2023年08月28日

先週は6本、「高野豆腐店の春」「リボルバーリリー」「トランスフォーマー ビースト覚醒」「ハートオブストーン」「青い山脈」「峠 最後のサムライ」

〇(スクリーンで鑑賞)「高野豆腐店の春」
(★★★★☆)(2023年日本)
父娘が守る手造り豆腐の味は?笑って泣ける上質人情喜劇

08高野豆腐店02

尾道で細々と丁寧に豆腐を作り続けている辰雄、娘の春も家に戻り豆腐造りを手伝っている、辰雄の幼なじみグループは春のお見合いセッティングに躍起になるがどこ吹く風の春、辰雄が作る本当に美味しい豆腐造りの継承を目指す娘、頑固一徹の父、似たもの同士の父と娘が様々な人間模様の中で、生きていくために本当に大切なものを見つけて行く、、、



久しぶりに大いに笑い、しみじみ泣ける人情喜劇に出会いました、うん、とっても上質な1本です、藤竜也、麻生久美子好演、

豆腐造りというテーマから、もっと職人気質にフォーカスした物語かと思いきや、なんのなんの肩のこらない喜劇仕立てでした、出戻ってきた一人娘春の縁談話が前半のモチーフ、父辰雄も気さくでおおらかな親爺さん、幼なじみグループは典型的な狂言回し、そうかな?と思ったら春の選択はやはりあの人、後半は辰雄の恋物語と父娘の愛情物語、尾道というシネマシチュエーションを得てとってもハッピーな2時間を楽しむことが出来ました、

こういう映画を皆で観てほしい!オススメです、



〇(スクリーンで鑑賞)「リボルバー リリー」
(★★★☆☆)(2023年日本)
綾瀬はるか、嵌り役のアクション作品なのですが・・・

08リボルバー

1924年、関東大震災からの復興期、台湾の諜報員養成学校で育てられた一流スパイのリリーこと小曽根百合、今は東京の花街玉ノ井の女将に納まっている、資産家一家の惨殺事件の犯人としてかつての仲間の名が上がり、納得できない百合は単身現場に向かう、そこで一家の生き残りの少年慎太を助け出すことになる、事件の裏には帝国陸軍の秘密資金を巡る陰謀が見え隠れする中、百合は慎太を守り抜く決意をするが、、、



キャラもアクションも綾瀬はるかにピッタリの原作の映画化のように思えたのだが、、、どうも成功しているとは云いがたい、

モダニズム溢れる大正期という時代設定が魅力的なのに、物語は平板なアクションに終始、綾瀬はるかの格闘アクションに観るべきモノはありますがそこまで、とにかく台詞が説明的すぎて物語にリアリティがない、とっても緊迫している場面でのよくある切り口上の長台詞、長々と事情説明、そんなこと云う前に逃げろよ!撃てよ!!ということです、果てはティピカルで無能な軍隊、対決シーン、突入シーン、何故か撃たれても撃たれても死なないリリー、でも口上を述べる余裕はあるんかい!!とツッコミ所満載^^)唯一、正体不明で魅力的だったのは、誰かと思ったらシシド・カフカ、エエ感じでした、

綾瀬はるかの魅力をもっと引き出す作品登場に期待します、



◆(自宅で鑑賞)「青い山脈」
(★★★!☆)(1963年日本)
吉永小百合主演の甘い青春映画かと思いきや、結構社会派の物語でした

08青い山脈

1960年代、地方都市の女子校に転校してきた都会育ちの新子、同級生からの嫌がらせに腹を立てた新子は島崎先生に相談、進歩的な島崎先生は嫌がらせをした同級生を糾弾、さらに新子と町の青年六助とのスキャンダルも絡み事は大事に、学校やPTAを巻込んだ騒動となる、島崎先生を応援する校医や六助の友人と体裁を保ちたい校長や先生が対立、決着はPTA会議で決することになるが、、、



石坂洋次郎原作の小説の映画化、ワタシはこの作品しか観ていないのですが、1949年、1957年、1963年、1975年、1988年と5回も製作されています、49年版は原節子、57年版は司葉子主演、原作がホントに面白いんでしょうね、

吉永小百合の主演映画のようなイメージですが、実際には島崎先生(芦川いづみ)と校医沼田(二谷英明)の恋物語がメインストーリーのように見えます、吉永さんは罪のない女子高生役、

ここでも芦川いづみが一際輝いています、左卜全、北林谷栄は貫禄の演技、一度観てください、結構楽しめます、



(★★★!☆)(2023年米国)(原題:Transformers: Rise of the Beasts)
トランスフォーマー最大の危機、最強の敵に立ち向かう新しい仲間達

08トランスフォーマー

遠い過去、宇宙を支配することが出来る“鍵”を持って地球に逃げ込み潜伏していたビースト戦士、地球に“鍵”があることを見つけ出した“ユニクロン”は強力な先兵を送り込んでくる、苦戦するトランスフォーマー達は“鍵”の半分を奪われてしまう、残りの半分を死守すべくビースト戦士達と巡り会ったトランスフォーマーは人間とも力を合わせて地球を食い尽くす“ユニクロン”との最終決戦に臨む、



スクリーンでこのシリーズを観るのは初めて、最大最強の敵、宇宙をコントロール出来る“鍵”、ハイスペックの敵トランスフォーマー、地球に潜んでいた獣系トランスフォーマー、とアイデアはいつかどこかで観たような既視感満載、それでもキャラクターがしっかり描かれているので楽しめます、参戦するヒト2名も個性的、そして最後まで戦い抜く根性もあります、ガンバリました、

獣系にもっと活躍して欲しかった、とくにサイ!もっとガンバレ!!^^)

(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Heart of Stone)
腕利きエージェントが世界を救うために大活躍!

08ハートオブストーン02

英国の諜報機関MI6のレイチェル・ストーン、卓越した情報処理能力で特殊チームを後方からサポートしているが、その正体は世界を破滅から救うために秘密裡に活動している秘密組織チャーターの一員、実戦でも飛び抜けた強さを誇る最強エージェントだった、2重スパイの裏切りからMI6の仲間を失い、チャーター本部もリモート襲撃を受け窮地に陥る中、レイチェルは世界を守るために単身謎の組織との戦いに挑む、



とにかくレイチェルは超人的な活躍を見せます、謎の組織が狙うのは「ハート」と呼ばれる全世界のあらゆるネットワークシステムに侵入できるAI、これを奪い世界を支配しようとする謎の組織とMI6、さらに奥深いところで活動する正義の組織チャーターが要り乱れての争奪戦、

007、MIP、キングスマン辺りをまぜこぜにしたスーパーレディアクション、世界中のネットワークに侵入支配できる「ハート」、2重スパイと裏切り!と、これまた既視感満載なので物語自体に新味なし、アクションは楽しめるのですが、、、

休日のお気楽鑑賞向き、



◆(自宅で鑑賞)「峠 最後のサムライ」
(★★☆☆☆)(2022年日本)
幕末、官軍と幕軍との間で和平を求めて奮闘する長岡藩家老 河井継之助

08峠

幕末の長岡藩、錦の御旗を掲げて東進する官軍は長岡藩にも押し寄せてくる、日本の未来の姿を見据えている家老の河井継之助は官軍にも幕軍にもつかず一藩独立を掲げ、両軍の和平を調停することこそが長岡藩、そして日本国が生き残る道と説き、和平の道を探るが、官軍は聞く耳を持たず、ついに望まぬ開戦をすることになる、、、



官軍側の薩摩・長州・土佐、幕軍側の会津・桑名、奥羽列藩同盟などが取り上げられることが多い中、独自の思想視点で時代の流れを乗り越えようとした長岡藩家老にフォーカスした司馬遼太郎の小説の映画化、

長岡藩のオリジナリティは斬新で面白そうなのだが、、、映画では河井継之助を始め各キャラクターに魂が入り切りませんでした、前半こそ継之助の人間力が溢れ出し、彼の活躍に期待が集まりますが、実際の和平調停や戦闘に入ると紋切り型で説明的なシーンが続きます、一連の史実や小説展開を丁寧に追った分、映画としてのワクワク感はまったく出てきませんでした、役所広司の熱演がむなしい、、、残念、、、

隠れた幕末日本史を学習する気持ちで観てください、




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2023年08月22日

先週は4本、「君たちはどう生きるか」「幕末太陽傳」「俺たちに明日はない」「明日に向かって撃て」

〇(スクリーンで鑑賞)「君たちはどう生きるか」
(★★★??)(2023年日本)
10年振りに発表された宮崎駿監督の冒険ファンタジー

08君たちは

戦時中の日本、事故で母を失った眞人は父親の軍需工場がある地方都市に引っ越す、そこでの学校生活に馴染めない眞人、とその眼前に謎のアオサギが現れ、母がいるという別世界へ眞人をいざなう、ある日父親の再婚相手で母の妹夏子が失踪、夏子は別世界へ紛れ込んだと確信した眞人もアオサギと共に別世界へ入り込む、そこでは摩訶不思議な出来事が次々と起こっていた、、、



吉野源三郎の小説「君たちはどう生きるか」に触発されたのか?宮崎監督10年振りの長編作品となりました、劇中でも小説がチラッと出てきますが、基本的にはまったく関連のない物語、宮崎監督お得意ワールド且つ自伝的ワールドだそうです、

監督自身の過去作へのオマージュがちりばめられているのは一目瞭然、あまり興味の無いワタシでも「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「風立ちぬ」等のキャラクター、モチーフ、パーツがあちこちに出て来たのが分ります、

声優陣も豪華、でもスクリーンでは誰が誰やら?ま、それが声優のお仕事、みなさん素晴らしいお仕事です、演技は別として“あいみょん”が重要な役で活躍しているのにビックリ、キャスティングセンスも本人の頑張りもエエ感じでした、

で、作品の評価はというと・・・2時間ほど普通に楽しめますが、タイトルにある様な“どう生きるのか”的な感銘は特になし、この映画にメッセージはないのか?これをどう評価するのか?皆それぞれで考えるしかないのかな、、、



◆(自宅で鑑賞)「幕末太陽傳」
(★★★★☆)(1957年日本)
日本映画史上屈指の名作喜劇、タイトル通り、幕末を明るくたくましく生きる主人公

08幕末太陽傳

幕末の1862年、品川の遊郭でどんちゃん騒ぎをした佐平次、実は一文無し、連れが金を持って帰ってくると宿主を丸め込んで、金が出来るまで宿で働く“居残りさん”として働き出す、遊郭の花魁や宿主、下働き、客、勤王の志士など様々な人達が入り乱れて織りなす人間模様、佐平次は天性の要領の良さで次々と難題を解決、アッという間に人気者になっていきます、



カメラはほとんど遊郭内にあります、グランドホテル方式の物語はとにかくテンポが良い、110分がアッという間、65年以上前にこの作品をスクリーンで観た観客はその面白さに腰を抜かしたでしょう、物語のベースは落語「居残り佐平次」らしく、劇中にも「三枚起請」「らくだ」「口入屋」などのエッセンスが出てきます、

佐平次役のフランキー堺は出色の出来、彼がこの映画を成功させたのは間違いなし、他にも南田洋子(綺麗!)、左幸子、石原裕次郎、芦川いずみ、金子信雄、岡田眞澄、二谷英明、西村晃、小林旭、小沢昭一、山岡久乃、殿山泰司etc、今観るとオールスターキャスト、若い日々の名優を観賞するのも楽しい、

一見の価値あり!

佐平次の咳だけが気になります、あれはなんだったんだろう、、、



(★★★!☆)(1967年米国)(原題:Bonnie and Clyde)
実在の銀行強盗、ボニーとクライドの犯罪始末記

08俺たちに

1930年代の米国、奔放なボニーと刑務所帰りのクライドは一目で意気投合、退屈な日常から抜け出すために銀行強盗を始める、ドライーバー役やクライドの兄夫婦も加わり、警察の追求を巧みにかわしながら犯行を重ねる5人、白昼堂々の犯行の連続に警察は追求の輪を狭めていく、、、



追手側視点で描いた近作「ザ・テキサス・レンジャー」を鑑賞したので、追われる側視点の本作も久しぶりに鑑賞、アメリカのニューシネマの原点となった1作、軽いタッチで強盗団の青春を描いていきます、時は大恐慌時代、不況の嵐の中で次々と銀行を襲う2人に世間は喝采を送ります、2人は一躍人気者に祭り上げられ、そして最後の銃撃戦を迎えます、

2人の実際の写真が多数残っており、当時の庶民の熱狂振りがうかがえます、

ラストの壮絶な銃撃シーンは当時としては相当衝撃的、現実でも徹底的な銃撃が行われたようです、追う側のハイウェイパトロールのフランク(「ザ・テキサス・レンジャー」の主人公)は、こちらでは結構間抜けな役回りに、ちと可哀想^^)

フェイ・ダナウェイ妖艶、



◆(自宅で鑑賞)「明日に向かって撃て」
(★★★★☆)(1969年米国)(原題:Butch Cassidy and the Sundance Kid)
西部開拓末期、こちらは列車強盗で名を馳せた2人の半生記

08明日に向かって

西部開拓が終わった時代の変わり目の1890年代、ブッチとサンダンスは牛泥棒から列車強盗へ鞍替え、次々と犯行を繰り返し「壁の穴強盗団」と呼ばれていた、度重なる強盗団の被害に業を煮やした鉄道会社は腕利きの保安官と追跡者を雇い、強盗団を追い詰めていく、逃避行に疲れた2人はサンダンスの恋人エッタと共に南米ボリビアへ渡り、隠遁する予定だったが、、、



ニューシネマ、強盗団、タイトル、なにかと「俺たちに明日はない」とイメージがダブるので、ついでにこちらも鑑賞、邦題は明らかに意識的に寄せています、

こちらも大胆な列車強盗を繰り返す2人、写真が一般的ではなかった時代、普通に宿場のホテルに逗留しても面が割れなかったりするのが面白い、ブッチは策士、でもヒトを撃ったことがない、サンダンスは銃の名手、愛する恋人もいる、そんな2人の痛快な半生記かと思いきや、後半はジワジワと追ってくる保安官から逃げる逃げる、逃避行の連続、そしてボリビアに渡るという、事実は小説より奇なり、

ラストのストップモーションは映画史上に残る1カット、音楽の使い方もニューシネマと呼ばれる由縁、聞き馴染みのある「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」、そして当時新発明の自転車に乗るシーンで流れる「雨にぬれても」は名曲、

名優3人揃い踏み、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス、観応えあります、




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2023年08月07日

先週は4本、「キングダム 運命の炎」「プライベートライアン」「戦場のピアニスト」「ザ・テキサス・レンジャー」

〇(スクリーンで鑑賞)「キングダム 運命の炎」
(★★★!☆)(2023年日本)
シリーズ第3作、中国戦国時代、秦王と共に大将軍を目指す信の趙国との闘い

08キングダム

中国統一を目指す秦国、次なる闘いは隣国趙との決戦、秦王は総大将に王騎を任命、趙は人数に勝る軍勢で秦軍に迫ってくる、100人隊長となった信は王騎から奇襲により趙の智将の首を取るという命を受ける、100人隊を率いて秦軍の本陣に迫る信だったが、敵の本陣は圧倒的な兵力で護られていた、、、



シリーズ3作目、迫力の肉弾戦戦闘シーンにも免疫がついてきたかな、という感じですが、それでも信と仲間達との信頼関係がしっかりと伝わってくるので、無理がある奇襲作戦にも思わず力が入るし、信と仲間達を応援したくなるのがこの映画の醍醐味、

しかし、前半の秦王誕生の回顧エピソードが長すぎた、信の修業時代のエピソードを端折ってしまったので前半は退屈、信の修行時代の闘いを軽く描いてから短めの回顧シーン、そして決戦へ、というシンプルな流れでも良かったように思える、惜しいなあ、

それでも物語は終わらず、ラスト近くでは新たな大物俳優も登場、いよいよ王騎との対決があるのか?そして1作目以降姿を潜めていたあの部族も!?4作目への期待は高まります、

次作が楽しみです、

(★★★★★)(2011年米国)(原題:Saving Private Ryan)
戦場から一人の二等兵を連れ帰るというミッションを遂行する8人

08プライベートライアン

1944年、連合軍はノルマンディ上陸作戦を敢行、徐々にドイツ軍を駆逐していく中、最前線のミラー大尉に特命が下る、兄弟4人のうち3人が相次いで戦死したライアン兄弟、最後の一人は落下傘部隊で敵地奥深くに降下、この最後のライアンを戦場から連れ戻せというミッション、ミラー大尉は部下7人と共に敵地深くに入り込みライアン二等兵を探すことになる、、、



間違いなく名作です、まず冒頭20分ほどのノルマンディ上陸作戦の描写、戦争の悲惨さを余すところなく伝える映像、息をする事さえ忘れてしまいそうな時間となります、そして一人の二等兵を連れ帰るために8人が命をかけるミッション、人道的な配慮でありながら、そのために次々と命が奪われていく戦場の矛盾、やりきれない物語も兵士一人ひとりのキャラがていねいに描かれているので、戦闘シーンとともに人間ドラマにも没頭できます、

全編に計算された映画的レトリックがちりばめられているのは監督の手腕?見返りの少ないミッション、8人の小隊、臆病な若者、冷静な狙撃者、勇敢でクレバーな軍曹、優しさが裏目に出ての死、そして8人で闘う覚悟、個人的には黒澤のあの作品がダブって見えました、

必見の1作、

プライベート=二等兵のこと、



◆(自宅で鑑賞)「戦場のピアニスト」
(★★★!☆)(2002年フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作)
(原題:The Pianist)
ナチス支配下のワルシャワ、一人生き延びることになったユダヤ人ピアニストの物語

08戦場のピアニスト

1939年ポーランドのワルシャワ、ナチス侵攻によりユダヤ人はゲットー(隔離地区)に集められる、迫害はさらに続き次々と命を奪われるユダヤ人、収容所への移動の間際、ピアニストのシュピルマンは仲間の手助けで一人潜伏生活に入る、支援者の隠れ家を転々とするシュピルマン、しかし事態は刻々と悪化、彼の周りにもナチスの手が伸びてくる、そしてある日、ついにナチス将校に見つかってしまったシュピルマンは、、、



実在のピアニストの自伝を映画化、ラジオ局で美しいピアノ演奏を披露していたシュピルマンの苦難の6年間を淡々と描いていきます、引き離される家族、いとも簡単に失われる命、なんの希望も無くなったと思われた時、シュピルマンには意外な救いの手が何度も差し伸べられます、

実話に基づいている、それだけにこの奇跡のようなシュピルマンの生存物語とタイトルバックの美しいピアノの調べが心に響きます、



(★★★★☆)(2019年米国)(原題:The Highwaymen)
凶悪犯罪者を追い詰める老練な追跡者2人の物語

08テキサスレンジャー

1934年米国テキサス州、銀行強盗や車泥棒を繰り返すボニーとクライドの一味、警官殺しにまで発展したが、一味は巧みに警察の手を逃れ続けていた、業を煮やしたテキサス州知事は腕利きの元テキサスレンジャーのフランクを追跡者に任命、フランクは独特の勘と嗅覚でボニーとクライドを追い詰めていく、、、



これまた実話ベース、映画「俺たちに明日はない」で高名なギャング・カップル“ボニーとクライド”を追い詰めた2人の追跡者は元テキサスレンジャー=西部開拓時代から続く騎馬自警団、自動車とハイウェイが発達した時代の変わり目の1934年、すでにテキサスレンジャーで活躍した猛者は残り少なかった、しかし、誰も逮捕出来なかったギャングを2人の老練な元テキサスレンジャーが追い詰めていきます、

馬から慣れない車に乗り換えての追跡劇、逃げる容疑者を追いかけても息切れする2人、それでも最新装備のFBIや警察を出し抜いて一味に迫っていくのが小気味良い、義賊的な犯行を繰り返し世間の人気者だったボニーとクライドも、警官殺しに至っては容赦なし、追跡者の銃弾の標的になります、

原題はフランクが実際に任命された役職、車社会に変わった時代に出来たのがハイウェイパトロール、




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2023年07月31日

先週も5本、「ミッションインポッシブル デッドレコニング PART ONE」「マネーボール」「山のトムさん」「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」「シン仮面ライダー」

〇(スクリーンで鑑賞)「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」(★★★★!)(2023年米国)
(原題:Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One)
身体を張ったアクション!シリーズ第7作、完結編のパート1

07MIP7

最新のAI戦闘システム“それ”が自意識を持ち始めて暴走を始める、“それ”を制御する謎の鍵を求めて世界中の諜報機関が暗躍、イーサン・ハントのIMFチームは米国の依頼も断り、独自のミッションで世界の危機を救うために奔走、旧友や仇敵、各国のスパイが複雑に絡み合いながら謎の鍵の争奪戦が始まる、、、



説明不要のシリーズ完結へ向けての前編164分、少々長いかな?との心配は杞憂、冒頭から戦闘シーン、カーチェイス、走る走るの連続、お馴染みの変装術、そしてトム・クルーズの身体を張った実写アクションとたたみ掛けられて寝ている暇もありません^^)

さすがに衰えを感じさせるトム・クルーズの横顔も、アクションシーンになると年齢を感じさせない切れ味あり、にしても、なんで断崖絶壁から空へ舞うバイクに本人が乗っているのか?普通はCG合成で作るシーンだろうけども、実際に命がけの実写でやってしまうんだから凄い、アクションネタは他の映画でも観れる範囲、しかし、そこにかける情熱には敬意を表さない訳にはいきません、

観て損は無し!



◆(自宅で鑑賞)「マネーボール」
(★★★★☆)(2011年米国)(原題:Moneyball)
MLBの弱小球団アスレティックスを奇跡の快進撃に導いた、実話の基づく物語

07マネーボール

弱小球団アスレティックスのGM(ジェネラル マネージャー)ビリー、フリーエージェント宣言で抜けた主力選手の穴を埋めるべくベテランスカウトとドラフトの検討を重ねるが、金銭的にまったく余裕の球団アスレティックスでは打つ手がない、ある日、他球団で働く異色のスタッフ ピーターの独自データ理論に興味を引かれる、ピーターを引き抜いたビリーは、旧態依然としたスカウト達の反対を押し切り、ピーターのデータ理論に従って異色の選手ばかりを獲得するが、、、



2001年シーズンで起きたアスレティックス奇跡の20連勝、それを現実の物にしたGMとスタッフの生き様が痛快、大物選手を放出、獲得するのはピークを過ぎたベテラン、変則投法の投手に故障者とポンコツばかり?しかし起用法さえ間違わなければ年俸以上の働きをするはず、それを信じたビリー、監督やスカウトの猛反発を1人背負ってシーズンを闘う姿はけっしてスマートではない、泥にまみれたGM、

ビリーはかって将来を嘱望されドラフト1位で入団という栄光の過去の持ち主、そこからGM業に転身、有名球団からGMとして破格の高年俸提示を蹴ってアスレティックスに残りワールドシリーズを目指した、、、奇跡の20連勝と共に痺れる実話がカッコ良い、



◆(自宅で鑑賞)「山のトムさん」
(★★★!☆)(2015年日本)
田舎の1軒屋で暮らす4人の穏やかな日常

07山のトムさん

作家のハナ、甥のアキラを連れて田舎の1軒屋に帰ってきた、そこには友人のトキとトキの娘トシがいる、畑を耕し野菜を作り、鶏と山羊を飼い、近所の農家夫婦の助けも借りながら穏やかに暮らす4人、ネズミが家に住み着いたためネコを飼うことにする、ネコの名前は、、、トムさん、、、



事件はなにも起こりません、いや、少し起こるかな、アキラはどうも高校に行けない様子、ココロのどこかに穴が空いているのかな?彼の再生も気になりますが、どうも物語のテーマではない、ネズミ退治を期待されるネコのトムさんが主役でもない、ハナもトキもトシもいたって健全でノンビリ、なにも起こらない普通の田舎暮らしが物語のテーマです、

原作は翻訳家の体験談、脚本は群ようこさん、そして主演が小林聡美さんと来れば、それはもう普通の食事が美味しいに決まっています、みんな美味しそうにモグモグ、食事シーンが秀逸でした、

ノンビリ鑑賞でココロのコリをほぐしましょう、

(★★★☆☆)(2016年米国)(原題:Batman v Superman: Dawn of Justice)
悩める2大ヒーローが正面衝突、そこにもう一人のヒーローが

07バットマンスーパーマン

宇宙からの侵略者との闘いで、街に大きな被害をもたらしたスーパーマンへの非難が高まる、一方バットマンも自らに課せられた運命に押しつぶされそうになっていた、スーパーマンの暴挙?を止めるべくバットマンは立ち上がり2大ヒーローの対決が始まるが、そこに強大な敵が現れる、、、



先週観た「ワンダーウーマン」のヒロインが今作で初登場したという情報があったので鑑賞、もともとバットマンの世界観がピンと来ない、スーパーマンも余り観ていない、ジャスティスもよく知らない、ということで残るものはなし
(涙)でした、最後まで観れましたけどね、

ま、怖いもの観たさでの鑑賞かな、



◆(自宅で鑑賞)「シン仮面ライダー」
(★★☆☆☆)(2023年日本)
庵野監督のシン・シリーズ3作目は如何に!?

07シン仮面ライダー

緑川博士が完成させた仮面ライダー1号、博士の娘ルリ子と共に世界征服を企む「ショッカー」の野望を砕くべく、数々の改造オーグと闘いに勝利し、仮面ライダー2号を味方に付け、最終決戦に挑む!



「シンゴジラ」「シンウルトラマン」に続く庵野監督の“シンシリーズ”第3作、徐々にヒーローが小型化・ヒト化したからか?映画のスケールも出来映えも小型化・定型化してしまったような印象、

仮面ラーダーへの想い入れがないので、見落としているエッセンスがたくさんあると思いますが、特撮シーンやCGの精度にも感じるところなし、最後まで観るのが辛かったです、
スイマセン、、、

仮面ライダーファンなら楽しめるかも^^)




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2023年07月24日

先週は5本、「キャロル オブ ザ ベル」「ギルティ」「ワンダーウーマン」「1秒先の彼」「嘘を愛する女」

〇(スクリーンで鑑賞)「キャロル オブ ザ ベル」
(★★★★☆)(2021年ウクライナ・ポーランド合作)
(原題:Carol of the Bells)
戦争に翻弄される3家族の悲しい物語と現代に繋がるキャロル

07キャロルオブザベル

第2次世界大戦前夜の1939年、ポーランドの田舎町、ユダヤ人の住む家に間借り人としてウクライナ人家族とポーランド人家族が入居、3家族には合わせて4人の娘がおり仲良く暮らし始める、しかし軍靴の音が忍び寄る、進駐してきたソ連軍に拘束されるポーランド人の妻、侵攻してきたナチスドイツはユダヤ人の両親を収容所送りに、残された娘たちを匿いながら必死に生き延びようとするウクライナ人の両親だったが、、、



なんとも悲しく数奇な3家族の物語、歴史的・地理的な認識がある方が理解しやすいです、舞台は現ウクライナ西部の街、ポーランドとの国境に近いですがソ連軍が支配していたようで、まずポーランド人が目の敵にされます、次にナチスドイツがユダヤ人を迫害、そして大戦末期、再びソ連軍が侵攻してくると今度はウクライナ人が迫害されます、

とにかく、慎ましく生きているだけなのに、大国の間で運命に翻弄される3家族、そんな中で物語のモチーフになっているのがウクライナの民謡「キャロル オブ ザ ベル」、この歌が幸せを呼ぶと信じている娘達はこの歌を唱うことで、皆を幸せにしようとしますが、民謡さえ許さないソビエト共産党、ついに全ての大人が何らかの形で収容・処刑・流刑の身に、、、はたして、娘達に未来はあるのか、、、

地味で悲しい物語ですが、サスペンスと家族愛に満ち満ちています、観後感も悪くない、オススメの良作です、

ちなみに“キャロル”はキリスト教の祝祭で唱われる歌、永チャンもキャロル^^)



◆(自宅で鑑賞)「THE GUILTY ギルティ2018」
(★★★★☆)(2018年デンマーク)(原題:Den skyldige)
緊急通報司令室だけで物語が進行、電話の先の音だけで事件解決に挑む刑事

07ギルティ

刑事のアスカーは違法捜査の疑いで担当を外され、司令室で緊急通報を受けるボランティアを行っている、対応に退屈していたアスカーが受けた1本の電話、母親が男に誘拐され車で移動中の様子、電話だけが頼りの状況でアスカーは粘り強く彼女から情報を引き出し緊急手配を掛ける、そして母親の自宅に警官を差し向けると、そこには幼い子供の惨殺死体が、殺人事件となり事態は切迫するが、母親を乗せた車の行方は杳(よう)として知れない、、、



カメラは一度も緊急通報司令室を出ません、そこで緊急通報を受け、各所に手配を掛けるアスカーと通話先の犯人や母親、警官や刑事は声だけの出演、ヘッドフォンマイクを付けたアスカーの緊迫の演技が続きます、

この「現場の音しか聞こえない」というシチュエーション・サスペンスがこの映画の核心ですが、それだけじゃないのが本作の良いところ、幼児殺しの真相は?そしてアスカーが犯した罪とは?それらが見事に一点に集約されてエンディングを迎えます、見事な映画的レトリック、

公開時にスクリーンで鑑賞しましたが、再度観ても楽しめました、88分間、手に汗握ること間違いなし、

第34回サンダンス映画祭観客賞受賞作品、



◆(自宅で鑑賞)「ワンダーウーマン」
(★★★★☆)(2017年米国)(原題:Wonder Woman)
無敵の女性戦士が世界を救うため、第1次世界大戦の西部戦線へ

07ワンダーウーマン

女性戦士だけが住む謎の孤島、そこでは王女ダイアナがいつかやってくる世界を滅ぼす軍神アレスとの闘いに備えて強力な軍隊が整備していた、そこに英国スパイのトレバーがドイツ軍に追われてたどり着く、トレバーをドイツ軍から救ったダイアナは世界大戦の根源は軍神アレスと確信、トレバーと共にロンドンに出向き、首脳にアレス撃退を申し出るが相手にされない、業を煮やしたダイアナはトレバーと共に前線へと向かう、そこにはたしかにアレスの影が、、、



ダイアナは「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(2016年米国)に初登場したそうです
(観ていません)、なので超人対決映画か伽噺映画かと思いきや、舞台は20世紀、第1次世界大戦末期の欧州、ワンダーウーマンが闘うのはドイツ軍と現実味のある(いやいや現実味はないか^^)シチュエーションで結構楽しめました、ラストの大ボスとの闘いは当然超人対決になる訳ですが、それはまあ致し方なし、

休日のお気楽鑑賞にもってこいの1本です、



〇(スクリーンで鑑賞)「1秒先の彼」
(★★★☆☆)(2023年日本)
ちょっとテンポが速い彼と、ちょっとテンポが遅い彼女たちが迷い込んだ世界は?

071秒先の彼

郵便局に務めるハジメ、仕事には退屈しているが彼は何をするにも人より少し先を行く事が出来る不思議な能力を持っている、ある日路上ミュージシャンの桜子と出会い恋に落ちる、何事も先を行くハジメだが恋路はサッパリ、桜子から弟の治療費に40万円を無心されうっかり支払おうとデートの約束をするが、目が覚めると次の日、大切なデートの日が丸1日すっぽりとハジメの記憶から抜け落ちていた、、、



台湾映画「1秒先の彼女」のリメイク、舞台が京都なのであちこち観慣れた風景が出てきて楽しかった、役者さんの京都弁も上手でした、ということで、途中までは気分よく観ていたのですが、、、

原作映画(公開時スクリーンで鑑賞)に比べると“ちょっとテンポが速い”“ちょっとテンポが遅い”感じがうまく生かされていなかったような気がします、異空間発生について台詞での説明はありますが、どうもピンと来なかった、このシチュエーションがなくてもラブコメディとして上手に成り立っていたのですが、異空間に放り出された途端ハジメのキャラクターが消し飛んでしまったような感覚に陥りました、伏線回収の仕方の問題かな?

なんか惜しかったなあ、

笑福亭笑瓶さんが出演、哀悼、、、


◆(自宅で鑑賞)「嘘を愛する女」
(★★★☆☆)(2018年日本)
5年間連れ添った男はすべてを偽っていた、いったい彼は何者なのか?

07嘘を愛する女

バリバリ働く由加利、偶然知り合って同居している桔平は医科大の実習生、ある日桔平はくも膜下出血で倒れ意識不明に、警察が身元を調べると免許証が偽造と判明、由加利は警察で尋問を受けるハメに、桔平の本当の素性を知りたい由加利は探偵に依頼、手がかりを元に瀬戸内の灯台を巡る旅に出る、徐々に明かされる桔平の過去、由加利はそれに向き合うことになる、



最近もスクリーンで同じような物語がありましたね、5年間一緒に暮らした男の本名も分らないというのはどんな気分なんでしょうか?それは想像を絶する不安感の塊、こりゃ物語になりますよね、

ところが、やり手の由加利はなんでも自分で解決できると思う自信家?なのに、急に弱気になったり、怒り出したり、と一貫性がない、ここが失敗の原因かな?中盤の探偵とのロードムービーも寄り道ばかりしている感じで一向にサスペンスは生まれてきません、

最後にこの物語のメッセージが見えてきて、すこし救われた部分はありますが、う~ん、これは脚本か?監督か?もっと人を描く修行が必要でしたね、残念、




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2023年07月18日

先週は6本、「オレンジ ランプ」「ザ・ハーダー・ゼイ・フォール 報復の荒野」「めんたいぴりり」「バッドガイズ」「スカイスクレイパー」「アンダードッグ 二人の男」

〇(スクリーンで鑑賞)「オレンジ ランプ」
(★★★★☆)(2023年日本)
39歳で若年性認知症を発症した夫と家族の実話を基にした物語

07オレンジランプ

敏腕営業マンの只野、最近忘れっぽくなったと検査を受けると若年性アルツハイマー型認知症と診断される、驚きと戸惑い、妻真央と共に前へ進むことを約束するが、徐々に病状は進行、ついに家に帰る道まで忘れてしまい徘徊することに、会社へは辞表を提出、娘2人にも病気を告げる、只野は未来への希望を失い、生きていく気力も持てなくなるが、、、



加齢と共に襲ってくる認知症の恐怖、誰にでも起こりえる、いや、相当の確立で認知症になるリスクがある現代、39歳で認知症になった主人公の心中は察するに余りあります、家族はもちろん、会社の同僚や上司もどうして良いのか?分らない、そんな時、只野は認知症の患者達のグループに参加、少しずつ認知症への向き合い方に変化が生まれます、

その実態となるとあまり良く知らない認知症、どのように病状は進行していくのか?どんな日常生活になっていくのか?物語を通して認知症への理解を深めるという社会的意義も高い映画です、その分、少し型にハマった部分も見られますが、作品全体としては人のぬくもりを感じられる良作に仕上がっています、

モデルとなった実在の原作者は今も元気で認知症理解促進活動を続けておられます、認知症のことを少しでも身近に感じる、という意味でも鑑賞をお奨めします、

(★★★★☆)(2021年米国)(原題:The Harder They Fall)
両親を殺害された青年の復讐の物語、ちょっと新感覚の西部劇

07ハーダーゼイ

子供の頃に目の前で両親を殺害されたナット、今は仲間と荒っぽい強盗をしながら、両親の仇を追い復讐してきた、残った仇最後の1人、ボスのルーファスが監獄から出てくることを知ったナットと仲間は保安官バスと共にルーファスが支配する街へ向い、最後の決闘が始まる、、、



プロデューサーがラッパー、挿入音楽や心象シーン多用の新感覚西部劇ということになっています、たしかにユニークではありますが、本格西部劇として十分楽しめました、

シンプルな復讐劇、信頼できる仲間と力を合わせての大ボスとの対決、早撃ち対決、女ガンマンなど分りやすく楽しめる筋立てなのですが、どうもテンポがスローに感じます、挿入音楽や心象シーンをどう感じるか?で評価が分かれるかも、後半のメアリーが単身乗り込むシークエンスや銀行強盗のシークエンス、別の強盗団の乱入などを省けば100分くらいでテンポ良くまとまったかも、、、

でも、案外気に入ったので高評価です、観てみてください、

原題の「The Harder They Fall」、『どんどん死んでいく』みたいな感じかな?違うかな?



◆(自宅で鑑賞)「めんたいぴりり」
(★★★★☆)(2019年日本)
のぼせもんでお人好し海野が作る明太子の味は?博多の人情物語

07めんたい

戦後の博多、海野は妻千代子と2人の娘、そして4人の従業員と共に小さな食料品店を営んでいた、引き揚げ前の韓国で食べた味が忘れられなくて日々明太子の試作にとりくんでいる、博多山笠が生き甲斐で、のぼせもん(バカ正直)でお人好しの海野は困った人を見ると手を差し伸べずには折られない、請われれば競争相手に明太子の秘伝の造り方を教えてしまう、支払い金を勝手に博多山笠に寄付してしまう、苦しい家計を任されている千代子もそんな海野を憎めない、苦しい生活が続くが笑顔を絶やさない海野、、、



「明太子」の老舗「ふくや」の創業者をモデルにした人情物語を博多華丸が熱演、“のぼせもんでお人好し”の主人公を取り巻く善良な人々、バラックに住む息子の同級生の女の子は貧乏で遠足へ行くためのリュックも靴も買えない、うん、こういう生活が普通だった時代がありました、苦しい戦後の生活の中でも笑顔が絶えない家族、こういう時代だったからこそ生まれるべくしてうまれた人情喜劇です、

華丸嵌り役、妻役の富田靖子が熱演、エエ役者さんですな、



◆(自宅で鑑賞) 「バッドガイズ」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:The Bad Guys)
動物キャラが躍動するアニメ、物語もキャラも良く出来ています

07バッドガイズ

天才スリのウルフをリーダーとする5人の窃盗団、これまで幾多の盗みをクリアしてきた彼らの次の獲物は善人に贈られるお宝「黄金のイルカ」だったが、すんでのところで失敗、逮捕されてしまう、町の名士マーマレード教授は5人を「グッド ガイズ」に変身させることにするが、その裏では思わぬ計画が進行していた、、、



動物キャラ、米国アニメ、ほとんど観ないジャンルなのですが休日のお気楽鑑賞、これが面白かった!窃盗団のキャラをはじめ、知事、警察署長などのキャラが立っています、表情や仕草の表現も素晴らしい、モーションキャプチャーのような気がします、アクションはなにやら「ルパン3世」を思い出しました、参考にされているかも、

はい、休日のお気楽鑑賞にピッタリ!ぜひ!!



(★★★!☆)(2018年米国)(原題:Skyscraper)
元FBI人質救出班員が家族を救うために高層タワーの火災現場へ突入

07スカイスクレイパー

FBIの人質救出班で活躍していたウィル、犯人の自爆で自らも左足を失い引退、警備コンサルタントとして再出発、香港に出来た高さ1000m以上の最新高層ビルの保安部門の一員として家族帯同で香港へ、家族はパンダ見物へ行く予定だったが、息子の体調不良でビルの部屋に戻ってくると、そこでは謎の集団のビル破壊工作が進んでいた、、、



高層ビル火災という定番ジャンル、今回のビルは高さ1066mという設定、その中層階で破壊工作が行われます、意図的な大火災、保安システムを乗っ取って消火防火システムの停止、アッという間に炎は高層階へ、取り残されたウィルの家族は絶体絶命、ここでウィルが超人的な活躍で火災現場のビルに乗り込みます、、、

とまあ、超人過ぎてもう呆気にとられるしかない活躍振り、なぜ火災を?動機は?前半活躍する悪役女性も後半失速、とツッコミ所満載ですが、102分と短め、お気楽鑑賞にはピッタリでした、

(★★★☆☆)(2016年韓国)(原題:Derailed)
その日暮らしをしている不良グループが、ズルズルと窮地に追い込まれていく

07アンダードッグ

車の窃盗で小金を稼いでその日暮らしをしている男女4人の不良グループ、ある日高級外車を盗むが、その持ち主が違法風俗店を営むヒョンソクだったのが運の尽き、ヒョンソクに捕まった4人組、少女ガヨンが風俗店で働いて盗んだ車の代金を返済することになるが、ガヨンを奪還しようと不良グループのリーダー・ジニルは風俗店を襲撃、事態は悪化、さらに過去の因縁からジニルを追っていたインテリヤクザや警察も絡んで4人組は窮地に追い込まれていく、、、



あのマ ドンソクがちょっと脇に寄った違法風俗店店主の役、あれ?と思ったら、主演はK-POPグループの歌手だそうです、なるほどそういう映画でしたか、

個人的には普通に観られましたが、ま、行き当たりばったりの窃盗を重ねてドンドン落ちていく4人組不良グループに共感もなにも持てないのが映画的な失敗かな、“悩める若者達に冷たい社会”というエレジーにはなりませんでした、残念、




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2023年07月10日

先週も5本、「告白、もしくは完璧な弁護」「インディ ジョーンズと運命のダイアル」「逃げきれた夢」「小説家の映画」「レディ バード」

〇(スクリーンで鑑賞)「告白、もしくは完璧な弁護」
(★★★★!)(2022年韓国)(原題:Confession)
殺人事件の容疑者と弁護士の虚々実々の駆け引き、そして逆転に次ぐ逆転

07告白kai

ホテルの部屋で愛人を殺害した容疑がかかる会社社長ユ、彼の弁護を引き受けるべく敏腕女性弁護士ヤンはユの別荘を訪れる、真実を知らなければ完璧な弁護は出来ないとユに迫るヤン、徐々に事件の真相を引き出していくが、別の殺人事件の容疑者としてもユの名前が挙がり、検察が証人を確保したという情報が飛び込んできたことで、2人の関係が微妙にズレ始める、、、



物語の全容が分るのが相当後半になってから、それまでは容疑者と弁護士のやりとりを通して事件の筋立てが少しずつ見えてくる過程と、真実がどこにあるのか?ユは殺人を犯したのか?それとも犯人は別にいるのか?という推理が興味の焦点、ところがそこから物語は大きく動き出し、あれよあれよという間にこの物語の真の焦点が姿を現します、

最後は少し甘くなったとはいえ、韓国映画の真骨頂、逆転に次ぐ逆転、5転6転の末に悲劇の真相にたどり着く2人と観客、冒頭に仕掛けられた映画的レトリックにワタシもすっかり欺されてしまいました、

邦題もまずまず、この映画のカラクリをよく伝えています、


(★★★★☆)(2023年米国)(原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny)
シリーズ5作目最新作、インディ ジョーンズの大冒険もこれが最後かな

07インディ

1969年、月面着陸成功に沸き立つ米国、退任間際のインディはまだ大学で教鞭をとっていた、そこに盟友で考古学者バジルの娘ヘレナが現れ「運命のダイヤル」の再捜索を持ちかける、それは1945年ナチから奪い取った時空を支配できる秘宝だった、気乗りのしないインディだったが、突然仇敵の襲撃を受け、ヘレナが「運命のダイヤル」を持ち去ったことから、インディも彼女を追ってモロッコへと飛ぶ、



待望のシリーズ最新作、77歳になったハリソン フォードがどんな活躍を見せるのか?楽しみに鑑賞、一番驚いたのが1945年ナチとの闘いのシークエンスが長かったこと、若き日のインディが大活躍します、もちろんハリソン フォードも若い!!これはどうして撮影したのでしょうね、ま、CGだと思いますが、若き日のインディが見事に復活、ここが一番面白かった、

そこからの冒険はお馴染みのパターン、ただ秘宝を発見するシークエンスは過去作よりは淡泊、さらに最後のシークエンスもちょっと突飛すぎて???4作目「クリスタルスカル」と同じような心地悪さもアリ、ま、ラストのマリオンとのお茶目なシーンで帳消しにはなりますが^^)

1作目が1981年製作ですから42年前、今作は若い人はもう観ないかな?中高年向け映画で終わって欲しくないのだけれど、


〇(スクリーンで鑑賞)「逃げきれた夢」
(★★★!☆)(2023年日本)
定年間近の定時制高校の教頭先生を取り巻く様々なストレス

07逃げきれた夢

地方都市の定時制高校に勤める末永、教頭として真面目に職務をこなしている、生徒達から疎まれているわけでもないが、かといって生徒達と真の心の交流があるわけでもない、妻・娘・息子とも上っ面をサラッとなでるだけのような関係、当たり障りのない人間関係に満たされない末永の心、そんな時、卒業生がバイトをしている食堂で末永は無銭飲食をする、、、



末永は悪人ではない、いやどちらかというととっても善人、良き心を持った教師かも知れない、しかし親身になって生徒の悩みを聞いてやろうとしても、末永の言葉はむなしく滑っていく、生徒達の小さくても切実な悩みをリアルに感じ取れない常識人の末永がいる、家族に笑顔を振りまきスキンシップを図ろうとしてもスルリと逃げていく家族、うん、なんとなく分るなあ、お互いに望んでいないのにこんな風にしか交われない現代人達、という論点かな?

光石研、もちろん好演、役柄にピッタリ、なにが足りないのか分らないが、とにかく今の人間関係にくさびを打ち込みたい中年男性を好演、松重豊は流石貫禄の渋い演技、


◆(自宅で鑑賞) 「レディ バード」
(★★★!☆)(2017年米国)(原題:Lady Bird)
友人関係や進路に悩む高校3年生の揺れ動く日常

07レディバード

田舎町の高校3年生のクリスティン、大学進学を前に自分自身の殻を破りたい!と漠然とした不安感を抱えている、父と母、兄との家庭生活、友人のジュリー、気になる男子ダニーやカイル、誰もが経験した高校生活をクリスティンも楽しんでいる、、、のか?自分でもよく分らない、母親と大学進路で揉めるが、自身の想いを貫こうとするクリスティンは母親と決別、大学生活へと旅立つが、、、



大きな事件が発生するわけではありません、どこにでもあるような高校生活、いや、どちらかというと目立たない地味な高校生、、クリスティンが自らを“レディ バード”と呼ぶのは今の自分が嫌いだからか?それでも恋人とのキス、初体験。親友との冒険、大学進学への挑戦、そして母親との葛藤と、一人前に揺れ動き苦悩するクリスティンが軽いタッチで描かれていきます、観ていてなんの違和感もないんだけど、ワタシ的には引っ掛かりもない、映画としてどうなんだろう?う~ん、女性監督の感性について行けてないのかも、

アカデミー賞6部門にノミネートされた佳作、


〇(スクリーンで鑑賞)「小説家の映画」
(★★★☆☆)(2022年韓国)(原題:The Novelist's Film)
モノクロ映像で綴る女性たちの会話劇、そこにある意図は?

07小説家の映画

最近、作品を発表していない著名な小説家ジュニ、旧友を訊ねてソウルから離れた町にやってくる、旧交を温めたあとにふと立ち寄った観光タワーで、これまた旧知の映画監督夫妻とバッタリ出会す、庭園に散歩に出ると有名女優ギルスと出会い、そこで意気投合した2人、唐突にジュニはギルスを主演とした短編映画を作りたいと言いだす、、、



2022年ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)受賞作品、アーティスティックな監督、粗いモノクロ映像、延々と続く1カットの会話シーン、そして偶然すぎる出会いと展開、意図不明な劇中映画作品の製作、

主人公の小説家ジュニは少々高慢ちきで毒舌、会話はほとんどが女性によってなされますが、出てきた主要な男性2人(旧知の映画監督と詩人)はジュニにこっぴどくこき下ろされてしまいます、女優ギルスはジュニのペースに乗せながらも、ジュニのことを気に入ったようで映画製作に同意、撮影することになります、この劇中作品のみがカラーで上映されますが、詳細は不明、いったいどんな映画だったのか?ジュニが突然閃いて映画製作の原動力はなんだったのか?説明はなし、そしてジ エンド、、、うわ~、ここで終わりますか!?って感じ、

う~ん、この映画の主張というか意図がサッパリ分りませんでした^^)映画祭の審査員にはなれませんわ、、とにかく、書かない小説家や詩人、撮らない映画監督に出演しない女優、この揶揄がなにかのメッセージなのでしょう、

興味があればスクリーンなりサブスクでどうぞ^^)意図が分ったら教えてくださいませ、





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2023年07月03日

先週も5本、「トゥ レスリー」「青いカフタンの仕立屋」「マザーズデイ」「タイラーテイラー」「タイラーテイラー2」

〇(スクリーンで鑑賞)「トゥ レスリー」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:To Leslie)
何をやってもダメダメなアルコール依存症シングルマザーの転落と再起

06レスリー

テキサス州の田舎町、この街で生まれたレスリーはアルコール依存症のダメダメシングルマザー、ついに家賃を払えなくなり家を失う、一人息子を頼って町を出るがそこでも酒に溺れ、息子からも見離されてしまう、生まれた町に舞い戻ったレスリーは旧友の温情にすがるが、そこでも問題を起こし、ついにスーツケース1つの文無し宿無しのどん底まで落ちてしまう、、、



なんともやりきれない描写が延々と続きます、アルコールに溺れるダメダメマザーを90分間ほど観ることになるのですが、残り30分ほどがミソ、観後感がそんなに悪くない不思議な映画、

実はレスリー、過去に宝くじで高額当選、一躍田舎街の有名人になったのですが、その賞金をすべて酒で失ってしまったという経歴の持ち主、町中の人間がその過去を知っている辛さがレスリーを苛みます、息子にも旧友にも断酒を誓いますが、その都度隠れて酒を飲んでしまう失敗の連続、もうこれは野垂れ死にするのかな?と思いきや、意外な人物の登場で物語は意外な展開をみせます、

単館上映で始まり、アカデミー賞主演女優賞ノミネートまで登り詰めた秀作、観て損は無し、しかし、ここまで酒に溺れてはいけませんな、重々自分に言い聞かせました^^)


〇(スクリーンで鑑賞)「青いカフタンの仕立屋」
(★★★★☆)(2022年フランス・モロッコ・ベルギー・デンマーク合作)
(原題:Le bleu du caftan)
モロッコの街サレで伝統衣装カフタンの仕立屋を営む夫婦の愛情物語

06青いカフタン

カフタンの仕立て職人ハリムと妻のミナ、小さいながらも丁寧な仕事で店は繁盛している、若い職人ユーセフを雇い入れ3人での商売も順調、しかしミナの乳ガンが再発、日に日に弱っていくミナ、ミナとの些細な行き違いからユーセフも店を去ってしまう、店に出ることも出来なくなったミナの介護のためハリムは店も閉めてミナの最期を看取ろうとするが、、、



ミナはとても勝ち気な性格、ハリムは無口な職人気質、ユーセフはちょっとミステリアスな若者、3人の毎日の生活が短いタームでどんどん流れていきます、朝起きて仕事をして夜に寝る、単調ながら充実した生活、良き日本映画のように感情を押し殺した演出、小津安二郎の作品を連想させますが、意外なエッセンスでピリッと苦い物語になっています、

作中でずっと刺繍されていく“青いカフタン”、モロッコの伝統衣装だそうです、知りませんでした、終盤にはとても美しい青いカフタンに仕上がるのですが、それがこういう風に使われるとは、、、ラストの映画的レトリックが成功しています、


◆(自宅で鑑賞)「マザーズデイ」
(★★★!☆)2023年ポーランド)(原題:Dzien Matki)
母は強し、実の息子を救い出すために単身敵地へ乗り込む

06マザーズデイ

ニナは無敵、街で女性に絡んでいたヤクザ者をアッという間にぶちのめしてしまいます、そんなニナ、実は元秘密工作員、死亡工作をした上で今は別人として生活している、一人息子は養子に出されていたのですが、その息子が麻薬組織に誘拐されたこと知ったニナは全力で追跡開始、高度な殺人スキルで次々と敵を倒していく、、、



ポーランドのアクション映画、世界配信されるのは珍しいかもですね、単純明快なストーリー、素早い展開、94分という尺、とても観やすい映画に仕上がっていると好感、

アクションシーンも日本映画よりもずっと良く出来ています、コイツは強いだろうと踏んでいた中ボス辺りもあっさり撃破するミナ^^)にはちょっと拍子抜けですが、

あれこれアラ探しはせずに休日のお気楽鑑賞にどうぞ、



(★★★★☆)(2020年米国)(原題:Extraction)
凄腕の傭兵が誘拐された少年を救出すべく敵地へ乗り込む

06タイラーレイク

凄腕の傭兵タイラー レイク、不可能と思われる任務の数々をクリアしてきた無敵の男、誘拐された組織のボスの息子を救出するためにバングラデシュのダッカ市街へ乗り込む、なんなく息子を確保するが、組織も総力を上げてタイラーの逃走を妨害、ダッカ脱出まであと一歩というところでタイラーも敵弾に倒れる、、、



筋立てを書くのさえ不要と思われるシンプルなお話、とにかく無敵の傭兵タイラーがウジャウジャ出てくる敵をバッタバッタと切り倒す、いや剣劇では無いのですが、ほぼそんな感じの映画です、これは『ガンフー』=“ガン+カンフー”と呼ばれるタイプのアクションスタイルのようで、以前に観た「ジョン ウイック」で初めて観ました、撃たれに出てくる敵兵をガンガン撃ち倒していきます、

ただ『ガンフー』ウリだけに留まらず、この映画、カメラワークが凄いです、ワンカットと見間違うような移動カメラ、たぶん巧みに編集されているのでしょうが、ホントに上手です、格闘しながら屋根から転落する2人と一緒にカメラも落ちていき、着地してそのまま走り出す主人公をカメラが追います、どうして撮っているのか?イメージ出来ないわ、凄すぎます、、、

とにかく理屈無用、なんも考えないで鑑賞しましょう、


(★★★★☆)(2023年米国)(原題:Extraction 2)
シリーズ2作目のジンクスをも突破、一層激しい救出劇に挑むタイラー レイク

06タイラーレイク2

タイラーの元妻の妹家族、夫は組織のボス、軟禁された元妻の妹・息子・娘の救出にジョージアへ乗り込むタイラー、ミッションはもちろん家族を全員無事に救出すること、無事国外へ逃げ出したタイラー達だったが、今回の敵は精鋭、さらにタイラーとの確執もあり執拗にタイラーと妹家族を追跡、闘いはさらにヒートアップします、



2作目の方が面白いかも!!成功の要因は、まず1作目同様“無垢な子供の救出劇”というシンプルな筋立てに徹したこと、妙な小手先を使わなくて正解、“命の奪還”という副題まで同じというのがそれを表わしています、

1作目同様の『ガンフー』が第1ラウンド、第2ラウンドはより強力な精鋭部隊との大激戦、最終ラウンドは肉弾戦とアクションてんこ盛り、今回もタイラーはギリギリまで追い詰められるし、信頼できる仲間も次々と倒れるし、母と息子の葛藤など、物語的にものめり込める展開になっています、はい、面白かったです、

ちなみに原題の「Extraction」の直訳は「抽出」、なるほど、珍しく的確な邦題です、





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2023年06月26日

先週も5本、「恋愛小説家」「活きる」「刑事ジョンブック 目撃者」「探偵マーロウ」「2ガンズ」

◆(自宅で鑑賞)「恋愛小説家」
(★★★★!)(1997年米国)(原題:As Good As It Gets)
偏屈で毒舌の小説家、隣人、馴染みのウエイトレス、3人のハートウォーミングな物語

06恋愛

恋愛小説で名を馳せているメルヴィンは偏屈で毒舌、そのせいで隣人や馴染みのウエイトレスからも敬遠され乾ききった私生活を送っている、ある日、隣人のバイセクシャルの青年サイモンが暴漢に襲われ入院、彼の愛犬を預かることになる、一方、いつも行くコーヒーショップのウエイトレスのキャロルが気になっているが、毒舌が災いして出入り禁止に、そんな3人が働けなくなったサイモンの金策のため彼の実家まで車で旅をする事になる、、、



やはり面白!ジャック ニコルソン演じる恋愛小説家メルヴィンは偏屈で皮肉屋、毒舌家で気難しい、まあ、できればお付き合いしたくない人物なのですが、、、実は優しい心根を持ち、親切心に満ちあふれているのに、それを素直に表現できない不器用な男という設定、さらに彼が書く恋愛小説が大ヒットしているのに、素直になれないメルヴィン自身はまったくの恋愛下手という、この設定と巧みな会話で物語がどんどん転がっていきます、まあ、ずっとニコニコしながら観られるハッピーな映画、

1997年度アカデミー賞主演男優賞・主演女優賞をダブル受賞!も納得、

邦題も悪くないのですが、原題『As Good As It Gets』の方が作品のテイストにフィットしています、上手く訳せませんが・・・『最高の良心』みたいな感じでしょうか、

Netflixで無料開放中、必見です、


◆(自宅で鑑賞)「活きる」
(★★★★☆)(1994年中国)(原題:活着)
第2次世界大戦後の混乱を乗り越え、悲劇にも負けず健気に生きていく家族の物語

06活きる

裕福な家に生まれた放蕩息子グォは博打に明け暮れ、その借金のカタに屋敷を取られてしまう、妻と娘は実家へ帰る、食べるためにしがない旅芸人生活をしていると、中国国民軍に徴用されいきなり前線へ、修羅場の戦火を潜り抜けなんとか生き延びて故郷に帰り、妻と寄りを戻し娘と息子と共に静かに生きるが、毛沢東の共産革命、息子を襲う悲劇、娘の病気など様々な出来事を乗り越え生きていく夫婦に安寧は訪れるのか、、、



物語は戦後の中国内戦時代1940年代から始まり、1970年頃までの夫婦の生き様を描いています、おそらく当時の一般的な中国の労働階級・市井の人達の物語です、様々な事件、事故、悲劇が夫婦を襲いますが、派手な映画的レトリックはほとんど無く、喜びも悲しみも淡々と描かれていきます、当時世界中で起こっていた普遍的な受難の時代を描いているような気もします、日本でもこんな家族がたくさんいたんだろうなあ、という感じ、

唯一、映画的なのは博打で屋敷を失ったことで共産革命を生き抜くことが出来た、という皮肉な展開、なるほど、世の中、なにが幸いするか?分りません、



(★★★★!)(1985年米国)(原題:Witness)
殺人事件を目撃した少年を護る刑事と母親の闘い

06ジョンブック

片田舎で17世紀の生活様式を守り、外界と一線を画しているキリスト教徒アーミッシュの母レイチェルと息子サミュエル、村から出て親戚の家に向かう途中、駅のトイレでサミュエルが殺人事件を目撃してしまう、担当刑事のジョンはサミュエルの目撃証言から警察署内の不正関与に気づきサミュエルを護ろうとするが、銃で撃たれ負傷、なんとかアーミッシュの村まで2人を送り届けたジョンはそこで力尽きてしまう、、、



1985年製作、ハリソン フォード主演で話題になった佳作、邦題では刑事物のイメージを付けたかったようですが、派手なアクションシーンは最小限、主眼は都会の刑事と田舎暮らしのアーミッシュの息子との心の交流、決して混じり合えない母親との愛の物語であります、

「スターウォーズ」「インディ ジョーンズ」などのアクション俳優のイメージが強いハリソン フォードが新境地を開いた作品でもあり、これ以降幅広く活躍することになります、

先週紹介した「ウーマンズ トーキング」でも、同様の閉鎖的なアメリカの村が出てきたので思い出して鑑賞、観て損は無し、



〇(スクリーンで鑑賞) 「探偵マーロウ」
(★★★!☆)(2022年米国)(原題:Marlowe)
LAの私立探偵フィリップ マーロウの冒険談、ハリウッド映画界の悪を炙り出す

06マーロウ

1939年、マーロウの事務所を一人の美女が訪れる、行方不明になっている愛人を探して欲しいと云う、さっそく捜査に乗り出すマーロウ、早々にその愛人は自動車事故で死亡していることが判明、しかし状況に疑問を持ったマーロウがさらに捜査を進めると、周辺に不審な人物達が続々と現れる、、、



米国探偵小説で最も高名な探偵の一人フィリップ マーロウ、映画は小説同様、クールで哲学的でシンプル、説明的シーンが少なく、テンポよく訳の分らないまま物語がどんどん転がっていきます(ワタシの理解力・創造力不足かも)、物語は単純なのにやたら多い悪玉達、で結末はやはり原点に戻るのは米国探偵モノ定番の1つ、

台詞がクールすぎて、皮肉なのか?本音なのか?理解できないシーンが幾つもありました、ラストの犯人に対するリアクションも???マジで“もう1回観たら分るかな?”と思ってしまいました、、、ま、サブスクで観るかな、

個人的に好きな探偵は、金田一耕助、名無しの探偵、スペンサー、VIウォショウスキー、キンジー ミルホーン、映画ならリュー アーチャーです、


◆(自宅で鑑賞)「2ガンズ」
(★★★!☆)(2013年米国)(原題:2 Guns)
2人組ワルかと思いきや、、、麻薬組織・麻薬取締局・海軍情報局が入り乱れての大乱戦

062ガンズ

ボビーとマイケルの2人組が銀行を襲い、多額の現金強奪に成功・・・と、思いきやボビーは麻薬取締官、襲撃直後に逮捕される計画が失敗、マイケルはボビーを撃ち1人で逃走、マイケルが行き着いた先は海軍基地、ボビーもまた海軍情報部の潜入捜査官!?それぞれの思惑がすれ違い、2人は麻薬組織や自らの組織からも追われるハメに、さらにCIAの陰謀も絡んで抜き差しならない事態に、、、



予備知識無しで見ると面白い、こいつらワルやな、と思っていた2人がシロで、麻薬組織はもちろんのこと、海軍やCIAまでがクロ!?というややこしいシチュエーションで、テンポ良く終盤まで集中して観れました、

さすがにラストは強引過ぎたかもですが、休日お気楽鑑賞にはピッタリです、




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2023年06月19日

先週も5本、「テノール」「ウーマンズ トーキング」「きっと、またあえる」「チルソルの夏」「300~帝国の進撃」

〇(スクリーンで鑑賞)「テノール 人生はハーモニー」
(★★★★☆)(2022年フランス)(原題:Tenor)
ラッパーでスシ屋のデリバリー係が偶然オペラに出会ってしまったことから始まる物語

06テノール

スシ屋でバイトをしているアントワーヌはラッパーのライブで宿敵とやり合っている、ある日、オペラ座へスシを配達、そこで観たオペラの練習風景に興味津々のアントワーヌ、しかしエリート生徒達に下町育ちをからかわれる、思わず大声でオペラを揶揄するパフォーマンスを披露したアントワーヌ、教師マリーはその才能を見逃さなかった、、、



出来すぎた、画に描いたような物語ですが、それでもラストの歌唱シーンでは涙が溢れてきます、オペラで泣くとは思わなかった、

アントワーヌは貧しい下町の団地住まい、兄から支援を受けて会計士になり身を立てるつもりで学業にも励んでいる、しかし、いままで触れたことのないオペラに魅せられた彼は教師の誘いに乗りオペラの練習を始めます、オペラ歌手の卵の同級生はいけ好かないエリート男子や好意的な富豪の娘、アントワーヌを取り巻く環境は激変、学業・ラップ・アルバイト・そしてオペラとあまりに欲張りすぎたアントワーヌはどれも中途半端になり、ついにはオペラを諦めます、が、教師マリーの最期の薫陶を受けオーディションに臨みます、

ラッパー仲間、マリーや同級生、兄達の心の動きも上手に描かれており、ラストのシークエンスにそれが見事に凝縮されます、観て損はなし!

副題は不要かな?


(★★★★☆)(2022年米国)(原題:Women Talking)
閉鎖的な村で起こり続けるレイプ事件に抗議の声を挙げた女性達の下した判断は?

06ウーマントーキング

深い信仰心で結ばれたキリスト教一派が形作るアメリカのある村、そこでは若い女性に対するレイプが恒常的に行われ、村を牛耳る長老以下の男社会の中でその事実は闇に葬られてきた、ある日、ある少女の勇気ある行動から犯人達は警察に拘束されるが、長老達は男達を赦すことを女性達に求めてくる、女性達は現状を打ち破るためには何をすべきかを夜を徹して話し合う、そして下した決断は?



事前情報無しで観たのでずいぶん前の時代の物語かと思いきや、舞台は2010年のアメリカ、この村は自給自足の生活を目指して外界との接触を断っている村という設定でした、なるほど、2010年なのにスマホもTVも自動車も
(あ、自動車は少し出てきます)出てきません、彼女達は世界地図を観たこともなく、自分たちがどこに住んでいるかも知らず、文字も読めません(女性に教育はなされていない村)

でも、絵空事ではない、現代の社会問題とも通じるリアリティのある物語に仕上がっています、

中世のような古い因習に縛られた村では女性の人権は無く、レイプされても泣き寝入りをするだけ、犯人拘束をきっかけに男たちと対峙することになりますが、いままで男社会で生きてきた彼女たちにいったい何が出来るのか?限られた選択肢の中で白熱する議論と混迷とあきらめ、そしてそこから生まれてくる人としての尊厳への憧れ、

激しい論争の末に、彼女たちは文字通り“新世界”への扉を開けます、

アメリカは広い、このような時代から取り残された村が本当にあったりするのでしょうか?「刑事ジョンブック 目撃者」や「ヴィレッジ」とかを思い出します、観直そうかな、

これまた副題は不要かな?



◆(自宅で鑑賞)「きっと、またあえる」
(★★★★!)(2019年インド)(原題:Chhichhore)
事故で生死を彷徨う息子を前に、自らの学生時代の「負け犬」の思い出を語り始める父親

06きっとまた

親の期待を一身に受けての受験に失敗した息子は人生を悲観、マンションから飛び降り脳に重大な損傷を負う、父親のアニは自分が息子に過度な期待を押しつけていたことを悔やみ、自分自身も「負け犬」であったことを病床の息子に話し出す、それを証明するために学生時代の悪友達を呼び寄せ、自分たちの楽しくも愚かな、そして素晴らしい学生生活を息子に話し続ける、が病状が悪化、息子はアニの物語を最後まで聞くことが出来なくなる、、、



相当面白いです、物語は息子の病室と数十年前にアニ達が通っていた大学寮を行き来しながら展開、アニが妻と出会い、面白おかしく過ごした学生時代、エリート集団に立ち向かう「負け犬寮」の悪友、校内のスポーツ大会では奇策でエリート集団を追い詰める負け犬達、数十年後に集まって嬉々としてそれを語り続ける悪友、一度の失敗で人生を諦めてはいけないこと病床の息子に伝えるオジさんがキラキラと光って見えてきます、

必ず踊るインド映画ですが、劇中に唐突なダンスシーンは無し、アニ達の友情物語がしっとりと心に染み込んできます、、、が、エンドロールではやはりしっかりと踊ります!これならOKやな^^)


◆(自宅で鑑賞) 「チルソクの夏」
(★★★★☆)(2003年日本)
下関と釜山との交流スポーツ大会で生まれた淡い日韓恋物語

06チルソクの夏

1977年7月7日、山口県下関市と韓国釜山市の親善高校陸上競技大会、下関の仲良し4人組も釜山で行われた大会に参加、郁子は韓国選手安(アン)に見初められ1年後に下関で行われる大会での再会を誓う、手紙のやりとりを通じて2人の交流は続いていくが、双方の親や周りは日本人と韓国人が付き合うことを快く思わない、1年後の7月7日、下関で再会した郁子と安は、大学に進学してからも付き合い続けることを誓うが、、、



この親善陸上競技大会は1970年、下関~釜山間の「関釜フェリー」就航を記念して始まったそうです、事情により1996年に中断、それが2007年に再開されています、映画製作が再開前の2003年ですが、物語は再開された大会のシーンから始まります、この大会への強い想いを感じますね、

日本人と韓国人との恋愛や交流、隣国ですから有ってしかるべしですが、お互いに快く思っていない人も多い、韓国では戦争被害の事実もある、そんな荒波にもまれる女子高生の日常が瑞々しく描かれています、

1977年当時の流行歌も劇中で多く流れ来ます、エンディングはイルカ歌唱ハングルバージョンの「なごり雪」、電波に乗って歌は国境を越える、「イムジン河」のよう、これまた沁みました、『チルソク』はハングルで“七夕”のこと、

4人組の1人が若き上野樹里、主役ではなかったですが、やはり輝いています、


(★★★☆☆)(2014年米国)
「300(スリーハンドレッド)」の続編、紀元前480年、ペルシア帝国軍を迎え撃つギリシャ軍

06300

押し寄せるペルシア帝国の大軍を迎え撃つギリシャの将軍テミストクレス、海上戦では圧倒的な兵力差を優れた戦術で跳ね返す、が、過去にギリシャ人に家族を殺害されたペルシアの女指揮官アルテミシアンは強い復讐心でギリシャ軍を追い詰めていく、同時に闘っていたスパルタ軍が陸上戦で敗れ、ギリシャ軍も3度目の海上戦で敗走、都市アテナイも破壊される、もはや勝利の可能性はない、それでもテミストクレスは最後の決戦に挑むことになる、、、



う~ん、1作目がなかなかの出来映えだったのですが、やはり2作目は難しいですね、紀元前の海上戦って初めてじゃないかな?まだ大砲もないので、結局は船をぶつけての船上の肉弾戦になります、戦闘シーンは独特の表現でかなり迫力ありますが、100万人vs300人という1作目ほどの心揺さぶる悲壮感もなく、単なるアクション映画となってしまった様相、

終わり方から、おそらくこのエピソードは中継ぎで、この後にアルテミシアンの兄であるペルシア神王とギリシャ・スパルタ連合軍との最終決戦に続くと思われるます(脚本もあったようです)が、、、3作目製作開始の噂もなく、、、残念ながら神王の登場は無い可能性が濃厚、、、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)映画