2025年09月01日

先週も2本だけ、「マンジャーレ!」「遠い空の向こうに」

(★★★!☆)(2025年米国)(原題:Nonnas)
祖母と母親の手料理を再現しようとレストランを開く男のロマン

08マンジャーレ

幼い頃からくいしん坊だったイタリア系アメリカ人のジョー、祖母と母親の素敵な料理と愛情に包まれてNYブルックリンで育った、が、祖母も母親も他界し、生きる気力を失ってしまう、親友からはなにか母親の想い出になることを始めるように勧められる、目の前に浮かぶスタテン島へ渡り、売りに出ている古いレストランを見たジョーは何の計画もなくそのレストランを買い取り『おばあちゃんの手料理』を出す店を開業することにするが・・・



レストランを買い取ったジョーは母親の親友や、高校時代の彼女のご近所さんなど、4人のおばあちゃん(ノンナ)を雇い入れ、想い出の家庭料理レストランを目指します、しかし、4人のノンナは衝突ばかリ、開店資金も足らず親友が父親から引き継いだクラシックカーを担保に借金して助けてくれます、なんとか開店したものの、なぜか客はひとりも来ません、わずか数週間でジョーは閉店を決断せざる得ない状況に・・・

4人のノンナ、親友夫婦、高校の同級生、みなジョーの実直で不器用な人柄に魅かれて集まってきます、これでおしまいかと思った時、ジョーの熱意がついに実を結びます、

ま、誰もが思い浮かべる結末が待っています、驚くような事件も起こりません、でも、観終わったら幸せな気分になり、美味しい料理が食べたくなるのは間違いなし、実話に基づいており、モデルになったレストランは今もNYスタテン島にあるそうです、観るとお腹が減ります^^)が、ぜひの鑑賞をオススメします、


◆(自宅で鑑賞)「遠い空の向こうに」
(★★★★☆)(1999年米国)(原題:October Sky)
宇宙に向かってロケットを打ち上げることに夢中になった高校生たち

08空の向こう

1957年ソ連は初の人工衛星打ち上げに成功する、ウエストバージニアの炭鉱の町コールウッドに住む高校生のホーマーは夜空を飛び去る人工衛星スプートニクを観て、自らの夢を見つける、数学が得意なクラスの変わり者を誘い、悪友2人と共にロケット造りに熱中する、しかし、父親は炭鉱の主任、コールウッドでは大人になると炭鉱に入る運命、父親はホーマーの夢などお構いなし、が、炭鉱事故があり父親が大怪我をすると、ホーマーは高校を中退、炭鉱に入ることを選ぶ、



ロケット造りの話ではありますが、物語は高校生の友情、そして父と息子の愛情物語です、
数学が苦手だったホーマーは猛勉強、ロケットボーイズと呼ばれる仲間とともに10数発の手造りロケットを打ち上げますが失敗続き、時には住民を危険にさらし、さらにロケットで山火事を起こした罪で警察に逮捕されてしまいます、それでもロケットボーイズに理解を示す担任女性教師や、技術者、炭鉱関係者に助けられながら、全米高校化学コンテストの決勝まで進みます、

実話に基づく物語、ホーマーが師と仰ぐ米国ロケット工学の第一人者のフォン・ブラウン博士はWWⅡでV2ロケットなどを作ったドイツ人科学者、ソ連との冷戦で米国が囲い込んでロケット技術を磨いていたんですね、皮肉と言えば皮肉、

4人のロケットボーイズは様々な職業に就きますが、ホーマーはNASAでアポロ計画に参加したようです、拍手、「スタンドバイミー」のような風景が広がる良き映画です、必見、




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2025年08月25日

お盆は2本だけ、「入国審査」「プリンセス トヨトミ」

〇(スクリーンで鑑賞)「入国審査」
(★★★!☆)(2023年スペイン)(原題:Upon Entry)
新天地米国を夢見てスペインからやって来た2人、だが、入国審査が進まない・・・

08入国審査

バルセロナからNYに降り立った2人、エレナがグリーンカードに当選、恋人のディエゴと共に職のあるフロリダへ向かう予定だったが、入国審査で何か問題があったのか?事情も告げられないまま別室に連れていかれる、乗継便の時間を気にする2人、だが、そんなことはお構いなしに入国審査官は執拗に2人の入国動機を詮索する・・・



ほとんどが空港内の入国審査施設?の建物内、それも狭い会議室内でのサスペンス満載の会話劇、入国審査官の冷たいまなざしがホントに怖いです、

審査官の質問はホントにこんな内容なのでしょうか?すごく怖いです、米国に来た動機、グリーンカード取得の経緯、米国内での予定、母国での生活ぶり、住んでいる部屋の様子、未婚の2人の関係、知り合った場所、恋愛期間、果てはセックスの回数まで、、、ディエゴはなんとか事を穏便に済まそうとしますが、エレナは反抗的、しかし、審査官の『入国できるかどうかはワタシの裁量ひとつ』の一言が重くのしかかります、

なぜ別室に呼ばれたのか?その理由は徐々に明らかになってきます、ディエゴの過去に疑惑が、さっきまで米国での2人の明るい生活を夢見ていたエレナは愕然、2人の間に亀裂が走ります、

77分の小品ですが、入国審査が始まってからはサスペンス満載で目が離せません、はたして2人の愛は?そして無事入国できるのか?それは・・・観てのお楽しみ・・・

(★★★☆☆)(2011年日本)
大阪全体が機能停止!?400年間、大阪市民が守ってきた秘密とは?

08トヨトミ

会計検査院の副長松平と呑気な鳥居、若手の旭の3人は実施検査のため来阪、何件かの検査を行って行く、空堀商店街辺りの茶子は幼馴染の大輔がいじめられているのを庇う男勝りの中学生、松平たちが空堀商店街の「OJO」という社団法人の検査を行う、ふとしたことから松平は「OJO」がなにかを隠しているのではないかという疑念を持ち、周辺を調査し始める、するとお好み焼き屋の亭主真田が秘密を打ち明けるとやって来る・・・



奇想天外な構想で人気を博した万城目学の原作を映画化、『大坂夏の陣』で滅びたはずの豊臣家の末裔が営々と生きながらえ、それを大阪市民が護り通しているというお話、大坂城からの抜け穴伝説からの着想ですね、「OJO」がその秘密を守っている組織であることが明らかになるまでは、それなりにコメディとして楽しめますが、後半はちょっと失速気味、狂言回しの鳥居(綾瀬はるか)がエエ味出していたのに、後半は活躍の場が無く残念でした、

中井貴一、堤真一、岡田将生、他の周辺のキャストも豪華、綾瀬はるかも天然ボケ全開、茶子の活躍も楽しめる、それだけにモッタイナイ、後半はもっと映画的な展開があってもヨカッタのかな・・・

若かりし綾瀬はるかのアクションも観たかったかも^^)休日ののんびり鑑賞にどうぞ、

あ、この映画のロケ地の1つになったお好み焼き屋さんへ行ったなあ、懐かしい、




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2025年08月18日

先週も4本、「この世界の片隅に」「ランナウェイ ルナ」「ジュラシックワールド」「猿の惑星キングダム」

(★★★★☆)(2016年日本)
戦争を生き抜く一市民のすずさんの人生、ニューバージョンで戦後80年を期に再上映

08この世界の

昭和19年、広島に住むすずさん、いつもぼんやりしているが画を描くのが大好きな普通の少女、18歳で見知らぬ男性と結婚、呉に移り住む、義理の両親や姑との生活もなんとかこなしていく、が、戦況は徐々に悪化、毎日のように広島や呉へ空襲警報が鳴り響く、すずさんや家族にも試練が訪れる・・・



2016年公開作品、戦後80年の2025年、未公開シーンを追加したニューバージョンで再上映です、ポスターには“さらにいくつもの”という副題?が添えられています、前作2回鑑賞、今回が3回目の鑑賞になりますが、追加シーンのすべてが分かった訳ではありません、座敷童の件
(くだり)の謎解きがされるシーンは無かったような気がします、

いつもぼんやりしているすずさん、周りからあれこれ揶揄(からか)われます、嫁入り先でも可愛い失敗続きですが、心根が綺麗、姑ともなんとか折り合いをつけて、この家で生きて行こうと健気に頑張ります、そんな普通の市民の生活を平板に丁寧に描くことで、戦争の悲惨さを際立させていきます、

空襲で姪っ子を死なせてしまい、自らも右腕を失ったすずさん、それでも家族のために必死に働き、お国に尽くすすずさんが愛おしい、今年はすずさん100歳の年だそうです、すでに継承が難しくなってきている戦争体験、映画が果たす役割もあるという事です、ぜひ見て欲しい秀作です、


◆(自宅で鑑賞)「ランナウェイ ルナ、17歳の逃亡者」
(★★★!☆)(2017年ドイツ)(原題:Luna's Revenge/Luna)
避暑地でいきなり襲撃を受け家族を失ったルナの逃避行と反撃

0817歳の逃亡者

幼い妹と両親の4人、気の進まない家族旅行に出掛けたルナ17歳、湖畔のバンガローで過ごしていると、見知らぬ男たちがやって来る、父親は男たちに「家族を巻き込むな」と警告、事態の収束を図ろうとしていると、偶発的なきっかけで男の一人が発砲、パニックになった母親と妹が撃たれ、ルナは父親と逃げることになる・・・



ドイツ映画、92分の小品、でも結構楽しめましたよ、タイトルから“走って走って逃げる”物語かと思いきや、さほど走りません^^)いきなりの惨劇には驚きますが、どうやら父親はロシアのスパイ、長年、ドイツ国内で諜報活動を行っていたようです、その内部抗争に巻き込まれるルナ、なんとか警察に保護されますが、そこにもロシアスパイの魔の手が・・・という展開、

事情が分かってからもサスペンスが続きます、そして、90分後にとっても逞しく強くなった^^笑)ルナが反撃、自らの正義を貫くのが痛快です、キーとなる機密上の方の在り処の伏線も洒落ていました(分かりやすいので誰でも気付きます)、休日ののんびり鑑賞に最適、


(★★★☆☆)(2025年米国)(原題:Jurassic World: Rebirth)
17年ぶりに島へ上陸すると、そこは新たな異種生物の世界になっていた

08ジュラシックワールド

17年前の事故で閉鎖された「ジェラシックパーク」、異種交配研究で残されたDNAが心臓病の特効薬になることが判明、DNA採取のために7人のチームが編成され、島へ向かう、早々に巨大な水生生物と遭遇するがなんとかDNA採取に成功、しかし、船は失われる、DNA採取を続けながら旧施設へ向かう一行の前には異種交配で進化した生物が姿を現す、彼らは無事島から脱出できるのか?



お馴染み『ジュラシック』シリーズの最新作で、新シリーズ1作目という位置付けだと思いますが・・・どうも、うまく行かなかったようです、もちろんCGによる恐竜世界の再現は観どころもあるし、アクションもハラハラドキドキの連続なのですが、、、

なんともステレオタイプな展開、孤島に上陸、学者と傭兵、ビジネスしかアタマにない製薬会社のイカれた社員、手練れの傭兵も異種生物には敵いません、一人またひとりと犠牲になっていく、と、これまで何度も観て来た物語、既視感いっぱいです、さらに途中で家族連れ4人を保護、この家族がアクセントになるはずでしたが、、、これもどうもうまく行っていない、

でも、一番うまくいってないのは異種生物の表現、実在(と思われる)恐竜の再現はまだ好意的に受け入れられますが、異種交配をして生まれた“恐竜みたいな異種生物”がまったくダメでした、ガッカリ(個人的な感想です)、とくにラスボスは恐竜には見えません、エイリアンかクリーチャー、これで物語の根幹が崩れ去りましたね、ま、サブスクで鑑賞かな、


(★★★☆☆)(2024年米国)(原題:Kingdom of the Planet of the Apes)
「猿の惑星」新シリーズ4作目、エイプが支配者となって数世代後の戦記

08猿の惑星キングダム

人間が滅亡、その後、人間とエイプの共存時代があったが、人間は次第に知能が退化、今はエイプが支配者だ、鷹を操るエイプのホーク族は平和に暮らしていたが、王国を作りつつある独裁者プロキシマスの侵略をうけ、王国へ連れていかれる、生き残ったホーク族のノアは一族を救出に向かう途中で智恵者のラカと出会い、エイプと人間の歴史を学ぶ、そこに謎の人間女性ノヴァも合流、王国を目指すことになる、



これまた原作物の新シリーズ、猿の表現は驚くほど進化しており、CGとは思えない表情や感情を表現することに成功しています、が、これが今のハリウッド、テクニックは進化していますがそこに物語が無い、今回の“王国”の筋立ても既視感あり、というか、前半のホーク族襲撃シーン以外は心震えるシーンがほとんどありません、だいたい想像がつく展開、ハリウッド的悪者と善者のよるせめぎ合い、ラストで、今回の筋立ての必然性と新たな展開を示唆するシーンが出て来ますが、ワクワクするかと言われれば???

ハリウッドの技術とジャパンコミックの物語性を組み合わせたら、もっと面白いものが出来るかもね、こちらもサブスク鑑賞で十分です、





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2025年08月12日

先週も4本、「長崎~閃光の影で」「MER南海ミッション」「ニーキャップ」「BALLAD」

〇(スクリーンで鑑賞)「長崎~閃光の影で」
(★★★!☆)(2025年日本)
長崎に原爆が投下された日からの看護学生の奮闘と悲しみの記録

08長崎~閃光

1945年8月9日、米軍により長崎に原爆が投下された、大阪の看護学校から故郷長崎に疎開してきたスミ、アツ子、ミサヲの3人はそれぞれ別の場所で被ばく、しかし3人とも無事生き延び、救護所となった長崎日赤病院で再会、そこから被爆被害者の救護に奔走・奮闘するが、人員も薬も何もかも足らない絶望的な状況、3人は混乱と悲しみの中、徐々に希望を失って行く・・・



戦後35語年経ってまとめられた「閃光の影で 原爆被爆者救護 赤十字看護婦の手記」(日本赤十字社長崎県支部)が原案、原子爆弾の事さえ知らなかった長崎市民が一瞬にして抹殺され、生き残った者は地獄の苦しみを味わう事になります、わずか70年前の物語です、

当時の医療レベルからして、この大惨事に十分な対応するのは到底不可能でした、看護師の一人が呟きます、『薬を塗って、包帯巻いて、蛆虫を取って、それでみんな死んでいく』、まさにそういう地獄のような状況です、

在日朝鮮人への医療拒否、恐怖からの看護現場離脱、米軍上陸前の看護師への自殺用青酸カリの配布など、リアリティあふれる描写が心に響きます、敗戦を信じず凛として闘っていた看護師長が米兵になびく姿も攻められません、

戦後70年、先週は広島・長崎の原爆の日、今週は終戦記念日、風化が続きます、記憶に残していかなければならない1作です、ぜひの鑑賞を!


(★★★★☆)(2025年日本)
離島の火山が噴火、取り残された島民を救出すべく南海MERが出動するが・・・

08MER南海ミッション

全国に続々とMERが誕生する中、鹿児島~沖縄間の離島対応をする南海MERの試験運用が始まっていた、が、出動回数ゼロで半年の試験運用が終わろうとしており、東京MERの活躍だけが際立つ、そんな時、離島の火山が大噴火、80人余りの島民は脱出不可能、南海MERは現場に急行するが噴火状況が激しく島にも近づけない、自衛隊も海保もお手上げ、島民は絶体絶命に・・・



TVドラマの劇場版シリーズ2作目、まあ、柳の下のドジョウ狙い、今度は火山噴火ですか、くらいの軽い気持ちで鑑賞したのですが・・・これがまあ良く出来ていて、スクリーンに釘付け、泣かされました、監督流石です、

噴火した島に近づけないMER、しかし状況は刻々と悪化、目の前の命をすくためアドバイザーとして南海MERに参加していたチーフドクター喜多見は、南海MERチーフの牧志と2人で上陸を決意、他のメンバーも協力しながら困難なミッションに挑戦します、次から次へと襲ってくる想定外の事態、さすがの喜多見も今度ばかりは死者ゼロを守り抜くことは出来ないと思われたのですが・・・

現場以外の周辺の状況設定が上手です、実績の上がらない南海MERを廃止しようとする官僚、大規模災害発生にも動けない東京MERと東京都知事、政治パートの物語も良く出来ています、緊急出動が無くのんびり釣りばかりしているチーフ牧志、それに不満を持つ南海MERのメンバー、しかし、この牧志が島民を救うキーマンとなります、分かっていながら思わず拍手を送りたくなる活躍、

なんとか島民非難の目途がついてからがサスペンス最高潮となります、これでもかと繰り返し襲って来るピンチにハラハラドキドキ、いやはや、超人的活躍の喜多見チーフです、

医療用語がテンポよく飛び交う手術シーンはもはやお家芸、テキパキ手慣れた感じです、鈴木、神に見えます、江口、好演、賀来かっこエエ、予告編は災害パニック映画のようですが実はヒューマンドラマ、観て損はなし、


〇(スクリーンで鑑賞)「KNEECAP ニーキャップ」
(★★★!☆)(2024年英国・アイルランド合作)(原題:Kneecap)
母国語でヒップホップを歌うアイルランドの人気トリオ「ニーキャップ」の自伝的映画

08ニーキャップ

北アイルランド・ベルファストで育ったニーシャとリーアム、音楽活動をしているが、麻薬取引にも絡んでいる、警察に逮捕された2人、ニーシャは警察の英語での取り調べを拒否、母国語であるアイルランド語で話しとおす、やむなく通訳として音楽教師のJJはニーシャの手帳にアイルランド語で書かれた歌詞に驚く、ニーシャには才能があることを見抜いたJJは覆面をかぶってライブに参加、3人グループが誕生する・・・



時間が合ったので何の知識もなく観た映画、背景が少々ややこしいのと、物語が文字通りラリっているので^^爆)理解するのに時間が掛かりましたが、筋立てが分かってからは大いに楽しめました、はい、観後感も悪くない、ぶっ飛んだ映画ですが観てヨカッタです、

簡単な方の背景から、北アイルランドは英国UK(Countries of the United Kingdom)を構成する4つの地域(イングランド・スコットランド・ウエールズ・北アイルランド)の1つであること、アイルランド共和国という国は別にUKの隣にあります、

難しかった背景は、北アイルランドはアイルランドから別れた地域で、古来住民はアイルランド語を話していた訳ですが、英国の一部となったことから公用語は英語、2022年までは母国語のアイルランド語を話すのが法律で禁じられていたようです、

この背景が物語を動かします、母国語でヒップホップを歌う事に邁進する2人、これに共鳴した音楽教師、麻薬と音楽、シーンも映像もイカれた場面が出て来ます、麻薬を取り締まる警察、麻薬撲滅団体、ニーシャの恋人の母親の刑事も乱入、あれこれ事件を起こしながらも、3人の歌がラジオに流れると大人気に、と、なんとも奇想天外な展開なのですが…

なんと、主人公の3人はすべて本人出演だそうです、あれま~、なんとなく素人っぽいとは思っていましたが、演技素人の3人なのに相当面白い映画に仕上がっています、はい、音楽映画としても楽しいのかも、ただ、英語とアイルランド語が飛び交うのですが、ほとんど区別がつかないので、その辺の面白さは日本人には分からないのかもしれません、

興味があれば鑑賞してみては・・・


(★★★!☆)(2009年日本)
戦国時代にタイムスリップした少年と侍、姫との友情

08BALLAD

埼玉県春日部市に住む川上真一、ある日近所のクヌギの大木の下で不思議な手紙を見つける、すると周りの風景が変わり、見知らぬ土地に迷い込んでしまった真一、そこは天正12年、戦国時代の小国・春日、隣国の大倉井から攻められとしている春日、武将の又兵衛は戦上手だが、多勢に無勢、又兵衛を案ずる城主の娘・連姫の願いが通じ、21世紀から真一を呼び寄せられたのだった・・・



「3丁目の夕日」の山崎貴さんが原案から監督・脚本を担当、どこかで見たことがある物語だなと思ったら、原作引用は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」でした、なるほど、そういう事でしたか、“しんちゃん”の映画は面白いものが多いですからね、
ということで、春日の国もスッキリ腑に落ちます、

物語は戦上手だが女性にはからっきし意気地のない又兵衛と連姫の恋物語が横軸、縦軸は真一を追ってタイムスリップしてきた真一の両親と真一の家族の物語です、合戦シーンはそれなりに見応えがありますが、血しぶきとかはない綺麗な合戦、ここらも監督の意向だったようです、

最後の映画的レトリックにはちょっとホロっと来ました、休日ののんびり鑑賞にピッタリ、

余談ですが、戦国時代へのタイムスリップというアイデアは半村良の「戦国自衛隊」、しんちゃんの映画も、これにインスパイアされていたと思う、半村良、凄い、




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2025年08月04日

先週も4本、「でっちあげ」「バッドジーニアス」「インビジブルゲスト」「私たちが光と想うすべて」

〇(スクリーンで鑑賞)「でっちあげ」
(★★★★☆)(2025年日本)
ある日突然、子どもに体罰をしていると訴えられた教師の行き着く先

07でっちあげ

2003年、小学校教師の森下は校長に呼び出される、生徒の氷室ヒロトが森下から体罰・いじめを受けていると両親が抗議に来ていた、身におぼえの無い森下は否定するが、校長と教頭は氷室夫妻に平身低頭、事を大きくしないために、森下に謝罪を強要する、保護者懇談会で謝罪した森下の記事が週刊誌に掲載され、殺人教師と呼ばれた森下、TVのワイドショーでも大きく取り上げられ、森下は社会的に抹殺されそうになる・・・



事実に基づいた物語というクレジットが付いています、タイトル通り、森下の体罰・いじめはでっちあげなのか?ヒロトの母親律子の証言と、森下の証言は大きく食い違います、ヒロトの素行をみても、森下の性格を考えても、これは律子の“でっちあげ”ではないかという疑念が生まれますが、

両親の抗議を鵜呑みにして、ひたすら事を覆い隠そうとするステレオタイプの校長と教頭、そこから週刊誌もTVのコメンテーターも律子の言い分だけを信じて森下を抹殺していきます、極端ではありますが、ここらの映画的レトリックは強烈で、観ていて学校やマスコミへの憤慨の気持ちで爆発しそうになります、

訴えられた森下を守ろうとするのは貧乏弁護士、森下を慕う保護者は闘えませんが精一杯の事はします、そして森下を信じて疑わない妻と子どもがいます、はたして森下は裁判に勝てるのか??

ストレスフルな物語ですが必見の1本、


(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Bad Genius)
天才少女が学内のカンニング騒動に巻き込まれるが・・・その先にはもっと大きな事件が

07バッドジーニアス

中国系アメリカ人の天才少女リン、貧乏な父親は苦労して奨学金を得、リンを名門私学に入学させる、校内で仲間外れにされていたリンに同級生グレースが接近、楽しい学校生活を送るようになるが、グレースの彼氏パットは落第寸前、そこでグレースはリンにテストのカンニングを懇願、断り切れずにリンも協力するが、これが学校にバレてしまう、なんとか退学処分を逃れたリンだが、パットは更なる不正の実行をリンに迫る・・・



カンニングのアイデアが面白く、サスペンスに満ちたシーンの連続、展開もスピーディで最後まで面白く鑑賞出来ました、

学内テストのカンニングがバレた時点で、リンの学校生活も終わるのかと思いきや、天才少女を手放したくない学校、なんとか首が繋がったリンですが、グレースとパットはより困難なテストのカンニングをリンに迫ります、友人の天才も巻き込んでこれを受けてしまうリン、ここらがちょっと??苦しいところですが、後半のカンニング大作戦は巧妙かつ大胆、シリアスなタッチで転がって行くので思わず観入ってしまいました、

リンたちは成功を収めたように見えますが、思わぬところに落とし穴が・・・そこからの苦悩、そしてラストシーンのリンがキラキラ輝いて見える映画的レトリックでの逆転劇、ワタシは気に入りました!

大ヒットしたタイ映画(2017年)のハリウッドリメイク作品、


(★★★★☆)(2016年スペイン)(原題:Contratiempo)
成功した実業家が不倫相手と同乗中に交通事故を起こす、そこから始まる泥沼

07インビジブルゲスト

不倫相手ローラの殺人容疑で起訴されているドリアの元に、刑事事件専門の敏腕弁護士グッドマンが訪れる、3時間後の審理で検察は新たな証人を立てて来るという情報が入る、グッドマンは裁判に勝つために真実をすべて語るようにドリアに迫る、ドリアは事の発端となった交通事故と、その事故をもみ消すために同乗していたローラと2人で仕組んだ偽装工作を徐々に話し始める・・・



物語はドリアの部屋で進行、回想の形で不倫~交通事故~偽装工作~不審な目撃者~脅迫~ローラの殺害と、物語は複雑かつ予測不能な展開をみせます、グッドマンに諭され徐々に事実を告白するドリア、二転三転するドリアの証言に観客は右往左往、ローラ殺害の真犯人は?そして、ドリアとローラを追い詰めているのはいったい誰なのか?

とっても面白い物語で、最後まで目が離せない展開ですが・・・どうも、最初から既視感がありました、うん?これは観たことがあるのかな?いや、ちょっと違う、でも事故車を隠蔽処理するシーンはたしかに観たような気がする、と思っていたら、この映画には4作のリメイク作品があるようです、そのうちの1作は韓国版「告白、あるいは完璧な弁護」、これは確かに鑑賞しました、そのせいでの既視感かな?

とにかく、映画の構成自体が見事な映画的レトリックで語られており、ラストのアッと驚く逆転劇には誰もが驚くと思います、気持ちよく騙されてください、

サブスクで鑑賞できるので、ぜひの鑑賞を、


〇(スクリーンで鑑賞)「私たちが光と想うすべて」
(★★★☆☆)(2024年フランス・インド・オランダ・ルクセンブルク合作)
(原題:All We Imagine as Light)
さまざまな制約の中で生きるインド人女性の日々の暮らしと友情、

07光と思える

ムンバイの病院で働く看護師のプラバ、父親が決めた相手と結婚したが夫はドイツで働いており音信不通、年下の同僚アヌは陽気な性格、恋人と秘密の時間を楽しんでいる、病院の友人の立ち退き騒ぎや、奔放なアヌへの嫉妬、プラバを取り巻く環境は女性が一人で生きていくには過酷すぎるようですが・・・



第77回(2024年)カンヌ国際映画祭で、インド映画として初めてグランプリに輝いた作品です、シアターも平日にも関わらず大勢の観客で賑わっていました、

物語は淡々と進みます、あまり状況説明がなく(ワタシも序盤でウトウトしてしまったので)、細部の意味や展開が良く分かりませんでした、一緒に住んでいたのでアヌは妹かと思って観ていましたし(お恥ずかしい)、アヌの恋人がイスラム教徒というのも認知できず(ウトウト時間か)・・・

全体の印象としては、少々暗いかな、というくらい、

という事で、この映画に関してはあまり書けることがありません、スイマセン、でもカンヌグランプリ作品、

もう1度見に行くかな?^^涙)

邦題は原題に忠実で、かつ美しい日本語を見つけましたね、




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2025年07月28日

先週も4本、「この夏の星を見る」「スーパーマン」「ビー・ハッピー」「ディープ カバー」

〇(スクリーンで鑑賞)「この夏の星を見る」
(★★★★!)(2025年日本)
星に興味を持った中高校生たちの鮮やかで熱い青春群像劇、極上の出来映え

07この夏の星

茨城の高校、天文部に2人の新人アサとリクが入部、それぞれに星や宇宙に関する夢がある、同じ頃、長崎五島列島の高校でも星を追う部員たちがいた、が、2020年、COVID-19が流行、ソーシャルディスタンスや部活縮小と彼らの青春の貴重な時間が失われていく、2年生になったアサは望遠鏡で星を探す「スターキャッチコンテスト」をリモートで開催することを発案、都内の中学や高校も参加して開催が決定する・・・



なんとも清々しく、凛とした映画でした、個人的には2025年邦画では最高評価かな、
(「国宝」とはまた違う次元)

茨城でも五島でも高校生活を謳歌するはずだった天文部員たちを襲ったコロナ禍、さまざまな制約や誤解誹謗などが彼らを取り巻いていきます、こんなはずじゃなかった青春、しかし、星への想いを持つ先生や天文台館長が彼らの夢を育んでくれます、

「スターキャッチコンテスト」の描写がとっても良い、望遠鏡で星を探すという行為を、こんなにワクワクドキドキするシーンに仕立て上げた監督・スタッフに拍手、星の名前を知らなくても充分に楽しめます、実際、コンテストのシーンがこの物語の最高潮かもしれません、でも、その後も、しっかり登場人物たちの心の叫びを紡いでくれます、良い映画でした、

上映館は少ないですが必見です、ぜひ映画館で観てください、あ~~、長野辺りの山に登って満点の星空が観たくなりました、


〇(スクリーンで鑑賞)「スーパーマン」
(★★★!☆)(2025年米国)(原題:Superman)
スーパーマンを貶める罠が次から次へと、侵略者として責め立てられるスーパーマン

07スーパーマン

戦争勃発を阻止したスーパーマン、しかし、天才科学者ルーサーはスーパーマンが米国大統領の許可なく国際紛争に介入したと非難、スーパーマンは実は地球侵略を狙うエイリアンだと決めつける、おりしも怪獣が現れスーパーマンは市民の救助に力を注ぐが、超人グループ『ジャスティス・ギャング』が怪獣を退治、市民の心もスーパーマンから離れていく、政府から出頭するよう命令を受けたスーパーマンは、ルーサーの監獄に軟禁されることになる・・・



「スーパーマン」の新シリーズ1作目のようです、過去作はあまり見ていないのですが、新しい世界観でのスタートの1作だと思って、細かな所は気にせず楽しみましょう、

普段は新聞記者、恋人のロイス・レイン、人間のために体を張って働く超人、この辺りは原作通り、ですが、新しい世界にはすでに他の超人も何人かいるという設定、スーパーマンが唯一の正義ではないのかもしれない、スーパーマンは危険なエイリアンだという展開もなるほどという感じ、天才科学者でスーパーマンを憎むルーサー、米国政府まで手玉に取ってスーパーマンを苦しめます、そして愛犬クリプトが映画初登場?暴れん坊のクリプトが最後は大活躍!?

ロイスのファッションやスーパーマンのスーツなど、ちょっと野暮ったく見えるのが狙いなんでしょう、スーパーマンの実家の描写も含めて妙にホンワカした世界も映し出されます、このテイスト、案外気に入りました、

あまり期待せずに、たまたま時間があったので観たのですが、悪くない、拾いものの1本でした、観て損はなし、


(★★★!☆)(2025年インド)(原題:Be Happy)
天才ダンス少女がコンテストに参加、優勝を目前にして悲劇がおとずれる

07ビーハッピー

天才ダンス少女のダーラー、母を交通事故で失い、父のシヴと義理の祖父ナーダルと田舎町で暮らしている、ダーラーのダンスの才能を見抜いたダンス教師のマギー、ムンバイに引っ越してダンス教室に通うように誘う、ナーダルはムンバイ行きに後ろ向きだったが、ダーラーの才能を伸ばすべきだというナーダルの説得に応じ、2人でムンバイに引っ越す、ダーラーはダンステクニックを磨き順風満帆、コンテストで優勝目前まで登り詰める、しかし・・・そんなダーラーに病魔が襲いかかる、



インドのダンス映画!そうでなくても踊りまくるインド映画、さらにダンス映画となるとこれは・・・という心配は無用です、父と娘、祖父にダンス教師を巡る愛情物語です、

ダンスコンテストのシーンは圧巻です、ダーラー以外の出場者のダンスもキレッキレ、編集も上手で圧巻のダンスステージが楽しめます、ダーラーのダンスシーンもそれなりですが、さすがに優勝戦まで進むにつれシーンが短くなるのは致し方なし、父親や祖父のダンスシーンも楽しめます、

病魔がダーラーに襲い掛かると、物語は一変、薬の副作用で髪の毛をそり落としたダーラー(でも頭の形は完璧、とても美しい坊主頭です)、はたして彼女は病魔に打ち勝つことが出来るのか?いや、打ち勝ってほしい!と願いながらラストを向かえることになります、

最後はやはり踊りました^^)そしてダーラーの運命は・・・インド映画としてはスッキリ128分にまとまっています、観て損はなし、


(★★★!☆)(2025年英国)(原題:Deep Cover)
売れない即興コメディアンが警察の潜入捜査に協力することになったのだが・・・

07ディープカバー

俳優のカット、即興劇の教室で細々と食いつないでいる、ある日、店に警察を名乗る男が現れ、麻薬組織の尻尾を掴むための簡単な仕事を頼まれる、カットは報酬欲しさに、売れない俳優マーロン、冴えないサラリーマンのヒューの3人で仕事を受ける、売人から麻薬を買うだけの演技のはずが、手筈が狂いマーロンやヒューのアドリブ演技で組織のボスにまで会うハメに、なんとか即興で難を逃れた3人だが、警察からは組織にもっと深く潜入することを強要される・・・



気楽に楽しめるサスペンスコメディです、カットは収入が安定せず汲々としています、マーロンは役作りにのめり込むあまり、次から次へとアドリブを連発、事態はどんどん悪化していきます、いじめられキャラのヒューの飄々とした頓珍漢な受け答えが、逆に組織の信頼を得てしまうという、よくあるパターンながら笑えます、

でも、警察内部の不正なども絡んできて、最後まで飽きずに観ることが出来ました、休日のお気楽鑑賞で、





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2025年07月21日

先週も4本、「カーテンコールの灯」「ONCEダブリンの街角で」「35年目のラブレター」「エクスペンダブルズ4」

〇(スクリーンで鑑賞)「カーテンコールの灯」
(★★★★☆)(2024年米国)(原題:Ghostlight)
過去の悲劇から立ち直ろうとする家族3人の物語

07カーテンコール

道路工事現場で働くダンはカッとなって無謀運転手を締めあげてしまい職を失いそうになる、妻のシャロンは無分別な行動に出る娘のデイジーに手を焼き、周りの事が見えなくなっている、ある日ダンは顔見知りの女性リタから素人演劇サークルに誘われる、気乗りしないダンだが、仕事と妻、娘のことで鬱々とした毎日を過ごす中で、徐々に演劇の魅力に目覚めていくダン、家族に内緒で演劇の練習に通い始めますが・・・



娘のデイジーは利発で行動的、しかし、抱えているトラウマのため衝動を抑えられず、裁判の調停者やカウンセラーと衝突、学校も停学処分にと大荒れ、このデイジーが主人公の物語かと思いきや、

この物語の発端の少し前に、ある悲劇が3人の家族を襲っています、その悲劇は物語が進む中で徐々に明かされていきます、本当は心根優しい家族ですが、その悲劇のトラウマを乗り越えることが出来ず、3人ともが暗い迷路に迷い込んでいるのです、原題がその雰囲気を表しています、そして、ダンが演じる「ロミオとジュリエット」のストーリーと家族の苦悩が上手にシンクロするのが上手、

ダンの行動に疑念を持ったデイジーが秘密を探ります、この辺りのサスペンスも良く出来ていて、このままだと家族崩壊か!?と思わせる上手な演出、そこからは過去の悲劇を乗り越える3人の前向きな物語が展開、ワクワクしながらスクリーンを見つめることになります、

観後感良し!良い映画です、ぜひの鑑賞をオススメします、


〇(スクリーンで鑑賞:リバイバル上映)「ONCEダブリンの街角で」
(★★★!☆)(2006年アイルランド)(原題:Once)
路上弾き語りミュージシャンが才気あふれる彼女と出会います

07ダブリン

アイルランド・ダブリンの街角で自作の曲を弾き語る“男”、ある日、彼の歌を絶賛するチェコ出身の“女”が現れる、2人は親しくなり、女のために作った曲を2人で演奏すると、素晴らしいはハーモニーが生まれる、男はロンドンに出て歌手デビューを目指すことを決意、仲間を集めてスタジオでデモ音源を作る事にする・・・



2007年に公開され、低予算ながら全米で評判を呼んだ作品のリバイバル上映、主演の男女は共にプロミュージシャン、2人でバンドも組んでいたようです、全編、主演2人の歌唱シーンで埋めつく尽くされています、映像もMV・PVを思わせるノリでの撮影、87分間気持ちよく優しい音楽に浸ることが出来ます、

女に恋をし始める男、彼女には別居中の夫と小さな娘がいたことから、男の恋は叶いませんが、出来上がったデモ音源にはそれ以上の愛情が詰め込まれています、はたして男はロンドンで成功するのか?それが分かる前に物語は終わります、あくまでも男と女の出会いと昇華の物語、


(★★★!☆)(2025年日本)
読み書きが出来ずに初老を迎えた男と、その夫を支えた妻の愛情物語

0735年目のラブレター

戦時中の劣悪な家庭環境の中で育ったせいで読み書きが出来ない西畑保、最愛の妻・きょう子、彼女にも文盲を秘密にして結婚したが、すぐにバレてしまう、保は離婚を覚悟したが、きょうこは微笑みながら「ワタシがアンタの目と手になってあげる」と言う、2人の娘にも恵まれた保は一念発起、夜間学級に通い、妻のきょう子に自筆のラブレターを書くことを約束するが・・・



読み書きが出来なくても気の良い保、一生懸命に働き一家を支えてきました、65歳の頃、偶然見かけた夜間学級の生徒の中に自分より年上の人を見つけ一念発起します、しかし、なかなか学習は進みません、1年が2年と学校生活はどんどん長引いていきます、何度も挫折しかける保をきょう子は励まし続け、そして、やっと保はラブレターを書き上げますが・・・

タイトルの「35年目のラブレター」は保が書き上げた1通で終わりかと思いきや、上手な映画的レトリックで2通目のラブレターも出て来ます、これが涙モノ、そしてエンディングでは3通目も、最後まで観客を引っ張り続けたのが成功の要因かな、

鶴瓶師匠がやはり鶴瓶師匠にしか見えないのは致し方なし、原田知世、出来過ぎた妻です、観て損はなし、


(★★!☆☆)(2025年米国)(原題:The Old Guard 2)
人気アクション俳優を招集するシリーズ第4作、ですが・・・

07エクスペンダブル4

“エクスペンダブルズ”、死をも顧みず危険な任務を遂行する使い捨て傭兵軍団、リーダー格のバーニーはCIAからの依頼を遂行するために旧知の猛者リーを軍団に引き入れる、新たなメンバーでミッションに挑むがテロリストの攻撃でリーダーのバーニーが戦死、リーら残ったメンバーは弔い合戦を挑む・・・



“エクスペンダブルズ”=使い捨て、消耗品というような意味、危険なミッションに見合う報酬もなく闘い続ける傭兵軍団、というところでしょうか、

シリーズ1作目にはリー役のJ・ステイサムもすでに登場、A・シュワルツェネッガーがカメオ出演、その後はシュワルツェネッガー、B・ウイルスが全編出演、チャック・ノリス、
ジャン=クロード・ヴァン・ダム、H・フォードなど、往年のアクションスターが出演するという、なんとも際どい企画シリーズです、が、今作では目立った新味はなし、バーニー死亡という展開も、ま、だれもが安心して観ていられる展開というところでした、

休日ののんびり鑑賞なら、、、




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2025年07月14日

先週も4本、「愛されなくても別に」「フォーチュンクッキー」「ヘッド オブ ステイト」「オールドガード2」

(スクリーンで鑑賞)「愛されなくても別に」

(★★★★☆)(2025年日本)

過酷な家庭環境の中を生き抜いてきた、そして生き抜いていく2人の女性

 
07愛されなくても別に


大学生の宮田は週6勤務で深夜のコンビニでバイトをしている、就職のために大学進学を望んだが、母親からは『自分で学費を出せ』と言われ、懸命に働いている、バイトの仲間の江永は長年父親から家庭内暴力を受けていた、そんな過酷な環境でも、2人は自らの尊厳を失わずに力強く1人で生きて行こうとする・・・




宮田の母親は掃除や洗濯を宮田任せにして、男を自宅に連れ込むルーズな性格、それでも宮田は健気に毎月8万円を家に入れています、自分が不幸な環境にあることをグッと飲み込んで頑張る宮田、しかし、バイト仲間の江永の壮絶な家庭事情を聞いて、自分の不幸など取るに足らないのだと愕然とします、江永もまたそんなことを乗り越えて逞しく生きていこうとします、学友の木村は親からの仕送りで暮らす裕福な学生だが、木村もまた過保護な親との関係に悩んでいて・・・

 

とにかく、悲惨で悲しい環境の学生が3人登場します、不幸が消える気配はありません、はたしてこの映画のテーマはなんなんだろうと思案しながら観ていました、不幸の度合いに重い軽いは無いという事か?愚劣な親の責任を問うのか?それとも、やはり家族の絆の大切さを説くのか?

 

予想は外れて、エンディングでは大きな愛のようなチカラがすべての不幸と罪を包み込んでしまいます、劇中で2人の母親が 『あなたを愛している』というセリフを娘に連発します、なるほど、そういう事か、家族という形態を「愛されなくても別に」側から切り取った珍しい作品、

 

こんなにも不幸満載の映画なのに観後感がとってもヨカッタです、観終わった後には宮田と江永がこれからをしっかり生きていくという確証が得られます、主演の南沙良は存在感あり、若手監督の力量に拍手、必見です、

 

 

(スクリーンで鑑賞)「フォーチュンクッキー」

(★★★☆)(2023年米国)(原題:Fremont)

米国に移住したアフガニスタン人の女性の生活を、抑揚のない語り口で描く独立系シネマ

 
07フォーチュンクッキー

カリフォルニア州フリーモントで中国系企業のクッキー工場に勤めるドニヤはアフガニスタンから移住してきた、“フォーチュンクッキー”に占いの紙を詰める淡々とした作業、ボーイフレンドを作る気もない、そして、アフガニスタンでの経験から不眠症に悩まされている、ある日、フォーチュンクッキーに入れる“占い文“を書いていた女性が急死、代わってドニヤが“占い文”を書く担当になる、鬱々とした気分の日々、ドニヤは自分の携帯番号を書いた占い文を1枚だけクッキーに入れる・・・

 



モノクロ映像で淡々と語られるドニヤの日常、抑揚の無い語り口で物語は淡々と進みます、正直、平坦過ぎてちょっと眠たくなる時間帯もありました、

 

ドニヤが自分の携帯番号をクッキーに入れたことから、物語が意外な方向に展開!!するかと思いきや、なんとその“占い文”はクッキー工場関係者の手に、ドニヤの立場も危うくなります、それでも未知の男から連絡があり、ドニヤは待ち合わせの場所までクルマで向かう事に・・・あれ?これは・・・

 

ドニヤが不眠症の治療で訪れる神経科医、この医者が結構病んでいるように見える皮肉が面白かった、そして、終盤で登場する「白い鹿」、あれはいったいなんの象徴だったのでしょうか?分かりませんでした、

 

評価が難しい作品ですが、酷い出来でも無い、ワタシの評価は少しオマケ、鑑賞して評価を聴かせてください、

 


(自宅で鑑賞)「ヘッドオブ ステイト」

(★★★☆)(2025年米国)(原題:Heads of State)

米国大統領と英国首相の乗ったエアフォース1が撃墜されるが・・・

 
07ヘッドオブステイト

スペインでの作戦に失敗、CIAMI6は多くの犠牲者を出し、最高機密システムにもアクセスされてしまう、欧州での国際会議に出席する米国大統領ウイルは英国首相サムと事前会談、しかし2人は水と油、スペインでの作戦失敗もあり殴り合い寸前に、なんとか両国の友好的ムードを醸成しようと、2人は大統領専用機エアフォース1で一緒に移動することにするが、謎の組織により撃墜されてしまう、大統領と首相も死亡したと報道されるが…

 



なかなか面白いスパイアクション映画でした、米国大統領は共和党、穏健な英国首相と話がかみ合いませんが、墜落するAF1からなんとか脱出した2人は組織の追跡を受けながら、なんとか反撃に出ようとします、その中で徐々に縮まる2人の距離、というのが物語のエッセンス、ここらは結構楽しめます、

 

最高機密システムを手に入れた悪の組織はしつこく2人を追い詰めます、次々と打ち破られていくセーフガードと犠牲になっていく政府職員たち、冒頭のスペイン工作で失敗を犯したMI6の女性エージェントも敗者復活戦で応援参加、弔い合戦の様相でラストまでテンポよく転がり続けます、ガンファイトと接近戦アクション、そしてユーモアたっぷりの2人の会話、休日ののんびり鑑賞にピッタリです、

 

Amazonプライムの最新作、サブスクで視聴可能です、観て損はなし、

 


(自宅で鑑賞)「オールドガード2

(★★!☆☆)(2025年米国)(原題:The Old Guard 2)

古代より不死の戦士として戦ってきたオールドガードシリーズの第2


07オールドガード2 

不死の戦士アンディは“死ぬことができる”存在として最後の闘いに臨もうとしていた、不死者の裏切り者ブッカー、アンディに復讐を誓うクイン、アンディはクインの誤解を解こうとするが聞き入れられず、仲間6人と共にブッカーとクインの罠が待つ場所に向かい、最後の決戦を挑む・・・

 



5
年ぶりの新作、前作も鑑賞しましたが筋立てはすっかり忘れていました、ので、どうも“不死者”に関する前半のやり取りは理解できない部分が多かったです、何千年と生きて来たアンディは、前作で“不死者”から普通の人間に変わったようで、仲間にも不死でなくなる現象が現れ、彼らはあれこれ悩み問答するのですが・・・

 

途中で気づきました、これって3部作ですか、3作目もあるよね、きっと、なので2作目特有の間延び感が中盤を覆います、いろいろ理屈が並ぶ退屈な時間、3作にするための時間稼ぎ^^)そう思って観ると最後の決戦で決着がつかないのも当たり前、脱不死者の死者も出ますが、決着はシリーズ3作目に先送り、う~ん、仕方ない、最後まで見届けましょう、

 

シャーリーズはスタイル抜群の戦士です^^)頑張ってください、

 

 



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2025年07月07日

先週も4本、「F1」「からかい上手の高木さん」「コンサルタント」「コンサルタント2」

〇(スクリーンで鑑賞)「F1」
(★★★★!)(2025年米国)(原題:F1: The Movie)
F1レースに再挑戦する伝説のベテランドライバーの知恵と勇気と矜持

07F1

事故でF1レースを引退したが、様々なカーレースに出場し続けている伝説のドライバー、ソニー、かつての盟友ルーベンから再びF1チームへの誘いが来てF1レースに復帰する、レースでは奇策を連発、型破りな走行で周りを困惑させるソニーに、チームの若手ドライバー・ジョシュアは敵意むき出し、女性カーエンジニアのケイトともそりが合わない、結果が出なければチームは身売りされる状況、しかし、無謀にも見えるソニーの走行はチームを勝利に導くための老練な手段だった・・・



カーレースには興味なし、が、スクリーンで展開される迫力満点のレースシーンには心が震えました、実際のF1レースを1シーズン追いかけての撮影、そこに物語部分が加えられている訳ですが、ソニーの運転技術と勝利への執念、チーム一体となった闘いの一部始終が違和感なく脳みそを直撃します、こんなレース映画は初めてです、

年齢的限界を超えているソニーは昔と変わらぬアナログなトレーニング、ランニングとボール遊び!?しかし、最新のF1レースは最新テクノロジーの粋を集めた科学の勝負、若手ドライバーもエンジニアもPCやシミュレーターを活用して、コンマ1秒の世界を競っています、レースでは反則技とも思える走行を連発するソニーですが、そこには彼なりの緻密な計算と勝利への方程式が隠されていました、徐々にアナログ・ソニーへのリスペクトが高まって行く過程が面白いです、

タイヤ選択、タイヤ摩耗のリアル計測、エンジニアとピットクルーの仕事、そして2台1チームの意味、知らないことばかりでしたが、めちゃくちゃワクワクします、ワクワクこそが映画の本質、成功しましたね、

ソニーが担ぐ言(げん)、トランプカードの件は良く分かりませんが、靴下は左右違うものを履いてみようと思いました^^笑)ぜひスクリーンで観てください、


(★★★!☆)(2024年日本)
10年ぶりに母校へ教育実習で帰って来た高木さんと幼馴染のコメディラブストーリー

07からかい上手

10年ぶりに島の母校に教育実習で帰って来た高木さん、その学校には同級生の西片(にしかた)が体育教師として勤めていた、2人は幼馴染み、明るく快活で行動的な高木さんは中学生のころから西片の事をからかい続けていた、内気な西片はそんな高木さんがどうも苦手だ、教育実習期間は大人になってからも高木さんに振り回されることになる西片だが、10年前に抱いていた高木さんへの仄かな恋心が蘇ってくる・・・



島の中学校の同級生と10年ぶりに再会、この設定だけで今から始まる恋物語の爽やかさが浮かんできます、カラッと元気でいつも笑顔の高木さん、なかなか本当の気持ちを伝えられない内気な西片とのコントラスト、これだけで微笑ましく、ずっと観ていられるラブストーリーですが・・・もちろん、高木さんにも言い出せない秘密があります、

不登校の生徒と合唱部部長の才媛の恋が、高木さんと西片の恋の行方にも小さなさざ波を立てます、この辺りは原作コミック(未読)にもあるのでしょうか?ちょうど良い頃合いのスパイスが効いたホンワカ良作です、休日ののんびり鑑賞にどうぞ、

(★★★!☆)(2016年米国)(原題:The Accountant)
超優秀会計士にて凄腕暗殺者、不正経理を見抜いたことから陰謀に巻き込まれる

07コンサルタント

ウルフは超優秀な会計士、ある巨大企業の財務調査を請け負い、膨大な資料を読み込んでいく、そして複雑に隠蔽された不正を見事に見つけ出す、しかし、その会社の財務責任者が不審な死を遂げ、ウルフと共に財務資料を整えていた助手のティナにも危険が迫る、凄腕の暗殺者でもあるウルフ、不正経理の発覚を恐れた黒幕が送り込んだ殺し屋を撃退し反撃に出る、



堅物の会計士と凄腕暗殺者という設定がまず成功しています、どちらもウルフが持つ特殊な能力(おそらくサヴァン症候群)です、ウルフの場合は数字、そして集中力が必要とされる暗殺にその才能が特化しているようです、それでいて格闘戦でも抜群の俊敏さも持ち合わせている、というのはちょっと超人過ぎるかもしれません、その上、同じ能力を持つ子供たちを擁したバックアップ組織も機能します、強い味方、

物語は少し複雑に展開します、財務調査に協力したティナは保護されますが、黒幕は執拗に暗殺者を送り込みます、事件が連続したため財務省調査官も出動、調査官はクリスチャンの正体を掴みかけます、双方から追われるウルフ、そこに刺客として現れたのは、なんとウルフの弟ブラクストン!彼もまた一流の暗殺者だったのです、

とまあ、あれやこれやと騒ぎは大きくなりますが、ま、しっかり一段落、財務省の追求は尻切れトンボかな?と思ったら、、、2025年のシリーズ2作目はしっかりこの物語の続編でした、


(★★★!☆)(2025年米国)(原題:The Accountant 2)
9年ぶりの続編、物語は前作直後の展開、またまた複雑な展開のアクションサスペンス

07コンサルタント2

財務省のキングが暗殺される、彼のダイイングメッセージは『コンサルタントを探せ』、捜査官のメディナはウルフに接触、捜査協力を依頼する、彼の特殊な分析能力で一夜にして1人の女が容疑者とその背景にあるが浮かび上がる、容疑者を追い詰めるためにウルフは弟のブラクストンを呼び寄せ、2人で非合法的な捜査を強行、メディナは合法的な捜査を主張、2人に捜査から手を引くように迫る、しかしウルフにはこの捜査を完遂しなければならない理由があった・・・



ウルフを追い詰めるはずの財務省の上役が暗殺され、ウルフがその捜査に協力するという逆転からスタート、そこに弟の暗殺者ブラクストンも参戦、財務省捜査官と3人4脚の捜査が始まりますが・・・ウルフもブラクストンも遵法意識は全くなし、違法捜査に脅迫・拷問、これにあきれたメディナは戦線離脱、捜査は打ち止めかと思いきや、ウルフは容疑者の女性とその息子が追い込まれている状況までも見抜きます、ここから物語は南米コスタリカの人身売買組織との戦いへと展開していきます、

容疑者の女性も交通事故からサヴァン症候群を発症、天才的暗殺者となったという設定、サヴァン症候群同士の決闘になるかと思いきや、ウルフの心根はそんなところにはありませんでした、天才暗殺者2人の安寧の場所はもうないですが、それでも未来への希望はバックアップ組織に残ります、

ちょっとアクションの要素が強くなり過ぎたかもしれませんが、物語の筋立ては案外気に入りました、サブスクで放送中です、




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2025年06月30日

先週も4本、「脱走」「ジャンクワールド」「荒野のストレンジャー」「エクステリトリアル」

〇(スクリーンで鑑賞)「脱走」
(★★★!☆)(2025年韓国)(英題:Escape)
北朝鮮国境警備部隊から脱走を計画していた兵士が巻き込まれる厄災

06脱走

北朝鮮国境警備部隊のギュナム軍曹もうすぐ兵役を終える、が、それまでに国境を越えて韓国への亡命を計画していた、トンネルを掘るなど周到に準備を進めていたギュナムだが、部下のドンヒョクに計画を気付かれてしまう、ドンヒョクは自分も一緒に韓国へ亡命したいと申し出るが、ギュナムはこれを受け流す、とある晩、ドンヒョクは単独での脱走を決行、しかしすぐに捕まってしまい、ギュナムも共犯として逮捕されてしまう・・・



タイトルや予告編から“ひたすら逃げまくる”ロードムービーかと思いきや、ギュナムが逮捕されてから物語は意外な展開をみせます、共犯として逮捕されたギュナムを救い出したのは幼馴染で今は保衛部
(憲兵隊?)のヒョンサン少佐、ギュナムを脱走犯逮捕の英雄として救い出し、師団本部付きの役職を与えます、これで軍の中で安泰に暮らせとギュナムを諭しますが、ギュナムはヒョンサンを出し抜き、今度は本当に脱走、監禁されていたドンヒョクも救い出します、2人の脱走は果たして成功するのか?

何度もドンヒョクに出し抜かれる北朝鮮軍幹部の怠慢ぶりをチクリと揶揄しながら、韓国への帰順を呼び掛けるプロパガンダ映画のようにも見えます、韓国への帰順、最後はやはり38度線に向かって走るしかないようです、走って走って走って、果たして2人は自由を手に入れることができるのか?目の前の国境線が遠いです・・・


〇(スクリーンで鑑賞)「ジャンクワールド」
(★★★!☆)(2025年日本)
たった一人で映画「ジャンクワールド」を作り上げた監督の第2作はパワーアップしています

06ジャンクワールド

人類とマリガンとの停戦協定が結ばれて230年、人類は地上に、人類が作り出した人口生命体マリガンは地下で別の文明を築いていたが、地下世界で新たなパワーが発生、その真相を確認するために女性隊長トリス率いる調査隊が派遣されることになるが、早々に謎の敵の攻撃を受け調査隊は壊滅、生き残ったトリスらは帰還を目指すが・・・



たった一人で1本の映画「ジャンクヘッド」(2017年)を作り上げた監督のシリーズ第2作、前作よりパワーアップした内容となっています、まず登場キャラが盛り盛り3倍増、ストップモーションアニメーションのシーンも相当チカラの入ったものになっています、105分間観ているとほぼ人間の動きに見えて来るから不思議^^)

登場人物は全編『謎の言語』をゴニョゴニョと話すのですが
(日本語字幕付き)、この喋りが面白い!なにやら日本語らしきフレーズが絶妙の距離感を持って聞こえてきて楽しいです、今回もスタッフ表記はほぼ監督さん一人、でも今回はそれなりの応援スタッフがいるようです、エンドタイトルの制作シーンも興味深いです、

物語は『スターウォーズ』を思わせるスペースオペラ的展開、地上から送り込まれる姫が乗る戦闘ロボットもカッコよかった、けど姫はホントに死んでしまったのか?

これを
(ほぼ)一人で作り上げた監督に栄光あれ!次回作でシリーズ完結だそうです、フォースと共に^^)

(★★★!☆)(1972年米国)(原題:High Plains Drifter)
西部の町に現れた風来坊の正体は?C・イーストウッド監督作品の不思議な西部劇

06荒野のストレンジャー

西部の町ラーゴに風来坊が現れる、抜群のガン捌きで町の荒くれ者をあっという間に射殺、それを見ていた保安官はなぜか風来坊に町の用心棒を依頼する、1年前、この街を牛耳っていた悪党3人を逮捕することに成功したが、その3人が刑期を終えて出所、復讐にこの町へ戻ってくるのではと町中が怯えていた、興味を示さなかった風来坊だが、保安からの破格の提案に用心棒を引き受けるのだが、どうもこの風来坊には裏の顔があるようだ、、、



クリント・イースドウッド2作目の監督作品、勧善懲悪の物語かなと思いきや、イーストウッドらしくそこは一筋縄ではいきません、ラーゴで起こった1年前の出来事が徐々に明らかになるにつれ、なにやらこの風来坊も関りがあるのでは?という思わせぶりな演出が続きます、そして3人の悪党との対決の時、風来坊は奇怪な行動に出ます、そしてあっさり3人の悪党を始末してしまいます、

さて、この最強の風来坊はいたい何者なのか?最後のセリフからある想像が湧きたちます・・・え!?それじゃあこの風来坊は!?まさか・・・この辺りの感触を邦題が取り入れています、

半世紀前の作品ですが、西部開拓期が舞台なので(衣装や小道具は今と同じで)全然古びていません、観応えあり、鑑賞おススメします、原題は『高い平原の放浪者』みたいな意味、

2017年にも鑑賞したようです、その時の映画評を加筆して再掲載しました、省エネ投稿^^)



(★★★☆☆)(2025年ドイツ)(原題:Exterritorial)
フランクフルトの米国領事館内で子どもが忽然と消えてしまう!母親の訴えは通らない

06エクステリトリアル

元特殊部隊員のサラ、米国で新しい就職先が決まり息子と2人で出国手続きのためフランクフルトの米国領事館を訪れる、手続き中のわずかな間に息子の姿が見えなくなる、サラは警備員に息子を探すように訴えるが、監視カメラの映像にはサラ一人だけの姿しか映っていない、領事館幹部はサラが精神的な混乱を起こしていると判断、彼女を拘束するがサラは脱出、たった一人で息子の行方を追い始める・・・



米国領事館内だけで物語は進行します、さっきまで確かにいたはずの息子がいなかったことにされる恐怖、鑑賞者としてはサラの妄想なのか?それとも何者かの陰謀なのか?判然としないまま、サラの単独抵抗が続きます、この辺りの展開とサラのアクションはそれなりにサスペンスあり、

さて、真相は?徐々にエスカレートする領事館幹部と警備員、そして領事館長さえも怪しく見えてくると、真相も近づいてきます、耳慣れない「エクステリトルアル」とは「治外法権」のこと、ドイツ国内でハリウッド的アクション映画を作りたかったのかな?^^)




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