2024年12月09日

先週も5本、「ふたりで終わらせる」「ピアノレッスン(1993)」「ピアノレッスン(2024)」「ザ・バイクライダーズ」「ゴールドフィンガー」

〇(スクリーンで鑑賞)「ふたりで終わらせる」
(★★★★☆)(2024年米国)(原題:It Ends with Us)
幸せな出会いを果たした2人はそれぞれ抱えている原体験と向き合う事になる

12ふたりで終わらせる

理想の花屋を開店させるためボストンに出てきたリリー、いきなり優秀な脳外科医のライルと出会う、花屋は無事開店、偶然ライルとも再開し2人は恋におちる、2人が食事に行ったレストランはリリーの高校時代のボーイフレンド アトラスが経営していた、再開した2人、ちょっとしたことがきっかけでライルは嫉妬の炎を燃やし始める、、、



物語は現在のボストンとリリーとアトラスが高校生だった頃とを行き来しながら進行します、リリーとライルの出会いのシーン、ここだけ観ると洒落た都会派ラブストーリー、かと思いきや、アトラスの登場で状況は一変、物語は意外な方向へ転がり始めます、

アトラスの若き日の厳しい境遇、心優しいリリーも家族の問題を抱えています、優秀な脳外科医だが過去に犯した過失のトラウマから抜けきれないライル、三人三様の心模様がついに衝突することになります、悪人はいないけれども悲しい物語、

意味深なタイトル、原題も「It Ends with Us」、負の連鎖ともいえるこの物語を終わらせる“us=我々”は?リリーと誰なのか?ライルか?アトラスか?それとも・・・それは観てのお楽しみ、ワタシはとても気に入りました、

悲しい物語ですが観後感良し!ぜひの鑑賞をオススメします、


◆(自宅で鑑賞) 「ピアノレッスン」
(★★★★☆)(1993年米国)(原題:The Piano)
開拓中のニュージーランドへ娘連れで嫁いだ女性の波乱の人生

12ピアノレッスン

19世紀半ば、ある出来事で話すことが出来なくなったエイダ、娘を連れてニュージーランド開拓中のスチュアートのもとへ嫁ぐ、話すことが出来ないエイダにとって最も大切な表現道具ピアノも持って来たが、開拓中のジャングルには運べないとスチュアートは海岸にピアノを放置する、原住民の地主べインズは自らの土地とピアノの交換を申し出、ジャングルの中の自宅にピアノを運び込み、エイダにピアノを弾くように懇願、べインズはエイダが奏でるピアノの音色と共にエイダを深く愛するようになる・・・



これまた、悪人はいないけど、切ない物語です、スチュアートは懸命に開拓に取り組んでいます、話さないエイダにも愛情を注ぎ、なんとかエイダからも愛されたいと願っています、しかし、大きなグランドピアノには価値を見出せず、べインズの土地と交換してしまいます、この交換はべインズとエイダの距離を縮めることになってしまいます、話せませんが鋭い感覚と激しい感情の持ち主のエイダは大胆な行動に出ます、

原題は「The Piano」、邦題「ピアノレッスン」は良く出来たタイトルです、ある意味、この物語の真髄を突いているような気がします、一言も台詞が無い主人公は好演、ぜひの鑑賞を!


◆(自宅で鑑賞)「ピアノ・レッスン」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:The Piano Lesson)
祖母の時代から受け継いできたピアノには家族と迫害の歴史が刻まれていた

11舞台ピアノレッスン

黒人のチャールズ一家、一家の家宝は祖母の代から受け継がれてきたピアノ、それには家族の悲しい歴史を描いた見事な彫像が彫り込まれている、今は女主のバーニーズが大切に保管している、ある日、弟のウイリーが現れ、一旗揚げるための資金を作るためにこのピアノを売り払うと言い出す、断固反対するバーニーズ、叔父や友人たちはそれぞれの立場でこの家族争議を見守る、ついにウイリーが無理やりピアノを運び出そうとすると、思いもよらないことが起こり始める・・・



NETFLIXでおススメされたので、てっきり1993年制作「ピアノレッスン」のリメイクかと思いきや、全く別物の作品でした、でも、これはこれで見ごたえのある良作です、

こちらはピュリッツァー賞受賞作の同名戯曲をNetflixが映像化したもので、デンゼル・ワシントンはプロデュース、サミュエル・L・ジャクソン出演、デンゼル・ワシントンの三男が監督という蒼々たるネームバリューが揃った作品です、

物語は黒人一家が受けて来た迫害の悲しい歴史が彫り込まれたピアノを巡る舞台劇のような構成、ピアノを売りたい弟と、家族の歴史を守りたい姉の対立を軸に進んでいきます、そしてラストは・・・ここはネタバレになるので、ちょっ書けないなあ^^)

でもご心配なく、しっかり作られているし、観後感も良い作品です、サブスクでゆっくりご鑑賞ください、


〇(スクリーンで鑑賞) 「ザ・バイクライダーズ」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:The Bikeriders)
バイクを愛するメンバーが作ったバイククラブの栄光と繁栄、そして終焉

12バイクライダーズ

1965年シカゴ、夜遊びなど無縁だったキャシーは女友達に呼び出されてバーにお金を届けに行く、そこはバイククラブ「ヴァンダルズ」のライダーたちがたむろする店だった、そこでベニーと出会い、5週間で結婚する、ベニーは喧嘩っ早くすぐにトラブルを起こすのだが、キャシーは我慢強くベニーを見守る、「ヴァンダルズ」はバイク乗り達の羨望の的となり、各地に支部も出来てその勢力を拡大していくが、メンバー内の結束も乱れていく・・・



実際にシカゴに存在したバイククラブの写真集から着想を得た作品だそうです、物語はクラブの写真を撮る若者がキャッシーを取材、キャシーの回顧というカタチで進みます、

ベニーは寡黙で気が短く、すぐにトラブルを起こしますが、バイクへの愛情は純粋で迷いはありません、クラブのリーダーから次期リーダーになるよう求められるほど人望もあります、入会希望者が押し寄せ、クラブはどんどん大きくなりますが、大きくなるとともに純粋なバイク好き集団からカタチを変えていく事になります、組織にはよくある事です、新しいメンバーは古いメンバーに不満を抱き、一触即発の危機が訪れます、

劇中でも語られていますが、『バイク乗り=不良』というステレオタイプなイメージ形成はこの頃からあったようですが、初期の「ヴァンダルズ」メンバーは純粋にバイクが好きなだけ、そこからどんどんクラブが濁っていくのが哀しいです、ベニーの心の動きも良く分かります、

しかし、バリバリと騒音をまき散らすだけの現代の暴走族ライダーたちはいただけません、大嫌い、ワタシも長年バイクに乗っていたバイク好きです、バイクは楽しんで正しく乗りましょう^^)


(★★★!☆)(1964年米国)(原題:Goldfinger)
世界の金市場を手中に収めようとする計画を防ぐ007の活躍

12ゴールドフィンガー

金の密輸疑惑を追う事になった007ジェイムス・ボンド、米国CIAと協働で富豪ゴールドフィンガーに接近するが捉えられてしまう、そこでボンドが知った計画とは米国最大の金保管庫襲撃計画だった・・・



007シリーズ3作目、ボンド役はショーン・コネリー、世界を飛び回り、秘密兵器を駆使、ボンドガールと浮名を流す、という007シリーズの原型が出来上がった作品、しかし、ボンドガールは次々殺害されるし、ボンドも案外抜けているとこがあったりと、もうちょっと頑張って欲しいボンド君^^)

007シリーズで初めて原題を尊重した邦題が付いた作品でもあります、1作目「ドクターノー」⇒「007は殺しの番号」、2作目「ロシアより愛をこめて」⇒「007危機一発」として公開されました(現在は原題尊重表記)、“007”も“ゼロゼロセブン”と読んでいた時代、懐かしいです、「0011ナポレオンソロ」や「サイボーグ009」など“ゼロゼロ”ブームにもなりました、

たまにはノスタルジックな名作も鑑賞しましょうか、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画 

2024年12月02日

先週は5本、「アングリースクワッド」「グラディエーター」「ボディガード」「ルート29」「エージェント アンヌ」

(★★★★☆)(2024年日本)
コンゲームムービー、真面目な税務署員が詐欺で税金を取り立てる!?

11アングリースクワッド

真面目な税務署員の熊沢、悪徳脱税者の橘との話し合いの場で部下の望月が暴走、橘は熊沢を傷害で訴える、税務署長の仲介で熊沢と橘は和解することになるが、熊沢は屈辱的な扱いを受ける、さらに過去の橘との許せない因縁も発覚、怒りが収まらない熊沢に詐欺師の氷室が接近、熊沢に詐欺で橘から金を奪い取ろうと持ち掛ける・・・



面白かった!コンゲームムービーなので、どんでん返しは想定内、それよりも上手な編集、思わせぶりなカット、細かな伏線、洒落た台詞など、しっかりと観客を騙さない映画作りのクオリティが高いです、さらに他のコンゲームムービーとの大きな違いは人物キャラが良く練り込まれていること、内野聖陽が見事、税務署員が詐欺チームに入るという設定にリアリティを与える熱演です、この人は役者やなあ、今作成功の立役者です、岡田将生もとても良い、強い想いを持つ氷室をクールに好演、悪役小澤征悦は徹底的にワルを演じ切りました、

「カメラを止めるな!」の上田監督作品、最大の映画的レトリックは副題、『公務員と7人の詐欺師』となっています、が結成された詐欺チームは熊沢を入れて7人、ふむふむ、騙す方と騙される方以外の登場人物も物語に噛み込んできます、この辺りも良く出来ているのですが、後輩の望月、税務署長、熊沢の友人刑事、はてさて、もう1人の詐欺師は誰なのか?それは観てのお楽しみです、ワタシは・・・分かりました^^)自慢!

必見の映画です、


◆(自宅で鑑賞) 「グラディエーター」
(★★★★☆)(2000年米国)(原題:Gladiator)
ローマ帝国皇帝の後継を巡る政争から追放され、家族を惨殺された将軍の復讐劇

11グラディエーター

ローマ帝国軍を率いる将軍マキシマス、ゲルマニアを打ち破りローマ帝国の基盤を安定させる、この戦を終えて故郷に帰ることを望むマキシマスだったが、皇帝からローマ帝国皇帝を継ぐよう懇願される、一方、皇帝の息子コモドゥスは皇帝継承を父に迫る、皇帝継承を拒否されたコモドゥスは父親を殺害、病死と偽って皇帝に就任する、コモドゥスの陰謀を見破ったマキシマスは囚われの身に、マキシマスの家族は惨殺される、辛うじて生き延びたマキシマスだが奴隷として買われ、剣闘士(グラディエーター)として生死を掛ける見世物剣闘に出ることになる、そこでも無敵のマキシマスは頭角を現し、再びローマに戻ってくる・・・



新作「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が公開されるので、1作目を復習鑑賞、やはり面白かったです、無能な若きローマ皇帝、家族を惨殺され奴隷の身に落ちた有能な将軍の復讐劇、そりゃ感情移入してしまいます、

剣闘士としてローマに現れたマキシマス、仮面をつけて闘いますが正体がバレると、ローマ市民は熱狂、マキシマス人気が沸騰したため、皇帝は彼を抹殺することが出来ません、どんな条件の悪い闘いも勝ち続けるマキシマス、苦悩する皇帝、事態は緊張の極みに昇り詰め最後の闘いが始まります、

2作目は未鑑賞、復讐もしたのでソロソロ観るかな、


◆(自宅で鑑賞)「ボディガード」
(★★★!☆)(1992年米国)(原題:The Bodyguard)
人気絶頂のボーカリストと、彼女を警護することになったボディガード

11ボディガード

人気歌手のレイチェル、彼女の周辺で不審な出来事が頻発、ついに殺害予告までが届く事態に、大統領警護をしていたフランクに身辺警護の白羽の矢が立つがフランクは気が進まない、とりあえず面談に応じたフランクだが、レイチェルや周りのスタッフがフランクを邪魔者扱いに、フランクは即日辞退するも付き人に遺留される、後日、ライブハウスでのステージの控室にも脅迫状が、さらに観客がヒートアップして大混乱に、フランクがなんとかレイチェルを助け出し2人の間に信頼と愛情は生まれる・・・



ボディガードという存在をあらためて認識した映画、そういうと日本にも「ザ・ガードマン」という人気群像ドラマがありました、フランクはプロ中のプロ、的確な警備体制を指示しますが、、、案外、脆いところもあります、大統領と人気歌手の違いかな、考えてみたら人気歌手の方が明らかに危険度・リスクが高い中でエンターテイメントしているんですね、いつもそこにある危機、

レイチェルをホイットニー・ヒューストンが、フランクをケビン・コスナーが演じます、当時人気絶頂の2人の共演は話題になりました、もちろん劇場で鑑賞しましたが、今回鑑賞するとやはり時の流れを感じます、もっとハラハラしたような記憶がある別荘のシーンもそうでもなかった、彼女の伝記映画「ホイットニー・ヒューストン」でもこの映画については触れられていました、ホイットニー自身も人気絶頂ながら悩んでいた時期、人気者もつらいもんです、


〇(スクリーンで鑑賞) 「ルート29」
(★★!☆☆)(2024年日本)
他人に頼まれ、ひとりの娘を姫路から鳥取まで連れていく事になった女性の物語

11ルート29

鳥取の清掃会社で働くのり子、ある日、病院を清掃していると入院患者から娘ハルをここに連れて来てほしいと頼まれる、患者は死期が近いようだ、他人との関りを好まないのり子だが、なぜか会社の車を盗み姫路へ向かう、姫路でハルを見つけたのり子は2人で鳥取を目指して走り始める、ほんの1日ほどの旅の予定だったが・・・



原作は詩集、監督は「こちらあみ子」デビューからの2作目、難しい企画に取り組んだものです、摩訶不思議な物語、になればよかったのですが、心象シーン、印象的なアートカット、夢かうつつか的シークエンス、謎の登場人物、かみ合わない台詞・・・ゴメンナサイ、さっぱり響きませんでした、

綾瀬はるか、大沢一菜、市川実日子、高良健吾、伊佐山ひろ子、渡辺美佐子と若手からベテランまでの強力キャストなのに、、、無駄遣いとは言いませんが、綾瀬はるかはこんな観念的な物語には似合わない女優です、彼女を一度も笑わせなかったのも間違いかな、、、モッタイナイ、まあ、個人的に元々苦手なタイプの映画なので辛い評価です、お許しを、

いつかサブスクでどうぞ、


(★★☆☆☆)(2023年フランス・スイス合作)(原題:Seule: les dossiers Silvercloud)
引退し静かに暮らしていた諜報部員に迫る危機

11アンヌ

雪山の小屋でひとり静かに暮らすエリザベス、しかし彼女は元ロシアスパイのアンヌ、ある日、彼女の元に過去の事件に関する証拠を提供するように求める連絡が、当時の同僚からは証拠隠滅を迫られる、命を危険を感じたアンヌは脱出を試みるが・・・



スパイ活劇かな?と思って観たら、登場人物はほとんどアンヌだけ、あとは電話やメールでのやり取りを追う会話劇、設定が曖昧なので、と言うか、曖昧な怖さが狙いのような気もしますが、切迫するサスペンスが生まれませんでした、後半のアクションも稚拙、観どころにはなりませんでした、

これまた、いつかサブスクで、いや、今サブスクで観れます、でも観なくても大丈夫、




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2024年11月25日

先週も4本、「帰れない山」「ぼくとパパ、週末の約束」「レッドワン」「室井慎次 生き続ける者」

◆(自宅で鑑賞)「帰れない山」
(★★★★☆)(2022年イタリア・ベルギー・フランス合作)
(原題:Le otto montagne)
北イタリア、アルプスの麓でひと夏を過ごした少年2人の人生を描く

11帰れない山

都会育ちのピエトロは母親と二人で夏休みをアルプスの麓の山村で過ごすことになる、そこで村でただ一人の少年ブルーノと知り合う、1日中叔父の仕事を手伝うブルーノ、対照的な2人だがすぐに意気投合、山野を駆け巡り一夏が終わる、それからふたりは夏毎に会い友情を深めていく、そして、もちろん別れの季節もやってくる・・・



2022年カンヌ映画祭審査員賞受賞作品、

アルプスの麓を舞台に繰り広げられる少年2人の瑞々しい一夏は美しいの一言、青年になり、大人になっても二人の交流は続きます、ブルーノは山での仕事に打ち込みますが、ピエトロはいろんな仕事を転々とします、仕事がうまく行かなかったり、放浪に出たり、恋人が出来たりと、大きな事件は起こりませんが、淡々と・・・ではなく、人生の節目節目を簡潔に端的に描きながら、ふたりの関係を追っていきます、

原題は『8つの山』という意味、劇中で語られるネパールの言い伝えです、世界で一番高い山が中心にあり、その周りに8つの様々な山がある、“中心のもっとも高い山に登ったもの”と“周りの様々な8つの山を登ったもの”のどちらが多くの事を学んだか?という教訓のようです、山の仕事に打ち込み頂を極めた人ブルーノと、良くも悪くも様々な経験をしてきたピエトロ、どちらが良い人生だったか?という比較ではありません、それぞれの人生の重さと愛しさを噛みしめるような良作です、ぜひの鑑賞を、


〇(スクリーンで鑑賞) 「ぼくとパパ、週末の約束」
(★★★!☆)(2023年ドイツ)(原題:Wochenendrebellen)
自閉症の少年が推しのサッカーチームを見つけるためにドイツの全スタジアムを巡ることに

11僕パパ約束

アスペルガー症候群のジェイソン、独自のルーティーンにこだわり、それが破られると我慢できないので、周りの人を困らせてしまう事になる、学校でも騒ぎを起こし支援学校への転校を勧められる、さらに父親が約束を破ったため親子関係は最悪に、そんな時、学校で推しのサッカーチームを訊かれたジェイソンはドイツの1~3部リーグまでの全チームのホームゲームを観戦して推しチームを決めることにする、父親は仕事を犠牲にしてもジェイソンと付き合う事にする、



ジェイソンは大きな音や動きに敏感で、ルーティーンが破られたときの反応は相当過激です、他人との付き合いが下手に見えるアスペルガー症候群に理解が無かった頃は生きていくのが大変だったろうなと思わずにはいられません、両親も最大の愛情をもってジェイソンと向き合いますが、時に限界を超えることもあります、旅先での度重なるトラブル、いたたまれない気分になります、

ジェイソンの推しチームは?意外なチームで決まるかにみえたのですが、そこはジェイソン、一切の妥協を許しません^^)

事実を下敷きにした物語で、2人の推しチーム探しは今も続いているそうです、楽しきかな、妥協しない終わりなきジェイソンの旅^^)


〇(スクリーンで鑑賞)「レッド・ワン」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Red One)
サンタクロースは実在していた!?そのサンタクロースが誘拐されるというアクションコメディ

11レッドワン

クリスマスイブの日、サンタイベントに参加していたレッド、実は本物のサンタクロース!?彼の存在が確認されてからは、各国共同の秘密組織がレッドを護り、クリスマスのプレゼントを世界中の子どもに届けていた、が、ある日レッドが秘密基地から誘拐されてしまう、クリスマスまであと1日、警護官のカラムはレッド救出のために世界を駆け巡ることになる、



恒例クリスマスシーズンムービーですが、これはちょっと毛色の変わったアクションコメディ、カラムは秘密基地の位置情報をハッキングした賞金稼ぎと手を組み、誘拐犯を追跡します、レッドを誘拐したのは古来よりサンタと張り合っている魔女、いろんな魔法で2人の前に立ちはだかります、カラムも『数百年レッドの警護を担当している』というので、どうもヒトではなさそうですが、戦い方はいつものドウェイン・ジョンソンです^^)

魔法で現れた雪だるま怪人が面白いです、熱で溶かしても復活するのでなかなか手強いですが、その弱点が面白かったです、大人が観るクリスマス映画、というところかな、


〇(スクリーンで鑑賞) 「室井慎次 生き続ける者」
(★★★☆☆)(2024年日本)
2部作完結編、室井の周りで起こった様々な出来事が一点に収束した時・・・

11室井2

元警視庁幹部の室井慎次の周りで相次ぐ不穏な出来事、養子の父親は出所し、殺人鬼の娘の挙動も不審、地中から見つかった他殺死体の犯人も追い詰められ、村の住人との軋轢も絶えない、村の若者との争いもエスカレートしていく、そしてついに事件が暴発、意外な結末が訪れる、、、



2部作の完結編、1部「敗れざる者」で撒かれまくった“不安定”な伏線がどう回収されるのか?が焦点だったでしょう、そういう意味ではちょっと肩透かしを食らったような印象があるかもしれません、もっとアクションを期待した向きもあると思います
(ワタシの感想)、が、期待したような派手な展開は無く、なにやら小さくまとまってしまった感もあります、

でも、最後のいくつかのエピソードは泣けました、とくに村民との軋轢・抗争の落としどころと映画的レトリックが上手でした、ここだけを観せるために撒きまくった不安定感満載の伏線だったのかもしれません、

ま、1部を観たなら2部も鑑賞しましょう、そして、エンドタイトル終わりまでしっかり鑑賞してください、アイツが待っています、




syougai1pon at 06:00|PermalinkComments(0)映画 

2024年11月18日

先週は4本、「十一人の賊軍」「ノーヴィス」「猿の惑星 新世紀」「猿の惑星聖戦記」

〇(スクリーンで鑑賞)「十一人の賊軍」
(★★★★☆)(2024年日本)
官軍と旧幕府軍との狭間で生き残りを図る小藩の策略に乗る10人の罪人たち

11十一人の賊軍

1868年、薩長を中心とする官軍が新発田藩に迫る、劣勢の旧幕府軍の奥羽越列藩同盟は新発田藩に出兵を迫るが、大老溝口は態度を決めかねている、と、官軍と旧幕府軍が新発田城下で鉢合わせする危機に、溝口は一計を案じ鷲尾ら4人の武士と罪人10人に国境(くにざかい)の砦に向かわせ、官軍を一両日足止めすることにする、無事任務を終えた暁には無罪放免にする、というのが罪人たちへの褒美であったが・・・



東映が久しぶりに送り出した本格時代劇、アイデアの源泉は黒澤明の「七人の侍」
(東宝作品)のような気がしました、タイトルに人数が入っているのもそういう意図かと思います、ま、東映作品なので表立っては謳ってはいませんが、

藩のために官軍と闘う覚悟の若い侍4人と、藩に恩義も何もない罪人10人、しかし無罪放免を条件にひと暴れしてやるぜ!という事になります、この辺りの心の動きは「七人の侍」、罪人のキャラクターはまずまずかな?それぞれの罪状は全部違います、この個性豊かな面々が漫然と攻めてくる官軍の裏をかいて大いに苦しめ善戦しますが、罪人にも一人また一人と死者が出ていきます、まったく「七人の侍」のサスペンス手法、罪人の剣の達人・本山力は宮口精二さんを彷彿とさせる熱演、

工夫されているのは血気盛んな若侍の内輪揉めと、家老溝口の巡らした策略の裏の裏、溝口は策略遂行に最後まで粘り切ります、が、無実の農民を斬首するシーンはいただけません、とくにインパクトがある訳でもなく、もっと溝口の狡猾さを揶揄的に表現した方が効いたかも、

罪人が10人でタイトルは「十一人の賊軍」、この映画的レトリックは観てのお楽しみですが、そんなに上手には機能するわけでありません、想定の範囲内、155分と長いのも??カットできるシークエンスはありそうに思えます、

アクション時代劇としてはまずまず楽しめます、観て損は無し、


〇(スクリーンで鑑賞)「ノーヴィス」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:The Novice)
狂気にも似た情熱でボート競技に打ち込む大学生の物語

11ノーヴィス

成績優秀なアレックスは常に挑戦し続けることに価値を見出している、大学に入るとボート部に入部、人の何倍も努力してレギュラーの座を勝ち取ろうとする、同じ新入生のジェイミーは新入生の中では唯一心が許せる友人、しかし、先輩の故障により空いたレギュラーの座を巡って、アレックスとジェイミーは激しく競う事になる・・・



大学ボート部ってこんなにストイックで厳しのかしら?と思わせる練習風景、それだけでもかなり違和感があるのですが、さらに輪をかけてアレックスのボートへの情熱と、レギュラーの座への執着は常軌を逸しています、昼夜を問わず練習に没頭し、同級生や先輩から疎まれ、友を失ってもひたすらボートをこぎ続けます、元々“困難なことに挑戦する”ことがアレックスの信条ですが、狂気を帯びていく彼女の心の壊れ方が怖いです、

そして、彼女がついに枠からはみ出してしまい、危険な行動に出てしまった時、、、彼女の心に残るものは・・・ラストシーンをどう理解するのか?ちょっと難解です、

小気味良いカット割りと心象シーン、音楽的演出はある程度成功しています、音響制作者の初監督作品だそうです、なるほど、


(★★★!☆)(2014年米国)(原題:Dawn of the Planet of the Apes)
ウイルスまん延で世界は滅び、わずかな人類とエイプ(猿)だけが残った世界

11新世紀

知能を持ったリーダ・シーザーが率いるエイプ(猿)達は森の奥深くで平和に暮らしていた、そこに突然人間が現れエイプの社会は騒然となる、急進派のエイプ・コバは人間の住む街を偵察、人間が武器を用意しているのを目撃、シーザーに戦いに備えるように進言するが、シーザーはあくまで平和的な交渉にこだわる、コバは人間から銃を奪い、シーザーの息子を篭絡しクーデターを起こしシーザーを銃撃、そのままヒトとの戦いに突入してしまう・・・



新シリーズの2作目、シーザーは高い知能を持ちエイプを統治しています、ヒトに危害を加えられた記憶が残っているコバはシーザーを倒し、ヒトとの戦いを選択、しかしシーザーは九死に一生を得、友好的な人間マルコムに助けられ、傷が癒えるまで潜伏、その間にコバは大きな犠牲を出しながらも、人間との戦いに勝利しますが、復活したシーザーは少数の仲間たちとコバの牙城に攻め込むという展開、

エイプと人間の戦い、人間同士の争い、エイプ同志の争いと、知能を持った人間と猿だけが戦を起こし、殺害を繰り返すという皮肉が物語のベースに流れています、

休日ののんびり鑑賞でOK、でも、アクションやCGの出来具合よりも、人間の愚かさや悲哀を強く感じることになります、猿の方がシンプルで賢明かも、人間ってやつは、、、


(★★★☆☆)(2017年米国)(原題:War for the Planet of the Apes)
シリーズ3作目、エイプの村が戦いがあり、人間に急襲されシーザーは息子を失ってしまう

11聖戦記

人間と全面戦争になり2年、シーザーたちは森の奥深くに潜伏、さらなる新天地を見つけようと旅に出る計画を立てていた、そんな時、人間の特殊部隊の襲撃を受け、“大佐”によってシーザーの息子が殺害される、人間との共存を求めていたシーザーだが復讐の鬼と化し、数人の仲間たちと“大佐”の後を追い、特殊部隊の野営地を発見するが、そこには多数のエイプが捕虜として強制労働を強いられていた・・・



シリーズ3作目は人間とエイプの団体戦、シーザーも捕らわれの身になりますが、仲間の奇策で脱出、いよいよ最終決戦に・・・という段になります、いつまでも愚かな人間、またもや人間同士の争いがあり、そこにエイプの氾濫と逆襲と、アクションが派手になった分、エイプのエイプらしい心の動きは弱くなってしまいました、これもまたシリーズの宿命、

なんとか鑑賞完了、人間とエイプの物語はこれにて終り、なのかな?







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2024年11月14日

独酌酔言:大人になると時間が早く流れるのはなぜ?+脳の記憶容量問題

このテーマ、どこかで書いたような気がしますが、また書いてみます、

というのも、別もテーマとの合体による新しい解釈が出来るような気がしているからです、

では、まず1つ目のテーマ、

『大人になると時間が早く流れるのはなぜ?』

これはまあ有名というか、大人はみんな実感していることなので、

基本的なところだけ押さえておきましょう、

『時間が早くなる』という事はないので、

『大人になると「時間が早く流れる」ように感じる』という事ですね、

この現象を説明しているのが『ジャネーの法則』

こちらのページが詳しいです ⇒

『生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例する』

この法則に基づくと、

5歳の1日は50歳の10日間にあたる長さ、ということになるそうです、

大人は子供の10倍のスピードで時が流れて行っている、という事ですね、

では、なぜ時が早く流れていると感じるのか?

先のページでは「人生に占める割合が変わるから」
という説が紹介されています、


つまり、大人になって長い時間を経験していくと、

相対的に今の一瞬の割合が少ないので、短く感じる、というような理屈です、

なるほど!と思いますが、どうもそんなに強い説得力を持ちません
(個人的見解^^)

それよりも、2つ目の説の方が説得力があります、

「物事になれて生活が単調になるから」

子供の頃は新しいモノに触れる毎日が続き、
好奇心が満ち溢れていますが、


大人になると単調な繰り返しの毎日になり、時間が早く流れる、

という考え方です、

うん、この方がしっくりきます、
(個人的高揚^^)


これに対応する解決策ですが、興味深いのを一つ紹介しておきます、

楽しい出来事を作って待ち時間を楽しむ

待ち時間と言いうのは長く感じますよね、
(おお!たしかに!!せっかちなワタシも待ち時間は長く感じますぞ)
(ひげじいか!?^^)


なので、楽しい出来事の予定をバンバン入れて、

その待ち時間をゆっくり楽しむ、という方法です、

先を急ぐので、詳しくは先のページをお読みくださいませ、

NHK「チコちゃんに叱られる」でもこのテーマの答えを出しています、

答えは・・・
『人生にトキメキがなくなったから』
先の説と同じですね、


子供の頃は毎日がトキメキの連続

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ところが、大人になるとトキメキがなくなる

心が動かなくなるので、時間の流れを早く感じる、という事です、

食事の時間の例が書かれています、これが分かりやすい、

子どもは・・・

今日のおかずはなんだろう?
人参が星形に切ってある!
好物のポテサラが付いている!!

と、ワクワクドキドキの時間を過ごしていますが、

大人は・・・ただ、食べるだけといった要領です、

つまり『ワクワクドキドキをたくさん詰め込んだ生活』をすれば、

少しは時間が長く感じられる、という事です、

さて、ここまでは周知の情報、目新しくはないですが、

独酌酔言的には、独自の視点でもう一つの事象に注目

これは大発見ではないかと思っていたので、ここで書きます、
(アンタが大発見なんか出来るわけないじゃろ!)

こちらも「チコちゃんに叱られる」からの情報ですが、
(こちらのHP⇒を参考に書いています)

『家の鍵を掛けたかどうか、忘れるのはなぜ?』という命題への答えです、


答えは・・・
ヒトは『ルーティーンワークになっている行動は記憶に残さない』から~、
(チコちゃん風^^)


ヒトの脳の記憶容量はおよそ17.5TBと言われているそうです、

(あくまで一説)


17.5TBというと結構な容量と感じますが、
長い人生、すべてを記憶するわけにはいきません、

で、ヒトの脳は「自宅の鍵を掛ける」といった、

刺激が少ない・毎日やっている・ルーティーン作業は記憶に残さない

という安全回路を使って容量オーバーにならないように、

物事を記憶すべきかどうかを選択しているようです、

そう、大人になってからの、
毎日同じようなルーティーンな生活は記憶に残らないのです、


昔の事はよく憶えている
けれども、昨日のランチメニューは憶えていない

という大人アルアルがありますが、


これは、脳がそのランチメニューに刺激を感じておあらず、

記憶する必要なし!と判断しているからかもしれません、

で、1つ目のテーマへの対応策、

『ワクワクドキドキをたくさん詰め込んだ生活』と、ここで繋がります、

刺激があれば、少しでも記憶に残る可能性があります、

先週1週間、あなたはどんな毎日を送ったか?憶えていますか

先週1週間にあった出来事を、いくつ書き出すことが出来ますか


実はワタシも白紙の先月のカレンダーを渡されて、

アナタの先月の行動を書き込めと言われたら、

正確にはほとんど書けないと思います、怖い・・・

で、少しでも時間を長く感じて、記憶もたくさん残す方法の提案です、

ワタシは未来の予定はほぼすべてスマホに入れていますが、

手帳の1か月見開きカレンダーにも書き込みます、


で、実際に起こったこと、

行った酒場や(酒呑みです^^)、観た映画など、行った場所など、

実際に起こったことを、追加で手帳に書き込んでいます、


未来の予定より、実際に起こった出来事の方が圧倒的に多い訳ですから、

手帳への書き込みは相当量になります、

これが、先週自分がどんな生活をしていたのか?を確認する有効なツールになっています、

先週、何をしていたかが分かると時間が長く感じます、


先週の出来事の記憶が無い
と、
その1週間は無かったも同然なのですから、

記憶が無いと、より早く時間が流れていると感じるのです、

で、大人になっても少しでも時間を長くする方法、

『ワクワクドキドキする予定をたくさん作る』

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これに足すことの、日記でもメモでも良い、
『起こった出来事を書き留める』ことで、

少しでも時間を長く感じるではないか!?という事を発見したのです、


これは発見じゃないかな?

(うむ、大した発見ではなさそうじゃが)

『テリーの法則』

ワクワクドキドキする予定を入れて
終わってからそれを書き留めると時間はゆっくり流れる


如何でしょうか?

『ジャネーの法則』には勝てないか、、、

いや、勝てるか!?^^)

ではまた来週、

『ジャネーの法則』だけに、じゃあね~~、なんちゃって、
(ヒゲじいやねんな、今週は^^)



syougai1pon at 09:50|PermalinkComments(0)独酌酔言 

2024年11月11日

先週も5本、「DOGDAYS」「おいしい給食 ROAD to いかめし」「猿の惑星 創世記」「北北西に進路を取れ」「トランスフォーマー最後の騎士王」

〇(スクリーンで鑑賞)「DOG DAYS 君といつまでも」
(★★★★☆)(2024年韓国)(英題:Dog Days)
さまざまな人と犬が巻き起こす、騒動と人間模様を描くヒューマンコメディ

11DOGDAYS

不動産会社に勤めるミンサン、自宅ビルの1階を動物病院「DOG DAYS」に貸しているが、犬嫌いのミンサン、院長の女医ジニョンと言い争いが絶えない、「DOG DAYS」には様々な犬たちが持ち込まれる、有名建築家のミンソも客のひとり、彼女はある日散歩の途中で体調を崩し昏倒、愛犬のワンダが行方不明になってしまう、仕事でミンソの協力を仰ぎたい一心で、ミンサンは犬好きを装いワンダ探しに協力することにするが・・・



はい、可愛い犬たちがたくさん出演する“動物映画”です、まあ、スクリーンに愛くるしい動物が出て来るだけでOK!な訳ですが、本作は安直な動物映画ではありません、

多くの人が関わる群像劇です、犬嫌いのミンサンは新規事業立ち上げのプレゼンで四苦八苦、院長のジニョンは苦しい経営を強いられながら病の犬を救うことに専念、一流建築家のミンソも愛犬の前では普通のオバサン、逃げたワンダを拾った若夫婦と養子の少女、病の愛犬の快復を願う女性、恋人の大型犬を預かる配達員の青年、そしてその大型犬の育ての親、悪人はいないですがこんがらがった人間関係、そんな人間の煩悩を犬と犬を愛する心が見事スッキリ整理してくれます、観後感良し、気に入りました、観て損は無し、

副題はお門違い、人間の物語です、


(★★★!☆)(2024年日本)
劇場版シリーズ3作目、ますます過熱する甘利田先生の給食愛

11いかめし

函館の中学に赴任した甘利田先生の給食への情熱は止むことは無い、ライバルであるクラスの生徒ケンと如何に給食を楽しむかを競い合っている、ある日町長の等々力が学校給食の残食問題解消のために“正しい給食の食べ方流儀”を提案、それは甘利田の給食への信念とは相入れないものであった、そんな時、いよいよご当地給食メニューのトップスター「いかめし」が登場することになるが、、、



シリーズ3作目、甘利田先生はますます情熱的というか、エキセントリックに給食に向き合っています、彼の給食愛はほとんど異常^^)なのですが、これが観ていて面白いのだから仕方ない、なにが映画になるかなんてホント分からないものです、

ライバルのケンは相当の給食マニア、女先生(これってNGワードか?汗)、元へ、新米教師の比留川、校長の坂爪、給食調理員の牧野など、周りを固めるキャラも安定感あります、

町長が進める古めかしいステレオタイプの給食の流儀に対して、甘利田先生は文化祭の舞台劇で応えます、妙に説得力のある主役ケンのアドリブ、なんか面白かったです、いかめし給食も美味しそうでした、脱脂粉乳はイケマセン^^汗)

お気楽鑑賞で良し、やはり観て損は無し、


◆(自宅で鑑賞)「猿の惑星 創世記」
(★★★!☆)(2011年米国)(原題:Rise of the Planet of the Apes)
新シリーズの1作目、チンパンジーのシーザーがヒト知能を持つまでの物語

11猿の惑星創世記

製薬会社に勤めるウィルはアルツハイマー病の治療薬研究に挑んでいる、チンパンジーに試験投与し成果を得るが、我が子を守ろうとしてそのチンパンジーが暴れまわり射殺される、この騒ぎで研究は中止に、ウィルは残った赤ちゃんチンパンジーを引き取り、自宅で研究を続ける、認知症の父親は近所を徘徊し騒ぎとなり、それを助けようとしたシーザーも捕獲され、猿専用の保護施設に送られてしまう、ここで人間から虐待を受けたシーザーは並の猿以上の能力を発揮しだす、猿のレジスタンスの始まりである、、、



「猿の惑星」新シリーズの1作目、猿のリーダー・シーザーがヒトの知能を獲得する経緯が描かれています、シーザーを覚醒させるのはヒトのアルツハイマー病用治療薬、脳の働きを活性化する特効薬という設定です、これがシーザーにヒト知能を与えることになります、

特殊メイクでビックリ仰天の猿世界を描き出した1作目「猿の惑星」(1968年)から半世紀以上、CGで描かれるチンパンジーがリアルです、話すことが出来ないシーザーの感情が微妙な表情で演出されます、まるで動物映画のような愛らしさ、人間に虐待されるシーンではシーザーに思い切り感情移入してしまいます、観ていて可哀そう・・・そんなシーザーのレジスタンス、人間との戦闘シーンも見ごたえがあります、

2作目・3作目もサブスクで観れるようです、続けて観ると思います、


(★★★!☆)(1959年米国)(原題:North by Northwest)
スパイの諜報戦に偶然巻き込まれた男が真相を追い求めて飛び回るスパイアクション

11北北西に

広告マンのソーンヒル、ホテルのロビーで商談をしている最中に突然2人の男に拉致される、連れていかれた大きな屋敷にはタウンゼントと名乗る男がおり、ソーンヒルの事をキャプランと呼び、持っている情報を話せと言う、ソーンヒルは自分はキャプランではないと説明するが聞き入れられず、大量の酒を飲まされ、車の事故に見せかけて殺されかけるがなんとか脱出、身の潔白を証明するために警察と共にその屋敷に戻ると、タウンゼントという男はおらず、屋敷の主はソーンヒルをキャプランと呼び、彼が昨晩屋敷で大酒を飲んでいたと証言、ソーンヒルは警察からも追われる羽目になる・・・



ヒッチコック監督のスパイアクション、出だしからスピーディな展開、姿を見せない謎のキャプラン、キャプランを巡るスパイたちの暗躍、謎の美女の登場と流石ヒッチコックと思わわせる導入はお見事、逃避行中の列車で謎の女イヴと知り合い窮地を逃れるシークエンスは、なにやら「007 ロシアより愛をこめて」を連想させます、本作の方が先の制作、

ヒッチコックにしては長尺の137分、アクションを取り入れた後半は少し長すぎるか?ヒッチコックは高所好きなのか、ラストのシーンは怖くて観ていられませんでした^^)

タイトルの「北北西に進路を取れ」は良く出来た邦題かも、原題にもあまり意味は無いらしいです、


(★★!☆☆)(2017年米国)(原題:Transformers: The Last Knight)
シリーズ5作目、地球を守っていたオートボットに、宇宙からの新たな脅威が

11トランスフォーマー5

地球侵略を狙う“創造主”を阻止するため、オプティマスが宇宙に飛び、立ち向かうが逆に洗脳されてしまう、地球でメガトロンなどと闘っていたバンブルビーらは想像主とオプティマスを迎え撃つことになる、



シリーズ5作目、、、って、このシリーズ、初めて観るので物語は良く分かりませんでした、トランスフォーマーっていろんなのがいるんですね、それが実在のクルマなどの乗り物から変身する、というところだけは印象的で残りましたが、物語はさっぱりアタマに入りませんでした、結構壮大な出だしでしたが、結局“想像主”は大したことが無かったです、

休日のお気楽鑑賞にどうぞ、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画 

2024年11月05日

先週も5本、「シングル・イン・ソウル」「室井信次」「コールドマウンテン」「ヒッチャー」「ゼンブ・オブ・トーキョー」

〇(スクリーンで鑑賞)「シングル・イン・ソウル」
(★★★★☆)(2023年韓国)(英題:Single in Seoul)
恋愛下手の編集者とソロ活プロの塾講師が巻き起こす都会派ラブコメディ

11シングルソウル

敏腕編集者のヒョンジン、本作りに情熱を燃やす優秀な編集者だが、妄想癖がありかなりの恋愛下手、2本のエッセイ本を同時に発刊する企画を担当、1本はバルセロナに住む女流作家ホンに、もう1本をソウルに住む“ソロ活のプロ”ヨンホに執筆を依頼する、ホンの原稿は順調に上がってくるが、ヨンホは一向に筆が進まない、ヒョンジンはあの手この手でヨンホにアプローチするも、ことある毎に衝突する2人だった・・・



お察しの通り、恋愛下手の編集者とソロ活=恋人を作らないことを決めた塾講師が恋に落ちるという、“仲が悪い2人が最後は結ばれる”王道のラブコメディです、

ヒョンジンは優秀ですが煙たい上司ではありません、編集チームを上手にまとめ上げます、が、こと恋愛となると妄想癖があり、上手に相手とコミュニケーションが出来ない不器用者です、ヨンホは過去の恋愛で深い傷を負っており、それが元でソロ活=ひとりでの気ままな生活に逃げ込んでいます、ま、こういう2人が科学反応を起こして徐々に親しくなっていくのも道理です、

眼鏡をかけて仕事に励むヒョンジンがキュートで魅力的です、観ていて楽しい、ヨンホもかっこイイ、2冊のエッセイ本同時発行という企画に映画的な仕掛けがあって、終盤は思わぬ展開になりますが、ラブコメディの定型文です、安心して都会の恋物語を楽しんでください、


〇(スクリーンで鑑賞)「室井信次 敗れざる者」
(★★★!☆)(2024年日本)
引退し田舎暮らしの室井、他殺死体を発見したことから身辺が騒がしくなっていく、2部作の1作目

11室井

かつてレインボーブリッジを封鎖した室井信次、定年前に退職し、今は2人の養子と共に田舎暮らしをしている、ある日、自宅近くの地中から他殺死体が見つかる、これを機に室井の身辺が急に騒がしくなっていく、室井の事を心良く思わない村の住人、様々な思惑で接近してくる警察組織、そんな中、凶悪犯の娘杏が室井の家に身を寄せることになる・・・



お馴染み「踊る大捜査線」のスピンオフ後日談、犯罪により親を失った男の子2人を養子に迎え、秋田の山村でひっそりと暮らしていた室井ですが、謎の他殺死体が過去の事件関係者と判明、室井にも捜査協力依頼が来ます、室井を今も慕う警察官と、室井を利用しようとする警察組織、村民との軋轢と緊張感、2人の養子への愛情と過去の因縁、さらに希代の凶悪犯日向の娘杏の不穏な行動、一気に不安定になった室井の生活、

観るまで2部作とは知りませんでした^^)一向に進まない物語に???と思っていたら、、あ、これって2部作の1作目、伏線を張りまくる段なのですね、という感じ、警察がバタバタとする割には死体の件は全く進展なし、杏はとんでもなくヤバそうで怖い、さらに養子の親が出所、というところで1作目は終了、でも、スクリーンには嫌な汗が流れ出るような緊張感がみなぎっています、不安定な展開は成功しているようです、

それもこれも、2作目の出来次第、11月15日公開の2作目に期待します、

青島他の過去映像はちょっと多過ぎるかな?^^)


(★★★★☆)(2003年米国)(原題:Cold Mountain)
南北戦争時、悲惨な戦争の実態と被害を受ける市民と女性の物語

11コールドマウンテン

1861年南北戦争時、ノースカロライナ州の山村コールドマウンテンに牧師の父親と共に赴任してきたエイダ、村の大工インマンと知り合い互いに好意を持つようになるが、インマンは南軍兵士として出征、ピーターズバーグの戦闘で重傷を負う、インマンの帰りを待つエイダだが父親が急死、実生活に役立つことは何もできないエイダ、村娘のルビーがそんなエイダと一緒に暮らし始める、エイダからの手紙で彼女が帰りを待っていると知ったインマンは脱走、独りコールドマウンテンを目指して歩き始め・・・



一見恋物語が縦糸に見えますが、実際には戦争の犠牲になった市民の物語が主眼の映画です、米国の歴史上唯一の内戦“南北戦争”、英名The Civil War(シビル・ウォー)、米国人が南北に分かれて戦った戦争です、どんな大義があっても戦争は何も生み出さない、そんなメッセージと読み取れる描写が続きます、南北双方の戦死者はどんどん増え、略奪や私刑は当たり前、村では無法者が横行、市民の生活は破壊されていきます、

今こうして観直してみると、大きな犠牲を払うのはやはり女性です、まだまだ地位が低くく、甚大な被害と恐怖を甘受しなければならなかった女性たち、その苦しさは想像をはるかに超えています、

ニコール・キッドマンが美しい、男たちの横暴を許さないルビーもカッコ良い、終盤の銃撃対決シーンはその結末を瞬時に悟らされる名シーンでした、ラストの勇ましいエイダの姿にホッとします、悲惨な物語ですが観後感良し、155分とちょっと長いですがぜひ鑑賞してみてください、


◆(自宅で鑑賞) 「ヒッチャー」
(★★★!☆)(1986年米国)(原題:The Hitcher)
ヒッチハイカーを乗せたことから始まるノンストップ・アクションスリラー

11ヒッチャー

サンディエゴまで車を陸送中のジム、長い一人旅に退屈していた彼は1人のヒッチハイカーを拾う、これが恐ろしい物語の始まり、拾ったヒッチハイカーは殺人鬼だった、ジムは機転を利かせてなんとか奴から逃れるが、殺人鬼は執拗にジムを追ってくる・・・



殺人鬼の名前や犯行動機などは分かりませんが、ひたすらジムを追ってくる奴があまりにも怖いです、スピルバーグの「激突!」を思い出させるしつこさです、何台もの車が奴の犠牲になっていきますが、ジムは恐怖におののきながらも奮闘、奴を振り払い、保安官事務所に駆け込み一息つきます、が、その保安官事務所も奴の襲撃を受け全滅、警察も総動員でジムを追い始めます、奴と警察双方から追われることになったジムははたして逃げ切れるのか?

97分と小品です、ハラハラドキドキを楽しんでください、


〇(スクリーンで鑑賞)「ゼンブ・オブ・トーキョー」
(★★★!☆)(2024年日本)
修学旅行で東京にやって来た女子高生、東京の全部を楽しむはずが・・・

11ゼンブトウキョウ

5人1組の自由行動の日、班長の優里香は1日で東京の全部を見て回れるように超過密スケジュールを組む、が、ランチ人気店が長蛇の列で早々にスケジュールは崩壊、各自バラバラにランチを摂ることになる、しかし、実は他のメンバー4人にはそれぞれの思惑があり、そのまま5人は各自の東京を楽しむ事になる、



予備知識なしに空いた時間に合ったので鑑賞、この記事を書くまで「日向坂46」の映画だっとことも知りませんでした^^爆)

生真面目な班長、クールな東京生まれを演じる綾乃、同級生男子を追いかける美緒、オシ活に励む詩央里、そして修学旅行の日程が偶然重なったことからひとり目標に突っ走る智沙、バラバラになった5人に起こるちょっとしたドタバタに罪はありません、ドタバタが1つに収束していく過程の面白さが肝だったのでしょうが、そこまでの効果は上がっていないか、でも、まあ日向坂のみなさん、結構芸達者ですね、普通に最後まで鑑賞出来ました、智沙だけがちょっと役者不足でしたか、

日向坂のファンなら堪らない2時間でしょうね、ま、サブスクでも良いかな、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画 

2024年10月28日

先週は5本、「花嫁はどこへ」「サウンド オブ フリーダム」「ジョイランド」「いのちの朝」「レッド ノーティス」

〇(スクリーンで鑑賞)「花嫁はどこへ」
(★★★★!)(2024年インド)(英題:Laapataa Ladies)
取り違えられた2人の花嫁が自らの人生を切り拓く、ハートフルコメディ

10花嫁はどこへ

結婚式を終えて花婿の家に向かう列車には2組の新婚夫婦が乗り合わせていた、居眠りをしていたディーパクは、駅に着き慌てて新妻ジャヤの手を引いて下車、実家に帰り家族の祝福を受け、花嫁のベールを上げると、、、なんと、それは見たこともない花嫁プール、家族から叱責されるディーパクだが、とりあえずプールを実家に泊め、ジャヤを探すことにする、一方ジャヤは一人ぼっちで見知らぬ駅に降り立ち途方に暮れていた、、、



花嫁を取り違えたことから起きるコメディですが、物語はとても良く出来ています、同じ色の民族衣装にベールをしていたことから起こったハプニング、序盤から上手に撒かれた映画的レトリックが見事に決まり、とてもハッピーな気分で上等なエンディングを迎えます、

プールは利発で行動力があり社交的、ディーパクの畑での害虫駆除を手伝ったりしますが、なぜか自らの身元を偽っています、ジャヤは花嫁修業に専念してきた内気な娘、自分で仕事をしたことがないジャヤが見知らぬ土地で独り奮闘、徐々に成長していきます、

インドの結婚に関する風習は知りませんが、家父長制、男社会、女性の社会進出がまだまだ進んでいない様子、それに反発するプール、初めてのアルバイト料を手にして目を輝かせるジャヤ、賄賂まみれの警察署長に追い詰められ、プールは逮捕されてしまいますが・・・でも大丈夫、極上のハッピーエンドが待っています、ぜひスクリーンで楽しんでください、

あ、インド映画ですが124分と長くないし、踊りませんのでご安心を^^)


〇(スクリーンで鑑賞)「サウンド オブ フリーダム」
(★★★★☆)(2023年米国)(原題:Sound of Freedom)
子どもの人身売買組織を追う捜査官が孤軍奮闘、幼い姉弟を組織の手から解放する

10サウンドフリーダム

アメリカ国土安全保障省の捜査官ティム、子どもを性の対象とする組織犯罪を潜入捜査で追っている、米国内の買い手を摘発していくが、子どもを組織の手から救い出せない現実に苦悩を深めている、おとり捜査で1人の少年を救出、その少年から一緒に誘拐された姉も救い出してほしいと懇願されたティム、上司を説得し誘拐組織がある南米コロンビアへ飛び、組織の根絶を目指すが・・・



アクション映画ではありません、児童誘拐・人身売買・性的虐待という目をそむけたくなるテーマをキリスト教的良心で描いた実話ベースの物語です、子どもがいとも簡単に誘拐され、売られ、世界各地の買い手の元に運ばれる、今も年間数百万人の子どもたちが奴隷のような生活をおくっているという現実、この現実に真正面から切り込んだ1作、インディペンデント系映画としては異例の大ヒットとなっていますが、その内容の深刻と宗教的立場から賛否両論巻き起こっているそうで、制作から公開まで5年も掛かったとか、

このとっても重いテーマを、映画というエンターテインメントメディアだからこその手法で描き切っています、悲しい話ですが恣意的な残虐シーンはありません、エンドタイトルで主演俳優からのメッセージがあります、この映画を見る事で1人でも多くの子どもたちを救うための資金が集まる仕組みだそうです、子どもたちの未来のためにぜひ鑑賞してください、


〇(スクリーンで鑑賞)「ジョイランド」
(★★★!☆)(2022年パキスタン)(原題:Joyland)
家父長制と因習の中でもがき苦しみ、それでも奮闘するパキスタン女性たち

10ジョイランド

パキスタンの中流家庭一家、厳格な父親が家族の事一切を取り仕切っている、次男ハイダルの嫁ムムターズはメイクアップの仕事で家計を支え、夫は家事に専念しているが、父親や長男はそれを快く思っていない、父親と兄からの圧力でハイダルは仕事探しを始め、劇場のダンサーの仕事を見つけるが、そこでダンサーのビバと知り合い魅かれていく、やがてムムターズは妊娠し、仕事を辞めて家にいるよう義父に命じられ、家での鬱々とした生活が始まる、



これまた家父長制の中で息も出来ない人生を強いられている、パキスタン女性の生活をスクリーンであぶり出しています、まだまだ女性の権利や自由が蹂躙されているこの世界の現実、ムムターズもまた利発で能力もあるのに、家に縛られている我が身を嘆き悲しむことになります、誰も悪人はいないのですが、家父長制という家族制度の中では皆が息苦しい、

ハッピーエンドでないのが哀しいです、少しでも未来への希望を見出すのが映画の役割だと思うので少し残念な結末です、観後感は良くありませんが観るべき映画、



◆(自宅で鑑賞)「いのちの朝」
(★★★☆☆)(1961年日本)
頑固者の孤高の画家と彼を愛してやまない家族の物語

10いのちの朝

頑固者の画家小次郎、自らの画風を追求し、小品の“じゃがいも”の画ばかりを書き続けている、長女の春子や画家友達の村野からもっと大きな画を描いて売れば良いのにと諭されるが耳を貸さない、春子は次女の冬子をモデルにした大きな画を描くことを思いつき、小次郎に進言、次女の冬子は小次郎のお気に入り、小次郎は重い腰を上げて大作に挑むことを決める、



原作は武者小路実篤の小説「暁」、派手な演出や大きな事件はありません、丁寧な会話劇が淡々と進む感じは小津安二郎作品の空気感を感じさせます、モノクロ画面で観る宇野重吉、芦川いずみ、佐野朝夫、内藤武敏、山岡久乃などの顔ぶれが懐かしいです、冬子の淡い恋物語も今観ると新鮮、たまにはこんな良作日本映画も観てみましょう、


◆(自宅で鑑賞)「レッドノーティス」
(★★★!☆)(2021年米国)(原題:Red Notice)
秘宝泥棒を追うインターポール捜査官が罠にはまって、逃げながら追う!?

10レッドノーティス

インターポール捜査官のジョン、世界に3つあるという“秘宝の卵”を狙うブースを逮捕するが、罠にはまり自らも投獄される、無実を晴らすためにブースと手を組んだジョンは脱獄、二人三脚で3つ目の“秘宝の卵”を追う、秘宝ハンターのビショップもこれに参戦、三つ巴の争奪戦が始まる、



定番の秘宝を巡る冒険アクション、捜査官サスペンスと冒険アクションを足したような作りで結構楽しめます、明らかにインディージョーンズ2を意識したアクションシークエンスを観てニンマリ、ジョンとブース2人の裏切り裏切られの展開もウンウンという感じ、さらにその先にあるドンデン返しも洒落ています、

休日のお気楽鑑賞にピッタリ、




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2024年10月21日

先週は良作品5本、「シビルウォー」「本日公休」「ミドリムシの姫」「マイ インターン」「ティアーズ オブ ザ サン」

(★★★★☆)(2024年米国)(原題:Civil War)
大統領の横暴により内戦状態に陥ったアメリカを報道カメラマンの視線で描く

10シビルウォー

大統領への不満からカリフォルニアとテキサスが合衆国を離脱、ワシントンDCのホワイトハウスを目指し進軍を続けている、報道カメラマンのリーと記者のジョエルも大統領のコメントを取るべくDCを目指す、新人カメラマンのジェシーとベテラン記者のサミーも同行、4人は治安を失い、米国人同士が対立する内戦の実態を目の当たりにする、民兵の民間人虐殺現場にも遭遇、命からがら生き延びる、そして、ついにDCの戦場に到着すると・・・



予告編では戦闘ヘリが飛び交い、ロケットランチャーがホワイトハウスを破壊しますが、戦争アクション映画ではありません、派手な戦争アクションシーンはわずかです、邪心に満ちた予告編の見本、副題も不要、

物語の縦軸は新人報道カメラマンの苦悩と成長、新人カメラマンの目を通して内戦の惨状をヒタヒタと映し、民主主義のリーダーたるアメリカ合衆国が分裂!?というショッキングなテーマをリアルに描いています、

でも、この映画の本質は・・・劇中の大統領が如何に危険な人物であるかを暗示した民主党的映画です、映画冒頭ですでに内戦状態、なぜ内戦が勃発したかについての詳しい説明はありませんが、断片的な情報として、テキサスとカリフォルニアが合衆国を離脱、WF(west force=西部同盟)を結成、大統領殺害を目的にDCに進軍しています、大統領は3期目に入っているようです、米国大統領は基本2期が最長、この慣例を破ったようです、そして1年以上記者会見無し、これが記者魂を刺激しています、さらにFBIを解散させたという情報もあります、大統領犯罪を取り締まるFBIを解散させた3期目の大統領、それに反発した州が内戦を始めたという設定です、これってまさにトランプ元大統領が2期目に当選していたら・・・というシナリオのように見えます、

予告編でも出ている民兵?が怖いです、銃を突き付けられた状況での問答、
記者:『俺たちはアメリカ人だ』
民兵:『なるほど、で、お前はどんなアメリカ人だ?』
このあと、非白人系記者が殺害されます、
米国人同士の対立を煽るトランプに対する痛烈な皮肉です、大統領選挙前に公開されたのも相当恣意的だと思います、こういう視点で見ると、カメラマン成長物語も消し飛んでしまいますが、個人的には気に入りました、お勧めします、



〇(スクリーンで鑑賞)「本日公休」
(★★★★☆)(2023年台湾)(原題:本日公休 Day Off)
街場で散髪屋を営む女店主とその家族、客たちの日常を描くハートフルムービー

10本日公休

台中で理髪店を営むアールイ、3人の子供を育て上げた今もバリバリと働いている、40年間、客の頭と髪の毛を見続けてきたアールイは、そこから人の人生さえも読み取ることが出来る、常連客はアールイの店が社交場である、ある日、常連客だった“先生”が病の床に臥せっていると聞き、店を休んで1人愛車で先生の家を目指すことにする・・・



大きな事件は起きないタイプの物語、気丈な理髪店店主のアールイ、3人の子供はもう独立していますが、それぞれに問題を抱えてます、いつまでも子どもの事が心配なアールイ、近所の常連客もアールイには一目置いています、そんな時に届いた先生の病状、アールイは出張して先生の髪を切ることにします、それが自分の使命だと知っているのです、愛車での旅はトラブルの連続、予定通りに着かないアールイを探して騒動が起きますが、、、

アールイの包容力が周りの人間を幸せにしてめでたし、めでたし、そんな予定調和も微笑みながら見ることが出来るホンワカムービーです、ぜひ鑑賞を、



◆(自宅で鑑賞)「ミドリムシの姫」
(★★★!☆)(2022年日本)
駐車違反を取り締まる駐車監視員にスポットを当てたハートフルコメディ

10ミドリムシの姫

駐車監視員の仕事を始めた野上、違反者から罵詈雑言を浴びせられる仕事に疑問をもちながらもやり甲斐を探している、孤高のカリスマ監視員や、大志を抱いて入って来た新人クンと仕事をしながら、少しずつ駐車監視員の仕事に自信を持つようになっていく、そんな時、街のチンピラが監視員をいじめる動画を配信するようになる・・・



駐車監視員に違反切符を貼られて愉快な気分になる人はいません、理不尽な言葉を投げつける違反者たちの気持ちも分かる、でも基本は身勝手な言い訳、観ていて監視員たちがホント可哀そう、野上もこの仕事に誇りを持てないでいます、でも彼女が駐車監視員になったのには理由があります、チンピラとの騒動で窮地に立たされた監視員たち、そこで見せたのは駐車監視員としてのプライドでした、

低予算映画ですが、最後までしっかり観ることが出来ます、脚本がしっかりしているし、駐車監視員の仕事にスポットライトを当てるというニッチな企画が成功しています、観て損はなし、



◆(自宅で鑑賞)「マイ インターン」
(★★★★!)(2015年米国)(原題:The Intern)
新進気鋭のネット通販会社に、70歳のベテランサラリーマンがインターンとして入社!?

10マイインターン02

リタイアしたベン、妻に先立たれ一人暮らし、旅行や趣味だけの生活に物足りなさを感じている、近所のネット通販会社がシニアインターンを募集しているのを知り応募、見事合格する、配属は起業者で社長のジュールズ付、ジュールズはシニアインターンに期待していないので仕事は雑用のみ、それでもベンは持ち前の優しさと経験で徐々に周囲に認められるようになる、ジュールズの運転手の代役を務めるようになると、2人の距離は一気に縮まり、ベンはその能力を遺憾なく発揮することに・・・



何度観ても楽しいハートフルムービー、ジュールズは主婦の目線で会社を立ち上げて成功しましたが、会社の一切をひとりで切り回しているので超多忙、家族や社員との関係では至らない部分もある普通の女性、ベンは長年のサラリーマン経験を活かして会社に貢献、持ち前の人懐っこさで社内でも一目置かれるようになっていきます、そして、会社の危機も家族の危機もベンの機知が救います、

登場人物は全員善人だし、70歳のロートルの知見がIT企業でも通用する、必要とされるという展開に、年寄りとしては痛快な思いになります、もちろんデニーロもアンも魅力たっぷりで2人ともお洒落満載、夢物語ではありますが、まだ観ていないならぜひ観てください、絶対に気に入ります、あっという間の2時間です、



(★★★!☆)(2003年米国)(原題:Tears of the Sun)
民間人救出に向かった特殊部隊の苦悩と、難航する脱出劇

10ティアーズ

内戦下のアルジェリア、戦地に残る米国人女性医師リーナを救出するミッションに精鋭のウォーターズのチームが投入される、なんなくリーナを確保、ヘリに乗せてミッション完了かと思われたが、リーナは民間人も一緒に連れていく事を主張、現地での虐殺を目撃したウォーターズは女性や子供をヘリに乗せ、チーム員とリーナ、そして残った民間人と共に徒歩での脱出を試みる事になる、



ブルース・ウィリス主演、そこはもう1回ヘリが戻って来て皆を運べば良いでしょう!という訳にはいかず、難儀な脱出行が始まります、ジャングルの中を抜けて国境を目指す一行、しかし敵はなぜか正確に後を追ってきます、実は一行の中に敵のスパイと標的が・・・

B級かと思いきや、しっかり最後まで観れます、ウォーターズの部下は7人、なにやら「七人の侍」を連想させる終盤の戦闘シーン、1人を救うために多数が犠牲になるというヒロイズムストーリー、20年前の強いアメリカが未だあった時代の映画かもしれません、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画 

2024年10月15日

先週も5本、「侍タイムスリッパー」「極悪女王」「しあわせ食堂」「メカニック ワールドミッション」「ゴジラ対ビオランテ」

〇(スクリーンで鑑賞)「侍タイムスリッパー」
(★★★★!)(2024年日本)
幕末から現代の時代劇撮影所にタイムスリップした侍が、自らの信念を貫く

10侍タイム

幕末、会津藩士2人と長州藩士が対峙、まさに剣を交える瞬間に落雷があり、会津藩士の新左衛門は現代の時代劇撮影所にタイムスリップする、その風体からエキストラと間違えられる新左衛門、見るものすべてが理解できず生きる希望を失いかけた時、助監督の優子に助けられ、撮影所近くの寺に住み込み、エキストラとして働くことになる、徐々に現代での生活にも慣れていく新左衛門、迫真の斬られ役演技が認められ時代劇スターの敵役に抜擢されるのだが・・・



自主制作映画、単館公開からスタートし、その面白さが話題を呼び全国公開にこぎつけた話題作、

いや~面白かったです、侍が時代劇撮影の現場にタイムスリップするというアイデアは、この物語のきっかけにすぎません、前半は新左衛門が21世紀の世界で戸惑う姿を描くコメディ、これはこれでお面白い、ま、そうなんだろうなと思って観ていると、中盤から新左衛門のキャラがどんどん際立っていきます、侍の魂を失わず、必死に斬られては倒れる新左衛門、自らが生きていた時代の物語を後世に残すことに生きる意味を見出していきます、そして大抜擢された大型時代劇の相手はなんと・・・それは観てのお楽しみ、

監督の時代劇愛が新左衛門にも乗り移って、とても良い“時代劇Love”な映画に仕上がっています、東映京都撮影所も全面協力、終盤の殺陣は息が詰まります、ラストも洒落ている、

低予算でも良い映画が出来るという見本、必見です、自主制作映画と時代劇への応援の意味も込めてぜひ鑑賞してください、



◆(自宅で鑑賞)「極悪女王」
(★★★★☆)(2024年日本)
女子プロレスの悪役として暴れまわったダンプ松本の入門から引退まで

10極悪女王02

幼い頃から女子プロレスに憧れていた松本香、甲斐性のない父親から逃げるように全日本女子プロレスのオーディションを勝ち抜いて入門、同期の長与千種との友情を育みながらトレーニングに励むが芽は出ない、長与は飛鳥と組みクラッシュギャルズとして一躍スターダムにのし上がる、そんな時、香の父親が問題を起こす、実家のアパートに戻った松本は家族が崩壊していくのを見て、怒りを爆発させる、そしてある日、悪役ダンプ松本がリングに現れる・・・



1980年代に活躍したダンプ松本の半生記、事実を基にしたフィクションですが、登場人物はすべて実名、ゆりやんレトリバァが体当たり演技でダンプ松本を見事に演じ切っています、キワ物企画かと思って観たら、これがとんでもなく面白く、エピソード5話ほぼ一気観でした、

物語はビューティーペアのブレイク、ジャガー横田の活躍、クラッシュギャルズの絶頂、そして、それと対をなすダンプ松本率いる極悪同盟の誕生と、全女プロレスの歴史を辿っていきます、女子プロレスをほとんど観たことがないワタシも、劇中のファイトシーンには観入ってしまいます、

しかし、もっとも秀逸なのはリングの裏側にある人間ドラマ、香の家庭問題、長与との友情、横田・飛鳥のプロレスへの情熱、興行主の横暴とプロレス愛と、リングで何度も血まみれになりながらも人間ドラマが底流で躍動、人物がしっかり描かれており泣けます、とっても面白かったです、5話5時間40分程ありますがあっという間に観れます、ぜひの鑑賞を!



◆(自宅で鑑賞)「しあわせ食堂」
(★★★★☆)(2019年オーストラリア)(原題:不明)
小さな食堂で巻き起こる一晩の騒動を優しく描くハートフルコメディ

10しあわせ食堂

オーストラリアの街角、小さなギリシャ料理レストランがある、今宵はベリーダンサー来演ということで店主は張り切っているが、料理人やスタッフの面々はそれぞれに問題を抱えている、やって来た客の中にダンサーと離婚調停中の夫がいることが判明!?ダンサーは踊るのを拒否、店主の息子は自動車事故を起こし、さらに行儀の悪いレストラン評論家が無理難題を押し付けてくる、きりきり舞いの店主ですが・・・



小さなレストランの中だけで物語は進行します、ギリシャ人の店主、トルコ人の料理人、息子の元恋人のウエイトレス、女優志望のアルバイト、子どもの親権を争っているダンサーと夫、悩み多き市井の人たちの愛憎模様が軽いタッチで描かれていきます、すべてがハッピーエンドという訳ではありません、それでも明日に向かって生きていく逞しい面々、

ネットで検索してもなかなか出てこない埋もれた作品ですが、観後感はとても良いです、探し出して鑑賞してください、

(★★★!☆)(2016年米国)(原題:Mechanic: Resurrection)
引退した凄腕暗殺者が人質を救うため、困難な暗殺指令に挑む

10メカニックWM

正確無比な計画と実行力で数々の暗殺任務をクリアしてきたビショップは、引退してひっそりと暮らしているが、ある日謎の集団の襲撃を受け、友人を頼って避難、避難先でDV被害の女性ジーナを助けるが、ジーナもまた組織の手先、ビショップはジーナの命と引き換えに実行不可能な3つの暗殺を請け負う事になる・・・



シリーズ2作目ですが1作目は観ていません、ビショップは成功率100%の暗殺者です、銃の扱いはもちろん、不可能と思われるミッションを緻密な計画と実行力でクリアしていきます、ジーナを救うために2件の暗殺を完了しますが、最後の暗殺計画で事態は思わぬ方向へ展開、というMIPとワイルドスピードを掛け合わせて2で割ってみました、というような作品ですが、物語がちょっと弱い、スピーディに展開していきますが、え?なんでこうなるの!?という不具合が何か所かあります、

ま、細かいことは気にせずにJ・ステイサムの活躍を楽しみましょう、



(★★★☆☆)(1989年日本)
今回のゴジラの敵は、ゴジラ細胞から生まれた植物怪獣ビオランテ

10ゴジラビオランテ

新宿で自衛隊の新兵器スーパーXと激闘を繰り広げたゴジラ、廃墟に残されたG細胞を採取し、ゴジラ研究を進める白神博士と娘のエリカだが、悪の組織による爆破テロでエリカは死んでしまう、失意の白神博士は再度G細胞を手に入れると、エリカのDNAとG細胞を植物に移植、エリカの魂を不滅のものにしようとしたのだが失敗、植物怪獣ビオランテを生み出してしまう、それ察知したゴジラが覚醒、またもや日本に上陸する・・・



“平成ゴジラシリーズ”と言われる新世代スタッフによるゴジラ映画ですが、CG・VFXゴジラの時代から見ると着ぐるみゴジラは如何にもほんわかのんびりしているように観えます、それでも今作は物語性や人間ドラマパートが評価されているようです、自衛隊の描き方も斬新、

ワタシも久しぶりに鑑賞、ゴジラ好きです、なのでこれはこれで良し!!とします、

suzuki K

若き日の鈴木京香がスーパーX2のオペレーターとして出演、これもよく憶えていますわ^^)




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画