2023年11月06日

先週も4本、「BLUE GIANT」「ジョジョラビっと」「ドミノ」「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」

〇(スクリーンで鑑賞) 「BLUE GIANT」
(★★★★!)(2023年日本)
最高のジャズプレイヤーを目指す3人の物語、コミックのアニメ化

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仙台の高校生、宮本大は一流ジャズプレイヤーを目指して上京、同級生の玉田の家に転がり込む、アルバイトをしながら鉄橋の下でサックスを吹き続ける日々、ある日ライブハウスで天才ピアニスト沢辺と出会い、一緒にプレイしようと誘う、沢辺は大を歯牙にもかけないが、大の演奏を聴いてその迫力に圧倒される、素人の玉田をドラムに迎え、ジャズの聖地「So Blue」のステージを目指して3人の挑戦が始まる、



初演時に見逃していたのですが、アンコール劇場公開があったので鑑賞、いや~ヨカッタです、面白いアニメ映画でした、私はジャズが苦手(ビッグバンドだけはOK)、そんなワタシが3人の青春物語に没頭、まさかジャズ演奏を聴きながら泣くとは思ってもみませんでした、

画はアニメーションですが、演奏はもちろん実演、一流アーティスト演奏のサックス、ピアノ、ドラムを堪能できます、とくにサックスが重要な役回り、大のサックスが周りの人たちをどんどん魅了し巻き込んでいきます、

3人のキャラクターもしっかり立っているので物語に緊張感とリアリティがあります、最後の映画的レトリックはどうかな?という感じもしますが、圧巻のラストステージまでグイグイと力技で引っ張られます、ジャズ好きでない方へもぜひの鑑賞をお勧めします、

タイトルは“温度が高すぎて赤を通り越して青く輝く巨星”のこと、一流ジャズプレイヤーを意味する比喩言葉、



◆(自宅で鑑賞)「ジョジョラビット」
(★★★★☆)(2019年米国)(原題:Jojo Rabbit)
第2次大戦中のドイツ人少年とユダヤ人少女の友情をユーモアたっぷりに描くディズニー映画

11ジョジョラビット

敗戦目前のドイツ、母親と2人暮らしの10歳の少年ジョジョ、ナチスの少年兵教育を受け一人前の大人になることを夢見ているが、訓練中に優しい一面を見せてしまい“ラビット”という不名誉なあだ名をつけられてしまう、家に引き籠りがちになったジョジョは、ある日家の2階で隠し扉を発見、その扉を開けると、、、そこにはユダヤ人の少女エルサが潜んでいた、母親はドイツの敗戦を信じてエルサをかくまっていたのだ、エルサと秘密を守る約束をしたジョジョだが戦況は徐々に悪化、米軍とソ連軍双方が町に迫ってくる中、ナチスの迫害は厳しさを増し、ついに母親にも追及の手が及ぶ、、、



ナチスのユダヤ人迫害という重いテーマをユーモアたっぷりに揶揄していきます、エルサとの交流でジョジョのユダヤ人への偏見が少しずつ薄れていき、ナチスの行いに疑問を持ち始めた時、悲劇が訪れます、それでもたくましく生きる2人、新しい世界の始まりへの期待が2人に込められています、

ナチス教育部隊女性教官の滑稽さ、アーリア人優等国民思想とユダヤ人差別、少年兵や市民兵が駆り出される市街戦の虚しさ、ジョジョを護ろうとするドイツ士官もいる、程よいバランス感覚とユーモアで悲惨な差別と戦禍をなんとか潜り抜けて、平和な未来を2人にプレゼントします、

観後観良し!鑑賞をお勧めします、



〇(スクリーンで鑑賞)「ドミノ」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Hypnotic)
娘を誘拐された刑事が巻き込まれるサイキック犯罪、その裏には、、、

11ドミノ

娘を誘拐された刑事ダニー、犯人は犯行当時の記憶がなく娘も行方不明のまま、銀行強盗の通報を受け現場で待ち伏せるダニーの目の前で銀行強盗が発生するが、警官も銀行員も不思議な行動で犯行を助ける、独断で銀行に入り込んだダニーは犯人の目当ての貸金庫から娘の写真を発見!なぜ娘の写真が?ダニーは犯人の男を追い詰めるが周りの警官も次々と犯人に洗脳されていく、、、



クライムサスペンスかと思いきや、サイキックものでした、犯人は他人の脳をコントロールできる?、ので、まあ何でもありの状態で物語はどんどん転がっていきます、あ~~ネタバレになるので何も書けないわ^^)

終盤は逆転に次ぐ逆転、何でもありなので集中していないと混乱するかも、というか細かな論理的破綻は覚悟の上で強引な結末へ、ラストシーンは思わせぶり、はたしてシリーズ化されるのか?難しいかな?

(★★☆☆☆)(2023年日本)
歌舞伎町のバー亭主で探偵のマリコの元へ不思議な依頼が舞い込む

11探偵マリコ

歌舞伎町でバーを営むマリコ、もう一つの顔は探偵である、ある日FBIから地球外生命体を探してほしいという依頼が舞い込む、さらに行方不明の娘の捜索、常連客の悩み相談などマリコの周囲はいつも騒がしい、そしてマリコ自身が抱えているトラウマもある、恋人のMASAYAと共に奔走するマリコ、はたして事件は解決できるのか?



と書きましたが、、、なか辛い辛い出来栄え、この作品、解説によると6つのエピソードを2人の監督が撮影しているそうです、面白い企画ですが、、、結果的に成功していません、1日の話でもないし、なぜこのタイトル?

タイトルから同じく探偵物の秀作「我が人生最悪の時」(1994年林海象監督作品)をイメージして鑑賞したのですが残念な結果でした、最初の依頼が地球外生物探しという時点で物語にリアリティはなく、後のエピソードも、ま、こういうこともあるよね、というレベル、心中と心中未遂のシーンだけはちょっとインパクトありましたが、他はラストも含めて退屈、まあ、観なくて良いかな、




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2023年10月30日

先週は4本、「ダンサーインParis」「キラーズオブザフラワームーン」「おまえの罪を自白しろ」「頑張れ!グムスン」

〇(スクリーンで鑑賞) 「ダンサー イン Paris」
(★★★★☆)(2022年フランス・ベルギー合作)(原題:En corps)
怪我で踊れなくなったトップダンサーが見つけたものは?

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パリ・オペラ座のバレイ団でトップスターを目指すエリーズ、公演中に過去にも痛めたことがある足首を捻挫、長期の治療が必要になる、トップ目前で踊れなくなり絶望感に苛まれ、父親ともぎくしゃく、新しい生き方を探るエリーズは友人の誘いで田舎町へ、そこで料理アシスタントのアルバイトを始める、そこはパフォーマンスアーティストたちが集まる合宿所、ある日やって来たコンテンポラリーダンスの一団と出会ったエリーズは、、、



冒頭のクラシックバレイの舞台シーンが圧巻、主人公の肉体美とクラシックバレイの様式美に魅了されます、開幕直前に恋人の裏切りを知り動揺するエリーズの心の内と、完璧に踊りきるエリーズの肉体の対比、メタリックなギターでの音楽的対比、完璧な肉体から溢れる情熱、いきなりの映画的サスペンス満載のシーンでした、この作品の成功の源泉、

その後の展開はまあそうだろうな、という感じ、エリーズがまた怪我をしないかとハラハラ、父親との噛み合わない会話にイライラ、エリーズに恋心を抱く療法士にはちょっと嫉妬と同情、そしてエリーズが見つける新たな世界のパフォーマンスがこれまた素晴らしい、

欧州で歌舞伎が受けるのも分ったような気がします、クラシックバレイの様式美は歌舞伎の様式美にそっくり、そして躍動するコンテンポラリーダンスの魅力にも気付かされます、悪人が出てこない清廉な物語、観後感良し、ぜひ鑑賞を!

邦題は如何にもという感じですがまずまず、原題は『体内』というような意味のようです、

(★★★!☆)(2023年米国)
次々に人が死ぬ!実際にあった先住民族迫害の黒歴史

10キラーズオブ

1920年代のオクラホマ州オーセージ郡、湧き出た石油の利益で先住民のオーセージ族住民は全米一贅沢な生活をしていた、兵役を終えたアーネストは叔父キングの奨めで富豪でオーセージ族の娘モーリーと結婚、幸せな生活を送り始めるが、モーリーの親族が次々と死んでいく、母親、妹、姉、糖尿病の持病があるモーリーも体調を崩し寝込んでしまう、この街ではいったい何が起こっているのか?



石油が湧き出たことで莫大な利益が約束された先住民、その利権を目当てに群がる白人、叔父のキングは先住民と良好な関係を維持しているが、その腹の中は腐りきっています、次々と不審な死を遂げる先住民、徐々に叔父に洗脳されていくアーネストが歯痒い、史実を基にしているので、ラストは痛快な逆転劇!と云うわけにも行かず、暗澹たる気持ちで劇場を出ることになります、

206分という超長尺作品、ここまでの尺が必要だったのか?主演2人の濃厚な演技、無口で端的な演出、緊迫感溢れる音響効果など観所はあり、退屈はしませんが、物語の観後感が悪すぎます、、、



〇(スクリーンで鑑賞)「おまえの罪を自白しろ」
(★★★!☆)(2023年日本)
汚職スキャンダルにまみれた政治家の孫娘が誘拐される、突きつけられた要求は?

10おまえの罪を

土木工事を巡る汚職スキャンダルの渦中にいる国会議員宇田、その孫娘が誘拐され、宇田に突きつけられた要求は身代金では無く『おまえの犯したすべての罪を自白しろ』というもの、宇田の次男で秘書の晄司は事件解決に奔走しながら、父親には全ての罪を告白して孫娘の命を救うよう迫るが、政治的駆け引きに事態は混迷、そして犯人の真の目的は?



誘拐事件発生から終結まではテンポ良く展開、物語のリアリティもなんとか担保されていますが、、、キャスティングがちょっと残念、政治家絡みの案件だからか?刑事がシュッとし過ぎ^^)犯人もキャストでバレバレ、

誘拐犯捕り物と政治スキャンダルに集中しすぎて、犯人探しがアラっぽ過ぎます、海外のサーバーを経由してメールを送りつけるという犯人像とはしっくりこない人情物語はどう?

この物語の核心は犯人捜し、怪しい人物はワンサカいる、ライバル政治家、幹事長に首相、レポーター、家族、、、誰もが怪しい!!という物語にするために、もっと犯人と動機に伏線をはりまくれば面白かったかも、

主演俳優のおかげで評価は高いみたいですね、


■(自宅で鑑賞)「頑張れ!グムスン」
(★★★☆☆)(2002年韓国)
赤ん坊を背負った主婦が夜の街を疾走!?するノンストップコメディ

10グムスン

元バレーボール選手のグムスン、出来ちゃった婚で今は主婦、夫が新しい就職先の歓迎会で泥酔、ぼったくりバーで高額を請求される、夫を迎えに行く濃うとするが、バーの場所が分らぬまま夜の街を走り回るグムスンが暴力団抗争のきっかけになってしまう、、、



91分の小品、一夜のドタバタ劇を描くノンストップコメディ、夫と会いたいために夜の街を走り回るうちに、あれよあれよという間に騒ぎは拡大、善人も悪人もグムスンに振り回されます、元有名バレーボール選手という設定はグムスン活躍のため、

しかし、赤ん坊を背負ってそんなに走っちゃダメでしょう^^)理屈抜きの休日鑑賞に、




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2023年10月23日

先週も5本、「ロストキング 500年越しの運命」「バーナテッド ママは行方不明」「忘れられし愛」「イコライザー THE FINAL」「空軍大戦略」

(★★★★☆)(2022年英国)(原題:The Lost King)
1人の女性が英国王の不名誉な歴史評価を覆す、痛快な実話ベース

10ロストキング

職場で正当な評価を受けられないことに不満を抱いているフィリッパ、ある日、シェイクスピアの「リチャード三世」を観劇、残虐な王として悪名高いリチャード三世の後世の歴史評価に疑問を抱いたフィリッパは歴史書を読みあさり、研究者を訪ね、ついに個人でリチャード三世の墓を探すことを決意、資金集めに奔走、冷ややかな専門家の視線を浴びながらも、ついに墓の発見に成功!!しかし、フィリッパの闘いはそこから始まる事になる、、、



痛快な物語、したり顔の研究者や専門家の固定概念を打ち破って、たった一人で歴史的発見を成し遂げる過程はワクワクする、歴史上人物の評価が如何に偏見に満ちた憶測と間違った研究によって成り立っているのかを痛感、日本の歴史上人物の評価も同じようなものだろうな、「本能寺の変」の真実が知りたい^^)

しかし、物語は「歴史的発見」では終わりません、そこからフィリッパの本当の苦悩が始まります、そんな身勝手な!!という展開に苛立ちを押さえ切れません、フィリッパの功績ははたして歴史に残るのか?とても映画的で面白かったです、

副題は機能せず、不要でしたね、



(★★★★☆)(2019年米国)
極度の人間嫌いで他人と馴染めない天才建築家が一人南極へ!?

10バーナテッド

独創的な建築で高い評価を得ていた天才建築家バーナテッド、しかし彼女は極度の人間嫌い、創作活動から引退して夫と娘と3人で古民家を買い取り平穏に暮らす、、、予定だったが、ご近所やママ友とのトラブル頻発、彼女の奇異な行動も目立つようになり、夫は精神科医に相談、バーナテッドを治療施設に入れようとする、、、



これまた、主婦が大活躍する物語、たしかにバーナテッドはちょっと付き合いにくそうな女性だが、彼女が人間嫌いになった原因を本人も周囲もよく分っていない、娘とだけは強い絆で結ばれているが、家族3人で行く予定だった南極旅行出発直前に精神科医が登場、旅行はご破算、パニックに陥ったバーナテッドは逃げるように姿をくらましてしまいます、ここからはちょっとご都合主義な展開になりますが、バーナテッドのストレスと奇異な行動の原因がとても分りやすく解決される終盤でスッキリ、あ~~、人ってこういうことなんだなと納得させられました、とても良い作品です、2019年制作、公開まで時間が掛りましたね、

副題は作品のイメージ作りに少し寄与していますが、本質とは違うような気がします、上質な人間ドラマ、家族の物語です、



◆(自宅で鑑賞)「忘れられし愛」
(★★★★☆)(2023年ポーランド)(原題:Znachor)
運命に翻弄される高潔な外科医とその娘の物語

10忘れられし愛kai

多忙を極める優秀な脳外科医の男、妻は娘を連れて恋人の元へ去り、暴漢に襲われ瀕死の重傷を負い記憶を失う、田舎町を放浪しているところを村の女に拾われ製粉所で働き始める男、一方美しい娘も町に流れ着き酒場で働き始める、この娘がなぜか気に掛る男、地元貴族の跡取り息子も娘に気を寄せる、娘の唯一の幼なじみが事故に遭い歩行不能に、男は彼の足の外科治療をする事になるが、、、



ポーランド発の人間ドラマ、記憶喪失の男、その娘、身分不相応な貴族の跡取り息子、ステレオタイプな設定ながら、100年ほど前?のポーランドの田舎町で起こる事件を丁寧に追っていくうちに、男の高潔な生き方の輪郭がハッキリとしてきます、跡取り息子も善人なのが功を奏して、物語はしっかり着地、観後感良し!

Netflixで配信中、鑑賞をお奨めします、



〇(スクリーンで鑑賞)「イコライザー THE FINAL」
(★★★!☆)(1998年米国)(原題:The Equalizer 3)
名うての暗殺者がイタリア アマルフィの田舎町で地元マフィアを成敗する

10イコライザーF

シチリアの麻薬組織のアジトに単身乗り込んだマッコールは9秒で全員を処刑、が自らも銃弾を浴び瀕死の重体に、田舎町の医師に助けられたマッコールは傷が癒えるまでこの町で暮らすことになる、が、町はマフィア下部組織のチンピラの横暴な振る舞いに悩まされていた、一方、シチリアの組織壊滅を受けてCIAもマッコールの足跡を追い始める、度重なる悪行についにチンピラとマッコールが衝突、マフィアのボスやテロ組織、CIAも絡んで町は騒然とした雰囲気になる、、、



シリーズ3作目の敵は、世界の巨悪ではなくイタリアのマフィア一族、わりと小振りな闘いになっています、負傷したマッコールは治療の間に田舎町の住人と心を通わせ、これまでの暗殺者としての生活から抜け出そうとしているように見えますが、そうは問屋が卸しません、親しい住人に危機が迫るに及んでマッコールの堪忍袋の緒が切れます、

マッコールの活躍よりも、田舎町での暮らす振りの方に重点が置かれています、ま、これも良しという感じ、冒頭のエピソードもしっかり回収されスッキリ、休日に気楽に楽しめる1作です、



◆(自宅で鑑賞) 「空軍大戦略」
(★★★☆☆)(1969年英国)(原題:Battle of Britain)
1940年7月、ドーバ海峡を挟んで行われた熾烈な航空戦の記録

10空軍大戦略

1940年、フランスを駆逐占領したヒトラーと英国が対峙、独軍は圧倒的な航空兵力で英国本土爆撃を開始、航空戦力に劣る英国はレーダー技術と勇敢なパイロットの奮闘、そして全国民の団結で7週間に及ぶ独軍の攻勢を防ぎきる、



「バトル オブ ブリテン」と呼ばれる第2次世界大戦の分水嶺となった航空戦を語る叙事詩、物語は淡々と進み、ヒーローのいない戦争の悲惨な現実を追っていきます、連日押し寄せる独航空機の迎撃に疲弊する英パイロット、増え続ける戦死者、、、のちのチャーチルが残した言葉『人類の歴史の中で、かくも少ない人が、かくも多数の人を守ったことはない。』、近代兵器戦の本質が初めて確認された闘いであります、

英国の戦闘機「ハリケーン」「スピットファイヤー」実機が空を舞います、エンジンを装換した独軍のMe109やHe111も空を飛びます、1969年の公開当時はこの空中戦シーンの美しさに(ちょっと語弊はありますが)魅了されました、

“戦略”という言葉も当時は新鮮で、翌年制作のイーストウッド主演の戦争映画には「戦略大作戦」という邦題が付けられました、懐かしい、




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2023年10月16日

先週は5本、「アナログ」「沈黙の艦隊」「ハント」「ジョーブラックをよろしく」「プロジェクトX-トラクション」

〇(スクリーンで鑑賞) 「アナログ」
(★★★★☆)(2023年日本)
スマホを持たない女性と生真面目な青年の清々しい恋の物語

10アナログ

人が良すぎる建築デザイナーの水島、仕事の手柄は社長に取られるし、仲の良い同級生2人にはいじられ、未だに彼女もいない、ある日、自分がデザインしたカフェでみゆきと出会う、みゆきは水島のデザインを気に入った様子、勇気を振り絞ってみゆきをデートに誘う水島、2人は意気投合、しかし、みゆきはなんとスマホを持っていない!毎週木曜日、決まった時間にカフェで待ち合わせることで恋は始まり、2人の距離はどんどん縮まっていくが、、、



上質で爽やかな映画です、水島とみゆきの普通の恋の始まりから距離を縮めていく過程がとても美しい、画面にスマホが出てこないだけで、21世紀の恋も透明感のある心の物語になる事を証明しました、一番便利なものが一番不自由を招く?

水島の同級生2人(桐谷健太・浜野謙太)も善人で会話も楽しい、このままなにも起こらずに物語が終わったとしても映画として成立したような気がするくらいです、しかし物語は急転、みゆきは突然水島の前から姿を消します、なぜ?連絡先が分らないもどかしさ、はたして物語の結末は???

ビートたけし原作、誰も死なない清々しい映画です、鑑賞の価値あり、



〇(スクリーンで鑑賞) 「沈黙の艦隊」
(★★★!☆)(2023年日本)

米国製の最新鋭原子力潜水艦を乗っ取った海上自衛隊乗組員!?

10沈黙の艦隊

米国潜水艦と自衛隊潜水艦が衝突、自衛隊潜水艦は沈没、海江田艦長以下乗組員全員が死亡という事故が発生、海江田の同僚で潜水艦艦長の深町はこの事故発表に疑問を感じる、事故当時の記録音源を解析すると、自衛隊潜水艦の乗組員は事前に脱出していた疑いが浮上、この事故の裏には最新鋭米国原潜に日本人クルーを乗せて核保有を既成事実化しようとする日米両政府の陰謀が隠されていた、、、



ご存じコミックが原作、荒唐無稽な物語ですが、綿密な考証とCGと大沢たかおのド迫力?で、最後までそれなりのリアリティを感じさせる出来映えです、

米国原潜に乗り組んだ海江田は訓練中に原潜を乗っ取り、独立国「やまと」を名乗ります、米第7艦隊は総力で「やまと」撃破に乗り出します、と、ここから大沢:海江田艦長の腕の見せ所、ま、いろいろツッコミ所があるにせよ潜水艦バトルは緊迫感あり、かたや日本政府の慌て振り、米国政府の上から目線と、現代日本の置かれている状況もしっかり揶揄、

さて、海江田の真の狙いは?その結末は?たしかに2時間では無理か、、、

今作は大沢たかおが主演とともにプロデュースもしています、



〇(スクリーンで鑑賞) 「ハント」
(★★★!☆)(2022年韓国)(原題:Hunt)
韓国情報機関に潜入した北朝鮮スパイを巡る壮絶な内部抗争

10ハント

1980年代の韓国、要人警護の情報が漏れ北朝鮮の襲撃を受けた責任を追求されるライバル2人、海外班長のパクと国内班長のキム、組織内のスパイを見つけ出すことを命ぜられた2人はスパイ捜しに躍起になる、誰もが疑わしい状況下で2人は互いに身辺捜査を始める、北朝鮮への隠密作戦も情報漏れで失敗、さらに韓国大統領暗殺計画の情報が飛び交い、緊迫した状況はピークに達する、、、



1980年代の韓国が舞台、クーデターによる軍事政権誕生と、光州事件での市民大虐殺という悲惨な社会情勢が背景にあります、北朝鮮との情報戦、国内の民主化運動の盛り上がりとそれの圧殺、とても複雑な時代の物語なだけに、2人の心理戦は後半逆転に継ぐ逆転、

2人のライバルは共にやり手、洞察力と行動力を併せ持って降り、互いに一歩も譲らない、物語は2人の過去の因縁にも触れるので時間軸が飛びます、北朝鮮地下組織も絡みます、それに顔が皆似ていて(ワタシの顔認識能力の低さが原因ですが^^)誰が誰やらよく分らなくなりました、物語を追うには相当集中力が必要かな、

焦点は「北朝鮮のスパイは誰か?」、はい、ちゃんとスパイの正体は暴かれますが、そこからはあれよあれよと、韓国映画らしく、しつこくラストまで全員が泥まみれで転がっていきます、ま、観て損は無いかな?

(★★★!☆)(1998年米国)(原題:Meet Joe Black)
一目で恋に落ちた2人の奇妙な恋物語

10ジョーブラック

大富豪の娘スーザンは街角のカフェで偶然ジョーと出会う、互いに惹かれ合う2人だがそのまま右と左へ、直後にジョーは交通事故に遭う、翌日スーザンの父パリッシュのもとになんとジョーが現れる、それを見たスーザンも仰天しながらも再会を喜ぶ、しかしジョーの様子はなにかおかしい、、、実はジョーは交通事故で死亡、パリッシュの前に現れたのはジョーの身体を借りた死神だったのです、、、



ブラピはほとんど死神として演技します、でもおどろおどろしい演出はなく、大富豪パリッシュもとても冷静に死神と対峙します(なんか不自然^^)、そこからは美女と死神のラブストーリー、パリッシュの会社を乗っ取ろうとするスーザンの婚約者、死神のくせにスーザンへの未練を持つジョー、パリッシュとスーザンと奇妙な心の交流が始まります、、、という奇妙なお話ですが、ラストの映画的レトリックは面白い、そうかな?と思ったらそうでした、181分と長いですが、ラストを楽しみに観てください、

無口で長回しのクローズアップカットを多用、こりゃ長くなるよね、でもスーザンとジョーのトークシーンは観応えありました、監督は小津ファンか?



(★★☆☆☆)(2023年中国・米国合作)(英語原題:Hidden Strike)
ジャッキーチェン主演、人質救出のため民間戦闘チームが奮闘

10トラクション

中東の砂漠地帯?中国資本の石油採掘コンビナートがテロ組織の攻撃を受ける、民間戦闘チームが従業員救出作戦を敢行、しかしコンビナートの責任者がテロ組織の手に落ちてしまう、テロ組織の目的は大掛かりな石油泥棒、責任者が持っているコンビナート再稼働のためのKeyとパスワードを巡っての闘いが始まる、、、



ジャッキー主演、中国と米国合作ということですが、まあザックリしたストーリーと作りの荒さが目立つB級アクションという感じ、冒頭からリアリティがなく、展開も雑、中盤、ジャッキーのアクションシーンになると少し持ち直しますが、やはりアクションにも限界がある、ふ~、観るのがしんどかったです、タイトルバックにジャッキーお馴染みのNGシーンがあるので、なんとか最後まで鑑賞出来ました、

邦題はなんとか少しでも多くの人に観て貰いたい!という苦心の作、ジャッキーの過去作とは関係ないのでご注意を、





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2023年10月10日

先週は5本、「グランツーリスモ」「過去のない男」「BAD LANDS」「回帰」「Still Dark」

〇(スクリーンで鑑賞)「グランツーリスモ
(★★★★☆)(2023年米国)(原題:Gran Turismo)
レースゲームの優勝者を実際のカーレーサーに育てようという実在したプロジェクト

10グランツーリスモ

レースゲーム「グランツーリスモ」に熱中しているヤン、父親からは大学進学を勧められるが、レーサーになる夢を捨てきれないでいる、そんな時、チームNISSANが優秀なゲームプレイヤーを集めたレーサーアカデミーの開校を決める、予選に出場したヤンは見事優勝、世界中から集められた10人の1人としてカーレーサーになるための訓練を受け始める、、、



フィクションかと思いきや、実話を基にした物語でした、ビックリ、そして物語の展開と結末もビックリ、事実は小説よりも奇なり、

カーレースシミュレーションゲーム「グランツーリスモ」はもちろん日本人が開発したゲーム、このゲームで優秀な成績を残した若者を実際のレーサーに育て上げようという、夢物語をNISSANフランスがなんと本当に現実にしてしまいます、ゲーマーがレーサーに!?既成概念にとらわれていると出来るモノも出来なくなる!?世界は可能性に満ちている!

もちろん、レースシーン満載、カーレースファンでなくてもその迫力に魅せられます、ゲームがテーマの夢物語に熱狂できる事、間違いなし、夢を観るように気楽に鑑賞を!


◆(自宅で鑑賞)「過去のない男」
(★★★★!)(2002年フィンランド)(原題:Mies vailla menneisyytta)
暴行で記憶を失った男の数奇な運命を辿るヒューマンドラマ

10過去のない男

ヘルシンキ駅に着いた男、夜のベンチで一夜を過ごすつもりが、暴漢に襲われ過去の記憶を失ってしまう、九死に一生を得たものの記憶を失った男は居所も無い、彼を救うのは日々の生活にも困っている貧しい人々、自分たちの生活を削って男を支援する、救世軍で服を貰い、なんとか住む場所も見つけるが、自分の名前も分らないことから社会復帰にはいろんな困難が立ちはだかる、、、



不思議な画風の映画であります、台詞も演技もシーン毎に絵画のように切り取られています、そして、アッという間にエンディングまで、吸い込まれるように観てしまいました、

救世軍の女性イルマと知り合ってから男はどんどん前に進むようになります、住処のコンテナを綺麗に整え、野菜を植え、バンドライブを企画し、イルマを食事に誘う、このまま男の新しい生活が始まるのか?と思いきや、ある事件をきっかけに過去が判明、男は忘れていた過去の向き合うことになります、、、

2002年カンヌ主演女優賞受賞、劇中でクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が流れたのにもビックリ^^)



〇(スクリーンで鑑賞)「BAD LANDS」
(★★★!☆)(2023年日本)
特殊詐欺に手を染める姉と、ヒットマンの弟が大金と共に裏社会に堕ちていく

10BADLANDS

事情があり東京から大阪へ逃げてきたネリ、高城の元で特殊詐欺の片棒を担いでいる、出来の悪い弟のジョーもヒットマンの仕事で大阪へ、大阪府警は特殊詐欺の捜査でネリの存在を確認、捜査の手が伸びてくる、賭場で借金を作ったジョーは請け負った仕事に失敗、やけくそになり高城の金を奪おうとする、そこにネリも現れ事態は最悪の状態に、特殊詐欺の元締めのヤクザ、東京からネリを付け狙う元上司も絡んで事態は緊迫、姉弟はこの危機をすり抜けられるのか?



特殊詐欺の物語かと思いきや、もっと酷い裏社会の悪い奴等続々登場、こんな安藤サクラ、生瀬、宇崎、江口を初めて観た!という感じの大阪弁コテコテのクライムサスペンス、今の娘もオッサンもこんな古い大阪弁喋らんやろ!というくらい、ちょっとコテコテ過ぎて
(関西人からすると)逆にテンポとリアリティが無くなっているような感じもするが、それでも悪人入り乱れての大金争奪戦は楽しめます、

オール大阪ロケ、動物園前、なんば、淀屋橋と見知った場所がどんどん出てくるのも大いに楽しめる、前半は台詞が聞き取りにくいシーンがいくつか、これはちとストレス、登場人物が多すぎて描き切れていないキャラもいたかも、143分はちと長い、115分で編集すればテンポも上がるかも、

安藤サクラは役者やのう、歩き方から話し方、仕草も表情も、しっかり役に没入していました、流石、岡田准一カメオ出演なれど存在感あり、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「回帰」
(★★★!☆)(2022年アルゼンチン)(原題:不明)
アルゼンチンの田舎町で怒った事件、その真相を暴く元女性警官の闘い

09回帰

田舎町で息子と2人で暮らすピパは元警官、ある事件で心に傷を負っている、ある日、敷地内の小屋で火災が発生、焼け跡から少女サマンサの焼死体が発見される、事故なのか?事件なのか?警察は目立った外傷がないことから事故の線で捜査を進める、ピパは自らの嗅覚を信じて関係者に接触を続けると、ピパや息子にも犯人の魔の手が及ぶことに、、、



珍しい!アルゼンチン発のクライムサスペンスです、SNSでは情報少ないし、評価も低いですが、ワタシは面白く鑑賞出来ました、閉鎖的な田舎町の人間関係、支配する白人、白人に対する原住民の民族的反発、謎の豪族兄妹、そして不穏な警察の動き、サスペンスの要素がしっかり詰まっています。

白人と原住民、閉じられた世界という意味で名作「ウインド リバー」との共通項を見出すことが出来ます、原住民の虐げられた生活が事件を呼び起こす遠因となってしまう虚しさ、、、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「still dark」
(★★★!☆)(2019年日本)
盲目の青年がレストランでナポリタン作りを目指す、40分の小品

10stilldark

料理人志望の盲目の青年ユウキ、街のレストランで食べたナポリタンスパゲティの味が忘れられずに、その店で働きたいと料理長に申し出る、戸惑う料理長、試用期間を経てナポリタン作りのテストに合格することを条件にユウキを仮雇いする、先輩アルバイトのケンタに支えられながらユウキは少しずつ要領を掴み、一人前の仕事が出来るようになる、そしていよいよ採用テストの日を迎える、



盲目の料理人、本当に可能なんだろうか?と誰もが考えてしまう命題、しかし、挑戦しなければ達成できない!ということもまた真実、狭い厨房での料理作りは本当に大変そうだが、物語は軽く爽やかに進行、徐々に上手に動けるようになるユウキ、寡黙な料理長、ハートフルな先輩ケンタ、ナポリタンよりもこの3人の関係のほうが美味しそう、

上質な40分間、様々な事情で選んだ尺だろうが、これくらいの尺でもしっかり物語を語っているのは監督の力量、拍手、この監督で同じようなテーマの90分くらいの別の作品を観てみたいと思いました、40分がアッという間なのでぜひ観てください、





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2023年10月02日

先週は5本、「ジョン ウイック コンセクエンス」「コンフィデンシャル 国際共助捜査」「コンフィデンシャル 共助」「無双の鉄拳」「ミステリと云う勿れ」

(★★★★☆)(2023年米国)(原題:John Wick: Chapter 4)
シリーズ4作目、ガンフーアクションが延々と炸裂

09ジョンウィック4

裏社会の掟を破ったために世界中の殺し屋から狙われているジョン、古い友人を頼って世界中を彷徨っている、古い友人で盲目の凄腕暗殺者ケインも追跡に加わりジョンは窮地に追い込まれる、組織の追求から自由になる唯一の方法はの手が止むことは無い、、、



169分間ノンストップ!ガンフー
(ガン+カンフー)アクションの連続、4作目となると見飽きたか?という持ちまでもが強引にひきづり回されます、特殊な繊維のスーツを着ているので「弾丸が当たっても死なない」という設定が新たなアクションを生み出しました、ま、それは無いわなあ、と思いながら観入ってしまうアクションの連続、ストレス発散にはピッタリかも、

ジョンはまず大阪に逃げ込みます、ジョンを匿うのは真田広之、ハリウッド映画常連になった真田は貫禄の役回り、真田の娘役にリナ・サワヤマ、日本生まれ、ケンブリッジ大卒でミュージシャンという凄経歴、彼女はなんとか生き残ったので5作目でケインとの対決があるかも、大阪ロケは道頓堀辺りの夜景のみ、ロケもして欲しかったね、

珍しく原題はシンプル、邦題「コンセクエンス」は『成り行き』といった意味、



(★★★!☆)(2022年韓国)(原題:Confidential Assignment 2: International)
シリーズ2作目、FBI・北朝鮮特殊捜査員・ソウル市警刑事が三つ巴で悪を追う

09コンフィデンシャル

米国で逮捕された犯罪組織リーダーのチャン、北朝鮮へ引き渡すためにFBIが護送中に組織の襲撃を受けまんまと逃げられてしまう、新型麻薬の取引のためソウルに現れたチャンを追って、北朝鮮から特殊捜査員リムもソウル入り、市警刑事のカンとは旧知の仲、再び2人の共助捜査が始まる、その2人の行動を監視するFBIのジャック、韓国・北朝鮮・米国のメンツを懸けた虚々実々の駆け引き、お互いに真の顔は見せない、しかしカンの家族が事件に巻込まれことから3人は共助捜査に徹することになる、、、



前作の韓国・北朝鮮の共助捜査に今回は米国FBIも参戦、裏に潜むのは10億ドルの大金、食料難易苦しむ北朝鮮はこの金を躍起になって追う、人の良い刑事カンは共助を提案しつつも上層部から北朝鮮を出し抜くよう指示を受けている、さらにプライド高きFBI捜査官、そりゃややこしいし面白くなるでしょう、という設定です、

カンの娘はイケメンに弱く、リムにぞっこん!と思いきやジャックにもメロメロと、程良いコメディタッチで味付けも上々、ちょっと長めなので少し間延びした感もありますが、十分楽しいエンターテーメント映画になっています、観て損は無し、



(★★★!☆)(2017年韓国)(原題:Confidential Assignment)
シリーズ1作目、北朝鮮と韓国の刑事が脱北犯罪者を追う

09共助

北朝鮮で作られれた“ニセドル札の原版”を強奪し、政府を裏切り脱北した北朝鮮軍人ギソンが原版を売りさばくためにソウルに密入国、これを追う北朝鮮刑事イムも南へ入り、ソウル市警からは潜入捜査のプロ カン刑事が共助捜査のためにタッグを組むことになるが、“ニセドル札の原版”の存在は南には伏せられたまま、お互いに不信感を抱きながらも、見事にギソンを捕まえることが出来たかに思えたが、、、カンを新たな危機が襲う、、、



シリーズ1作目、2作目の公開に合わせてサブスクで鑑賞、

南北の刑事が共助するという発想が新鮮、シンプルな筋立てで南北両国の面子争い、カン家族との交流、そして刑事同士の意地のぶつかり合いと友情という原形が上手に構築されています、2作目を観てしまうとちょっと地味かな?ちょっと小粒かな?と思ってしまうのは仕方ない、でも、イムがギソンを追う動機や、義妹のエピソードなど物語の骨格が1作目でしっかりとしていたのが2作目に繋がっています、

やはり、1作目から観る方が良いかな、



◆(自宅で鑑賞) 「無双の鉄拳」
(★★★!☆)(2018年韓国)(原題:Unstoppable)
妻が組織に誘拐された男のたった独りの闘いの物語

09無双の鉄拳

魚市場で真面目に働くドンチョル、かつては“雄牛”という異名を取った暴れん坊だったが、今は妻のジスの導きもあり穏やかな生活に満足している、ある夜、家に帰ると部屋が荒らされジスの姿がない、そして誘拐犯からの電話で巨額の身代金を“払う”ので、受け取って妻の事は忘れろという、警察に届けるが捜査は遅々として進まない、ジスを愛するドンチョルは市場の相棒と共に独自で犯人を追うことになるが、、、



身代金を払うのではなく受け取るというレトリックは面白いが、誘拐犯の目的が卑怯で邪悪なだけに追い詰めたとしてもどうも後味が良くない、観客はもっとスッキリしたかったかも、それでもドンチョル
(マ ドンソク)の鉄拳は健在でそれなりに楽しめます、

妻に喜んでもらおうとして、何度も事業に失敗し、妻に怒られてシオシオになるドンチョルとの落差も楽しい、



〇(スクリーンで鑑賞) 「ミステリと言う勿れ」
(★★★☆☆)(2023年日本)
コミック・ドラマでお馴染み、整クンが旧家の相続争いに巻込まれる

09ミステリ

天然パーマの大学生・久能整が広島を訪れると、汐路と名乗る少女から遺産相続の場に立ち会って欲しいと頼まれる、狩集家では代々の遺産相続の度に死者が出るという、汐路の父親と叔父叔母の4人も謎の自動車事故ですでに他界、一堂に会した家族の前で相続権者4人の兄姉と汐路には奇妙な遺言が示され、整の推理が始まることになる、、、



地方の旧家、莫大な遺産、奇妙な遺言、死者も出るという遺産相続、ミステリの要素は揃った、序盤は快調な出だし、家族を取り巻く奇妙な状況の説明とちょっとした事件、ここから金田一耕助なら次々と起こる連続殺人を防げずに、死者が出まくった後にやっと大団円を迎える、という運びになるのですが、整クンはもっと素早く真相にたどり着いてしまいます、天然パーマだけに、、、が、ちょっと早過ぎて、なんだか醍醐味を味わう前に、、、

整クンの台詞がいちいち面白いし、時に理路整然として明晰で痛快、時に軟弱で優しい整クンのキャラクターはとっても魅力的、菅田将暉も嵌り役、なだけにおどろおどろしい世界まで物語を持ち込めないというジレンマがありましたね、松坂慶子、鈴木保奈美、柴咲コウ、滝藤賢一などの豪華脇役陣も不完全燃焼、違う事件の方が魅力的な映画になったかも、、、




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2023年09月25日

先週も4本、「福田村事件」「春に散る」「バグダッド カフェ」「居眠り磐音」

〇(スクリーンで鑑賞)「福田村事件」
(★★★★★)(2023年日本)
関東大震災直後に千葉で起きた惨劇をドキュメンタリー作家 森監督が描く

09福田村事件

1923年の千葉県福田村、日本統治下の朝鮮半島での日本人の暴挙を観た元教師の澤田は故郷の福田村に帰ってくる、村で幅を利かせる在郷軍人会、古い因習に縛られながら生きている農民たち、讃岐からは薬売りの一団が村に入ってくる、9月1日関東大震災が発生、朝鮮人が暴行・略奪・強姦・殺人を犯しているというデマが福田村にも伝わってくる、自警団を組織した村民、ちょっとした行き違いから薬売りたちは朝鮮人ではないかと疑われることに、殺気立つ村民たち、一触即発の危機的状況になってしまう、



素晴らしい映画です、必見!ぜひ鑑賞をお奨めします、

舞台は1923年、台湾統治(1895年)、日露戦争勝利(1905年)、韓国併合(1910年)と領土拡大指向から次の戦争へと向かう大日本帝国、村では元軍人が好戦的な発言を繰り返し、農民は古い家族制度と奔放な土着風俗の間でなんとかバランスを取って暮らしている時代、朝鮮人や中国人に対する差別用語、讃岐の薬売りは“穢多”と云う設定、事実を報道しない新聞社、なんとも非人道的な世界なのだが、100年前の世界はこんな世の中だったのは間違いない、映画の大半はこういう当時の社会気運と理不尽な社会を描くことに徹している、

最終盤、村民と薬売りが対立するシークエンスの緊張感が半端ない、高まる暴発の危機、村長や元教師の仲裁も元軍人の高圧的な声にかき消されていく、そして悲劇はいきなり始まります、この瞬間、鑑賞者の心に怒りが沸き起こりますがただ見つめるしかない、

薬売りの最後の言葉が真実を語ります、『わしらは日本人じゃ』、そして『朝鮮人だったら殺しても良いのか!?』、日本中に浸透していた優越民族意識に愕然とさせられます、よくぞこの台詞を書いていただきました、

監督が素晴らしい、カメラ・照明・音声とも文句なし、ピエール瀧、東出昌大が好演というシニカルなキャスティング、最初の殺人の映画的レトリック、性描写、夫婦の葛藤と心象シーンも程良く、とにかく秀作です、ぜひ鑑賞をお奨めします、


〇(スクリーンで鑑賞)「春に散る」
(★★★★☆)(2023年日本)
老いたボクサーと頂点を目指す若者の人間ドラマ

09春に散る

米国で事業に成功、40年振りに帰国した広岡、居酒屋で絡んできたチンピラを軽くあしらう、これを見ていた黒木も広岡と向き合うがこれまたノックアウトされてしまう、広岡は元ボクサー、黒木も夢破れて道を失っている若手ボクサー、広岡は昔の仲間とひっそりと暮らすつもりだったが、黒木はしつこくボクシングの指導を広岡に迫りつづける、そして2人は再びリングの上でお互いの夢を追うことになる、、、



スポーツジャンルではひょっとするとボクシング映画が一番多いかも知れない、この映画にはそれも頷けるカタルシスがあります、まず出だしが良い、冴えないオジサンの広岡がチンピラを見事にやっつける、痛快!これでスクリーンに釘付けに、若い黒木も真剣にボクシングと向き合う、そこにある“ボクシングのロマン”みたいな魅力に吸い寄せられる登場人物たち、個人的にはボクシングは余り観ないし、物語は想定内、それでもとっても面白かった、

ボクシング映画は試合シーンが難しい、それでいうと本作よりも素晴らしい試合シーンのボクシング映画は多いと思います、それでも本作が輝いているのは佐藤浩市の力かな?相手役の横浜も、脇を固める片岡鶴太郎も山口智子もヨカッタですが、やはりこれは佐藤浩市の映画、ひょっとすると彼の代表作になるかも、


◆(自宅で鑑賞)「バクダッド カフェ」(2008年ディレクターズ カット版)
(★★★★☆)(1989年西ドイツ)(原題:Out of Rosenheim)
米国西部の砂漠、寂れたカフェに現れたドイツ女性が奇跡を起こす

09バグダッドカフェ

夫と米国旅行に来たジャスミン、夫婦喧嘩をして独り砂漠の中の「バグダッド カフェ」にたどり着く、そこには女亭主のブレンダとその家族、長逗留の客人、ジャスミンはとりあえず1泊することにする、気性の激しいブレンダに嫌気がさした夫が飛び出し、何もかもが上手くいかないブレンダ、寡黙だがなにやら不思議なオーラを発するジャスミン、ブレンダの子どもや客人が徐々にジャスミンに心を開き始める、、、



ジャスミンは寡黙、台詞は最小限に近いかも、風景や心象シーンが多用
(普段はあまり好きじゃない演出)されますが、それが不思議にすっと胸の内に入ってくる、正体不明のジャスミンに苛立つブレンダを横目に、その家族や客人はジャスミンに魅了されていきます、そしてジャスミンが繰り出す魔法?が話題になり、ブレンダも心を開くようになります、

米国西部のハイウェイ沿いのカフェが舞台なのに西ドイツ(当時)映画なのです、なるほど、この奇妙な質感はそのせいなのか、2008年制作のディレクターズ カット版がサブスクで視聴可能です、ぜひ、



◆(自宅で鑑賞)「居眠り磐音」
(★★★!☆)(2019年日本)
刃傷沙汰で脱藩した腕利き浪人が江戸で悪を斬る

09居眠り磐音

江戸勤番を終えて故郷の藩に戻る若武者3人、しかし、帰るなり若さ故の過ちから刃傷沙汰に、独り生き残った磐音は脱藩、江戸の鰻屋で片手間の仕事をして暮らしている、家賃が心配な家主は磐音に用心棒の仕事を紹介、挨拶のため両替商今津屋を訪れると、そこに不逞の輩が現れ、今津屋の用心棒たちと斬り合いになる、そこで磐音は思いも寄らぬ剣の腕前を見せることになる、、、



物語は大きく2つ、藩に戻った3人の若武者の悲劇的な斬り合い、そして、江戸での悪徳両替商を懲らしめる勧善懲悪パート、もちろん藩での悲劇の伏線は回収されることになるのですが、それがどうもしっくり来ない、ひょっとすると回収しなくてもヨカッタかも、と思ってしまったラストシーン、映画的な見せ場でも不要なものは不要、もっと磐音の“椿三十郎”的な活躍が観たかったような気がしました、ちょっともったいなかった、

それでもクオリティの高い時代劇になっています、観て損は無し、柄本明の怪演に拍手、





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2023年09月19日

先週は4本、「こんにちは、母さん」「母と暮らせば」「モガディシュ」「DUNE/砂の惑星」

〇(スクリーンで鑑賞)「こんにちは、母さん」
(★★★★☆)(2023年日本)
山田洋二監督、吉永小百合主演、東京の下町を舞台にした人情劇

09こんにちは母さん

一流企業の人事部長を務める神崎、同期入社の友人をリストラすることになり社内で一悶着、仕事に疲れた神崎は東京の下町向島で細々と足袋屋を営む一人暮らしの母親を訪ねる、
母親から近況を訊かれ適当に受け答えする神崎だが、実は妻とは別居、娘も家に帰っていないという家庭崩壊状態、母親は町内の友達や教会の牧師たちとボランティア活動にも励んでおり充実した生活、そんな時、孫娘も実家に転がり込んで来る、、、



山田洋二監督の真骨頂、何気ない生活の中からいろんな悲哀のエッセンスを上手に抽出、終始スクリーンの中で躍動する役者を見せていただけます、まあそうだろうなと思いながら観ているのに笑ってしまう、泣いてしまう、これぞ銀幕の映画だ!という感じです、流石の職人技、「母べえ」「母と暮らせば」に続く3部作だそうです、「母べえ」は観ていないので観ます、

吉永小百合もやっとこういう普通の老人(でもないか^^)の役をやるようになって、観れるようになってきました、一時壮大なドラマの主人公が続いたときはあまりピンとこなかったのですが、

田中泯の橋の上のエピソードだけが少しあざとい感じ、3部作だからか?でも監督的には外せないんでしょうね、永野芽郁好演、観て損はなし、


◆(自宅で鑑賞)「母と暮らせば」
(★★★!☆)(2015年日本)
長崎への原爆投下で息子を失った母親の元へ息子の霊が現れる

09母と暮らせば

1945年8月9日、長崎に原爆が投下される、医科大学に通っていた息子浩二は爆死、一人生き残った母伸子は助産婦をしながらなんとか生きながらえている、浩二の許嫁だった町子は今も浩二の事を思いながら、けなげに伸子を支えている、3年後、伸子の家に浩二の霊が現れる、今まで伸子の浩二への思いが強すぎて帰ってこれなかったらしい、そこから伸子と浩二の霊との奇妙なコミュニケーションが生まれていく、、、



映画冒頭で原爆投下シーンあり、B29機内の記録フィルム的な映像、そしてきのこ雲、映画としては絶望からスタートしますが、その後は母、息子の霊、許嫁の家族の物語になっていきます、町子の幸せを巡って、伸子にひそかに思いを寄せる上海帰りの叔父を巡って、言い争う母と息子はひと時の幸せを嚙み締めます、そして母にも老いが、、、

原作は井上ひさしの戯曲だそうです、なるほど、物語の80%くらいは伸子の家の中での母と息子の会話、話しているうち楽しかった過去の家族の思い出が沸き上がってきます、それを懐かしむ2人、山田洋二監督のメッセージはやはり“平和の尊さ”でしょう、一瞬にして奪われた多くの命、楽しい未来があったであろう多くの人々の命を奪った戦争への強いメッセージです、

上海帰りの叔父を演じた加藤健一が好演!キャラが際立ってええ感じでした、


(★★★★☆)(2021年韓国)(原題:Escape from Mogadishu)
ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮、双方大使館員の友情物語

09モガディシュ

1990年、未だ国連加盟が叶わない韓国、駐ソマリアの外交官は政府へのロビー活動により、国連加盟への賛同を取り付けようと奔走していた、北朝鮮外交官もまた活動、韓国への妨害工作に興じている、たがいに反目する両国外交官、そんな時、ソマリア内戦が勃発、大使館員たちはソマリアからの脱出に苦闘、反乱軍の手は大使館にまで及び家族もろとも生命の危機にさらさせる事態に、



ソマリア内戦、ついこの前の事のようですがもう30年以上前の事ですか、そしてこの頃、韓国はまだ国連への加盟が認められていなかったというのも驚き(加盟は1991年)、

物語序盤は外交官同士のロビー活動で始まります、なにやら滑稽な外交活動、しかし内戦が勃発すると事態は急変、あっという間に大使館員と家族は孤立、死が現実のものとして迫ってきます、北と南、それぞれのルートで国外脱出を模索することで手を結ぶことにする両国大使、なんとか南ルートでの脱出ルートが見つかりますが、北の人間はそれには合流できないことに、同一民族2国家の悲運、日本にいては分からない大きな壁がそこにありました、

脱出するのに、車に板や本を張り付けて防弾工作を施すシークエンスがリアリティがあってヨカッタ、最後まで両国の政治的溝は埋まりませんが、両国の人の気持ちはしっかりつながります、



◆(自宅で鑑賞)「DUNE/砂の惑星」
(★★★!☆)(2021年米国)(原題:Dune)
映像化不可能と言われたSF大河小説を再度映画化、

09DUNE

遠い未来、帝国が支配する銀河世界、あらゆるパワーの源となる“スパイス”の唯一の産出星
が砂の惑星DUNE(デューン)、皇帝はDUNEの統治権をハルコンネン公爵家からアトレイデス公爵家に移す、父のアトレイデス公爵と共に後継者ポールとその母もDUNEに移住、“スパイス”の採掘に取り組むが、残されていた機械は旧式で採掘は難航、と突然皇帝の後押しを受けたハルコンネン軍がDUNEを急襲、アトレイデス軍は全滅敗走、ポールと母親はかろうじて生き残り、DUNEの先住民フレメンを頼る事になる、、、



う~ん、SF大河小説、まさしくそんな感じの155分、最初の1時間は状況説明、美しい映像も世界観も「スターウォーズ」以降ではそんなに驚きはない、小説の世界観を再現する?
(小説未読ですが^^汗)独特の映像表現と音楽、細かな描写と長いカット、最初の1時間は結構魅入るのに退屈という妙な状態、1時間後からやっと砂の惑星の支配者“砂虫”登場、さらに戦闘シーンからの逃避行と物語が動き始めます、

2021年にスクリーンで鑑賞、どうやってもシリーズ2作目が必要な終わり方なのですが、一向に2作目の情報が無く、こりゃ頓挫したかな?と思っていたら2024年にPART2公開が決まりました、ので復習鑑賞、

大河ドラマだけあって、主要キャストかと思えた味方が次々と戦死、さてこの先どうなるのか?PART2への期待感と興味はあります、ちょっと長いですが自宅鑑賞なら大丈夫かな?ワタシも3回に分けて観ました^^)




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2023年09月11日

先週は5本、「バカ塗りの娘」「ターミナル」「モンタナの目撃者」「スコア」「ヘルモニ 地獄からのおばあさん」

〇(スクリーンで鑑賞)「バカ塗りの娘」
(★★★?☆)(2023年日本)
青森の伝統工芸“津軽漆”職人の父と、それを手伝う娘の物語

09バカ塗り

青森の弘前市、岩木山に見守られる自然豊かな土地、津軽漆の職人青木は細々と津軽漆を作り続けている、娘の美也子は不器用、何をやっても上手くいかないが、パートで働きながら父の仕事も手伝っている、長男は家業を継がず自分の夢を追いかけて家を出ていく、青木は津軽漆を続けるのはどう考えても難しいと悲観するが、美也子が1人津軽漆の新しい可能性を見つける、、、



雄大な岩木山、美しい津軽漆の作品の数々、美味そうな地元料理と一升瓶から注ぐ日本酒、シズるシーンがふんだんに出てくる美しい映画、、、という1面があるのに、物語自体はどうも平板に進行、青木の仕事ぶりをもっと観たかったし、祖父の素晴らしい作品ももっと観たかった、美也子が挑むテーマもえ!?って感じ、

物語が躍動するのは美也子が生きるテーマを見つけた辺りのみ、青木の職人気質も、美也子の津軽漆への想いも、祖父の気骨も今ひとつ迫ってこない、長男の恋人のシークエンスもピンと来ない、家族像がボンヤリしたまま幕が下ります、もったいない、もう少しだったのに、

最後の食事シーンはヨカッタ、美味しそうだし、劇中で小林薫が初めて躍動した感嘆の台詞連発、彼が器に注ぐ日本酒がとにかく美味しそう、木野花もここでやっと躍動、さすがの役者ワークスです、



◆(自宅で鑑賞)「ターミナル」
(★★★★☆)(2004年米国)(原題:The Terminal)
空港から出ることも帰国することも出来なくなった男の愛の物語

09ターミナル

JFケネディ空港に降り立ったビクター、ある目的でNYシティに行く予定だったが、飛行中に母国でクーデターが発生、政権が転覆したためにパスポートが無効に、米国に入国することも、帰国することも出来なくなってしまう、事態が打開されるまで乗り換えターミナル内で待機することを命じられるビクター、言葉は通じない、所持金もない、八方塞がりのビクターだが逞しく生き延びる術を身につけていく、



実直で誠意あるビクターだが、英語が話せないために相当苦労します、食べるために小銭を稼ぐ術を見つけ、工事中のターミナルで寝起きし、徐々にターミナル内の人々から一目置かれるようになります、CAとのロマンスあり、入管職員と若者のキューピットになり、外国人労働者との友情を育む、もうここで暮らすことに何の不満もないように思えてしまいますが、まだまだ過酷な試練が待っています、、、

ビクターがNYシティを目指した理由に少し違和感がありますが、上質なエンターテーメントに仕上がっています、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「モンタナの目撃者」
(★★★★☆)(2021年米国)(原題:Those Who Wish Me Dead)
陰謀に巻込まれた少年と森林消防隊女性隊員の必死の戦いと迫り来る山火事

09モンタナ

政治的陰謀に巻込まれた父親は息子のコナーを連れてモンタナのシェリフを頼って逃避行に出るが、途中で待ち伏せに遭い、息子の目の前で父親は殺されてしまう、独り逃げるコナーは偶然出会った森林消防隊隊員のハンナに救われる、追跡者は事態を混乱させるため山に火を放つ、追跡者と山火事に追い詰められる2人、シェリフも追跡者に襲われ事態は絶望的になる、、、



山火事って怖いですね、米国の山火事はスケールが違う、燃え上がると手がつけられない、スクリーンにはどうして撮影したんだろう?という、迫力満点リアルな山火事の映像が出てきます、撮影による自然破壊は大丈夫なのか?と心配になります、
(ご安心を、サブスク視聴なら本編後にメーキングで環境への配慮、撮影方法などが紹介されています)

過去の消火作業でミスをしたトラウマを抱えるハンナ、父親を失ったコナー、巻き添えを食らうシェリフ夫婦、そして極悪追跡者の2人、キャラがしっかり立っているので、緊張感を持ったまま物語に没頭できます、シェリフの妻アリソンの反撃に拍手!

原題のニュアンスが日本的ではないので、邦題の方が分りやすいか?明らかに「刑事ジョンブック」を意識した邦題^^)



◆(自宅で鑑賞)「スコア」
(★★★!☆)(2001年米国)(原題:The Score)
完璧主義の知能犯と金庫破り職人が最後の仕事に選んだのは・・・

09スコア

凄腕の金庫破りニック、金庫のことを熟知し、完璧な事前調査から計画を立案、どんな金庫も破ってきた、ある日街で見知らぬ青年ジャックから大きなヤマを持ちかけられる、気乗りのしないニックだが古い付き合いの友人の仕掛けたヤマと知り、最後の仕事として引き受ける、ターゲットの税関倉庫に潜り込んでいたジャックの手引きで侵入するニック、果たして獲物を手にすることが出来るのか?



2001年作品、ちょうどデジタル化が進んだ頃、まだまだアナログなニックの金庫破りですが、ミニM.I.PバリのPC操作とアクロバティックな金庫破りシーンはそれなりに緊張感があり楽しめます、なんか懐かしい匂いがする犯罪シーン、

ラストのどんでん返しも愉快です、貫禄のデニーロ、

(★★★☆☆)(2015年韓国)(原題:헬머니ヘルモニ)
毒舌が武器のおばあさん、TVのバラエティ番組で人気を博しますが、、、

09ヘルモニ

刑務所から出所したおばあさんジョンスン、出所を迎えに来る家族もいないが、電車の中で悪態をつくオヤジを毒舌パワーでやり込める力は残っている、2人の息子がいるが、貧しい次男からは疎まれ、身分を隠して裕福な暮らしをする長男の家で家政婦として働き出す、街中でも理不尽な光景を見ると毒舌パワーでやり込めるジョンスン、これをTV局が嗅ぎつけ「毒舌バトルショー」に出演することに、バトルに勝ち進み人気を博するジョンスンだが、過去の前科や身分を偽っていたことが発覚、一転窮地に陥る、



総じて韓国の方が毒舌・悪口は激しい^^)韓国映画を観ているとホントに飛び交う罵詈雑言、これがTVショーになって、皆が大笑いするというのだから仕方ない、でもジョンスンの毒舌にはなにやら真実らしきものが含まれていたりもするので、多くの人の共感を得るのも少し分る、

このジョンスンの正体は?政治家や企業人が揃ってジョンスンに頭を下げる、いったい過去に何があったのか?劇中で説明はないですが、何やら痛快な気分になるのもこれまた愉快、




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2023年09月04日

先週は5本、「バービー」「フォレストガンプ 一期一会」「運命じゃない人」「ディープインパクト」「ハッピーフライト」

〇(スクリーンで鑑賞)「バービー」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Barbie)
あのバービーが人間世界へ紛れ込んでしまった事から起こる騒動と教訓

08バービー

ピンクに彩られた夢の世界で暮らす“バービー”たち、そこは皆がバービーで、皆がケン、毎日幸せな日々を送る全てのバービーとケン、ある日定番バービーの踵がべた足になってしまい(バービーの踵はヒールに合わせてズッと上がっているのだ)パニックに陥る、ヘンテコバービーによると、現実の人間世界で起こっているなにかが影響したけっかだとか、定番バービーは踵を元に戻すために人間社会へ旅立つことにするが、、、



誰もが知っているバービー人形、その人形自体が物語の主人公、人形の世界が物語の舞台、そしてバービーが人間社会に飛び込んで来るという突拍子もないお話、現実に米国マテル社が作りあげた“バービーの世界観”を細部にわたり丁寧になぞりながら、マテル社が提示した遊びの価値観を現代社会の実情に照らし合わせて、皮肉たっぷりのコメディに仕上げています、上質な仕上がりと云って良いと思います、

が、ワタシ自身に“バービー原体験”がないので、心の底から楽しめた訳では無かったです、人種差別や格差差別、バービー(マテル社)がもたらし、克服し修正しながら作り上げてきた完全無欠と思えるバービーの世界、結局そこにも自己矛盾があるという、なんとも難解な状態に直面してしまうバービー、そしてそれをも乗り越えようとするバービー、如何にもアメリカっぽい筋立てでありますが、、、

う~ん、ちょっと眠たかったです、マーゴット・ロビーはサイコー、

(★★★★☆)(1994年米国)(原題:Forrest Gump)
1940年代から1980年代まで、ひとりの男の数奇な運命を通してみる米国

08フォレスト

上手く歩けない持病があり、少し知能も低いフォレスト・ガンプ、いじめっ子空逃げるために唯一の友だちジェニーが叫んだ一言「走って!」がフォレストの運命を変えます、突然、もの凄いスピードで走れるようになったフォレストは大学のフットボールチームで活躍、ベトナム戦争でも走ります、帰国後は海老取り船の船長になり一旗揚げます、幼なじみのジェニーとは何度かめぐり逢っては別れる、の繰り返しでしたが、最後にはやっと結ばれることに、、、



米国のお伽噺、フォレスト自身の語り口で彼の数奇な人生、山あり谷ありの人生が語られます、少し知能が低いので裏表がなく、駆け引きも一切なし、普通ならもっと多くの不運が彼を襲うと思われますが、フォレストはフットボールのスターになり、戦争の英雄になり、経営の成功者となります、そこにあるのは無垢の心情だけ、それがフォレストを成功に導きます、

この映画のもう一つの視点は、フォレストと時の米国の有名人との関わりが描かれていることです、歴代の大統領、プレスリー、ジョン・レノンなどとフォレストがCGで共演しています、30年前の作品ですから当時は相当話題になりました、この視点がこの映画の評価を少し複雑にしている面があるようです、米国の暗黒面を隠蔽しているのではないかと、、、

その分析と評価は一旦置いておいて、少し知能が低い青年の無垢なハートが生んだアメリカンドリーム、という観方で楽しめば良いと思います、

ぜひ一度、鑑賞してみてください、



◆(自宅で鑑賞)「運命じゃない人」
(★★★!☆)(2004年日本)
偶然出逢った男2人と女1人、そしてもう一人の女とヤクザ、こんがらがる一夜の物語

08運命じゃない人

武はあゆみと住むための新築マンションを購入したが、あっさり彼女に逃げられてしまう、友人の勇介に夜遅く呼び出されたレストランで偶然同席することになった真紀、泊まるところがない真紀をマンションに泊めることになるが、そこに突然あゆみが現れる、それまで大人しかった真紀は突然の切り口上と共にマンションを飛び出す、唖然と見送る武とあゆみ、武は真紀を追いかける選択をするが、、、その裏で勇介、あゆみ、そしてヤクザの組長がとんでもない騒動を起こしていた、、、



映画賞受賞で本作制作資金を得た監督の長編デビュー作品、そのタイトルや出だし20分ほどの展開から男女の恋愛物語かと思いきや、中盤から物語の様相は一変、時間を巻き戻すようにカメラが何度も同じシーンを違う視点で追っていくと、裏ではまったく別の物語が進行しています、そこは欲と金が渦巻く男と女の世界、武だけがひとり真紀を想うが、、、

面白い!!全編映画的レトリックで出来上がっています、冒頭の20分はその表層を観せられるだけ、そこからは裏の裏の裏まで観ないと分らない結末、「カメラを止めるな!」的な仕掛け満載、人間の怖さと滑稽さがギュッと詰まった1作です、

低予算映画なので粗いところ散見、それでも面白く観られるのは監督の才能、こういう映画を十分な予算で撮ると、、、それはそれで上手くいかないのかな^^)



◆(自宅で鑑賞)「ディープ インパクト」
(★★★★☆)(1998年米国)(原題:Deep Impact)
巨大彗星が地球衝突の危機、彗星破壊ミッションに地球の運命がかかる

08ディープインパクト

新たに発見された巨大彗星は数年後に地球と衝突する可能性がある、大統領は秘密裡に彗星破壊作戦を立案、記者のジェニーは政治スキャンダルを追っている途中でこの事案に気付く、やむなく大統領は事実を公表、ロシアと協力して特殊チームを彗星に送り込み彗星破壊を目論むが、、、



彗星による地球最後の日モノ、公開時(1998年)はたしか同様の彗星衝突映画「アルマゲドン」も公開されている、「アルマゲドン」がヒーローモノの色合いが強かった(B・ウイルス主演)のに比べて、今作はヒューマンドラマ的な意味合いが強い、もちろん彗星爆破作戦アクションはあるのですが、それよりも“仮に人類が明日滅亡するとしたら”という絶望に直面した米国民が淡々と描かれています、2年間シェルターで暮らすという“ノアの箱舟”作戦にもある程度のリアリティがある、本作の方がお気に入り、

人類滅亡という最悪の事態の後日談も観てみたいような気もするが、、、それは「ドント  ルック  アップ」で観たからもう良いか、、、



◆(自宅で鑑賞)「ハッピーフライト」
(★★★!☆)(2008年日本)
ハワイに向かうNH1980便、多くの人々がこの1便を飛ばすために奮闘している

08ハッピーフライト

機長昇格試験飛行のパイロット、審査するベテランパイロット、お騒がせの新米CA、ぼやきまくるグランドホステス、熱血整備士、コントロールセンターの冷静な管制官、緊迫する管制塔、多くのプロが関わる航空旅客機の運航、それでも想定外の事態は起こる、、、



複雑極まりない航空旅客機運航の裏側を描くコメディ、実際にANAの全面協力で撮影されているのでしっかり最後まで観れました、おそらく綿密な取材で得られたであろうリアリティのある舞台裏のドタバタ劇は結構楽しめます(3回目の視聴)、よくぞANAも内輪の話をさらけ出しました、一番シリアスなのは整備士のエピソード、あれは危なかったね、

綾瀬はるかが新人CA約で出演、如何にもいそうなキャラは綾瀬の当たり役なれど、あんな勉強不足のCAはご勘弁願いたい^^)吹石一恵に1票、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画