2024年01月22日

先週も4本、「あの花が咲く丘で、君とまた会えたら。」「カラオケ行こ!」「レザボア・ドッグス」「真夜中の虹」

(★★★★☆)(2023年日本)
女子高生が昭和20年6月の日本にタイムスリップ、特攻隊員と恋に落ちる

01あの花の

高校3年生の百合、進路をめぐって教師や母親とうまくいかず、家を飛び出し街はずれの防空壕跡に迷い込み眠り込んでしまう、眼が覚めるとそこは昭和20年6月の日本だった、訳の分からぬまま彷徨う百合を特攻隊員の彰が助け、陸軍御用達の食堂の女将ツルに預ける、戦況が刻々と悪化する中、懸命に生きる市井の人々を見て百合は戦争の虚しさと命の大切さを知る、そしてついに彰にも出撃命令が下る、、、



タイトルやキャスティングから甘い恋物語かと思いきや、硬派な反戦メッセージ色が強い映画でした、戦闘シーンや航空機の表現にリアリティにかけるパーツもありますが、そもそも戦争映画ではないと考えると納得のいく範囲です、

百合が現代に戻ってきてからの映画的レトリックがよく効いています、エンドロールが終わってもすぐに立つ観客はほとんどいません、みんな泣いています、観客のほとんどが10~20代、彼ら若い世代に若い俳優のセリフで戦争の虚しさと命の大切さを伝える、この方法論が有効であることが証明されたような気がします、ぜひの鑑賞を!


〇(スクリーンで鑑賞)「カラオケ行こ!」
(★★★★☆)(2024年日本)
合唱部の高校生とやくざとのカラオケ交流!?

01カラオケ

中学合唱部長の聡美、聡美は変声期を迎えていてコンクールに出るかどうかで悩んでいる、ある日、見知らぬ男狂児にカラオケに連れ込まれる、狂児は地元のしがないやくざで聡美が合唱部だと知りカラオケを教えてほしいと頼み込む、あっけにとられる聡美だが、どうも狂児を憎み切れない、徐々に2人の距離が近くなり奇妙な関係が続くが、ある日、狂児はやくざ仲間からの恨みを買い襲われる、、、



中学生とやくざ、どう考えてもあり得ないシチュエーションですが、主演の2人がその不自然さを感じさせない好演、綾野剛がカラオケで唄いまくるのが、それだけでなんか面白い、中学合唱部内の悩みや揉め事も、みずみずしく微笑ましい、地元やくざの悲哀もある、上手に作られた物語、原作コミックと映画に相乗効果が生まれた好例かな、ラストの映画的レトリックは「パッチギ!」の熱唱を思い出させます、観て損は無し、



(★★★★☆)(1991年米国)(原題:Reservoir Dogs)
犯罪者8人のクライムサスペンス、タランティーノ第1回監督作品

01レザボアドッグス02

大きなヤマのためにボスのもとに集められた7人の男たち、お互いの名前も素性も知らず、仕事が終われば二度と会わない予定だったが、宝石店襲撃現場には警察が待ち伏せており2人が死亡、瀕死の重傷のオレンジを連れてアジトに戻ったホワイトとピンク、内通者がいたと互いに疑心暗鬼になる、ボスと他のメンバーもアジトに現れる、ボスはオレンジが刑事だと告げるがホワイトは承服できない、現場は一触即発の緊迫した状態になる、、、



タランティーノ監督が世に出た第1回監督作品、派手な襲撃シーンや銃撃戦描写は少なく、どちらかというと心理劇と男たちの友情劇、低予算でも面白い映画が作れるという見本、タランティーノも出演していますがあっけなく退場、

冒頭15分ほどの無意味と思える8人の会話、あっけなく死んでしまう男たち、そしてラストは「椿三十郎」のような決闘劇、そしてすべてが失われるという東洋的世界観の結末、タランティーノ独特の語り口が100分間のサスペンスを支えています、デジタルリマスター版でサブスクとスクリーンでリバイバル公開中、


◆(自宅で鑑賞)「真夜中の虹」
(★★★!☆)(1988年フィンランド)(原題:Ariel)
新しい生活を目指す男の失敗と復活

01

鉱山の閉山で職を失ったカスリネンは友人からもらった車で温暖な南を目指す、が、いきなり暴漢に襲われ全財産を奪われる、港湾労働でなんとか喰い繋いでいる時、母子家庭の母親イルメリと知り合い同棲を始める、少しずつ生活が安定するかと思えた時、カスリネンを襲った暴漢と偶然出会い、揉み合いになり警察に誤認逮捕され服役することに、、、



寒々しい風景と淡々とした語り口、なんか「過去のない男」と似たお話だな、と思って観ていたら同じ監督でした、フィンランドを代表する監督でカンヌグランプリ、ベルリン監督賞などを受賞、

北欧映画というのは独特のテイストがあります、夏が短いとこういうカルチャーが生まれるのかな、とか思ってしまいます、ちと暗いけど不思議と観後感は悪くありません、




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2024年01月15日

先週は4本、「PERFECT DAYS」「ゴースト」「BADBOYS FOR LIFE」「僕の歌がきこえたら」

〇(スクリーンで鑑賞)「PERFECT DAYS」
(★★★★★)(2023年日本)
一日一日を丁寧に判で押したような完璧な1日をおくる男、それでも少しずつ人生は動く

01PERFECTDAYS

トイレの清掃員平山、決まった時間に起床、布団をたたみ、歯を磨き、缶コーヒーを飲み、トイレ清掃の仕事をまじめにする、帰宅して銭湯に行き、居酒屋で少し酒を飲み、文庫本を読み、寝る、毎日毎日、判で押したような完璧な生活をする平山だが、まったく同じ1日は無い、仕事の同僚、同僚の彼女、いつもいるOL、踊る老人、スナックのママ、そして現れる親族、平山の生きる作法は変わらない、それでも平山の人生は少しづつ前へ進んでいく、、、



素晴らしい作品です、久しぶりにスクリーンに集中できました、物語が素晴らしいというより、監督が表現したかった思いがひしひしと伝わってきたので圧倒されました、

平山は送るPERFECT DAYS、それでも同じ1日などない、冒頭、平山の判で押したような生活の描写が続きます、20分ほどで平山が発するセリフはほんの少し、平山の行動をきめ細やかに描写することで、彼の人となりがクッキリと見えてきます、変わらぬ毎日を送っているようで、少しずつ変わっていく人生、カセットテープの音楽、寺の境内で見つけた若葉、フィルムカメラで撮る木漏れ日、すべてが少しずつだけど変化していきます、

親族が現れることで、平山の素性にも少し光が当たります、彼がトイレ清掃員をするようになったきっかけは明かされませんが、そこに何かがあることは間違いない、監督は説明など一切しない、平山のあいまいな微笑みだけで、そこにあるなにかを感じさせることに成功しています、役所広司、名演、

市井の穏やかな生活が物語になることをベンダース監督が証明、日本アカデミーの作品賞と主演男優賞、監督賞、この作品で決まりかな、オスカーの外国映画賞も期待できます、


(★★★★☆)(1990年米国)(原題:Ghost)
事故で死んでしまった恋人のゴーストが事故の真相を暴く

01ゴースト

NYで新居を構え幸せの絶頂にいるモリーと銀行員のサムの2人、サムがポロポーズをした夜、2人は暴漢に襲われサムが殺されてしまう、が、サムは成仏できずにモリーの周りを彷徨うことに、サムの同僚のカールが傷心のモリーに接近するが、彼こそが銀行での不正を隠すためにサムを襲わせた黒幕だった、、、



ゴーストと言ってもまったく怖くありません^^)サムは同じ姿カタチでモリーの周りにいますが、サムの声は聞こえないし、サムは物をつかむこともできません、カールの悪事に気付いたサムはなんとかモリーにそのことを伝えようとしますが伝わらないもどかしさ、ところが霊の言葉が聞こえるというインチキ霊媒師が、実はホントの超能力者だったことが分かったことからサムの奮闘が始まります、

細かなところはツッコミどころ満載、でもハリウッドお得意の恋愛コメディ、ではなくて恋愛ファンタジーという新ジャンルで成功、大ヒットを記録した作品です、デミ・ムーアも可愛い、休日のお気楽鑑賞にぜひ、



◆(自宅で鑑賞)「BADBOYS FOR LIFE」
(★★★!☆)(2020年米国)(原題:Bad Boys for Life)
マイアミ市警のはみ出し刑事2人の活躍、久々のシリーズ第3作

01バッドボーイズ

マイアミ市警の敏腕刑事コンビ、マイクとマーカス、マーカスは寄る年波に勝てずそろそろ引退を考えている、そんな時、刑務所から麻薬組織の女が脱獄、するとマイクがいきなり銃撃され重体に、元判事や捜査官なども次々と殺害される、ITを駆使して操作する若手チームが捜査に乗り出すが、快復したマイクもそれに参加、捜査を進めると以前マイクが潜入捜査で暴いた事件の黒幕が浮かび上がる、、、



まだあったんだ、バッドボーイズ、17年ぶりの新作だそうです、そりゃマイクとマーカスも引退を考えるわ^^)

一連の事件がマイクへの復讐というのはすぐに分かりますが、その奥底にある犯人とマイクの因縁はちょっとあざとすぎるような気もします、ウイル・スミスは親子ネタが多いからそれにあやかって出来た物語かな?ま、楽しく鑑賞できるので良いか、第4作の話も出ているようです、ハリウッドネタ切れ問題です、



(★★!☆☆)(2021年韓国)
稀有な音楽才能を持っているのに人前では披露できない青年の成長物語

01僕の歌

借金まみれの音楽プロデューサのミンス、街中で偶然聞いた青年チフンの歌声にほれ込む、世の送り出してやるから一緒にツアーに出ようとチフンを誘うが、子供の頃のトラウマでチフンは人前では歌うことが出来ない、一計を案じたミンスはチフンと共にどさ回りのツアーに出る、



なにかエエ感じの物語かなと思ったら、主演がアイドルグループのボーカル、アイドル映画でした、人前で歌えないというトラウマを克服していく過程が見どころのはずですが、どうもリアリティがない、で、最後は主演歌手のVPみたいな状態に、、、ファンは嬉しいでしょうが、映画としては今一つ、




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2024年01月09日

年末年始は6本、「グランド ブダペスト ホテル」「バベットの晩餐会」「レベルムーン炎の子」「SPY×FAMILY CODE: White」「市子」「パイプライン」

(★★★★☆)(2014年米国)(原題:The Grand Budapest Hotel)
欧州の高級ホテルベルボーイの奇想天外な冒険奇談、オスカー4部門受賞

01ブダペスト

アルプスの麓にある高級ホテル“グランド ブダペスト ホテル”、コンシェルジュのグスタフは常連客に最高のサービスを提供している、新人ベルボーイのゼロは不法就労者、ある日、常連の伯爵夫人がグスタフに家まで送ってほしいと懇願するが、グスタフは丁重に辞退する、その後、自宅で伯爵夫人が亡くなったことを聞き、送っていかなかったことを後悔したグスタフはゼロを供に従え葬儀に出席する、そこで夫人の遺言により傑作絵画「少年と林檎」がグスタフに遺されたことを知る、これに息子ドミトリーが激怒、引き渡しを拒否する、グスタフとゼロが深夜に「少年と林檎」を盗み出した事から2人の奇妙な逃避行が始まる、



架空の高級ホテルから物語は始まります、完璧な仕事をするコンシェルジュと不法就労者のベルボーイの30年余りに渡る友情と冒険奇談、高価な絵画の争奪戦がテーマですが、色彩・衣装デザイン・人物造形とも独特で、奇想天外な空想物語・絵空事だと思いきや、その人物キャラクターが浮かび上がってくると、妙に友情物語にも気持ちが入ってしまいました、これは名作かも、

米国アカデミー賞の美術・衣装デザイン・メイキャップ&スタイリング・作曲の4部門受賞作品、ぜひの鑑賞をお勧めします、



◆(自宅で鑑賞)「バベットの晩餐会」
(★★★★☆)(1987年デンマーク)(原題:Babette's Feast)
質素に暮らす村人たちとパリから逃げ延びてきた女性の心温まる晩餐会、

01バベット

デンマークの辺境の漁村、牧師の娘2人は村人に奉仕することを生きがいに質素につつましく暮らしている、そんな姉妹の家をフランスパリから女性バベットが訪ねてくる、パリコミューンにより資産階級だった夫と家族を殺害され、2人を頼ってきたのである、無給で家政婦として働くこと10数年、姉妹に奉仕し続けたバベットに幸運が舞い込む、宝くじに当たり大金を手に入れる、バベットはそのお金で村人を招いて晩餐会を開きたいという、、、



貧しい漁村、姉妹も村人も全員善人、でも狭い村ではいさかいが無いわけではない、そんな村にやってきたバベットも何も望まず生きていきます、21世紀には無くなってしまった生活風景、これだけで心が癒されます、宝くじで大金を手に入れても予想に反してバベットは村を去ることはなく、大金を投じて村人を招いての晩餐会を開きます、フランス料理に懐疑的だった村人の凝り固まった心もバベットの美味しい料理で徐々にほぐれていき、、、

姉妹の姉に恋心を抱きながら村を去った軍の士官がバベットを村に導きます、奇跡の晩餐会にも士官は出席、バベットの料理を絶賛、いさかいがあった村人たちも温かい気持ちに包まれていきます、ほとんど事件が起きない物語ですがバベットの良心が心にしみこんできます、良質なグルメ映画でもあります、ホントに美味しそうなバベットの晩餐でした、

ぜひ鑑賞してください、第60回米アカデミー賞外国映画賞受賞作品、



(★★★!☆)(2023年日本)(原題:Rebel Moon: Part One - A Child of Fire)
強大な帝国に戦いを挑む戦士たちを描くスペースオペラ

01レベルムーン

辺境の惑星の貧しい農村に帝国の宇宙戦艦が来襲、来季の収穫をすべて帝国に差し出すよう強要し去っていく、従うしかない農民、監視に残った兵士が村の娘を襲ったことから、帝国から追われ村に身を潜めていた若き女性戦士コラが兵士を倒してしまう、帝国と戦う決心をしたコラは伝説の将軍タイタスを味方につけるために宇宙への旅にでる、、、



貧しい農村の収穫を略奪する帝国軍、立ち上がる農民、コラが旅先で出会う戦士たち、もう「七人の侍」へのオマージュ以外のナニモノでもないのは誰が観ても分かります、戦士の数も七人になるのかな?と思って数えていたら、どんどん増える味方の戦士、あれ?七人を超えますけど、あ、この戦士は死んじゃうんだ、とか、こいつは裏切るんだ、とか、あのロボットは戦士の数には入らないのか?とか、ま、あれこれ興味の種はあります、

SWシリーズのオリジナリティにも敬意を払っているのも、クロサワの流れから考えると自然なこと、既視感があるビジュアルデザインが作品の評価を下げているようですが、ワタシはこういうなん好きです^^)パート2も観ます、



〇(スクリーンで鑑賞)「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」
(★★★☆☆)(2023年日本)
普通の家族を演じるスパイと殺し屋の両親、超能力を持つ娘が陰謀に巻き込まれる

01スパイファミリー

父は一流のスパイ、母は凄腕の殺し屋、娘は人の心が読める超能力者、3人は他人だが任務のためにお互いの正体を隠して家族を演じている、娘が学校の調理実習で優勝できるように、有名レストランのデザートを真似るために旅に出る、そこで娘が軍の機密を記録したマイクロフィルムを飲み込んでしまったことから、世界大戦勃発の危機に瀕する!



もちろん原作コミック未読、わりと評判が良いので観ました、まずまずかな、どこかで見たことがあるような作られた家族、スパイと殺し屋は互いの素性を隠すことにアタフタ、家族のままでいたい娘は人の心が読めることを隠している、という設定が巻き起こす大人向けドタバタコメディ、というところ、たしかに映画としては一定のレベルをクリアしたかもしれません、

途中、少しウトウトしてしまったのは、やはりちと退屈な時間があったかからか?大事なマイクロフィルムを飲み込むシーンを見逃してしまいました、失敗、



〇(スクリーンで鑑賞)「市子」
(★★★!☆)(2023年日本)
結婚を決めた翌日に姿を消した市子の行方を追うと、意外な過去が浮かび上がる

01市子

市子は3年間共に暮らした長谷川からプロポーズを受け、心からの喜びを感じる、が翌日、長谷川が家に戻ると、市子の姿はなかった、消息を追う長谷川の前に市子を探す刑事が現れ、市子は存在しない人間だと告げる、わずかな手掛かりを元に市子の故郷を訪ね同級生らに話を聞くうちに、不可解な市子の過去が少しずつほぐれていく、、、



市子の過去自体がこの映画のコア、なのでなかなか記事が書きにくい、刑事が市子を探しているということは、過去にあった事件に市子が関わっているのか?TVから流れてくる豪雨による土砂崩れで発見された白骨死体のニュース、市子ともう一人の少女、察しが付く親切な展開は映画作りとしてはまっとうな姿勢で好感、

唯一の市子の理解者の行く末がちょっと疑問、もう少し救いのある展開があったような気がします、しっかり作られているのに、観後感が良くないのがとても残念、



◆(自宅で鑑賞)「パイプライン」
(★★★☆☆)(2021年韓国)(原題:Pipeline)
パイプラインから石油を盗むプロ集団のドタバタ・コメディサスペンス

01パイプライン

ドリルを扱うとピカ一のピンドリは石油を盗む“盗油”のプロ、大企業オーナーからの盗油計画を持ち掛けられ、溶接工・地下施設・掘削・ITのプロ達と地下パイプラインからの盗油計画を進めるが、様々なトラブルがピンドリたちを襲う、



韓国ではこういう盗油という犯罪が実際にあるのでしょうか?パイプラインに穴をあけて石油を盗んでしまうという荒っぽい犯罪、一括千金を夢見る犯罪者たちだが、ことはそう簡単には進まない、盗油のためのトンネルを掘る5人に、ピンドリを追う警官、仲間たちの仲たがいと裏切り、依頼者の悪だくみとそれなりのサスペンスは仕込まれているのですが、、、

あれやこれやと詰め込みすぎたか、物語はサスペンスをリアリティと引き換えにしてしまい、後半はちょっとまとまりが無くなり、もはやコメディに、韓国映画らしく引っ張りに引っ張りますが、残念ながらサスペンスもなく終了、休日のお気楽鑑賞にでも、






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2023年12月25日

先週は4本、「窓ぎわのトットちゃん」「線は、僕を描く」「シティオブエンジェル」「終わらない週末」

〇(スクリーンで鑑賞)「窓ぎわのトットちゃん」
(★★★★☆)(2023年日本)
幼少期の黒柳徹子を描いた著書をアニメ映画化、自由奔放なトットちゃんの物語

12トットちゃん

なんにでも興味を示し、すぐに行動に移すトットちゃん、授業が進められないという理由で転校を強要される、転校先はユニークな教育方針で様々な子供を受け入れている「トモエ学園」、校長の小林先生はトットちゃんの行動に理解を示し、のびのびと育てていく、友だちとも上手に付き合っていけるようになったトットちゃん、しかし戦争の足音が忍び寄ってくる、、、



ご存じ、日本初のTV俳優 黒柳徹子の6才から12才くらいまでの生活ぶりを描いた物語、今で云う多動症という感じでしょうか、とにかく落ち着きがなく、興味のあるモノをみつけると制御が利かないトットちゃんですが、心根はとってもまっすぐ、足に障害のある友だちとの交流を中心に、トットちゃんの成長と忍び寄る戦争の恐怖、家族と学校の先生の優しさを描いていきます、

原作未読、読まなきゃ行けませんね、おそらく生きていく上での大切な事柄がたくさん書かれていると思います、NHK-TV放送初日から出演し続けている黒柳さん、御年90才、凄いとしか言い様がありません、

エンドロールの歌にガツンとやられました、え!誰!と思ったら“あいみょん”でした、彼女もまた多才なアーティスト、素晴らしい、

ぜひの鑑賞をお奨めします、



◆(自宅で鑑賞)「線は、僕を描く」
(★★★!☆)(2022年日本)
水墨画の世界と出会った青年が生きる希望を見つけて行く

12線は

事故で家族を失い深い喪失感に蝕まれていた青年霜介、アルバイト先で水墨画の大家篠田のパフォーマンスに触れ心を動かされる、篠田からの誘いで篠田に弟子入りした霜介は水墨画技法の習得に励む、そこには霜介がまだ見たことがない世界がひろがっていた、



水墨画という馴染みのないテーマを馴染みやすい物語に変換、それなりに楽しく鑑賞出来ます、が、霜介の弟子入りの経緯や、霜介のライバルとなる篠田の孫娘とのエピソードの細部がどうも荒っぽく感じ、入り込めなかった面も、、、

即興の水墨画パフォーマンスは迫力満点、三浦友和、江口洋介、富田靖子などのベテラン陣の存在感が目立ちます、演技派という評価のある清原果耶ですが、ここでもどうもピンと来ない、

エンドロールが気に入りました、



(★★★!☆)(2023年米国)(原題:City of Angels)
人を死に導く天使が人間との恋に落ちる

12エンジェル

黒服の男セス、死期が近づく人の側に現れると、死を自覚する人にだけ彼が見える、そして穏やかな気持ちで天国へ向かう、そんな生業の天使セス、ある病院で患者を必死に救おうとしている心臓外科医のマギーの行動に心を震わされ、恋に落ちる、何度もマギーの周辺に現れるセスはついにマギーと直接言葉を交わし、天使を止めて人間になることを決心するが、、、



ヴィム ヴェンダース監督の「ベルリン天使の詩」
(1987年)のリメイク、舞台をLAに移し、天使と女性外科医の恋を描きます、、黒服の男達が天使という奇異な世界観は維持されていますが、オリジナルにあった天使の羽根はない、天使は永遠の生命を持っているのですが、その永遠の生命を捨てれば人間になれるよう、先に人間になった天使と出会ったセスは人間になりマギーと結ばれるのですが、、、

マギー役はメグ ライアン、大好きなラブコメディの女王、笑顔がステキなメグですが、今作では患者の死に悩める外科医、劇中でほとんど笑わないのは新しい役柄への意図的な挑戦にみえます、

個人的には好きな作品です、



◆(自宅で鑑賞)「終わらない週末」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Leave the World Behind)
豪邸を借りて優雅な週末を過ごすはずが、不可思議な現象が次々と起こるサスペンススリラー

12終わらない週末

仕事に忙殺される日々を送るアマンダとクレイ夫妻、思い立って海沿いの豪邸をレンタル、仕事を忘れ家族4人での週末を楽しむことにする、が、海辺でくつろいでいると大型タンカーが砂浜に乗り上げ大事故に、さらにインターネットが繋がらなくなり、4人は豪邸で不安な一夜を過ごすことになる、そこに謎の訪問者が現れる、親子とみえる2人はこの豪邸の持ち主だという、事情があり一晩泊めて欲しい懇願され困惑するアマンダとクレイ、さらに不可解な出来事が次々と起こり、、、



とにかく、何が起こっているのか?良く分らないまま、どんどんと追い込まれていく主人公達、不安定なカメラと効果的な音楽がとても上手に使われています、が、恐怖の正体が分らないので、なんでもありの状態になってしまいます、なにやらそれらしい説明があったりもしますが、結局最後までよく分らない恐怖の源泉は??

こんな状態なのに、皆てんでバラバラに行動するのも、突っ込みを入れたくなります、みんなもっと協調性を持って行動しようよ^^)

ジュリア ロバーツ好演も報われず、




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2023年12月18日

先週は3本、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」「チャーリーとチョコレート工場」「ナポレオン」

(★★★★!)(2023年米国)(原題:Wonka)
あのウォンカがチョコレート工場を始めるまでの物語、とても素敵なファンタジー

12ウォンか

世界一のチョコレート店を始めるため「チョコレートの街」へやって来た若き魔法使いウォンカ、性悪な下宿屋に欺されて洗濯屋での強制労働をするハメに、それでも仲間のヌードルらと共にチョコレートを作ってたちまち街の評判になる、しかし街を牛耳る「チョコレート組合」は警察を買収してウォンカの評判を落とすため罠を仕掛ける、さらに謎の小さな紳士ウンパルンパもウォンカのチョコレートを狙っている、、、



「チャーリーとチョコレート工場」の前日譚、若きウォンカがチョコレート工場を作るまでのエピソードをミュージカル仕立てで綴っていきます、実はワタシ、ミュージカルが苦手なのですが、、、とても楽しく鑑賞出来ました、

ウォンカは夢を見るような味わいのチョコレートを作ることが出来る魔法使い、なのですが、どうも要領が悪いというか純真すぎるというか、「チョコレート組合」の3悪人や、警察署長、悪徳下宿屋に振り回されます、でも魔法使いですから^^)仲間のヌードルと共にピンチを切り抜け「チョコレート工場」を見事完成させます、ウォンカのチョコレートを狙っている生真面目なウンパルンパの活躍も楽しい、

家族で楽しめる良質なミュージカルファンタジー、ぜひの鑑賞をお奨めします、

(★★★!☆)(2005年米国)(原題:Charlie and the Chocolate Factory)
謎のチョコレート工場と少年チャーリーに舞い込んだ幸運の結末は?

12チャーリー

両親と4人の祖父母とウォンカのチョコレート工場の街で暮らすチャーリー、父親は失職し毎日の食事にも汲々とする生活、ウォンカは突然5人の少年を工場に招待すると発表、招待券はチョコレートの中に隠されている、世界中の子どもたちがその招待券を求めてチョコレートを買い漁る、チャーリー一家にはチョコレートを買う余裕はないが、祖父のなけなしのへそくりで買った1枚のチョコレートの中になんと招待券が!!チャーリーは4人の少年と付き添いと共に工場に招待される、そこは奇想天外な世界が拡がっていた、



児童小説が原作だそうです、なんとも奇想天外な物語が工場内部で起こります、チャーリー以外の4人の少年と付添の親は曲者ばかり、1人だけに与えられるプレゼントを獲得するために、ずる賢く立ち回ろうとするがそれが裏目に、なんともブラックな運命が彼らを待っています、ただひとり、優しくウォンカに接するチャーリーが手に入れたモノとは?そしてウォンカが手に入れるモノは?

独特の世界観とブラックユーモア、ちょっとワタシのセンスではついて行けないパートもあります、ジョニー デップは当り役かな?う~ん、どうなんだろう?前日譚の方がお勧めかな、



〇(スクリーンで鑑賞)「ナポレオン」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Napoleon)
一軍人からフランス皇帝まで登り詰めたナポレオンの一生を綴る叙事詩

12ナポレオン

18世紀末、革命で混乱するフランス、砲術を得意とする陸軍中佐のナポレオンは対英国戦での手柄で少将に昇進、以降各地の戦いで連戦連勝、総司令官となる、が遠征中に妻ジョセフィーヌは浮気三昧、前線を放り投げ帰国したナポレオンを議会は糾弾するがナポレオンはクーデターを起こし、ついに皇帝の座に着く、英国との戦いのため欧州同盟作りを図るがオーストリアの裏切りでロシアと開戦、モスクワまで攻め込むが冬将軍が立ちはだかり撤退、ナポレオンの破竹の勢いにも陰りが見え始める、、、



誰もが知っているナポレオン、でもその人柄はたしかに知らなかった、そのナポレオンの人となりも描く大河物語、戦術面での秀でた才能はこれまで知られていた通りですが、今作でのナポレオンは神経質で女性コンプレックスを抱える悩み多き男、連戦連勝の将軍と悩める小心者の対比が狙いだったのか?どうも居心地の悪い観後感、、、

前半戦の戦いぶりは流石、氷原でロシア・オーストリア軍を打ち破る段は息を飲みます、最終戦ワーテルローは案外無策、英国軍の冷静さが際立ちます、と戦闘シーンも観所はあるのですが、、、

エンドロールに出たナポレオンの戦績に書かれたフランス軍兵士の死者数がこの映画の真の意図を示しているような気がします、もっとも多くの敵軍を破ったナポレオンですが、その戦いで死んだフランス軍兵士も膨大な数、結局、もっとも自国軍兵士を死なせた軍人ということでもあるようです、そうならば、この映画の観後感の居心地の悪さも納得できます、

監督の意図は如何に?




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2023年12月11日

先週も4本、「テルマ アンド ルイーズ」「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」「バッド デイ ドライブ」「夢を生きた男 ザ ベイブ」

(★★★★★)(1991年米国)(原題:Thelma & Louise)
旅に出た平凡な主婦とウエイトレスが思わぬ厄災を引き起こしてしまうロードムービーの傑作

11ルイーズテルマ

忙しく働くウエイトレスのルイーズ、夫の無理解に悩むテルマを誘って1泊2日のドライブ旅行に出掛ける、テルマは開放感からバーでハメを外し、男からレイプされそうになる、それを救うルイーズ、2人でその場を立ち去ろうとするが、男の一言に切れたルイーズは男を撃ち殺してしまう、そこから2人の最悪逃避行が始まる、、、



主婦のテルマは身勝手な夫に辟易としているが反発することも出来ない、ルイーズは過去に性被害のトラウマを抱えている、ほんの少しだけ自由な時間を得ようと思いついた1泊2日の2人旅、山中のキャンプ場で静かな夜を過ごすはずが、、、ボタンをひとつ掛け違ったことから、次々と起こる負の連鎖、引き返すことの出来ない2人がたどり着く先にあるのは、、、

2人はある程度の友情で結ばれているが、すべてを分かち合っているわけでもない、ルイーズが姉御肌、テルマは気弱な従者というステレオタイプなコンビ、そんなテルマは行きずりの青年(ブラッド ピット)と情を交わして、夫の呪縛から解き放たれてからは痛快な大活躍、2人は広々とした新世界を感じることになるのだが、、、

初演から30年以上経った今観ても色褪せないニューシネマ ロードムービー、リドリー スコット監督作品、2024年2月に4Kレストア版の公開が予定されています、必見の1作、

(★★★!☆)(2023年日本)
「翔んで埼玉」の続編、日本制覇を狙う大阪・神戸・京都、抗うは滋賀・奈良・和歌山

11とんで埼玉02

埼玉の自由と平和を実現した埼玉解放戦線、新たに埼玉県に海を作る計画を実現するため、和歌山の白浜から砂を運ぶことになるが運搬船は難破、流れ着いた和歌山県で、埼玉同様迫害を受ける滋賀・奈良・和歌山の悲惨な実情を知る、一方大阪は神戸・京都と同盟を組み全国大阪化計画を進めていた、、、



関西6県の自虐ネタ・実名満載、食べると大阪人化するたこ焼き拷問、551の蓬莱やだるまの串カツ、くいだおれ人形や滋賀のとびおなど、これでもかと自虐ギャグ連発、ついには琵琶湖の水を止めて大阪に立ち向かうゲジゲジ滋賀県民、兵庫県も神戸市民と芦屋市民だけが、京都はおどいの中の洛中市民だけが大阪同盟に組みするという徹底したディスりぶり、山科も相当攻められています、

バカバカしいにも程が有り過ぎると、それなりの物語世界感が見えてくるという見本、左脳で深く考えてはいけません、なにも考えずに観るべし、関西人は結構笑えます、



〇(スクリーンで鑑賞)「バッド デイ ドライブ」
(★★★!☆)(1923年英国・米国・フランス合作)(原題:Retribution)
運転席のシートから離れたら即爆発、エリート投資会社経営者を襲うリベンジ

11バッドドライブ

投資会社のやり手ビジネスマンのマット、息子と幼い娘を学校に送っていく車の中で不審なスマホが鳴る、謎の発信者はシートに下に爆弾を仕掛けた、シートから降りると爆発すると脅す、半信半疑で犯人の指定した場所に行くと、目の前で同僚が乗っている車が爆発、現場から走り去ったマットは容疑者として警察から追われることに、そして犯人は投資会社の共同経営者の友人を殺害するようマットに命じる、絶体絶命のピンチ、マットは無事子どもたちを救うことが出来るのか?



オリジナルはスペイン映画「ランナウェイカー」
(2015年作品)の英語版リメイク、韓国でも2021年にリメイク(「ハードヒット」)されている物語、運転席のシートから腰を浮かすと即爆発、冷酷な犯人はマットの会社の同僚を目の前で爆死させます、これは怖い、さらに共同経営者の殺害も命令、さすがにこれにはマットもぶち切れて反撃に出ます、

スペイン版は観ていませんが、韓国版はスクリーンで鑑賞、物語の粘着力は韓国版の方が強いです、本作の犯人探しのレトリックは面白いけれど、マットの反撃を聞き入れて真犯人がすんなり姿を現すのは?ちょっと疑問?動機の説得力もちょっと弱い、

ですが、上映時間94分と短いので、ノンストップムービーとして気軽に鑑賞する分にはOK!



(★★★☆☆)(1992年米国)(原題:The Babe)
野球の神様、ベーブ ルースの意外な素顔とその生涯を描いた野球映画

11ザベイブ

1920年、ボルチモアの孤児院に一人の少年が置き去りにされる、この少年の非凡な野球の才能に気付いた神父は熱心に指導、19歳となった少年はマイナーリーグのオリオールズと契約、ホームランを量産して周囲を驚かせる、無類の子供好きで童顔のため彼はベーブと呼ばれることになる、猛烈な求婚で動物好きのヘレンと結婚、オーナーの借金苦のため高額でNYヤンキースへトレードされてからもベーブの活躍は続くが、酒と女性のスキャンダルは絶えず、相手チームの選手や審判とも乱闘するなど、素行は粗野でベーブの人気も陰りが見え始める、そんなベーブに嫌気がさしたヘレンは去り、酒浸りの毎日のベーブに球団も見切りをつける、、、



日本でも神話となっている“野球の神様 ベーブ ルース”、神話となるホームラン量産は知っていましたが、その素顔となるとよく知らない、描かれているのは純粋というか粗野で酒好き女好き、いつも葉巻をくわえている太っちょのベーブ、事実に基づいているのだろうけども、少々可哀想すぎる描写が続きます、それでも、難病の子供を見舞いホームランを2本打ってくれと頼まれた次の試合で見事2本のホームランを打ったり、晩年の外野席を指さす予告ホームランのエピソードはしっかり入っていました、そしてもっとも野球を愛した選手の1人であった事も、、、

2023年、大活躍した大谷翔平が記録を更新した二刀流の元祖でもあります、このベーブと比較される大谷翔平の伝記映画も20年後くらいには作られるかも知れませんな、こちらも楽しみ、

大谷翔平は2023年12月10日早朝
(日本時間)にLAドジャースに移籍決定、来シーズンも楽しみです、





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2023年12月04日

先週も4本、「戦火の馬」「恋愛適齢期」「燃えよドラゴン」「首」

◆(自宅で鑑賞)「戦火の馬」
(★★★★★)(2012年米国)(原題:War Horse)
少年に育てられた1頭の馬が辿る数奇な運命と、それに関わる人間ドラマの傑作

11戦火の馬

第1次世界大戦直前の英国、一頭の仔馬に魅入られた父親は農耕馬の代わりにサラブレッドのジョーイを購入、息子のアルバートは一心にジョーイの世話をし素晴らしい馬に育て上げるが、戦争が勃発、ジョーイは軍用馬として英陸軍騎兵隊将校の愛馬となる、そこからジョーイの数奇な旅が始まる、ジョーイに愛情を抱くドイツ軍の若者、農家の少女、またもやドイツ軍の馬係兵、激しい戦火の中をジョーイは奇跡的に生き抜いていくが、ついに戦場で傷つき力尽きる、、、



素晴らしい物語です、気難しい1頭のサラブレッドのジョーイは農家の少年アルバートと共に農耕生活を送るのか?と思いきや、一転、騎兵隊の軍用馬となります、そこからは主は二転三転、英陸軍騎兵隊将校は戦士、ジョーイを可愛がった独軍の少年兵は脱走、ジョーイがたどり着いた農場の少女もジョーイも愛しますが、またもや独軍に接収されてふたたび戦場へ、

つぶらな瞳の1頭のサラブレッド、馬の命など二の次の戦争、いつジョーイが傷つき死んでしまうのか?ハラハラドキドキ、映画的サスペンスの連続です、同僚馬とジョーイのふれあいも涙を誘います、

第1次世界大戦は機関銃・手榴弾・毒ガス・戦車・飛行機などの近代兵器が登場したことで、それまでの騎士道的な1対1の闘いから大量の戦死者を出す壮絶な闘いへと変貌した最初の戦争、初戦の戦闘描写も、サーベルをかざして突撃する英陸軍騎兵隊が独軍の機関銃の前に全滅してしまいます、まるで長篠の戦い、多くの軍馬も主と共に戦死する様は悲惨の一言、他の新兵器も含めてこの辺りの描写は正確で丁寧、

スピルバーグの手腕が馬と人間のドラマを見事に描き出しました、結末は?鑑賞してのお楽しみです、



◆(自宅で鑑賞)「恋愛適齢期」
(★★★★☆)(2007年米国)(原題:Something's Gotta Give)
恋愛下手の実業家が若い彼女の母親に惹かれていく?

11恋愛適齢期

独身実業家のハリーは若い娘との交際を続ける発展家、恋人マリンの母親の別荘で2人の時間を過ごそうとしていたら、突然母親エリカも現れ一騒動、帰ろうとするハリーだったが結局母親姉妹も一緒に夕食を摂ることに、そこでハリーは心臓発作を起こし病院へ担ぎ込まれる、安静が必要なのでそのまま別荘に留まることになったハリー、エリカは劇作家、新作の脚本を書き上げるため別荘に留まり、ハリーの世話をするハメになる、なにかにつけて対立する二人だが、、、



ハリウッドお得意の大人の恋愛物語、結末が分っていながら楽しく観られるコメディです、ハリーは発展家ですが、実は恋愛下手、本当に人を愛するということがどういう事なのか理解できないでいる、娘の恋人として登場したハリーを母親のエリカは当然認めようとしない、そこにハリーの心臓発作を診断したイケメン主治医も絡んで期待通りの展開になります、

ジャック・ニコルソン、ダイアン・キートンとも嵌り役、若い主治医は「マトリクス」後のキアヌ・リーブスと豪華キャスト、

日本映画ではこういう“洒落た大人の恋愛”モノが少ないですねえ、様にならないのかもしれませんが、これからこういう物語を演じられる俳優さんがいっぱいいると思うので、大人の洒落た恋愛コメディ、ぜひ作って欲しいです、



〇(スクリーンで鑑賞)「燃えよドラゴン」
(★★★☆☆)(1973年米国)(原題:Enter the Dragon)
伝説のカンフースター、ブルース・リーの出世作、4Kリマスターで上映中

12ドラゴン

少林寺の奥義を極めたリーは無敵の強さ、香港で開催される武術トーナメントに参加することになるが、トーナメント主催者は香港裏社会の首領ハン、リーは特命を携えて香港入る、そこには世界中から名うての武術家が集まっていた、トーナメントが始まるとリーはその強さを遺憾なく発揮するが、その裏でハンは組織拡大のための悪巧みを進めていた、、、



初演1973年、彗星の如くハリウッド映画界に現れたブルース・リー、当時の日本でも一大旋風を巻き起こしました、当時の中高生男子は間違いなく『アチョ~~!!』という奇声と共に彼のモノ真似をしたものです、懐古鑑賞、

久しぶりに鑑賞、物語の部分はほとんど憶えていなかったのには自分でビックリ、今観ると音楽や悪の巨大組織の感じは“007シリーズ”を強く意識しているのが分ります、ボンド+カンフーな狙い、

リー自身は1973年に急死、伝説の映画スターになってしまいました、この後、ジャッキー・チェンが現れカンフー映画は全盛期を迎えますが、そのジャッキー、本作ではリーに倒されるエキストラ(役名無し)として出演しています、探してみてください、



〇(スクリーンで鑑賞)「首」
(★★★☆☆)(2023年日本)
北野武監督作品、新解釈で「本能寺の変」前後の戦国武将を描く

11首

天下統一を目前にした織田信長、謀反を起こした荒木村重を追討するが村重は遁走、忍に捕えられた村重は明智光秀に差し出される、村重と交友のあった光秀は村重を密かに囲うことにする、信長の横暴は凄惨を極め、配下の武将の間に不安と不満がくすぶる、密かに天下を狙う秀吉、巧みに立ち回る家康、村重と光秀の仲を察知した秀吉は、それを利用して光秀に信長征伐をたきつける、



合戦シーンの一コマや、信長の残虐な振る舞いなど、部分的には黒澤映画のような空気感をスクリーンに漂わす事には一応成功しているように見えますが、残念ながら大成功とは言えないようです、一番の原因はキャストかな、豪華なオールスターキャストが災いしたようです、台詞回しも影響して秀吉はたけしさんにしか見えず、光秀は西島さんにしか見えなかった、以下同様、唯一、織田信長だけが織田信長に見えたのは役者の力量か?監督の技か?

武将の力関係に男色ばかりが作用しているのも、物語の本筋の魅力を削いだように感じる、過ぎたるは及ばざるが如しか、信長の首取りシーンは面白かったです、




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2023年11月27日

先週は4本、「ライフ オブ パイ」「ユリョンと呼ばれたスパイ」「デシベル」「ジェロニモ」

(★★★★☆)(2012年米国)(原題:Life of Pi)
ベンガルトラと若者が小舟で漂流、極限の状況で生き残りを懸けた漂流生活が始まる

11パイ

インドで生まれ育ったパイ、名前をからかわれたり、淡い恋を経験、多感な少年時代を過ごしていた、両親は動物園を営んでいたが経営が立ちゆかなくなり動物を連れてカナダに移住することになる、動物たちと共に乗り込んだ貨物船に乗り込んでカナダを目指すが、嵐の夜に貨物船は難破、パイはただ一人生き残り漂う救命船に這い上がる、そこには何頭かの動物となんとベンガルトラも乗っていた、、、



なんとも凄い物語です、小説が原作、現実にはこんな状況で生き残ることは無理かな?と思える状況、それも227日間って、、、それでも物語はラストまでなんとか破綻せず、まるで夢を見るような感覚でベンガルトラと少年の漂流記を観ることになります、

227日間、生き残るための最低限の幸運はありました、大人数が乗れる救命船なので水と食料は比較的多量にあった、がトラブルでそれも散逸、パイは冷静に備え付けのサバイバルマニュアルを読み、ありったけの知識を動員して、ベンガルトラとの共存を目指します、動物園のトラとはいえ野生が衰えているわけではない、トラに襲われる恐怖と漂流生活のダブルパニック、

生き残ったパイが過去の経験を語る形で物語は進行、前半はパイの青春賛歌、別の映画のようですが前半パートも楽しめます、お勧めの1本、

半分以上が日本語会話の韓国映画、副題は内容そのまま、分りやすい、


(★★★★☆)(2023年韓国)(原題:Phantom)
日本からの独立のために、朝鮮総督府に潜り込まれた朝鮮人スパイは誰だ?

11ユリョン

1933年日本統治下の朝鮮半島、「黒色団」と呼ばれる抗日組織は「ユリョン」(幽霊)と呼ばれるスパイを朝鮮総督府に送り込んでいた、ユリョンの正体を暴くため、疑がわしい4人の総督府職員を人里離れたホテルに軟禁、日本人警備隊長は24時間以内にユリョンの正体を密告することを4人に求める、誰がユリョンなのか?4人と警備隊長の心理合戦が始まる、



スパイアクションかと思いきや、前半は豪華なホテル内でのお互いの正体を暴き合う虚々実々の心理劇、まるでクリスティの小説のような展開、ユリョンは誰なのか?アット驚く映画的レトリックも結構面白い、個人的には坂口安吾の「不連続殺人事件」を思い出しました、正体が暴かれてからは一転銃撃戦からの脱出劇、そして朝鮮総督暗殺計画へと一気に展開、スパイアクションの触れ込みに応えてくれます、後半パートも楽しめます、

1933年の雰囲気?なのか?ファッションや小道具などが独特の空気感を醸しています、ここも成功の一因ですね、「上海バンスキング」の時代と似ているかな、

この副題も分りやすい、



〇(スクリーンで鑑賞)「デシベル」
(★★★!☆)(2022年韓国)(原題:Decibel)
音量に反応する時限爆弾事件が連続発生、犯人の狙いは?

11デシベル

元潜水艦乗組員の自宅で爆破事件が発生、現場に向かう上官カンのスマホには犯人から連絡が、妻と娘にも危機が迫っていることを知らされる、妻は爆弾処理班のエース、音量時限爆弾の解体に挑むがトラップにかかり入院、そして娘も誘拐されてしまう、犯人の狙いは何なのか?当局の捜査班長は必死に真実に迫るが、上層部の不祥事隠蔽工作も絡み、カンは窮地に追い込まれる、



題名の「デシベル」爆弾は本題ではありませんでした、音量に反応する爆弾の恐怖は映画的にはそれほど機能していません、本題は冒頭15分ほどの海軍艦艇で起こった事故時のドラマ、後半の事故時の真実回想シーンはそれなりに緊迫感があります、

犯人の動機が少々真実味に欠けますが、それでも最後まで集中して鑑賞できました、韓国映画のこけそうでこけない粘り強さに感服、


◆(自宅で鑑賞)「ジェロニモ」
(★★★!☆)(1993年米国)(原題:Geronimo: An American Legend)
合衆国陸軍に最後まで抵抗した族長ジェロニモの生き様を描く叙事詩

11ジェロニモ

1885年、西部開拓が終わりを告げようとしていた時代、アメリカ先住民族は決められた居留地区での生活を余儀なくされていた、最後まで抵抗していた族長ジェロニモも自ら投降、彼を居留地まで護送する任務にゲイトウッド中尉と新人のデイビスの2人があたる、ジェロニモを絞首刑にしたい保安官の襲撃も退け無事護送を完了するが、小競り合いから居留地内で偶発的な銃撃戦が勃発、ジョレニモは再び戦士達を率いて逃走、ゲイトウエイとデイビスは今度はジェロニモ追跡の任務に就くことになる、



騎兵隊とインディアンの戦いというステレオタイプな西部劇ではありません、先住民族ネイティブアメリカンと開拓者の白人との長期の戦いで、先住民族の平和な生活は破壊され失われていった、そんな思いがゲイトウッド中尉の視線の根底にあります、21世紀の現在、その開拓者であった白人だけの国でもなくなったアメリカ合衆国、なにやら人の世界のはかなさを感じる映画でもあります、

ゲイトウッド中尉とジェロニモは友情で結ばれています、しかし互いの立場から目指す場所も利害も一致しない、互いに銃口を向け合うことになりますが、最後は2人とも戦士と軍人の尊厳を守り抜きます、原題にあるが如し、

陸軍幹部をジーン・ハックマン、若い兵士デイビスをまだ無名に近いマット・デイモンが好演、





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2023年11月20日

先週は5本、「正欲」「愛にイナズマ」「駒田蒸留所へようこそ」「335」「七人の秘書」

〇(スクリーンで鑑賞)「正欲」
(★★★★☆)(2023年日本)
あるモノに性的衝動を感じる事をひた隠しにして生きる3人の物語

11正欲

地元のショッピングモールで働く夏月は友だちが一人もいない、優秀なダンサーの大也だが人に心を開くことはない、検事の寺井は不登校の息子のことが理解できない、学校に行くことはふつうのことなのに、なぜそれが出来ないのか?そんな時、夏月の同級生佐々木が横浜から地元に戻ってくる、佐々木と夏月は互いに自分たちが普通の人間ではないことを知っている唯一の間柄だった、、、



多様性、それも性欲の多様性がテーマです、性的フェティシズムを正面から捉えながら、物語は瑞々しく、そして苦しく切ない、普通に生きることが出来ない人の心の葛藤を真摯に描いています、エリート人生を歩む検事、“普通”であることが当たり前で、それを完遂することに生きる意味を見出しています、フェティシズムは彼の世界には存在しない、普通ではあり得ない!普通の人と普通ではない人、そういう構図を突きつけられた時に初めて“普通”の価値と“普通ではない”人の生きる意味を考えさせられます、

新垣結衣が違う顔を見せています、稲垣吾郎はしっかり役に没入、役者魂がぶつかり合うラスト10分の対峙シーンでは2人から期待した台詞は出てこない、夏月は自分の奇異な性癖をけっして吐露することはない、普通ではない事と向き合う覚悟に息を呑みます、希に見る寡黙でスリリングなシーンでした、監督の手腕、

とても良い映画だと思います、観る価値あり、


〇(スクリーンで鑑賞)「愛にイナズマ」
(★★★!☆)(2023年日本)
家族をテーマに映画を撮ろうとしたことで、家族の本当の姿が露わになってきます

11愛にイナズマ

念願の監督デビューのチャンスを得た花子、プロデューサーや助監督に揉まれながらも企画は進行、失踪して行方知れずの自らの母親がテーマの作品なのだが、ある日突然監督交代という憂き目に遭う、自暴自棄になる花子だが、偶然知り合った寡黙な青年正夫の不思議な励ましに支えられ、疎遠だった父親や2人の兄と再会、再び家族をテーマに映画を撮りはじめると、、、過去の家族の秘密がボロボロとこぼれだしてくる、



不思議なテイストの映画だったような気がします、物語のテーマがどんどん移行していくので、あれ?あれ?という感じの展開にちょっと戸惑いました、ワタシがよく分っていないだけか?でも、達者な役者が揃っているので物語が破綻することはありません、それなりにしっかり展開、ラスト前にやっと感じることが出来る家族感にホッとしたのが正直な感想、

個人的には少し長かった、ホッとした後の20分くらいは不要かな?ホッとしたあそこでエンドロールが流れたら、それはそれで心地ヨカッタかも、あくまで個人の感想、

観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「駒田蒸留所へようこそ」
(★★★!☆)(2023年日本)
立ちゆかなくなったウイスキー蒸留所を立て直す女性の物語、アニメ先品

11駒田蒸留所

美術学校に通っていた琉生、父親が逝去、地震被害などで立ちゆかなくなり廃業寸前の家業の駒田蒸留所を継ぐ決意をする、ウイスキー造りを一から学び、借金をし、残っていた原酒で新ブランドを発売、なんとか数年後の新しいウイスキー造りを目指している、家を出た兄は大手酒造メーカー勤務、生き残るために駒田蒸留所の買収を迫る、そんな時、またしても蒸留所を災難が襲う、、、



とっても分りやすい熱血中小企業再生物語、とはいえウイスキー造りの蘊蓄がしっかり活かされていて面白い、新米ライターの成長に、従業員の心意気、家族の再生と上手にエッセンスを織り込みました、ウイスキー造りに惚れ込んだ面々の頑張りが実を結ぶという既視感ある結末にも素直に拍手を送りましょう、

観後感良し、ウイスキー好き、お酒好きの方もぜひ、観る価値あり、



◆(自宅で鑑賞)「355」
(★★★☆☆)(2022年英国)(原題:The 355)
世界を支配できるデバイスを巡って各国の女性スパイが大活躍

11335

世界中のネットワークに侵入できる唯一無二のデバイスが闇市場に流出、世界中の裏組織がこれを狙って暗躍、CIAの女スパイ メイスも単身デバイスに迫るが、ドイツ情報局、コロンビアの諜報機関、そして英国MI6の女スパイも加わり争奪戦は混迷、あと一歩のところでデバイスは裏組織の手先に奪われてしまう、デバイス奪還のため4人は一旦休戦、チームを組んで裏組織追求とデバイスの追跡を再開する、、、


女性スパイ4人が力を合わせると相当破壊力のあるチームになりますが、最強というわけではなかった、一旦取り戻したデバイスは突然現れた中国人組織に奪われ、舞台は上海へ、今や映画資本社会でも中国は無視できない存在、そんな裏事情もありありな感じで女性タッグチームは5人になり^^)ラストへ向かって疾走します、

女性スパイばかりで、髪の毛の色もどんどん変わるし、衣装も変わるし、顔が見分けられないワタシは大混乱、最初の30分は誰が誰やら、敵か味方かサッパリ分らん状態、ま、4カ国のスパイが入り乱れるんだから仕方なし、後半戦は4人がチームを組み、バッタバッタと悪を撃ち倒しまくります、ここらはそれなりにストレス発散はできるかな、

休日のお気楽鑑賞に、



◆(自宅で鑑賞)「七人の秘書」
(★★!☆☆)(2022年日本)
リゾート開発に絡んだ悪事を知った七人の秘書が先入捜査を開始、悪を成敗する

11七人の秘書

メンバーの一人望月がついに結婚することになる、お相手はリゾート開発会社の御曹司、しかし婚約発表の場に新郎は現れず、謎の火災で新郎は行方不明に、開発会社社長九十九道山は政治家と結託、巨額の利益を得るために従業員に過酷な工事を強いていた、この事実を知った七人の秘書は巧みに開発会社に潜入、道山の悪事を成敗する、



TVドラマ版は観ていないのですが、ま、だいたい想像はつきます、7人で戦うというのは黒澤以来のゴールデン面子、個性の組合せの妙とその戦い振りが観所なのですが、、、今作はそこまでの巧みさはありません、

休日のお気楽鑑賞、贔屓の女優さんの応援鑑賞、というところかな、




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2023年11月13日

先週も4本、「ゴジラ-1.0」「私がやりました」「総理の夫」「バビロン」

〇(スクリーンで鑑賞) 「ゴジラ-1.0」
(★★★★!)(2023年日本)
ゴジラ最新作、終戦後の廃都東京をゴジラが襲う!

11ゴジラ

特攻隊の敷島は不時着した島で恐竜のような生物に襲われる、整備部隊は全滅するが敷島は生き残ってしまう、引き揚げて東京でなんとか暮らす敷島、両親を失った典子と赤ん坊を引き取り、生活費を稼ぐために機雷掃海の危険な仕事に就く、そんな時、日本南方で米軍艦が謎の事故で大破、さらに巨大生物ゴジラが東京に上陸、東京の街を破壊し尽くす、敗戦国日本に軍隊はなく、米軍もソ連と対峙しており、ゴジラ殲滅作戦は民間の旧海軍兵士有志に託されることになる、ゴジラ上陸で典子を失った敷島は再び特攻作戦を実行する、



山崎監督・CG白組・制作ROBOTと「3丁目の夕陽」「永遠の0」からの流れを踏襲、安心して観ていられる出来映え、とくに人間ドラマパートは過去の“ゴジラ作品”の中では最高の出来映えではないだろうか?朝ドラ「らんまん」の2人が奮闘、ともするとゴジラ映像だけが際立つリスクのあるゴジラ映画をしっかり一篇のアクション映画に仕上げました、

CGゴジラもハリウッド作品や「シンゴジラ」で観慣れている、でも、監督の好みなんだろうか?機雷掃海作業、飛行する局地戦闘機「震電」の勇姿、重巡「高雄」の帰還参戦と昭和世代にはワクワクするエピソードも満載、戦後の日本で民間人がゴジラ殲滅作戦を実行するという無理難題もなんとかクリア、ラストの2つの映画的レトリックにもニヤリとさせられます、

無心で楽しめるエンターテーメント作品、ぜひ鑑賞を、



〇(スクリーンで鑑賞)「私がやりました」
(★★★!☆)(2023年フランス)(原題:Madeleine)
殺人事件を踏み台にスターダムにのし上がる女優に思わぬ厄災が降りかかる

11私がやりました

有名映画プロデューサーが殺害され、無罪の新人女優マドレーヌが逮捕される、正当防衛を認めることで判事と取引、犯行を認める、裁判では友人の弁護士ポリーヌの巧みな弁論で見事無罪を勝ち取る、この事件をきっかけにマドレーヌは一躍人気女優に、多くのオファーを受け順風満帆の女優生活が始まったかに思えたが、ある日、真犯人がマドレーヌの前に現れる、それはかつての大女優だった、



フランス製お洒落なクライムコメディ、災難かと思える殺人の濡れ衣を逆手にとって見事な演技?と弁論で民衆の心を掴み取り裁判を勝ち抜き一躍スターダムにのし上がる2人、そこに現れるのが真犯人の往年の大女優、殺人で人気が出るのなら、私も罪を告白する、殺人で再び脚光を浴びるために“私の罪”を返しなさい!と迫ってきます、それでもしたたかなマドレーヌ、巧みな処世術で危機を乗り切ってみせます、

そこまで才覚があるなら嘘の罪を背負う事などせずに、まっとうに生きれば良いと思うのですが^^)如何にもフランス映画っぽいクライムコメディ、ひょっとするとハリウッドでリメイクするかも!?

観て損はなし、



◆(自宅で鑑賞)「総理の夫」
(★★★☆☆)(2021年日本)
日本初の女性総理大臣が誕生、日本初のファースト・ジェントルマンになった夫は

11総理の夫

鳥類学者の相馬、鳥類観察の出張から帰ってくると妻の凛子が総理大臣になっていた、マスコミに追いかけられながらなんとか帰宅、凛子の総理就任を喜ぶが、“総理の夫”は想像以上に多忙な毎日、秘書の管理下に置かれた相馬は不自由この上ない、すこし羽を伸ばしたところをゴシップ記者がスクープ、さらに凛子の妊娠が判明、前代未聞の総理の妊娠、、、2人の選択は?



政治コメディとしては良く出来ています、主演2人がハマり役、学者の相馬と信念の政治家凛子、ここが決まればあとはなんなりとどうぞ、事件続発もそれを乗り切る凛子の魂、という感じで進行しますが、凛子の妊娠で急ブレーキ、う~ん、やはり選択肢はあれしかなかったのか?議事堂に子連れで出勤して欲しかったです^^)

敵役政治家に岸部一徳、今や日本の黒幕政治家はこの人で決まり!というキャスティング、それでもコメディですから結構良い役周りになっています、休日のお気楽観賞に、



◆(自宅で鑑賞)「バビロン」
(★★!☆☆)(2023年米国)(原題:Babylon)
1920年代のハリウッド映画界の栄華と狂気、そしてその先にあるものは?

11バビロン

メキシコから夢を追いハリウッドにやって来た青年マニー、捨て身の売り込みで端役を掴む新人女優ネリー、2人は無声映画のスター ジャックと知り合うことで映画業界の核心部分に入り込むことに成功するが、華やかな映画界の舞台裏はドラッグと狂気と欲が渦巻く闇社会、一段一段階段を登り続ける3人、はたしてその先に待っている物は?



無声映画からトーキーに移り変わる頃からのハリウッド映画黒歴史、みたいな物語であります、一つひとつのエピソードに意味はなく(と感じました)、とにかく映画界の狂気を積み重ねていく感じ、エロ・グロ・ナンセンスに死人満載、そして3人の終着点は、、、観後感が良くないので評価も低いです、マーゴットの存在感は流石と感心、

無声映画時代のむちゃくちゃな撮影現場の滑稽さ、死人まで出す戦闘シーン、トーキーになると台詞が言えない俳優、色気のない声の俳優、さもありなんと感心したりもしましたが、やはり製作の意図が理解できませんでした、観なくても良いかも、




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