犬猿

2020年12月28日

先週、映画館・自宅で観た映画~先週は3作品、すべて良い映画でした、「私をくいとめて」、「犬猿」、「声優夫婦の甘くない生活」。

先週、映画館・自宅で観た映画~


先週は3作品、すべて良い映画でした、
「私をくいとめて」、「犬猿」、「声優夫婦の甘くない生活」、

〇(スクリーンで鑑賞)「私をくいとめて」
(★★★★☆)(2020年日本)

202012私をくいとめて

みつ子(のん)の頭の中にはAがいる、いつもAとの会話を通して自らの生活充足度を確認、解決してきた優雅なお一人様生活、が、ついうっかり取引先の営業マンに恋をしてしまう、お一人様がヨカッタはずなのに恋心に踊らされ狼狽するみつ子、Aとの会話でも恋の行方は五里霧中、答えは出ない、果たしてこの恋は成就するのか!?



のん主演、これだけで結構楽しみにしていましたが、大いに期待に応えてくれました、脳内にいるもう一人の自分=Aとの会話を軸に展開する前半は快調、コメディとしても相当楽しめます、途中から現代的な問題が顔を出して来て少し足取りが重くなる、

映像的なギミックもたくさん投入されています、この手の実験的な手法はあまり好みではないのですが、それもしっかりと成功していると云って良いでしょう、

惜しむらくは2時間13分と長い、ローマのシークエンスはちょっと観光案内的に見えてダレました、不要だったかも、これが物語後半の足取りを重くしてしまいました、ローマシークエンス無しで1時間50分くらいに納めたかったなあ、



Aとの会話シーン、Aは声だけなのでほぼ のん の顔がスクリーンに映っています、全体の半分くらいが のん のカットかも!?^^)ファンには堪らん映画でしょうね^^)オススメです、



◆(自宅で鑑賞)「犬猿」
(★★★★☆)(2018年日本)

202012犬猿

乱暴者の兄が出所して家に転がり込んできた、生真面目な弟は兄を怖れつつも兄弟の絆もある、取引先の印刷工場の姉妹、姉はテキパキと仕事をこなすが容姿に自信が無い、美人の妹は要領よく世間を渡っている、この4人が出会うことで今まで均衡していた関係が徐々に崩れ、ついに暴発する、本当の悪人は誰なのか?本当の善人はいるのか?



乱暴者の兄がとにかく怖いので映画全編にヒリヒリするような緊張感が漂います、きっといつか暴発するんだろうな、という予感、でも暴発はラスト近くまで引っ張る監督の力業、兄のせいで沸き起こる居心地の悪さもここでは上手なサスペンスです、

暴発の仕方もよく考えられている、思ったよりもマシな結末?案外、一番正直者は乱暴者の兄か?兄だけが自分に正直に生きているのか?そんなメッセージなのかと気を回した途端にしっかりと裏切りのメッセージが、、、

新井浩文、上手い!江上敬子、熱演、



〇(スクリーンで鑑賞)「声優夫婦の甘くない生活」
(★★★★☆)(2019年イスラエル)

202012声優夫婦の甘くない生活

1990年、ソ連崩壊と共にソ連国内のユダヤ人の多くはイスラエルに移住、ソ連で声優を生業にしていたこの老夫婦もイスラエルへ、が、そこには声優の仕事はなく、妻はその七色の声を活かしてテレフォンセックスで稼ぎ、夫は吹き替えをしたいばかりに映画泥棒(スクリーンを撮影)の片棒を担ぎ警察に捕まる、憧れの移住生活のはずが徐々に冷めていく夫婦仲、果たしてこの夫婦の行く末は、、、



こんなはずじゃなかった感満載で結構面白い、笑えるシーンも多いし、二人がだんだんと落ちていく様もサスペンスです、そしてラストは二人の生きてきた人生への愛おしさ、

もう一つの物語の軸が『映画への愛』、声優の夫婦のやりとりに懐かしの名画が続々登場、夫が吹き替えた名優へのリスペクトや洞察、そしてその吹き替え術も面白いんだろうなあ、私には彼のロシア語がマーロンブランドの口調かどうかまでは分かりませんでした、

原題は『Golden Voices
』、



当時のイランの科学兵器(毒ガス)攻撃などのギミックも日本人にはピンとこないし、結末はなにかあっけない感じですが、これは日本人とユダヤ人の人生観の違いかな、小品ながら楽しめる1作、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)