2024年07月01日
先週も5本、「偉国日記」「海難1890」「世界の終わりから」「ホールドオーバーズ」「トリガー ウォーニング」
〇(スクリーンで鑑賞)「偉国日記」
(★★★★☆)(2024年日本)
大嫌いな姉が急死、姪っ子を引き取った不器用な妹、2人の凛とした暖かい生活が始まる
ファンタジー小説家のマキオ、人付き合いがあまり得意ではない、マキオの姉夫婦が急死、一人残された娘のアサ、行き場のないアサに葬儀の席で親戚から好奇の目が向けられる、親戚をたらい回し?堪らずマキオは勢いで『アサ、私の家に来なさい、いつまでいても良いから』と公言、突然、叔母と姪の2人暮らしが始まる・・・
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139分間、突然始まった2人の暮らしぶりがとっても映画的で面白い、最後までスクリーンに集中できました、
139分間、突然始まった2人の暮らしぶりがとっても映画的で面白い、最後までスクリーンに集中できました、
マキオは人づきあいが苦手で不器用、家の整理整頓も出来ない、夢物語のような小説世界を作り上げています、姉とは幼少期の確執がもとで付き合いもありませんでしたが、交通事故で両親を失った姪のアサを勢いで引き取ります、アサとの接し方が分からず悩むマキオですが、その態度は正直で誠実です、「姉が大嫌いだったから、あなたを愛せるかどうか分からない」と宣言、アサから姉との確執の原因を問われると「あなたと私は違う人間だからその気持ちは分かるはずがない」とにべもない、それでも2人の距離は少しずつ縮まります、
アサの学校の担任や進路指導の先生のステレオタイプな同情論的アプローチが如何にもという感じで悲しくなりますが、マキオの親友奈々や信吾が2人の生活をサポート、マキオとアサの凛とした暖かな世界が生まれていきます、
新垣結衣、好演!相当完成度高いと思います、ぜひの鑑賞をお勧めします、
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◆(自宅で鑑賞)「海難1890」
◆(自宅で鑑賞)「海難1890」
(★★★★☆)(2015年日本・トルコ合作)
和歌山沖での海難事故、戦火のテヘランに取り残された邦人、日本・トルコを結ぶ2つの感動の実話
1890年、天皇に拝謁し帰国の途に就いたトルコ軍艦エルトゥールル号が和歌山沖で嵐に巻き込まれ沈没、漂着した生存者を地元住民が献身的に救助介護し、69人の命が救われた、そして1985年、イラン・イラク戦争で戦火のテヘランに取り残された邦人215人、日本からの救援機は飛ばず絶望的状況になるが・・・
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歴史は時に素晴らしい贈り物を与えてくれます、1890年と1985年に実際に起こった、日本とトルコの愛と友情の物語です、
歴史は時に素晴らしい贈り物を与えてくれます、1890年と1985年に実際に起こった、日本とトルコの愛と友情の物語です、
1890年の海難事故は乗組員618人が嵐の海に投げ出され、500人以上が死亡行方不明になる大惨事でした、和歌山県紀伊大島村の住民は漂着した生存者を救助、自らの食料を提供するなど、無償の治療介護にあたりました、この恩をトルコ国民は忘れていませんでした、
95年後の1985年、イラン・イラク戦争が勃発、テヘランから国外へ逃れ得ようとする人たち、多くの国が自国から旅客機を送り込み、自国民を優先的に脱出させる中、日本は救援機を送れませんでした、日航は危険な飛行を拒否、自衛隊も当時は法に縛られ即応的には海外へ出ることが出来きませんでした、日本は自国民を助けられないという情けない状況に追い込まれました、その時、トルコが日本人向けの救援機を新たに1機差し向けたのです、無償の好意です、このトルコの救援機のお陰で日本人も無事脱出することが出来ました、
映画はもちろんデフォルメされた物語になっていますが、傑出した英雄はいません、市井の人々の真心がヒシヒシと伝わってくる内容になっています、95年の時を経て2つの物語がシンクロする映画的レトリックもしっくりきました、
泣けます、ぜひ鑑賞してください、
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◆(自宅で鑑賞)「世界の終わりから」
(★★★!☆)(2023年日本)
普通の女子高生が“世界の終わり”を予見する!?摩訶不思議な世界観をきっちり描ききりました
事故で両親を失ったハナは不思議な夢を見るようになる、ある日、政府組織の人間がハナの前に現れ、ハナの特殊な能力を国のために使ってほしいと言う、訳が分からないハナだが、不思議な夢は頻繁に現れるようになり、夢の中の登場人物が現実世界にも現れるようになる、ハナにはこの世界の行く末を予知できる能力が備わっているらしいが・・・
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夢と現実が交錯するややこしい設定、現実が現代、夢は時代劇の世界となりますが、両方ともしっかり撮れています、心象的なシーンが多い映画は苦手なのですが、心象的シーンが物語の構成要素になっているという組み立ての中で、上手に夢と現実が描き切れていると感心しました、過去からの刺客と観念的な現実世界の終わりから続く未来のエピソードまで、よくもまあ上手な組み立てられたものです、
夢と現実が交錯するややこしい設定、現実が現代、夢は時代劇の世界となりますが、両方ともしっかり撮れています、心象的なシーンが多い映画は苦手なのですが、心象的シーンが物語の構成要素になっているという組み立ての中で、上手に夢と現実が描き切れていると感心しました、過去からの刺客と観念的な現実世界の終わりから続く未来のエピソードまで、よくもまあ上手な組み立てられたものです、
夏木マリ、アタリ役、
なんとも解説が難しい映画ですが、とりあえず観てみたら分かります^^)
なんとも解説が難しい映画ですが、とりあえず観てみたら分かります^^)
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〇(スクリーンで鑑賞)「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:The Holdovers)
クリスマス休暇をやむなく寄宿学校で過ごすことになった3人の愛情物語
1970年代のマサチューセッツ州、クリスマス休暇を迎える寄宿学校、先生も生徒も学校を去り休暇を楽しむのだが、生徒のアンガスは母親が再婚相手と突然旅行に出掛けてしまい、やむなく学校に残ることになる、見守り役の当番教師は堅苦しい歴史の授業が不人気なポール、そして、食堂主任のメアリー、この3人だけが広い学内で2週間共に過ごすことになる・・・
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アンガスは成績優良ですが家族の愛情に飢え、心は閉じています、ポールは過去のある出来事以来、人生に挫折、自信を失い卑屈な考えに憑りつかれています、メアリーは一人息子をベトナム戦争で失ったショックから立ち直れていません、こんな3人が閉ざされた誰もいな学校で過ごす2週間、もちろん、いろんな出来事が起こり、様々な物語が紡がれていきます、
アンガスは成績優良ですが家族の愛情に飢え、心は閉じています、ポールは過去のある出来事以来、人生に挫折、自信を失い卑屈な考えに憑りつかれています、メアリーは一人息子をベトナム戦争で失ったショックから立ち直れていません、こんな3人が閉ざされた誰もいな学校で過ごす2週間、もちろん、いろんな出来事が起こり、様々な物語が紡がれていきます、
2週間の間にそれぞれが抱えるトラウマらしきものが徐々に見えてきます、そしてその先にあるのは・・・シンプルなハッピーエンドではありませんが、3人三様の答えの出し方がスッと腑に落ちます、ポールのアンガスを思う気持ちと頑張りに拍手、
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◆(自宅で鑑賞)「トリガー ウォーニング」
◆(自宅で鑑賞)「トリガー ウォーニング」
(★★★☆☆)(2024年米国)(原題:Trigger Warning)
父親が倒れ、故郷の町に戻った特殊部隊隊員が陰謀に巻き込まれる
腕利きの特殊部隊隊員のパーカーは父親の死を知り故郷に帰る、父親は自らが掘っていた鉱山の落盤で亡くなっていた、幼馴染の保安官ジェシーから自殺の可能性を示唆させるがパーカーはそれを認めない、父親の家の後始末をしているとジェシーの弟エルヴィスが絡んでくる、そして、エルヴィスが軍の武器密売に関わっていることを知ったパーカーは特殊部隊の上司に応援を求めるが、それがきっかけで事態は急変する・・・
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出だしの戦闘シーンは快調、故郷に帰ってからの田舎町によくある不穏な空気感と、町の実力者の不正というネットリとした嫌な感じも悪くないのですが、いざ正面衝突になってからのサスペンスが今一つ、戦闘シーンの細部が甘く、雑な展開になってしまいました、
出だしの戦闘シーンは快調、故郷に帰ってからの田舎町によくある不穏な空気感と、町の実力者の不正というネットリとした嫌な感じも悪くないのですが、いざ正面衝突になってからのサスペンスが今一つ、戦闘シーンの細部が甘く、雑な展開になってしまいました、
ま、休日のお気楽鑑賞には良いと思います、
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syougai1pon at 05:00│Comments(0)│映画