TAR

2023年05月29日

2週間で6本、「TAR ター」「TOKYO MER 走る緊急救命室」「ノーザンリミットライン 南北海戦」「名探偵コナン 黒鉄に魚影」「決戦は日曜日」「レジェンド&バタフライ」

〇(スクリーンで鑑賞)「TAR ター」
(★★★★!)(2022年米国)(原題:Tar)
天才女性指揮者の栄光と奮闘、苦悩と挫折、そして・・・

05Tar

ベルリンフィル初の女性首席指揮者の座を射止めたリディア、ライブ録音演奏のリハーサルに新曲作り、若手育成プログラムに子育てと寝る間もない働きぶり、彼女の指揮者としての才能はまちがいなく一級品、だが、それ故に周りとの軋轢、妬み、誤解、策略など、リディアの心持ちが穏やかになることはない、それでも最高の作品作りに邁進するリディア、ところがほんのちょっとしたほころびから思わぬ厄災が彼女に襲いかかる、



158分と長いです、覚悟していたのですが冒頭で少しウトウトしてしまいました、前半は会話劇かな?と思わせる進行、ここらが長い、そして説明的カットがほとんど無いので分りにくい、それでもリディアが深い沼に嵌っていく中盤以降はスクリーンになんとも云えない緊張感と不安定感がずっとみなぎっています、目の離せない展開、

天才が故に、周りとの関係が上手く行かないリディア、楽団幹部、副指揮者、パートナーのバイオリニスト、若手チェロ演奏者、そして育成プログラムの学生、徐々に軋み始める人間関係と不安定になっていくリディア、そこに決定的な事件が発生、窮地に陥るリディア、そして彼女の心は思わぬカタチで暴発してしまいます、

最後の20分ほどが必要なのか?ちょっと疑問に思いましたが、にしてもケイト・ブランシェット熱演、カメラ(画が凄く綺麗)も衣装(リディアの衣装がサイコー)も台詞も一級品です、

あれこれ覚悟してご覧ください、


〇(スクリーンで鑑賞)「TOKYO MER 走る緊急救命室」
(★★★!☆)(2023年日本)
自らの危険を顧みず高層ビルのテロ火災現場で負傷者の命を守る救急隊員たち

05MER

死者ゼロを目指し、大規模事故現場で危険に晒されながら負傷者の命を救う喜多見が率いるTOKYO MER、横浜ランドマークタワーで発生したテロ火災現場に駆けつけると、そこには新たに編成された横浜MERチームも駆けつけていた、反目し合いながらも救助活動を続ける両チーム、火災も鎮火に向かうと思われたが新たな爆発が発生、高層階にいた人達が取り残される、喜多見ら東京MERは決死の覚悟で高層階に向かう、そこには偶然居合わせた身重の喜多見の妻もいた、、、



ご存じTVドラマの劇場版、ワタシはTVドラマを観ていないのですが、キャラクターや過去の経緯をおさらいしながら物語は進むので無問題^^)

テロ現場は「タワーリング インフェルノ」の21世紀版、超人的な活躍を見せるMERや即応消防隊の描写はツッコミ所満載ですが、喜多見他のキャラクターへの共感が勝るので、最後までしっかり鑑賞出来ます、診断から応急処理・緊急手術のシーンはテンポ良い早いカット割りで緊迫感を生み出すことに成功、都知事や政治家レベルの駆け引き、東京都MERと横浜MERの対立、そして家族が巻込まれるというパニックストーリーからの現場一致団結、邪心あるモノは排除されるという王道の展開、

はたして、今回も死者ゼロで終わることは出来るのか?


(★★★!☆)(2015年韓国)(原題:Northern Limit Line)
北朝鮮軍と対峙する韓国軍海上警備隊の日常と突然の実戦

05南北海戦

ドンヒョクは医務兵として韓国軍海上警備隊の高速艇に着任、厳格な艦長の下、厳しい訓練に明け暮れる、転属間近の操舵長や子供が生まれたばかりの兵器長など、個性溢れる同僚と共に成長していくドンヒョク、あらたに新人も配属されてくる、そんな日常が続くかと思いきや、不審な動きを繰り返す北朝鮮艦艇と海上軍事境界線を挟んでにらみ合いに、、、と、いきなり北朝鮮艦艇が発砲、海上での近接戦闘が勃発する、



2002年、サッカーワールドカップ日韓大会開催中に実際に起こった銃撃戦を描いています、劇中の戦闘シーンは30分ほど、これは実際の戦闘時間約30分と同じ長さで描写されたそうです、自動小銃、機関銃、機関砲などでの交戦ですが、これが結構長くて痛々しい、撃っても撃っても終わらない交戦、次々と負傷していく兵士たち、艦艇の近接戦闘は初めて観るような気がします、乗艦していた全員が負傷、6名が死亡という戦闘でした、

韓国と北朝鮮の朝鮮戦争は1953年に休戦、ということは21世紀の今も戦争は終わっていないのです、この休戦中に小競り合いは幾度となく発生、戦死者も出ています、戦争状態が継続されているので韓国には今も徴兵制度があります、劇中でも職業軍人ではない徴兵兵士が死んでいきます、悲しい物語です、


〇(スクリーンで鑑賞)「名探偵コナン 黒鉄の魚影」
(★★☆☆☆)(2023年日本)
お馴染みコナンくん、今回は潜水艦を相手に大活躍!?大ヒット中ですが、、、

05コナン

八丈島に建設された世界中の監視カメラ映像を管理するインターポールの海上情報センター、そこでは“老若認証システム”と呼ばれる新技術が開発されていた、過去の写真などから現在の容姿を推定、監視カメラ映像からその人物を特定する新技術、そんなセンター内で誘拐と殺人事件が発生、さらにコナンの盟友灰原も誘拐される事態に、偶然居合わせたコナンは捜査を始めるが、コナンも灰原も“老若認証システム”でその正体を知られることになる、、、



はい、無料鑑賞ポイント消化で鑑賞、なにせ公開24日間で興行収入100億円突破と大ヒット、シリーズ最大のヒット作になっているので、念のためにね、

物語・映像ともとくに新味なし、コナンの子供化に関与する組織との対決、“老若認証システム”によるコナンの危機!というのもそこまで緊迫しない、潜水艦との対決もまあまあコナンくんだから目くじら立てずに許そう、というかそんなことは関係ないのだ、キャラクターをていねいに育ててきたスタッフ・関係者の永年の努力と愛情が大ヒットの要因、ということですね、


◆(自宅で鑑賞)「決戦は日曜日」
(★★★!☆)(2022年日本)
選挙の裏側と日本の政治家の空っぽさを皮肉るコメディ

05決戦は日曜日

衆議院議員の父親が入院、後継候補として擁立された娘の有美、もちろん政治は素人の世間知らずのお嬢様、有美を支える秘書達は有美の天真爛漫な振る舞いに振り回されながらも当選を目指して奮闘、しかし後援会の旧態依然とした政治感、有美を擁立した県議会議員達との対立などに嫌気がさした有美は、、、ナント落選を目指すことにする、、、



たしかにこんな感じで選挙は進んでいるんだろうなと思わせるコメディ、政治が大切だと分っていながら、一向に関心度が上がらない日本の政治、投票率が伸びない日本の選挙、皮肉るだけでは状況は変わらないと分っていても、だよね~~という気分にさせられます、

選挙の定石を破る有美の気ままな行動はすぐさま炎上を起こしますが、それでも「当選しますから」とクールな秘書、「事前の世論調査結果と地盤があれば当選するんです」、これが真実だから投票率が上がらないのか?投票率が上がらないから結果が変わらないのか?なんとも悲しい我が国の選挙の裏側、

宮沢りえが好演、こんな選挙はおかしい!!と正論を吐き、落選を目指してあの手この手で炎上を誘う様がしっくりきます、

休日のノンビリ鑑賞ながら考えさせられる1本、


(★★★☆☆)(2022年日本)
信長と正室濃姫を新しい視点で描いた愛情物語

05レジェンド&バタフライ

1549年、敵国美濃の濃姫は織田信長の元へ嫁いでくる、信長の首を取りに来たと公言して憚らない濃姫だが、桶狭間の戦では信長に貴重な助言をするなど、2人の距離は徐々に縮まっていく、しかし、信長の比叡山延暦寺焼き討ちなどの残虐な所業に濃姫は離縁を申し出、城を去る、幾多の戦を勝ち抜き上洛、天下人目前になった信長の元に濃姫病の報が入り、再び濃姫を安土城に呼び寄せる信長、そして自らは京へ上り本能寺を宿とする、、、



織田信長の戦エピソードを濃姫と信長の視点で描くというアイデアは面白いかも、しかし、キムタクがどうしても“キムタク”にしか見えず、信長に見えない、絵空事の映画になってしまいました、他の役者なら成功したかもね、

戦国時代劇ですが合戦シーンはありません、あくまで2人の愛情物語、さすがに本能寺の変は描かれています、観所は綾瀬はるかのアクションかな、彼女のアクションは小気味良い、でも、それだけで168分は持ちませんでした、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)