2025年正月は秀作5本、「ドリームホース」「6888郵便大隊」「孤独のグルメ」「セキュリティチェック」「白頭山大噴火」先週も5本、「室町無頼」「眠りの地」「アプレンティス」「ボーダーランズ」「アドヴィタム」

2025年01月27日

バタバタ終了、体調快復、先週はやっと5本鑑賞、「サンセット サンライズ」「敵」「ウィ、シェフ!」「マルホランド・ドライブ」「バック イン アクション」

〇(スクリーンで鑑賞)「サンセット・サンライズ」
(★★★★☆)(2025年日本)
南三陸の海辺の村、東京から引っ越して来た男が巻き起こす騒動、ハートフルコメディ

01サンセット

2020年コロナ禍、南三陸の小さな村の役場に勤める百香、村の人口減少・空き家対策の担当となる、百香も空き家を放置していたので、格安家賃でネットに広告を出すと、いきなり東京から釣り好きのサラリーマン西尾が下見にやって来る、東京ではまさにコロナが発生流行中、百香は村民に内緒で西尾を自分の空き家に押し込め、2週間の自主隔離を命じるが、西尾は釣りに出掛けてしまい、村民に目撃されてしまう、、、



宮藤官九郎脚本のハートフルコメディ、2020年、コロナ第1波が東京で猛威を振るい始めた頃、南三陸の村にはまだコロナは発生していない、前半は東京から来た西尾が村をうろつくことで巻き起こす感染恐怖騒動を軽快に描いていきます、在宅勤務・2週間の自主隔離、ソーシャルディスタンスと、当時のコロナへの恐怖感も軽いタッチで笑いに変えていきます、

後半、2週間の自主隔離を終えた西尾は晴れて村人から迎えられる、かと思いきや、西尾と百香の仲を邪推する村の若者、噂を垂れ流す老人、さらに空き家ビジネスに目をつけた西尾の会社社長など、個性的なキャストが入り乱れての混戦となります、

観ればすぐに気づきますが、百香の空き家はもちろん訳あり、桃香の思い出の家であり、彼女の心の傷でもあります、なかなか立ち直れない百香、徐々に惹かれ合う百香と西尾ですが、そこには越えられない大きな壁があったのです、、、

悪人が出てこないコメディ、そしてホロリとさせる宮藤官九郎作品、観て損はなし、ですが、エピソード詰め込み過ぎたか、ちょっと間延びしたかも、もう20分短くして欲しかった、



〇(スクリーンで鑑賞)「敵」
(★★★★☆)(2025年日本)
筒井康隆原作、かくしゃくと生きる元大学教授の生き様と、徐々にぼやけていく世界

01敵

元フランス文学教授の渡辺、妻に先立たれたが、独り自らを律し規則正しい生活を送っている、朝昼は自分が食べるだけの料理をし、洗濯も掃除もしっかりする、晩酌も好きで酒の肴も自分で作れる、教え子たちがあれこれと渡辺の生活を支え、渡辺もそれを楽しんでいるが、預貯金の残額を計算して、自分がいつ死ぬべきかを決めるというストイックな面もある、が、ある日、渡辺の周辺に“敵”の姿がちらつくようになる、その“敵”は徐々に渡辺の規則正しい生活をむしばんでいく、



筒井康隆の小説を映像化、筒井自身が見事に映像化してくれたと絶賛、たしかにこの映画、終着点に向かっていくパワーが凄いです、

前半、渡辺の自律された規則正しい生活がモノクロ画面でていねいに描かれていきます、とても美味しそうに自ら作った料理を食べる渡辺、フランス文学者らしいその生活ぶりはある意味、人生の頂点を極めた高みにあるように見えるのですが、、、

ある時から、渡辺の生活の輪郭がぼやけ始めます、教え子の女性との妄想、若い娘への下心と失敗、自らを完璧に律していたはずの渡辺もやはり普通の俗物だったことが露わになります、亡くなった妻が家に現れ、そして“敵”が町内に襲来、自宅にも土足で上がって来る!!??

現実と夢の境目が無くなった時、やっと渡辺に静寂が訪れます、なんか見事に店仕舞いされた感じです、原作と映画が混然一体となって仕上がった世界観にちょっと打ちのめされました、必見の1作です!!



◆(自宅で鑑賞)「ウィ、シェフ!」
(★★★!☆)(2022年フランス)(原題:La Brigade)
失職したシェフが移民支援施設の食堂の調理を担当することになるが、、、

01ウィシェフ

料理の腕前は一流のカティ、オーナーシェフと衝突して店を辞めてしまう、なかなか見つからない再就職先、そんな時、移民支援施設の食堂の仕事が舞い込む、予算も調理時間もない食堂の仕事、厨房の手伝いを移民の若者たちに頼むことで何とか凌ごうとすると、そこから思いもよらない未来が開けることになる、そして、カティ自身ももう一度料理の世界へ立ち戻ることに、、、



フランスは料理映画が好きですね、よく似たテーマの物語を何本か観たような気がします、が、それでもやはりこういう、料理が繋ぐハートフルな物語は何度観てもすんなり入ってきます、料理への真摯な態度が災いして職を失ったシェフと、成人するまでに就職先が見つからないと母国へ帰らないといけない移民の若者たち、お互いが刺激し合う事で新たな道が拓けます、

この物語も実在のモデルがおられるようです、なるほどね、食の国でもあるフランス、こういうシェフの存在を忘れずにしっかり記憶に残していくというのも、フランスの美意識と伝統なんでしょうね、料理自体はそんなにフューチャーされていませんが、幸せな気持ちでお腹は膨らみます、

休日、家族一緒の鑑賞もおススメです、



(★★★!☆)(2001年米国)(原題:Mulholland Drive)
ハリウッドで起こる奇々怪々な事件の真相は?

01マルホランド

ハリウッドを一望できるマルホランド通りで発生した自動車事故の生存者リタ、スターを夢見てやって来た新人女優ベティ、偶然交わった2人の線が奇怪な事件の糸口になる、リタは記憶を失っているが、バッグの中には大金と謎の鍵、ベティが臨んだオーディション現場の映画監督はトラブルに巻き込まれている、リタの記憶をもとにルームメイトの部屋に入るとそこには・・・



名作の誉れ高いデイヴィッド・リンチ監督作品、カンヌで監督賞、数々の名作映画リストで歴代ベスト10入りを果たしている作品ですが、、、これが難解です^^)多分、この映画は物語を理解しようとしてはいけないのでしょう、フワフワと監督の世界観と緊張感のある画面を観ていれば良いのかもしれません、

一見、繋がりのない物語がいくつか、アトランダムに、断片的に進行していきます、自動車事故、映画制作のトラブルの2つの流れはそれなりに物語全体の輪郭を形作っていきますが、最後の30分は何度観直しても理解不能です、かってに想像をして自分なりの解釈をつけるしかないというやっかいな作品です、たしかに冒頭からグイグイと引き込まれていくのですが、、、最後はもうちょっと親切にしてほしかった^^)

書かなくて良いのですが、あの壁の向こうにいた謎の怪人は何者なのか?あ~~、気になって夜も眠れません^^笑)

いちばん面白かったのは、やくざ者が暗殺に失敗して、次々と騒ぎが広がっていくシークエンス、なんかタランティーノ映画の原型のようで、楽しめました、



(★★★!☆)(2025年米国)(原題:Back in Action)
引退したスパイ夫婦に過去の宿敵が現れ、子どもたちが危機に!

01バックイン

15年前の仕事を最後に、2人で姿をくらました元スパイのマットとエミリー、今では2人の子どもたちと米国でありふれた生活を送っている、が、ちょっとした騒ぎに巻き込まれたことから、SNSに2人の姿が拡散、いきなり過去の上司が2人の家に現れる、と思いきや、上司は射殺され敵の集団が襲撃してくる、2人は子どもたちを連れて英国のエミリーの実家へ逃亡、そこには15年前の事件以来、マットが隠し持っていた証拠品があった・・・



キャメロンディアス、10年ぶりの復帰作品だそうです、アクションシーンもしっかりこなしているのが立派、

マットが隠していたのは世界中のシステムに侵入できる“キー”、うん?これって他の映画でも全く同じものが出て来ていましたね、ネット社会究極の武器という事のようです、前半の一般市民を装う2人のアクションが観どころ、仕掛けられた映画的レトリックもまずまず効果的、後半のスパイに戻った2人のアクションは大掛かりですが、既視感いっぱい、

でも2時間、飽きずに楽しめました、休日のお気楽鑑賞にピッタリのアクション娯楽作品です、





syougai1pon at 05:30│Comments(0)映画 

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