのKeyとパスワードを巡っての闘いが始まる、、、



ジャッキー主演、中国と米国合作ということですが、まあザックリしたストーリーと作りの荒さが目立つB級アクションという感じ、冒頭からリアリティがなく、展開も雑、中盤、ジャッキーのアクションシーンになると少し持ち直しますが、やはりアクションにも限界がある、ふ~、観るのがしんどかったです、タイトルバックにジャッキーお馴染みのNGシーンがあるので、なんとか最後まで鑑賞出来ました、

邦題はなんとか少しでも多くの人に観て貰いたい!という苦心の作、ジャッキーの過去作とは関係ないのでご注意を、





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2023年10月10日

先週は5本、「グランツーリスモ」「過去のない男」「BAD LANDS」「回帰」「Still Dark」

〇(スクリーンで鑑賞)「グランツーリスモ
(★★★★☆)(2023年米国)(原題:Gran Turismo)
レースゲームの優勝者を実際のカーレーサーに育てようという実在したプロジェクト

10グランツーリスモ

レースゲーム「グランツーリスモ」に熱中しているヤン、父親からは大学進学を勧められるが、レーサーになる夢を捨てきれないでいる、そんな時、チームNISSANが優秀なゲームプレイヤーを集めたレーサーアカデミーの開校を決める、予選に出場したヤンは見事優勝、世界中から集められた10人の1人としてカーレーサーになるための訓練を受け始める、、、



フィクションかと思いきや、実話を基にした物語でした、ビックリ、そして物語の展開と結末もビックリ、事実は小説よりも奇なり、

カーレースシミュレーションゲーム「グランツーリスモ」はもちろん日本人が開発したゲーム、このゲームで優秀な成績を残した若者を実際のレーサーに育て上げようという、夢物語をNISSANフランスがなんと本当に現実にしてしまいます、ゲーマーがレーサーに!?既成概念にとらわれていると出来るモノも出来なくなる!?世界は可能性に満ちている!

もちろん、レースシーン満載、カーレースファンでなくてもその迫力に魅せられます、ゲームがテーマの夢物語に熱狂できる事、間違いなし、夢を観るように気楽に鑑賞を!


◆(自宅で鑑賞)「過去のない男」
(★★★★!)(2002年フィンランド)(原題:Mies vailla menneisyytta)
暴行で記憶を失った男の数奇な運命を辿るヒューマンドラマ

10過去のない男

ヘルシンキ駅に着いた男、夜のベンチで一夜を過ごすつもりが、暴漢に襲われ過去の記憶を失ってしまう、九死に一生を得たものの記憶を失った男は居所も無い、彼を救うのは日々の生活にも困っている貧しい人々、自分たちの生活を削って男を支援する、救世軍で服を貰い、なんとか住む場所も見つけるが、自分の名前も分らないことから社会復帰にはいろんな困難が立ちはだかる、、、



不思議な画風の映画であります、台詞も演技もシーン毎に絵画のように切り取られています、そして、アッという間にエンディングまで、吸い込まれるように観てしまいました、

救世軍の女性イルマと知り合ってから男はどんどん前に進むようになります、住処のコンテナを綺麗に整え、野菜を植え、バンドライブを企画し、イルマを食事に誘う、このまま男の新しい生活が始まるのか?と思いきや、ある事件をきっかけに過去が判明、男は忘れていた過去の向き合うことになります、、、

2002年カンヌ主演女優賞受賞、劇中でクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が流れたのにもビックリ^^)



〇(スクリーンで鑑賞)「BAD LANDS」
(★★★!☆)(2023年日本)
特殊詐欺に手を染める姉と、ヒットマンの弟が大金と共に裏社会に堕ちていく

10BADLANDS

事情があり東京から大阪へ逃げてきたネリ、高城の元で特殊詐欺の片棒を担いでいる、出来の悪い弟のジョーもヒットマンの仕事で大阪へ、大阪府警は特殊詐欺の捜査でネリの存在を確認、捜査の手が伸びてくる、賭場で借金を作ったジョーは請け負った仕事に失敗、やけくそになり高城の金を奪おうとする、そこにネリも現れ事態は最悪の状態に、特殊詐欺の元締めのヤクザ、東京からネリを付け狙う元上司も絡んで事態は緊迫、姉弟はこの危機をすり抜けられるのか?



特殊詐欺の物語かと思いきや、もっと酷い裏社会の悪い奴等続々登場、こんな安藤サクラ、生瀬、宇崎、江口を初めて観た!という感じの大阪弁コテコテのクライムサスペンス、今の娘もオッサンもこんな古い大阪弁喋らんやろ!というくらい、ちょっとコテコテ過ぎて
(関西人からすると)逆にテンポとリアリティが無くなっているような感じもするが、それでも悪人入り乱れての大金争奪戦は楽しめます、

オール大阪ロケ、動物園前、なんば、淀屋橋と見知った場所がどんどん出てくるのも大いに楽しめる、前半は台詞が聞き取りにくいシーンがいくつか、これはちとストレス、登場人物が多すぎて描き切れていないキャラもいたかも、143分はちと長い、115分で編集すればテンポも上がるかも、

安藤サクラは役者やのう、歩き方から話し方、仕草も表情も、しっかり役に没入していました、流石、岡田准一カメオ出演なれど存在感あり、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「回帰」
(★★★!☆)(2022年アルゼンチン)(原題:不明)
アルゼンチンの田舎町で怒った事件、その真相を暴く元女性警官の闘い

09回帰

田舎町で息子と2人で暮らすピパは元警官、ある事件で心に傷を負っている、ある日、敷地内の小屋で火災が発生、焼け跡から少女サマンサの焼死体が発見される、事故なのか?事件なのか?警察は目立った外傷がないことから事故の線で捜査を進める、ピパは自らの嗅覚を信じて関係者に接触を続けると、ピパや息子にも犯人の魔の手が及ぶことに、、、



珍しい!アルゼンチン発のクライムサスペンスです、SNSでは情報少ないし、評価も低いですが、ワタシは面白く鑑賞出来ました、閉鎖的な田舎町の人間関係、支配する白人、白人に対する原住民の民族的反発、謎の豪族兄妹、そして不穏な警察の動き、サスペンスの要素がしっかり詰まっています。

白人と原住民、閉じられた世界という意味で名作「ウインド リバー」との共通項を見出すことが出来ます、原住民の虐げられた生活が事件を呼び起こす遠因となってしまう虚しさ、、、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「still dark」
(★★★!☆)(2019年日本)
盲目の青年がレストランでナポリタン作りを目指す、40分の小品

10stilldark

料理人志望の盲目の青年ユウキ、街のレストランで食べたナポリタンスパゲティの味が忘れられずに、その店で働きたいと料理長に申し出る、戸惑う料理長、試用期間を経てナポリタン作りのテストに合格することを条件にユウキを仮雇いする、先輩アルバイトのケンタに支えられながらユウキは少しずつ要領を掴み、一人前の仕事が出来るようになる、そしていよいよ採用テストの日を迎える、



盲目の料理人、本当に可能なんだろうか?と誰もが考えてしまう命題、しかし、挑戦しなければ達成できない!ということもまた真実、狭い厨房での料理作りは本当に大変そうだが、物語は軽く爽やかに進行、徐々に上手に動けるようになるユウキ、寡黙な料理長、ハートフルな先輩ケンタ、ナポリタンよりもこの3人の関係のほうが美味しそう、

上質な40分間、様々な事情で選んだ尺だろうが、これくらいの尺でもしっかり物語を語っているのは監督の力量、拍手、この監督で同じようなテーマの90分くらいの別の作品を観てみたいと思いました、40分がアッという間なのでぜひ観てください、





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