2024年04月01日

先週は5本、「DOGMAN」「侵入者たちの晩餐」「ザ バンク」「ニューヨークの恋人」「六月橙の三姉妹」

〇(スクリーンで鑑賞)「DOGMANドッグマン」
(★★★★☆)(2023年フランス)(原題:Dogman)
検問に掛かったトラックには負傷した男と多数の犬、何があったのか?

03ドッグマン

負傷した女装の男、荷台には多くの犬、そして足が不自由なため車椅子、検問で捕まった不審な男は何も語ろうとしない、交渉役を頼まれた精神科医エヴリンが駆け付けると、男はなぜかエヴリンには少しずつ自らの事を語り始める、男はダグラス、少年時代に父親と兄から酷い虐待を受け、それがもとで不自由な身体に、犬をこよなく愛するダグラスの数奇な運命、意外な才能、失恋、そして決して罪を犯さなかったダグラスが、、、



犬をこよなく愛するダグラス、保護犬のシェルターを管理していますが、資金を稼ぐためにショービジネスの世界でアルバイトをし、街のギャングから友人を守るために一肌脱いだりする正義漢の側面も、しかし、役所からのシェルターへの補助金は打ち切られることになり、資金稼ぎのためにちょっとした悪事を働き保険会社の調査員に追跡され、さらに復讐に燃えるギャングからの襲撃を受けることになります、絶体絶命の歩けないダグラスを救うのは!?

なんとも奇妙奇天烈な映画ですが不思議と観後感は悪くない、リュック・ベッソン監督の剛腕が男と犬たちのあり得ない絆を強引に描き切りました、なんとも落ち着かない不安定感、なのにダグラスへの共感もしっかり呼び起されます、舞台は米国のようですが、このテイストはれっきとしたフランス映画です、

もし、興味があればご鑑賞を、



◆(自宅で鑑賞)「侵入者たちの晩餐」
(★★★★!)(2024年日本)
社長宅に忍び込んで現金を盗むことにした3人が過ごす奇妙な一夜の出来事

03侵入者たちの晩餐

家事代行会社に勤める亜希子、同僚の恵から自社の女性社長が脱税しているのでは?という噂を聞く、日頃の鬱憤が溜まっていた2人は社長の自宅から脱税で貯めたタンス預金を盗む計画を立てる、恵の友人ミステリーマニアの香奈枝も加わり、海外旅行で不在の社長の家に無事忍び込むことに成功、しかしタンス預金は見つからず、やむなく退却するつもりだったが、、、



軽妙なコメディ、バカリズムの脚本がホントに面白い、3人が忍び込んでから次から次へと起こる予定外の出来事、侵入者の3人、部屋に戻った女性社長、マンションのコンシェルジュ、空き巣犯、出て来る全員がズルくて間抜け^^)視点を変えることで次々と事実が暴かれるという映画的レトリックも大成功、声を上げて笑えるドラマは久しぶりでした、

2024年正月に放送されたTVドラマです、菊地凛子、平岩紙、吉田羊の掛け合い漫才も秀逸、楽しいドラマでした、



(★★★!☆)(2009年米国・ドイツ・英国合作)(原題:The International)
巨大銀行の悪事を暴くインターポール捜査官とNY検事の悪戦苦闘

03ザバンク

開発途上国への武器輸出の裏で暗躍する巨大銀行IBBC、インターポール捜査官のサリンジャーは証人確保まであと一歩に迫るが関係者が次々と暗殺され捜査は暗礁に、それでもNY検事局のホイットマンと共に捜査の手を緩めない、やっと暗殺者に辿り着くがIBBCの妨害により暗殺者も殺害される、もはや合法的な捜査ではIBBCを追い込むことが出来ないことを悟ったサリンジャーはホイットマンと決別、囮捜査で証拠を掴もうとするが、、、



実話ベースかと思わせる巨大銀行の悪事、捜査の手が迫ってくると次から次へと関係者を暗殺する非情な銀行経営陣、イタリア大統領候補まで暗殺されるのだから、もうお手上げの捜査陣の苛立ちがよく分かります、

ベルリン~NY~イスタンブールと世界を巡る割には重くシリアスな展開、007シリーズなどとは一味違います、NYのモダンな美術館(の設定)での銃撃戦が迫力あり、真っ白な壁にどんどん撃ち込まれる銃弾、壊れていく美術館、これはどうして撮影したんだろうね、ホントに壊しちゃったのかな?



(★★★!☆)(2001年米国)(原題:Kate & Leopold)
19世紀からタイムスリップしてきた公爵との恋物語、メグ・ライアン主演のラブコメディ

03NYno

時空の裂け目を見つけたスチュアートと共に、19世紀から現在のNYにタイムスリップして来たレオポルド公爵、広告会社勤務のスチュアートの元恋人ケイトに好意を抱くようになる、正体を隠して21世紀に徐々に順応していくレオポルド、ケイトの会社の重役J.Jもケイトに好意を持っているが、これがとんだ俗物、レオポルドは2人の仲を裂こうとする、ケイトは担当した商品のタレントにレオポルドを起用、その気品に満ちた演技で商品は大ヒット、ケイトはJ.Jを蹴落とし重役の椅子を約束されるが、レオポルドは元の世界へ帰ってしまう、、、



ラブコメディならこの人、メグ・ライアン主演の軽妙洒脱なラブコメディ、タイムスリップといっても120年程前のNYから現代のNYへ、公爵が上手に立ち回れるくらいのギリギリの設定、微妙なズレやちぐはぐさが物語のエッセンスになっています、高貴な公爵がTVCMで活躍するのも面白い、

メグ・ライアンはチャーミングの絶頂ですね、2001年制作ですか、時が経つのが早いです、



◆(自宅で鑑賞)「六月橙の三姉妹」
(★★★☆☆)(2013年日本)
鹿児島の和菓子屋を舞台にした三姉妹の人情劇、

03六月橙

「とら屋」の次女奈美江が夫と離婚することになり東京から帰ってくる、それを追って夫の徹も「とら屋」にやってくる、離婚したくない徹、鹿児島に1泊だけして奈美江を説得しようという考えだ、長女の静江と三女の栄は分かれてしまえばいいと至ってクール、母親は迷っているが、継父は徹にはにべもない、鹿児島の風物詩である夏祭り『六月橙』の準備を進めながら、それぞれの想いがぶつかる夏の日、、、



鹿児島市のある老舗和菓子屋「とら屋」の家族構成は複雑だ、母親は再婚相手と離婚して、2人で「とら屋」を切り盛りしている、長女静江は離婚して家業を手伝っている、最初の離婚で静江と奈美江は離れ離れになり10数年ぶりに再開、三女は継父との間の子供、こう書いても分かりにくいか^^)

『六月橙』は神社やお寺で燈篭を飾り付ける鹿児島の夏祭りだが、そんなにフューチャーはされていませんでした、「フーテンの寅さん」の鹿児島版?のような人情劇です、鹿児島県・市の街興し的要素もあり、のんびり鑑賞してください、




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2024年03月25日

先週は5本、「沈黙の艦隊 東京湾大海戦」「デューン PART2」「アップグレイド」「ミケランジェロ プロジェクト」「銀座カンカン娘」

(★★★★!)(2024年日本)
最新型原潜を乗っ取り、独立国「やまと」を名乗って米軍と対峙する海江田の真意は?

03沈黙シーズン1

海上自衛隊の潜水艦が沈没、艦長の海江田以下全員が死亡と伝えられたが、この事故は日米の密約による偽装、最新型原潜「シーバット」に乗り換えた海江田らは演習の際に米軍から離反、独立国「やまと」を名乗る、海江田をテロリストと認定し、平和の番人の面子にかけて「シーバット」撃沈を命じる米大統領、米海軍は総力を挙げて「やまと」に挑むが、海江田の巧みな操船・戦術に翻弄され、ついに空母や原潜を失ってしまう、「やまと」は日本との条約締結のため東京湾に出現、再び米軍艦隊との海戦に突入する、



全8話の形で配信中、2023年にスクリーンで公開された「沈黙の艦隊」の続編という事ではなく、1~2話辺りは映画版を再構成、それ以降は続編というかカタチ、てっきりスクリーンで続編を公開するかと思っていたのですが、配信での公開となりました、

原潜を乗っ取り、独立国を宣言、米軍相手に戦闘状態に入る、ついには米軍空母や原潜が沈む!?という荒唐無稽なお話、でも、絵空事なのにリアリティがある!というのはおかしな表現かもしれませんが、細部まで溢れるリアリティ、全編サスペンスの連続、俳優陣の演技も素晴らしく、全話で6時間以上の大作ですが、心配無用、最後まで画面に集中できます、

物語は潜水艦内と米艦隊の戦闘、そして日米首脳陣の政治的駆け引きの両面で描かれていきます、ある意味、実写部分は密室劇でもあるので製作費が膨らまない?からか、CGパートの出来栄えが素晴らしい、違和感なく物語に没入できます、

主演の大沢たかおが製作にも名を連ねています、思い入れの程が分かりますね、このままいけばシーズン2もありそうです、楽しみです、必見、



◆(スクリーンで鑑賞)「デューン砂の惑星 PART2」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Dune: Part Two)
陰謀により父を失ったポールは、デューンの砂漠の民と共に反撃に転じる、SF超大作

03デューン2

抗老化作用のある香料の利権を巡って陰謀に巻き込まれ、一族が滅亡したポールと母親、ポールは砂漠の民フレメンと共に闘うため、厳しい儀式を乗り越え勇者へと成長し、宿敵ハルコンネン一族の攻撃を撃退する、皇帝をも欺いて野望を実現しようとするハルコンネン男爵は若き戦士と共にデューンに現れ反撃を開始、ポールに最終決戦を挑む、そこに皇帝も現れ事態は一気に緊張、全面戦争が始まる、



2022年に公開された「ディーン砂の惑星」の続編、今回のエピソードはデューンの完全な掌握を目論むハルコンネン男爵とポールとの闘い、ポールの出自の秘密や、ハルコンネン次期男爵候補の若者の登場など、中盤は少々散漫な印象だが、ポールが覚醒した終盤は一気に物語が動きます、ちょっとあっけないくらいに事態は終結します、

映像のクオリティは高く、コスチュームや武器、宇宙船他のデザインの完成度も高く観て損は無し、3作目もありそうな展開ですが、製作費が間に合うのか?心配になるほどの作り込みようです、

(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Upgraded)
一流オークション会社で頑張る普通の女子の成り上がり物語、洒落たコメディ

03アップグレード

一流オークション会社のインターンのアナ、ある日ちょっとした機転で上司に認められアシスタントに抜擢される、パリへの出張に同行することになる、その機上で隣り合わせた財閥の息子ウイリアムと知り合う、ウイリアムの勘違いもあり、アナは自分がNY支社長だと嘘をついてしまう、パリに着いてからも偶然が重なり、アナは支社長に成りすましたままウイリアムとの恋を楽しむのだが、社の命運をかけたオークションの出品者がウイリアムの母親だったことから、アナの噓がほころび始める・・・



NYとパリを舞台にした軽快でお洒落なラブコメディ、アナは少々調子に乗り過ぎたようで、嘘が嘘を呼んでしまうよくある展開、それでも根っこは真っ当な人間、絶体絶命のピンチも寛容な大人に囲まれてハッピーエンドで終わります、こういう逆転の物語は観ていて楽しい、観後感良し、

教訓、でもやっぱり嘘はいけません、もし嘘をついてしまったなら、なるべく早く告白して謝りましょう^^)

(★★★!☆)(2014年米国)(原題:The Monuments Men)
ナチスが略奪した美術品を救出するために前線に赴いた美術専門家たち、実話ベース

03ミケランジェロ

美術に魅入られていたヒトラーは欧州各地であらゆる美術品を略奪していた、連合軍の反撃が始まり後退するナチスドイツ、歴史的価値が高い美術品も次々と失われていく、そんな窮状を見かねた美術館長のフランクは軍に美術品救出の必要性を説く、そして自ら仲間と共に前線へ赴き、命を掛けながら美術品の救出に挑む・・・



ヒトラーは美術学校受験に2度失敗しているそうです、強大な権力を得たヒトラーは欧州各地で歴史的・芸術的価値の高い絵画・彫刻などを略奪、総統美術館を作る計画だったようです、

奪われた美術品を救い出すのは兵士ではなく学者や学芸員などの美術専門家、新兵訓練を受けて前線へ赴きますが、戦場で美術品の価値を説いても戦闘兵士たちは見向きもしない、それでも苦労しながら一つ一つ、貴重な美術品を回収していきます、

後退するナチスドイツが絵画を焼き払うシーンには胸が痛みます、樽一杯に集められた金歯にも、、、このプロジェクトで多くの美術品が救われたようですが、その代償も大きい、近年でも戦争により世界遺産が破壊されたりしています、そろそろ目覚めてもよさそうですが、人間はいつまでたっても戦争は止められないようです、

ビル・マーレイのおふざけシーンが無かったのにもビックリ!!^^)



◆(自宅で鑑賞)「銀座カンカン娘」
(★★★!☆)(1949年日本)
笠置シヅ子、高峰秀子主演、なんとミュージカルパートもあるクラシックコメディ

03銀座カンカン娘

戦後間もない東京、2階に居候しているお秋、その友人のお春も転がり込んできた、なんとか生活費を稼がなければならない2人、ひょんなことから知り合ったミュージシャンの白井と共一緒に銀座のバーやキャバレーで歌を歌ってみることにする、



朝ドラ「ブギウギ」のモデルとなった笠置シヅ子主演映画ということで初鑑賞、「銀座カンカン娘」の作曲は服部良一、劇伴も服部、劇中では「ラッパと娘」「ジャングルブギ」「東京ブギウギ」などを短いながらも笠置が歌います、

5代目古今亭志ん生も出演、最後が志ん生の落語で終わるという、なんとも平和な映画です、昭和24年、こういう映画が必要だった時代ですね、




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2024年03月18日

先週は5本、「52ヘルツのクジラたち」「ゼニガタ」「コットンテイル」「ウエストサイド ストーリー」「バイオハザードザ ファイナル」

〇(スクリーンで鑑賞)「52ヘルツのクジラたち」
(★★★!☆)(2024年日本)
ヤングケアラー、DV被害児、トランスジェンダー、必死に生きる彼らの行きつく先は?

0352ヘルツ

海沿いの町に一人引っ越してきた貴瑚、ある日、港で口を利かない男の子を見つける、その風体から虐待を受けていると察した貴瑚は男の子の母親に迫るが、母親は子供をムシと呼びすて、ついにはムシを捨てて出奔してしまう、ムシを引き取る覚悟を決めた貴瑚、彼女にもつらい過去があった・・・



貴瑚はヤングケアラー、高校卒業後は父親の介護に人生を費やしていた、そんな貴瑚を救い出したアンさんこと安吾との過去エピソードと、現在のムシとの関りが行き来しながら物語が進行します、貴瑚を想い懸命に支援するアンさんもまた重い宿命を抱えています、裕福な恋人が出来た貴瑚はやっと人生に光が見えたと感じますが、そこから騒動が起こり、アンさんの宿命までもが炙りだされてしまいます、

直視すべき現代日本が抱える日常の闇を描くなんとも悲しい物語ですが、ラストには救いもあります、観後感は悪くない、

タイトルは“声が特別な周波数のため仲間と交信できない”クジラのことだそうです、



◆(自宅で鑑賞)「ゼニガタ」
(★★★!☆)(2018年日本)
居酒屋「銭形」を営む銭形兄弟、実は街の高利貸し、容赦なく利子を取り立てるのだが・・・

03ゼニガタ

小さな漁港の町の居酒屋「銭形」には金に困った人間と、金に目が眩んだ人間が集まってくる、法外な利子を取り立てる富男と静香の兄弟、取り立ててでやり合ったボクサー崩れの八雲も仲間に入る、浪費癖のある珠は水商売のアルバイトをしながら銭形からの借金を重ねる、そこに銭形の宿敵、ヤクザの磯ヶ谷が出所して街に戻ってくる、珠は磯ヶ谷の持っている現金を盗みとる計画を立てるが・・・



銭形の利子は10日間で3割=トサンというべらぼうな額、それでも金を借りに来る人間が後を絶たない、銭形兄弟はアコギな金貸しではあるが、どうもそれだけではなさそうだ、トサンではあるが、必死に生き延びようともがいている人間にも金を貸し、どうやって生きていくべきかを問う富男、膨大な金を手元に置いても心が休まらない静香、その金の意味を見極めたい八雲、

お金に縛られないで生きていく事の難しさ、みたいなのが裏のテーマのようです、たしかに生きていくのに絶対に必要なお金、でも、金が絡むと人の心がどんどん劣化していく様がなんとも怖いです、

小品ながら佳作、観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞)「コットンテイル」
(★★★☆☆)(2023年英国・日本合作)(原題:Cottontail)
先立たれた妻の遺灰を英国の湖に散骨する夫と息子の物語

03コットンテイル

妻に先立たれた兼三郎は生きる希望を失ってしまい自暴自棄に、そんな醜態を息子から叱咤される、なんとか妻の葬儀を済ませるが、そこで住職から妻の遺言を受け取る、そこには思い出の地である英国の湖に自身の遺灰を巻いてほしいと書かれていた、驚いた兼三郎だが、息子夫婦と孫と共に英国へ渡る、そこでも息子と衝突した兼三郎は独り遺灰を持って湖を目指すことになるが・・・



新進の英国人監督・脚本作品、合作となるとやはり独特の雰囲気が出ます、冒頭の東京のシーンは奇妙な緊張感がある出来栄えになっていますが、英国に渡ってからは少し退屈、兼三郎の性格が良く分からない、妻を失ったことで、息子との葛藤が顕在化しているのでしょうが、それにしても行動に脈絡が無い、成り行きで身を寄せた英国人農家でのエピソードも中途半端な感じ、

リリーフランキーは嵌っています、彼以外ではこういう作品にはならなかったのではないか、と思わせるのは流石、英国の田舎の風景も収穫、

東京の鮨屋のシーンがヨカッタ、タコの寿司が食べたくなりました^^)



(★★★!☆)(2021年米国)(原題:West Side Story)
NYマンハッタン、ポーランド系とプエルトリコ系グループの対決と悲恋の物語

03ウエストサイド

再開発により住む場所を奪われるプエルトリコ移民の若者グループ「シャークス」は白人グループの「ジェッツ」といがみ合っている、元ジェッツのリーダーで保護観察中のトニーはダンスパーティでシャークスのリーダーの妹マリアと恋に落ちる、もちろん周囲は2人に諦めるように諭すが2人を引き裂くことはできない、2人の関係が明るみに出てジェッツとシャークスは決闘することになり、そこで悲劇が起こる、



1961年に映画化された名作ミュージカルのスピルバーグによるリメイク、王道のミュージカル映画で、とにかくいきなり歌いだします^^)恋人が死にかけているのに歌われてもなあ、と思ってしまうミュージカル苦手者です、

キレッキレのダンスは素晴らしいし、「Tonight」「Cool」「Maria」など聞き覚えある名曲もたくさん流れます、これはこれで楽しいのですが、、、やはりミュージカルではない「ウエストサイド ストーリー」を観てみたいと思ってしまいました、



(★★★☆☆)(2016年米国)(原題:Resident Evil: The Final Chapter)
お馴染み「バイオハザード」シリーズ、ファイナルという事ですが、終わらない!?^^)

03バイオハザードF

アンデッドの世界と化した地球、わずかに残った人類もあと2日で滅亡する危機、人類最後の希望アリスは、アンデッドを一気に壊滅させるワクチンを手に入れるために、この危機を招いた首謀社アンブレラ社に乗り込む、幾多の危機を乗り越えてアリスは人類を救うことが出来るのか?



日本製ゲームソフトが2002年に映画化されたシリーズの最終章、1作目と2作目は観ましたが、今作は6作目
(他にリブート作品が1作あり)、間の3作は観ていませんが、ま、だいたい物語の想像はつくので、今作だけ見ても楽しめます、

ゲーム原作という世界観は守られており、とにかく強い主演ミラのアクションシーン+ゲーム感覚のスリリングな脱出ステージの連続、1作目に出てきたレーザー通路?もしっかり出て来て楽しめます、アリス役もオリジナルのミラなのでしっくりきます、

ま、休日のお気楽鑑賞に、




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2024年03月11日

先週は4本、「続 夕陽のガンマン 」「FALL」「ネクスト ゴール ウインズ」「アバター ウェイ オブ ウォーター」

先週は4本、「続 夕陽のガンマン 」「FALL」「ネクスト ゴール ウインズ」「アバター ウェイ オブ ウォーター」

(★★★★!)(1967年タリア・スペイン・西ドイツ合作)
(原題:I due magnifici straccioni)
イーストウッド主演、マカロニウエスタンの傑作、やっと観ました

03続夕陽のガンマン

アメリカ南北戦争末期、ブロンディとチェコは賞金が掛かった犯罪人をネタに詐欺まがいの手法で荒稼ぎをしているが、仲たがいをしてコンビを解消、荒野に取り残されたチェコはブロンディを追う、一方、エンジェルは一人の南軍兵士を探して次々と関係者を抹殺していく、目当ては隠された20万ドルの金貨、この3人が奇妙な偶然に導かれて金貨争奪戦に発展、3人の最後の決闘の行方は・・・



1967年制作、C・イーストウッド主演のイタリア製西部劇=マカロニウエスタン、マカロニウエスタンというと、なにやらレプリカ西部劇のような印象もありますが、この作品はホントに面白い、3時間近い長尺ですが最後まで飽きずに鑑賞できました、

イーストウッド主演となっていますが、3人対等で主演格、いや、相棒役のチェコの方が人間味豊かで出番も一番多いので、彼が影の主演と言えるかもしれません、

金貨争奪戦の派手なガンアクションもありますが、西部で生きる庶民の人間模様、無意味な南北戦争の悲惨さ、チェコの生い立ち物語など、アクション以外の要素もたっぷり盛り込んだ、いわば西部大河ドラマのような様相も呈しています、音楽・効果音も面白い、若かりしイーストウッドを存分に観られるのも嬉しいです、ぜひ観てほしい作品です、

ちなみに、米国では“スパゲッティ ウエスタン”と呼ばれたイタリア製西部劇、和名“マカロニ ウエスタン”は映画評論家の淀川長治氏の命名だそうです、



◆(自宅で鑑賞)「FALL」
(★★★!☆)(2022年英国・米国合作)(原題:Fall)
地上600mの電波塔の先端に取り残された2人の決死の脱出劇

03Fall02

同伴クライミング中の事故で夫を失ったベッキーは1年近くふさぎ込み酒におぼれる毎日、友人クライマーのハンターは現状から抜け出すために、再び挑戦すべきだと提案する、登るのは荒野にぽつんと立っている高さ600mの電波塔、ベッキーは渋々承諾、2人は無事先端まで到着、ベッキーはトラウマを克服できたかと思われた瞬間、登って来た梯子が崩れ落ち、2人は高さ600mの先端に取り残されてしまう!!



電波塔の先端は直径1m程のスペース、直下の梯子が崩れ落ち、降りるのは不可能、手元にあるのは15mのロープ、スマホ、撮影用のドローン、双眼鏡、信号弾、そして2人の勇気と知恵だけ、はたしてこれでこの危機を脱することが出来るのか?という物語、

スマホで救援を呼ぼうとするが高すぎて電波が入らない、信号弾やドローンを使ったあの手この手の奇策も不運に見舞われ、最後に遺された手段は無理!と叫びたくなるような危険すぎるチャレンジになります、

ワタシ、高所恐怖症です、とても正視できないシーンの連続なので、スクリーンでの鑑賞は回避しました、正解でした、自宅でも前半は画面から目をそらすシーン続出、地上600mは下を観るだけで怖い、それでも慣れてくるもので、後半は正視できるようになりました^^)

高所恐怖症の方は観ないほうが良いかも、



〇(スクリーンで鑑賞)「ネクスト ゴール ウインズ」
(★★★☆☆)(2023年英国・米国合作)(原題:Next Goal Wins)
W杯サッカー予選史上、最弱の米領サモア代表チーム、初得点を目指して奮闘するが・・・

03ネクストゴール

米領サモアの代表チーム、2001年W杯サッカー予選で史上最多失点0対31で歴史的敗北を期する、再起を誓う地元サッカー協会は米国本土に有能な監督の派遣を依頼、リーグ戦で成績を残せなかった監督トーマスに白羽の矢が立つ、嫌々サモアに赴いたトーマスを待っていたのは代表チームとは名ばかりのヤル気のない選手たちだった・・・



実話ベース、31失点も実話のようです、代表チームといっても兼業選手ばかり、協会の会長も前監督も素人、ろくな練習メニューもなく負け続けるチームに、トーマスも音を上げ何度もチームを放り出してしまいます、この監督の性格もどうかなと思いますが、そこにも悲しい物語がありました、

でも、深刻なお話ではありません、南国サモアののんびりした環境の中、ユーモアたっぷりにチームの挑戦を描いています、いわば『がんばれ!ベアーズ』の大人サッカー版、こういう、どう見ても勝てなさそうなチームがひょっとしたら勝つのではないか?という物語はやはり面白い、最後は米領サモア代表を応援してしまいます、

(★★★!☆)(2022年米国)(原題:Avatar: The Way of Water)
アバター2作目、逃げ延びた森の民が海の民と共に人間側アバターと戦います

03アバター2

神秘の星パンドラ、元海兵隊員のジェイク伍長は森の民となり妻と4人の子供と平和に暮らしている、しかし人類が再びパンドラ侵攻を開始、裏切り者とされたジェイク一家は海の民が住む辺境の島まで逃げ延び、そこで一時の平安な時を過ごす、人類は捕鯨会社の船を接収、ジェイク一家のいる島に迫る、ジェイクと海の民は人類との戦いに突入する、



こちらも192分と長尺、全編ほぼCG、人類とは違う姿形のパンドラの民はどうして撮影したんだろう?と思える精密な動きと表情なのだが・・・結局はずっとCGを見せられると、どうしても慣れてしまいます、1作目のようなCG技術のすばらしさに息を飲む、という事が無いのが実際の感想、中盤の1時間程はCGの素晴らしさを見せつけるためのシーンの連続、ちょっと退屈、終盤の1時間でやっと物語が動き、アクションシーンになる頃にはパンドラの民の顔も見分けられるようになり楽しめましたが・・・

ここまでCGが多いと逆に実写部分が新鮮で魅力的に見えるという事実を確認、という皮肉な結果に、映画はやはり実写がメイン、そこにCGが加わる事での視覚効果を楽しむのが本道と再確認しました、




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2024年03月04日

先週は5本、「落下の解剖学」「山の郵便配達」「ザ クリエイター」「夜が明けるまで」「とらわれて夏」

〇(スクリーンで鑑賞)「落下の解剖学」
(★★★★☆)(2023年フランス)(原題:Anatomie d'une chute)
雪山の1軒屋で夫が転落死、妻に疑惑が掛かる、目撃者は視覚障害のある男の子

03落下の解剖学

人気作家のサンドラ、夫と視覚障害のある息子ダニエルと3人で暮らしている、ある日、ダニエルが散歩から戻ると、父親が家の前で血を流して倒れている、悲鳴を聞いたサンドラも家から飛び出し夫の容態を確認するが、すでに事切れていた、事故か自殺か他殺か?夫は死ぬ前に打撲傷を受けており、さらにサンドラと夫が前日に言い争いをしていたことが判明、サンドラは殺人罪で起訴される、果たして真実は何処にあるのか?



冒頭から速いテンポで事件発生、素早い展開で起訴、裁判が始まってからは検事と弁護士の丁々発止のせめぎ合い、ここからが長いです、全編152分、個人的にはもう少し短くしてほしかったけど、退屈はしません、判決の行方もさることながら、最後まで分からない真相、どんでん返しがあるのではないかとハラハラさせられます、

フランスの裁判、日本とはずいぶん趣が違います、陪審員あり、証拠並べはあるのですが、主に陪審員の心証を獲得するための弁論・ディベートがメインな印象、被告は毎日家に帰り(これは異例のようですが)、子供とも普通に接触できる(最後だけは隔離されましたが)という自由さ加減、

日本の被告に対する扱いは、世界に類を見ない厳しさ、拘置所に何か月も留置する捜査手法はぜひ見直すべきだと思います、冤罪の温床、

視覚障害の息子が連れている盲導犬が重要な役割を担います、こちらもハラハラしましたが無事です、はい、ヨカッタ^^)

原題の直訳は「秋の解剖学」??事件は冬?夫婦の季節の事か?不明、



◆(自宅で鑑賞)「山の郵便配達」
(★★★★☆)(1999年中国)(原題:那山 那人 那狗)
山深い村々に郵便物を届け続ける父と息子の愛情物語

03山の郵便配達

中国湖南省、父親は長年、山間部の村々に数日間掛けて郵便を届ける仕事をしていたが引退を決意、息子がその仕事を継いでくれることになったのは望外の喜び、息子が一人で初配達の旅に出かける日の朝、配達の相棒である案内犬“次男坊”が息子に着いていこうとしない、困った父親は息子と2人で最後の郵便配達の旅に出ることにする、



いくつかの村を巡る2泊3日の郵便配達の旅、そんなに急峻な山を登るわけではなく、その風景はどこか日本の里山とも似ているように感じます、父親はぶっきらぼうに配達の要領や、村人の境遇、付き合い方を息子に伝授していきます、そしてなにより、人々にとって大切な郵便物を運ぶ仕事の大切さと尊さを伝えます、そして、それに応える息子、

次の配達に息子が一人で出発します、そして、犬の“次男坊”もその後を追います、目を細めてみる見送る父親、、、とても誠実な物語、事件は起こりません、必見です、



(★★★!☆)(2023年米国)(原題:The Creator)
人類とAIが対立する未来、AIが作り出した最終兵器とは?

03クリエイター

2075年、進化したAIがロスアンゼルスで核爆発を起こす、米国ではAIを敵とみなし闘いに突入、一方、ニューアジアでは人類とAIが共存する社会を目指していた、そんな中、AIが究極の最終兵器を開発したとの情報をもとに、ニューアジアの拠点を米軍が急襲、潜入捜査をしていたジョシュア軍曹は辛くも助かるが妻は死亡、最終兵器の在り処を突き止めた米軍はジョシュアに兵器の処分を命じる、



最近は2部作、3部作とシリーズ化する傾向がありますが、本作は外連味なくスピーディーな展開、たぶん2作分くらいの濃い内容がギュッと詰まった面白い物語に仕上がっています、期待値以上の出来栄え、

AIの敵対化は「ターミネーター」以来の頻出テーマですが、そこもまた一捻り、二捻りあり最後まで楽しめます、最終兵器も子供の姿をしているというのもまずまず成功、

架空の国“ニューアジア”の地図が映し出されますが、中国大陸や東南アジア、そして日本もこの国に含まれているようです、劇中で日本語文字や東京らしき風景も出て来ます、なんとなく悪者扱いかと思いきや、どちらかというと平和を愛する国と民という描き方、多様性を意識した民主党的映画です、トランプはこんな映画を認めないだろうな^^)



◆(自宅で鑑賞)「夜が明けるまで」
(★★★☆☆)(2017年米国)(原題:Our Souls at Night)
老いた男女のラブロマンス、そして人生の仕舞い方探し

02夜が明けるまで

妻と死に別れ一人暮らしのルイス、妻の死をうまく受け入れられていない、そこに近所に住む女性アディが訪ねてくる、アディはルイスにある提案をする、それは『2人でベッドで朝まで過ごしたい』というものだった、それはセックスを伴わない行為だという、困惑するルイス、だがアディの提案を受け入れて、夜を共に過ごすことにする、、、



往年の名優、ロバート・レッドフォードとジェーン・ホンダの共演、懐かしさと居心地の悪さが相まって妙な気分で鑑賞、でも観後感は良かった、ほッ、

アディも夫と死別、朝まで一人ベッドで過ごすことが苦痛、そこで近所のルイスに奇妙な提案を持ち掛けた、もちろん好意も持ってはいるが、セックスは無し、最初は会話も弾まない、そりゃそうだ^^)でも、徐々にお互いの心の底の本音をさらすことで2人は親密な関係になっていきます、隠れるように付き合っていた2人が堂々と腕を組んで街を歩くシーンは楽しそう、

ルイスには娘、アディには息子と孫がいる、彼らとの関係もぎくしゃく、それでも心を開くことで人生の着地点が見えてきます、地味ですが良心的な映画、



◆(自宅で鑑賞)「とらわれて夏」
(★★★!☆)(2013年米国)(原題:Labor Day)
偶然街で知り合った脱獄犯が母と少年がいる家に入り込む、が、愛情物語です

03とらわれて夏

米国東部の小さな街、母アデルは13歳の息子ヘンリーと2人暮らし、ある日スーパーの駐車場でフランクが強引に車に乗り込んで来る、フランクは傷を負った脱獄犯で、危害は加えないから1日だけ家にかくまってくれと迫る、恐怖におののきながらアデルは家にフランクを入れる、ここから3人の奇妙な数日間が始まる・・・



脱獄犯との共同生活モノ、というジャンルがあるのかどうか知りませんが、そういうスタイルを取りながら、実際は13歳の少年の視点で見た、世の中や大人の不条理、男と女の性を描いた愛情物語です、

妻殺しの罪で服役していたフランクですが、それには事情アリ、フランクは紳士的にアデルに接し、息子ヘンリーには父親的影響を与えます、1日で出ていく約束を違えもう1日もう1日と過ぎる日を3人はそれなりに楽しみます、フランクとアデルは男女の関係になり、それを察知するヘンリーもまたフランクを慕っています、

犯人に好意を抱く“ストックホルム症候群”を超えて、3人は結ばれ、逃避行に出ようとしますが・・・

観後感が良いです、原作は女流作家の小説のようです、如何にもな感じ、原題は米国の休日「労働者の日」の事、9月の第1月曜日、





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2024年02月26日

先週は4本、「夜明けのすべて」「劇場版ハイキュー!!」「アンダーワールド2」「アンダーワールド/ビギニング」

〇(スクリーンで鑑賞)「夜明けのすべて」
(★★★★☆)(2024年日本)
PMSとパニック障害を持つ2人が普通に生きていくために必要なモノとは

02夜明けのすべて

普段は優しくておとなしい印象の藤沢さんが急に怒り出す、イライラを抑えきれなくなり職場で揉め事を起こし退職してしまう、PMS(月経前症候群)の発作で気持が抑えられなくなるのだ、そんな藤沢さんの疾患を新しい職場の仲間は理解してくれている、そこにやって来た新人の山添くん、職場の空気に馴染めず、元の会社に戻りたがっている、山添くんのやる気のなさにイライラが募る藤沢さんだったが、あることがきっかけで山添くんもまた心の病を抱えていることを知る、



主人公の2人、PMSとパニック障害という疾患を抱えています、一旦発作が出ると周りに迷惑をかけ、自分自身への嫌悪感が生まれ、もがき苦しむことになります、普段は優しく振舞っているだけに、発作を起こした藤沢さんを観ていてこちらも苦しくなります、パニック障害は知っていたけど、PMSは詳しく知りませんでした、

そんな2人が、ふとした出来事から、お互いの疾患を理解し助け合うことになります、決して恋人関係ではない、ただ、互いの苦しみが理解できるから、互いに助けたいと願う、苦しむ人を助けることで自らも救われているのかもしれません、

2人が勤める小さな精密機械会社、ユルい仕事振りに最初は違和感を覚えますが、物語が進むにつれて、それもまた2人に対する会社の理解があればこそであると分かると納得がいきます、この会社の製品の一つにプラネタリウムがあります、物語の終盤、プラネタリウムを見ながら藤沢さんが朗読する一文にこの物語への想いが込められています、泣けた、

大きな事件は起こりませんが、映画的サスペンスはあります、原作と監督の化学反応の産物、ぜひ鑑賞を!


(★★★!☆)(2024年日本)(原題:Dumb Money)
人気コミックの映画化、春の高校バレー「烏野高校」vs「音駒高校」の一戦

02ハイキュー

春高バレー3回戦、超攻撃的な烏野高校と繋ぐバレーの音駒高校の闘い、両チームの要、翔陽と研磨はバレーボールを通して互いに高め合う間柄、研磨はその深い洞察力でチームをけん引、翔陽のチカラを封じ込めることに成功、第1セット奪う、瀬戸際に追い込まれた烏野高校だが、ここから壮絶で爽快な両校の闘いが始まる、



もちろん原作コミックは読んでいません、最近のコミックからの映画化作品はそれなりに映画鑑賞者への配慮があり、映画単体でも楽しめる工夫が施されていますが、本作品は・・・細かな所はよく分からな~い!!主人公同士の闘いではなく、両リーム全員の闘いな訳ですが、そのチーム全員にしっかりキャラが割り振られています、そして映画の中でも各人のキャラは全開、一言のセリフにもなにやらギャグや伏線が練り込まれています、おそらく、ここが原作コミックの面白いところ、ここを説明的にしたり端折ったりするとアイデンティティを失ってしまうのでしょう、

そんな映画鑑賞者お構いなしの展開も、慣れてくると楽しめます、第2セット以降はスクリーンに集中しました^^)あのキャラクターはどう?あのセリフの意味は?と、深く考え追及するつもりはありません、そのままを楽しむ、観たままを受け入れる、で、それなりに楽しい映画、これで良し!



(★★★!☆)(2006年米国)(原題:Underworld: Evolution)
シリーズ2作目、吸血鬼族と狼男族の闘い、混血種が初登場?

02アンダーワールド2

ヴァンパイア族最強の戦士セリーンは反逆行為で一族から追われる羽目に、狼男族(ライカン)との混血種マイケルと行動を共にする、バンパイア族の復興を目指す兄弟や一族の最強長老ビクターも復活、闘いの中でマイケルは命を落とし、セリーンは一人ビクターとの対決に挑む、



シリーズ5作目から4作目、そして2作目へと遡っています、物語は一応繋がっていますが、シチュエーションは様々、今作は主にパンパイア族の内紛がテーマになっています、本編ほぼ全部がアクションシーンなので休日のお気楽視聴にピッタリ、今回のライカンは単純獣系で弱っちいです、

セリーン役のケイト・ベッキンセイルがどんどん若返っていきます、当たり前か^^)



(★★★!☆)(2009年米国)(原題:Underworld: Rise of the Lycans)
吸血鬼族と狼男族の闘いを描くシリーズ第3作ですが、物語は一番古い話

02アンダーワールドビギン

世界を支配していたヴァンパイア族、外の世界には獣姿のライカン族が徘徊、襲撃を繰り返していた、ヴァンパイア族の女戦士ソーニャは先頭に立って戦うが、奴隷となった新種ライカンの男ルシアンと愛を交わす、ヴァンパイア族の圧政に立ち向かうためルシアンは脱獄、両族の壮絶な戦いが始まる、



ヴァンパイア族とライカン族の闘いの因縁の発端を時代を遡って描きます、この時代、ライカンはまだ獣に変身したら人間に戻れない原始的な狼男、しかし新種のルシアンは強くて理性も持っています、その進化を恐れたヴァンパイア族がライカンを虐待します、今作ではヴァンパイア族の闇の部分が描かれています、

ま、吸血鬼なんで闇は当たり前か^^)

今作にはケイト・ベッキンセイルのセリーンは登場しません、彼女が生まれる前の物語、残念^^)

で、最後のシリーズ第1作「アンダーワールド」(2003年)が残ったのですが・・・残念ながら、この作品は現在サブスク・有料でも視聴できないようです、視聴可能になったら観ます、




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2024年02月19日

先週は5本、「カラーパーブル」「ダムマネー」「ONODA」「アンダーワールド/ブラッドウォーズ」「アンダーワールド/覚醒」

〇(スクリーンで鑑賞)「カラーパープル」
(★★★★!)(2023年米国)(原題:The Color Purple)
20世紀初頭、女性の人権がまだ確立されていなかった時代の黒人女性の生き様

02カラーパープル

1909年米国テネシー州、セリーは望まぬ子供を出産、子供は父親に奪われ、自身も望まぬ男ミスターとの結婚を強いられます、妹のネティもまたミスターに襲われそうになり去っていきます、日常的な暴力と奴隷のような扱い、ひたすら耐えるだけのセリー、しかし、男と戦う気概を持つソフィアや歌手のシャグと出会い、少しづつ新しい世界を感じ、たくましく成長していきます、そしてある日、ついにミスターに反抗、シャグと共に家を飛び出します、



わずか120年程前の物語ですが、女性の人権が全く認められていない、歪んだ男社会の酷さを観て、スクリーンに釘付けになります、性的虐待、DV、人身売買もどきの結婚、そんなのは当たり前の時代、その男たちも白人から黒人差別を受けている訳で、差別されるから差別するという負の連鎖がここにもありました、そして、その逆境を跳ね返すのも女性自身、自身の才能を生かして自立したセリーに訪れる至福の瞬間とは、、、

ミュージカルですが、それを忘れるくらい物語部分の出来栄えがヨカッタと思います、1985年にスピルバーグが手掛けた前作「カラーパープル」より、明るく前向きで力強いと評判の今作、観後感がとても良いです、ぜひの鑑賞をお勧めします、

(参考)
1945年(昭和20年):女性の国政参政権は敗戦により実現
1947年:日本国憲法制定 男女平等 性差別の禁止
1975年:国際婦人年
1985年:男女雇用機会均等法
2015年:女性活躍推進法
2022年:ジェンダーギャップ指標 日本は146国中、116位(世界経済フォーラム)

(★★★!☆)(2023年米国)(原題:Dumb Money)
巨大資本に立ち向かった個人投資家たちの熱い物語、実話ベース

02ダムマネー

コロナ禍の2020年、一部の巨大資本投資家が牛耳るウォール街、街のゲームセンターを経営するゲームストップ(GS)社の株式を空売りする、株価を下げて倒産に追い込み利益を上げるという目論見だ、個人投資家のキースはGS社の株価は不当に過小評価されているとSNSで訴え、全財産を投じてGS社の株を買う、するとキースの熱意に共鳴した若者や小口個人投資家たちが次々とGS社株を買い始め、株価は高騰、一時的な現象だとさらに空売りを増やす巨大投資家とそれを買い続ける小口個人投資家の闘いへと発展、その結末は、、、



実話ベース、なぜこのような現象が起きたのか?キースの人となりが奇跡を生み出したのか?ハチマキをしてGS社株は絶対に売らない!と叫び続けるキース、それに自分の財産を投じて応じる個人投資家たちとの間に生まれた奇妙な連帯感、しかし、それだけでは到底巨大資本投資家に勝てそうにないと思えるのだが、事実は小説より奇なり、社会現象となってからも、株価がピークに達したと思える状況でも、小口個人投資家はキースを裏切らない、株式を売らない、株式を持ち続ける選択をする、

株式相場ですから、いつかは下落に転じる、それでも結果的には巨大資本投資家は辛酸を舐め、小口個人投資家が一財産を手にした?この騒ぎ、最終決算がどうなったのか?それはエンドロールで確認してください、

(★★★!☆)(2021年フランス・ドイツ・ベルギー・イタリア・日本合作)
(原題:Onoda, 10 000 nuits dans la jungle)
第2次世界大戦終結後も約30年にわたりフィリピン・ルバング島で戦い続けた小野田少尉の物語

02ONODA

1945年、陸軍中野学校で特殊訓練を受けた小野田少尉はフィリピンのルパング島に着任、戦況は絶望的だが、小野田は決して死んではならず、日本軍が戻ってくるまでゲリラ戦を展開するように教育されていた、山中に逃げ込んだ小野田の小隊だが、すぐに4人までに減少、しかし、ここから小野田は任務完遂のために、超人的な精神力とサバイバル術で30年という月日を生き抜いていく、、、



小野田が帰還したのは1974年3月、終戦から実に29年と7か月後である、1950年には最後の4人のうちの1人が投降、まだ3人がジャングルで活動していることが判明、小野田の家族が現地で投降を呼び掛け、劇中ではその呼びかけを小野田は聞いている、他にも入手したラジオで日本のニュースも聞いていたようだ、それでもたった独りになるまでさらに24年以上投降しなかった小野田を造った陸軍中野学校の教育力にも驚く、

帰還のきっかけとなった日本人青年とのエピソードも丁寧に描かれています、このパートも興味深い、抑えた演出で小野田の気持ちが徐々に帰還に傾くさまには息を飲みます、

小野田寛郎、2014年91歳で死去、哀悼、



(★★★!☆)(2016年米国)
吸血鬼族と狼男族の永年にわたる闘いを描くシリーズ第5作

02UWブラッド

新しいリーダーに率いられた狼男族(ライカン)に押され気味の吸血鬼族(ヴァンパイア)は、過去の因縁を超えて、最強の戦士セリーンを呼び戻す、和解に応じたセリーンは長老に忠誠を誓うが、族内の反乱で裏切られ北の同志を頼って逃げる、姿を消したセリーンの子供の血を求めるライカン族は北でセリーンを急襲、セリーンはついに死んでしまう、、、



なんとなく出てきたのでサブスクで鑑賞、時代は現代のようですが、世界観は中世、吸血鬼族と狼男族の闘い?混血?最強の戦士、何だこりゃ!!という感じですが、、、これが結構楽しめました、主人公のセリーンのアクションが観どころ、

シリーズ5作目という事ですが、前作までの要点もなんとなく再現してくれたりするのでいきなり観ても大丈夫です、92分という尺も飽きずに済みます、

で、ここから4作目⇒3作目と順番逆向きで視聴していくという暴挙に出ています、果たして、どんな事になるのか?乞うご期待、



(★★★!☆)(2012年米国)
吸血鬼族と狼男族の長年にわたる闘いを描くシリーズ第4作

02UW覚醒

吸血鬼族最強の処刑人セリーンは人類に捕まり12年間、バイオ企業の冷凍カプセルで眠っていた、この頃、人類はヴァンパイア・ライカン両族の粛清に成功、捕獲した娘の血による無敵化計画の研究が進んでいた、地下に潜った両族は混結の子供の血を求めて暗躍、目覚めたセリーンが脱走したことから、3者による市街戦が始まる、、、



う~ん、良く分からないですが、どうもセリーンと恋人の間に出来た子供がカギを握っており、第4作では娘もセリーンと共に強い能力を発揮します、作品ごとに舞台設定は変わるようで、今作は現代の大都市が舞台でした、人類の刑事も闘いに参加します、そして娘はセリーンと離れて姿を消し、第5作へと繋がっていきます、

セリーンのアクションは今作も面白く、88分はアッという間、両族が暴れまわる世界観にもだいぶ馴染んできました^^)

次は第3作を観ます、それはまた来週の記事で、




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2024年02月13日

先週は4本、「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」「ひとくず」「バッドランズ ハンターズ」「サザンオールスターズ茅ヶ崎ライブ2023」

(★★★!☆)(2023年フランス)(原題:Jeanne du Barry)
貧しい庶民から国王に最も愛された公妾になり上がった女性の物語、フランス版大奥絵巻

02ジャンヌデュ

18世紀のフランス、庶民の私生児として生まれたジャンヌはその美貌と才覚で貴族社会に入り込み、男たちを虜にしていく、国王ルイ15世は政治に関心がなく愛人にばかり気を取られていた、引き合わされたジャンヌを見て国王は恋に落ち、ジャンヌを宮殿に迎え入れ公妾(こうしょう:側室制度が許されなかったため出来た宮廷の公式制度)とした、身分が低いジャンヌを疎ましく思う国王の娘たちや、王太子妃のマリー・アントワネットから嫌がらせを受けるが、ジャンヌは最後まで国王への愛を貫く、



ジャンヌの事は知りませんでしたが、比較的冷静に時系列に事実を追っていきます、なので少々盛り上がりに欠ける部分はありますが、衣装、美術、・小物などには見るべきものはあります、

フランス王朝も安定していた時期であり、ルイ15世は治世に興味がなく、また最初の夫人と息子を早くに病気で亡くしたこともあり、愛人と跡継ぎであるその子供たちが最大の関心事だったようです、ジャンヌは成り上がりモノではありますが、心根はまっすぐで機知に富んでおり、奇抜なデザインのドレスを着たり、男装で馬に乗ったり、人前で国王と手を繋ぐなど、庶民出身の出自を恥じることなく、当時の貴族社会の常識を打ち破る行動し痛快です、のちにフランス革命で処刑されるマリー アントワネットとの対比が面白い、

ルイ15世をジョニー デップが演じます、この人は見る度に新しい顔を見せてくれます、今回もその例にもれず、

「フランス版大奥」を観るように気楽に鑑賞してください、



◆(自宅で鑑賞)「ひとくず」
(★★★★☆)(2019年日本)
ドメスティックバイオレンスを乗り越えようとする男と女と娘の哀しい物語

02ひとくずkai

空き巣稼業の金田、ある日空き巣に入った家で暗闇に一人隠れる少女鞠を見つける、部屋の状況からDV被害を受けていると悟った金田は部屋を綺麗に掃除し、真理を連れ出し、食事をさせ、銭湯にも入れてやる、再び鞠を訪ねた金田は母親とその愛人の男と鉢合わせ、乱闘となり金田は男を殺害してしまう、そこから金田・鞠・母親の3人の奇妙な生活が始まる、、、



分かっていながら娘に手を出す母親、意味もなく危害を加える愛人の男、そして金田自身も幼い時のトラウマを抱えている、優しい一面を持ちながらも社会的には不適合者の振る舞いが止まらない金田、娘の愛し方が分からない母、ひたすら耐えながら母親を慕う娘、DV被害者がDVを繰り返す負の連鎖が悲しくてやりきれません、

主演の上西雄大が監督・脚本も担当、巧みな物語構成で時折爆発する金田の狂気と優しさを上手にまとめ上げています、低予算でも良い映画が作れるというお手本、ぜひの鑑賞をお勧めします、


(★★★☆☆)(2024年韓国)(原題:Badland Hunters)
世界崩壊後、狂気の実験体にされる少女を救出する無敵の男

02バッドランド

突如襲った大地震で世界は崩壊、生き残った人たちはわずかな水と食料を追い求めている、そんな村に崩れずに残ったマンションを拠点に安全な水を再生産することに成功した一団が現れ、子どもたちを優先的にマンションに引き取ると誘う、村のリーダー ナムサンの知り合いの少女スナもマンションに引き取られる、しかし、そのマンションでは奇妙な事態が続出、スナに危険が迫っていると察知したナムサンらはスナ救出に向かう、



ゾンビモノに「マッドマックス」をトッピングしたような世界観、狂気の科学者が娘を救うために研究開発した技術が強靭な肉体を持つゾンビを生み出します、それに対抗するのは、ご存じマ ドンソク演じる無敵無双の男ナムサン、ゾンビとナムサンのアクションシーンはそれなりに見応えあり、日本映画ではここまで撮り切れない、が、ゾンビを生み出す物語がちと薄弱でリアリティがない、韓国の悪役は日本人的感覚からするとどうも軽いというかコメディに見えてしますキャスチングが良くあります、今作もそこがちょっと、、、

休日のお気楽鑑賞なら大丈夫です、



(★★★★☆)(2023年日本)
ご存じ、サザンオールスターズ茅ヶ崎凱旋ライブの模様を満喫、

02サザン

最近はライブや舞台の映像も映画館で上映されることが多くなりました、これもまた新しい文化のような気がします、

今作は2023年9月27日から4日間、茅ケ崎で行われた野外ライブ「サザンオールスターズ茅ヶ崎ライブ2023」を映像化、冒頭の洒落たオープニング映像や、英語スーパー、曲名紹介スーパー無しなど、それなりの作品性を重視した1本になっています、

もちろん、メインはサザンのステージ、ファンでなくても見ごたえ充分、ファンなら何度でも繰り返し観たいステージではないでしょうか、

サザンは1978年デビュー以来、45年間、常に日本のミュージックシーンのトップ集団にいる稀有な存在、近田春夫さんだったかな?もっとも長くヒットを飛ばし続け、影響力のあるアーティストは「サザンと中島みゆきだ」と書いておられたような気がします、なるほど、凄いバンドです、

ちなみに、ワタシは桑田クンと同い年、まだまだできる!!と勇気をもらいました^^)
ぜひの鑑賞をお勧めします、




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2024年02月05日

先週も5本、「哀れなるものたち」「僕らの世界が交わるまで」「雪山の絆」「スターリングラード」「ネメシス 黄金螺旋の謎」

〇(スクリーンで鑑賞)「哀れなるものたち」
(★★★?☆)(2023年英国)(原題:Poor Things)
赤ん坊の脳を持つ女性の成長物語?なのだが、グロ・エロ満載、鑑賞注意^^)

02哀れなる

天才外科医師ゴッドにより、母親の身体に赤ん坊の脳を移植され誕生したベラ、ゴッドの屋敷内で日々成長し、徐々に自我を持つようになる、外の世界を観たいという願望から遊び人ダンカンと大陸横断旅行へ飛び出す、現実を見て少しずつ世界を理解し始めるベラだが天真爛漫そのもので周りを振り回し、遊びのつもりだったダンカンさえ虜にしてしまう、しかし、成長し旅を終え帰ってくるベラを最も厳しい試練が待ち受けていた、、、



継ぎ接ぎだらけの天才外科医、脳を移植された美しい女性、今の世界とは違うゴージャスでアーティスティックな別世界の物語だが、子供の目線で見ると疑問と矛盾だらけのこの世界、そして成長し理想を目指すベラ、、、と、ここまでならなんとかついていけるのですが、、、

原作小説があるそうですが(未読)、その小説の世界観なのか?とにかくえげつない映画です、前半グロ満載、中盤エロ満開、21世紀に観た映画では最多!ファックシーンの連続、エマ・ストーンもよくぞ出演引き受けましたね、という感じ、終盤にようやく人間らしい感情が溢れるシーンがありホッとしたのもつかの間、またもや不快感満載の展開に、ラストも個人的には不快、とにかく観後感・後味が悪いのでもう仕方ない、衣装やら美術やらメイクやら、エエとこ全部合わせても間に合いません、

稀代の名作か?クソ映画か?そんなメーターがあるとすれば、ややクソ映画にメーターは振れました、覚悟して鑑賞しましょう、



〇(スクリーンで鑑賞)「僕らの世界が交わるまで」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:When You Finish Saving the World)
愛しているのに理解できない、母と息子の世界が交わるまでの物語

02僕らの世界

DV被害者を収容するシェルターの責任者エブリン、高潔な理想と志を持って施設を運営している、息子のジギーは自作曲のネット配信で小遣いを稼ぐのに夢中、お互いに相手のことが理解できずに、すれ違い、喧嘩に明け暮れる毎日、そんな時、ジギーは世界の政治に関心のある同級生ライラに魅かれる、彼女に取り入ろうとエブリンに政治的な話をするためのコツを聞くと、上面だけの薄っぺらな考えを一括され、またもや喧嘩に、一方、エブリンも施設に逃げてきた青年に好意を持ち、彼の大学進学に情熱を燃やすが、行き過ぎた思い入れは空回り、2人はやっと自分の大切なものを見失っていたことに気付く、



驚くような大きな事件は起こりません、高潔で清らかな良心を持っていると自負している母親、自ら突き進む道が正しいと確信している息子、お互いに相手の欠点ばかりを見て、それ以上踏み込むことが出来ない2人、それぞれが想いを寄せる相手はお互いを投影したダミーのようにも見えます、

88分という長さもちょうど良い、突然訪れるラストシーンも余韻があって良い、という意見もあると思いますが、ワタシ的にはもう1カット、あと10秒でいいから2人の次のアクションが観たかった、というのは欲張り過ぎなのか、監督の意図を尊重しましょう、

エマ・ストーンが製作に参加、製作者としての才能もあるんだ、



◆(自宅で鑑賞)「雪山の絆」
(★★★★☆)(2023年スペイン・アメリカ・ウルグアイ・チリ合作)
(原題:La sociedad de la nieve)
アンデス山中に墜落した旅客機の乗客たちの壮絶なサバイバル劇、実話、

02雪上の絆

1972年、ラグビーチームの選手たちを乗せた旅客機が雪のアンデス山中に墜落、雪上を滑走したため墜落時45名中29名が生存、過酷な環境の中、救援を信じて待ち続けるが、一人また一人と命を落としていく、墜落現場は雪崩にも襲われ、食料も尽き果て、生き残った者は生存を掛けた究極の選択を迫られる、、、



この航空機事故は“アンデスの奇跡”と呼ばれ、結果的には72日後に16人が生還しています、雪山で72日間生き延びるのは本当に難しい、乗客がラグビーチームだったことが団結と冷静な判断を生み出した一因、にしても食料が尽きてからの生存への究極の判断は重い、、、

無線機やバッテリーの修理チャレンジ、寝袋の制作などなど、よくぞここまで頑張れたものだと感服、最後は救助を待つのをあきらめ、2人が徒歩で延々と続くアンデス山脈を越えて助けを求めることになりますが、、、

結果が分かっていてもサスペンスが続き集中して観れます、そして泣けます、

(★★★!☆)(1993年米国・ドイツ合作)(原題:Stalingrad)
独ソ戦最大の市街戦スターリングラードでの悲惨な戦闘とその後

02スターリングラード

1942年、ナチス・ドイツは戦略上の要衝スターリングラード攻略のためアフリカ戦線で活躍した工兵大隊を投入、簡単に勝利すると思われたが、初日の戦闘で大隊の8割が戦死、ハンスの小隊は敵に包囲され、戦線からの脱出を試み司令部に応援を求めるが、逆に脱走兵として処罰され過酷な任務に回される、そこからハンスの小隊の悲劇が続く、



俯瞰的な戦史映画ではなく、一個の小隊が辿る運命を追いながら戦争の悲惨さを訴える、反戦的な意味合いが強い物語でした、新任の小隊長ハンスは真面目な一市民、非人道的な捕虜の扱いへの抗議や敵兵との交流など、人間的な一面を見せましすが、ナチスはそんな彼を一刀両断、ハンスの小隊は次々と過酷な戦線に送られ隊員は次々と戦死、ついにはハンスも、、、

どんな戦争でも、どこの国の軍隊でも、死んでいくのは無名の兵士と市民、スターリングラードの戦いではドイツ枢軸軍85万人、ソ連軍120万人、市民20万人が死傷、捕虜になったドイツ兵30万人のうち生きて母国に帰ることが出来たのは6000人程度と言われています、人の命が軽すぎます、ワインを飲みながら戦略を練るナチスの高級参謀・将軍たちの愚かさに憤りを感じます、ささやかな人間らしさも結局は散っていく、やはり戦争はしたらアキマセン、ラストシーンが哀しいです、



(★★☆☆☆)(2023年日本)
TVドラマ「ネメシス」の映画化、複雑すぎて理解不能な物語

02ネメシス

探偵事務所「ネメシス」の美神アンナは世界初の遺伝子操作ベイビー、その情報を狙う謎の組織が現れ、アンナは周辺の人物が次々に殺されていく悪夢に悩まされる、そんな時、アンナの前に「窓」と名乗る人物が現れ情報提供を求めるが、組織に殺害されてしまう、、、



と、まあそんな話の様でしたが、夢と現実が何度も行き来する複雑な構成、の割に探偵モノでもないし、タイトルの謎は謎以前のレベルでサスペンスらしきものもない、妙に大掛かりな機械が出て来て他人の夢を操作するという、なにやら観たことがあるようなアイデアもピンと来ず、途中で理解するのをあきらめました、

広瀬すずも華が無かったなあ、残念、観なくても大丈夫です、




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2024年01月29日

先週は5本、「グッドウィルハンティング」「アウトフィット」「ゴールデンカムイ」「リフト」「北の桜守」

(★★★★!)(1997年米国)(原題:Good Will Hunting)
清掃係が難解な数式を解いてしまったことから始まる物語

01グッドウィル

MIT(マサチューセッツ工科大学)でアルバイトの清掃係をしているウィル、高名な数学教授が学生に出題した難解な数式を見事に解いて見せる、教授はその解答を書いた学生探しに奔走、ウイルは少年時代から不遇な生活を送っており、不良仲間と遊び惚けている毎日、ついに暴行罪で保護観察処分になる、そんなウィルが解答者だと知った教授はウィルの保護観察官となって引き取り、数学の勉強をするように勧めるが、ウィルはいう相変わらず奔放な生活を続ける、、、



神は時にとんでもない天賦の才を与えるものです、ウィルの才能は半端なく、高名な教授など足元にも及ばない天才頭脳、しかし、少年時代のトラウマから人に心を開くことが出来ず、自分が何者かになるという発想もなく、ひたすら日々を無為に過ごします、何人ものカウンセラーがウィルの治療に匙を投げる中、最後のカウンセラーがウィルの心の闇に気付きなんとか心を開かせようとしますが、それは苦難の道、ついには彼もウィルと決別、最後にウィルの心を開かせるきっかけを作るのは意外にも・・・

海外では数学映画がとてもよく作られます、それだけ知的好奇心を刺激する題材なのでしょう、本作は天才学者の活躍エピソードではなく、過去のトラウマに悩む青年の物語、彼たまたまが天才だっただけ、ウィルは恋人にも心を開いたことが出来ず、生涯自分の殻に閉じこもって生きていくしかないと考えているようです、与えられた才能が花開くことなく消えていきそうになるのが歯がゆいです、

27年前のベン・アフレックとマット・デイモンが脚本を担当、天賦の才はここにもありました、傑作です、必見、



◆(自宅で鑑賞)「アウトフィット」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Outfit)
シカゴの洋服仕立て屋で起こるギャングにまつわる一夜の事件

01アウトフィット

1956年シカゴ、ロンドンからの移民レオナルド、受付のマーブルと2人で洋服の仕立屋を切り盛りしている、店にはギャングが出入りしている、恩義のあるボスの資金洗浄に一役を買っているのだ、ある夜、ボスの息子リッチーが用心棒のフランシスと共に転がり込んでくる、リッチーは銃で撃たれ負傷している、組織の内部情報が洩れスパイを突き止める証拠を巡っての争いだ、いったい誰がスパイなのか?疑心暗鬼の中、リッチーとフランシスの争いになり、フランシスはやむなくリッチーを射殺、組織のボスが店に来るまでに死体を処理しなければならない事態に陥る、



店の外観が少し映りますが、それ以外はカメラは店の外に出ません、舞台劇のように狭い空間で、ややこしい物語が進行します、死体が一つ、仕立屋、受付嬢、用心棒、ボスと手下、さらには敵組織の3人、緊張の連続、巧みな話術で危機を次々に切り抜けるレオナルドとフランシス、しかし、この事件の裏にはアッと驚くからくりが隠されていました、

面白かったです、あっという間の105分、逆転に次ぐ逆転、全員が一癖も二癖もある、レオナルドも受付嬢も、、、なんとか危機を切り抜けたと思われたレオナルドですが、最後にまだ、、、これも必見です、



〇(スクリーンで鑑賞)「ゴールデンカムイ」
(★★★!☆)(2024年日本)
明治時代の北海道、アイヌの黄金伝説を巡って悪党たちが群がる

01ゴールデンカムイ

日露戦争で活躍した不死身の杉本、旅の途中で聞いたアイヌの黄金伝説を信じてはいない、山中でクマに襲われたところをアイヌの少女アシリバに助けられる、黄金伝説の話をするとアシリバの父親もその黄金のせいで殺されたという、さらに帝国陸軍精鋭部隊も黄金を追っていることが判明、杉本とアシリバも争奪戦に参戦することに、黄金の在り処は網走刑務所から脱走した囚人の身体に掘られた入れ墨、情報を求めて小樽に入った2人は帝国陸軍との戦いに巻き込まれる、



黄金争奪戦という分かりやすい状況、コミック原作らしく、キャラが立っていてなかなか面白いし、それなりにしっかり作っている感じはしますが、3部作になるのかな?本作はまず状況説明+杉本vs帝国陸軍まで、で130分、途中少し間延びしました、

アクションも「キングダム」のほうが好きかな、2時間で物語の結末まで行くくらいのスピード感が欲しいところだが、興行的には難しいか、ま、観て損はないので覗いてみてはいかがでしょうか、


◆(自宅で鑑賞)「Lift リフト」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Lift)
不可能を可能にする窃盗チームの新たなるミッションは金塊強奪

01リフト

サイラス率いるそれぞれ特技を持つ5人の窃盗チーム、宿敵のインターポール捜査官アビーの目の前で名画を盗み溜飲を下げる、サイラス検挙を目指すアビーに、上層部からサイラスを利用してより大きな悪の組織を壊滅させるよう指示が来る、やむなくアビーはサイラスと手を組み共同ミッションに参加する、奪うのは武器商人が利益を得るために用意した5億ドルの金塊、飛行機で運ばれるこの金塊をサイラスとアビーは強奪することができるのか、



たぶんシリーズ2作目、1作目で偶然出会ったサイラスとアビーは身分を隠したまま、一時恋仲になった、その2人が立場を超えてミッションに挑むというのがミソ、軽いタッチながらテンポよく世界を駆け回り、大掛かりなトリックで金塊強奪に挑む、タイトルの意味はラストを観ると分かります、

前作同様、ラストにはさらなるどんでん返しのトリックも用意されていますのでお楽しみに、



◆(自宅で鑑賞)「北の桜守」
(★★!☆☆)(2018年日本)
樺太からの引揚者が懸命に生き抜いた戦後

01北の桜守

ソ連軍の参戦により夫と樺太で生き別れ、2人の息子を連れて命からがら北海道に逃げ延びたテツ、今は一人老後の生活、夫の帰りを待ちわびている、ビジネスマンとして成功した次男の修二郎は札幌に外食店舗を開業、長年疎遠になっていたテツを訪ねる、テツはゆっくりと老いの世界に入っていた、、、



樺太からの引き揚げの惨状、戦後の苦しい生活、息子の出世、息子と嫁の葛藤とあれこれ詰め込み過ぎた感あり、樺太、戦後の国内、現代の札幌とシーンは行き来しながらテツが大切にしてきた桜にフォーカスが合っていく、という段取りなのですが、合間になぜか舞台劇が入りますが、これが良くない、物語がぶつ切りになるわ、物語への没入感がなくなるわで、いったいどんな効果を狙ったのか?まったく理解できませんでした、

現代パートの息子夫婦の物語も成功しているとは思えない、引き揚げと戦後の苦労にフォーカスしたほうが良かったかも、コスチュームもリアル感なく残念、

小百合さんが認知症役を演じたことは好感、こういう役をこなすのが俳優ですよね、





syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画