2025年03月10日
先週も5本、「名もなき者」「アノーラ」「この荒漠たる荒野で」「12人の優しい日本人」「断捨離パラダイス」
〇(スクリーンで鑑賞)「名もなき者」
(★★★★★)(2024年米国)(原題:A Complete Unknown)
若き日のボブ・ディラン、そしてジョーン・バエズ他のミュージシャンたち

1961年の冬、NYへやって来たボビーはウディガ・スリーが入院している病院へ見舞に行く、初見だったがそこで弾いたボビーの曲に才能を見出したピート・シガーは彼をライブハウスに紹介、そこですでに人気を博していたジョーン・バエズと出会う、プロデューサーの目に留まったボビーはすぐにカバーアルバムを出すが鳴かず飛ばず、しかし、ついにオリジナル曲アルバムを発売、これが大ヒットとなり、ボブ・ディランの伝説が始まることになる・・・
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若き日のボブ・ディランを描く音楽映画、弾き語りシーンが満載なのですが、これが映画的に完璧なのです、もちろんボブ・ディランやジョーン・バエズ本人に少し似せている、という意味もあるのですが、それよりも役者の演奏と歌唱が素晴しいのです、音楽映画によくある手元隠しがありません、ギター指板上を動く左手の動きは完璧です、本当に弾いているのではないかという錯覚に陥ります、映画ですから、いろんな細工がされていると思いますが、それでもホントにリアルな弾き語りシーンの連続、最初の弾き語りでビックリ仰天、2曲目で泣きそうになってしまいました、
若き日のボブ・ディランを描く音楽映画、弾き語りシーンが満載なのですが、これが映画的に完璧なのです、もちろんボブ・ディランやジョーン・バエズ本人に少し似せている、という意味もあるのですが、それよりも役者の演奏と歌唱が素晴しいのです、音楽映画によくある手元隠しがありません、ギター指板上を動く左手の動きは完璧です、本当に弾いているのではないかという錯覚に陥ります、映画ですから、いろんな細工がされていると思いますが、それでもホントにリアルな弾き語りシーンの連続、最初の弾き語りでビックリ仰天、2曲目で泣きそうになってしまいました、
洋楽音痴のワタシ、年代的にも少し若いので、リアルタイムでのディランはほとんど知りません、それでもジョーン・バエズ、ウッディ・ガスリー、ピート・シガー、ジョニー・キャッシュなど当時のフォーク界のスターの相関図などがよく理解できました、
ラストは、これまた伝説の『ニューポート・フォークフェスティバル』のディランのステージ、風の噂にはこの騒ぎは聞いたことがありますが、実際はこの映画のような事だったのでしょうか?常に新しいモノを追い続けるディラン、デビュー数年で、すでにヒット曲の名曲「風に吹かれて」を歌う事を拒否していたんですね、流石です、
リアルなディランのステージは都合3回観ていますが、毎度MCは一言もなし^^)「風に吹かれて」も全く違う曲に聞こえる編曲でした、後は振り返らない人なんでしょうね、
〇(スクリーンで鑑賞)「ANORA アノーラ」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Anora)
ロシア富豪の御曹司と恋におち結婚したストリップダンサーの顛末

ストリップバーで働くロシア系アメリカ人のアニー、際どいサービスで男たちを魅了している、そこにやって来たイヴァンはロシア富豪のわがまま息子、金に糸目をつけず短いアメリカ滞在を楽しんでいる、少しロシア語が理解できるアニーを気に入り、1週間の専属契約を結び2人でラスベガスへ、しかし、この旅行が終わればロシアへ帰らなければならないイヴァンは、米国永住権を得るためにアニーに結婚を提案、アニーもこれを受け入れて結婚してしまう・・・
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2024年度アカデミー賞作品賞他計5部門受賞作品、いかにもアカデミー好きの作品です、
2024年度アカデミー賞作品賞他計5部門受賞作品、いかにもアカデミー好きの作品です、
前半はアニーとイヴァンがいちゃつきまくるシークエンス、アニーに邪心はありません、イヴァンの提案を受けて幸せな結婚生活を夢見たのかもしれませんが、この結婚の噂はすぐにイヴァンの両親に伝わり、ロシアから両親が飛んでくることになります、米国での見守り役のトロスはイヴァンの屋敷に2人組を送り込んでイヴァンを確保する計画でしたが、イヴァンは着の身着のままで屋敷から逃げ出し、残されたアニーの抵抗に2人組はたじたじ、
ここからはイヴァン探しのドタバタ劇、けして悪の組織の人間ではないトロスたちがファニーです、やっとのことでイヴァンを見つけ、両親も到着、空港で全メンバーでの大団円となりますが、ここでもアニーが大活躍、ストリップダンサーの矜持を見せつけてくれます、
ドタバタ劇になってからはアニーが叫びまくる、最多『ファッ〇!台詞』の映画、それでもラストは少しほんわかと寂しい気持ちになります、ま、気楽に鑑賞して問題なしですがR+18指定なのでご注意を、
◆(自宅で鑑賞)「この荒漠たる荒野で」
(★★★★☆)(2020年米国)(原題:News of the World)
元南軍兵士が偶然見つけた少女を親戚の家まで送り届ける、ハートフル西部劇

南北戦争終結後の1870年頃、町々で新聞のニュースを読み歩いている“ニュース屋”のジェファソン、ある日、荒野で襲撃された馬車と生き延びた少女ジョハンナを見つける、役所にジョハンナを送り届けるが、人手不足でまともにとりあってくれない、ジョハンナの両親は死亡、親戚が遠く離れた町にいる、やむなくジェファソンはジョハンナを自ら送り届けることにする、
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ジョハンナはドイツ系移民のようですが、両親を失ってからはインディアンに育てられました、なかなか心を開こうとしないジョハンナですが、ジェファソンは我慢強く彼女に接します、2人の旅は困難の連続です、ジョハンナを狙うならず者に襲われ、馬車も馬も失いますが、ジョハンナも勇敢に戦い2人の絆は深まっていきます、やっとジョハンナを親戚の家に送り届けたジェファソンですが、なにかぽっかり心に穴が開いたような感覚に襲われます、
ジョハンナはドイツ系移民のようですが、両親を失ってからはインディアンに育てられました、なかなか心を開こうとしないジョハンナですが、ジェファソンは我慢強く彼女に接します、2人の旅は困難の連続です、ジョハンナを狙うならず者に襲われ、馬車も馬も失いますが、ジョハンナも勇敢に戦い2人の絆は深まっていきます、やっとジョハンナを親戚の家に送り届けたジェファソンですが、なにかぽっかり心に穴が開いたような感覚に襲われます、
ラストは“ニュース屋”に戻ったジェファソンのシーンです、このシーン、観たいなあと思っていたシーンになっていました、この辺りはまっすぐでど真ん中、王道のアメリカ映画という感じです、観後感良し、ぜひ、自宅で鑑賞を、
◆(自宅で鑑賞)「12人の優しい日本人」
(★★★★☆)(1991年日本)
殺人事件の陪審員に選ばれた12人、あっという間に全員一致に辿り着いたかと思いきや・・・

殺人事件の陪審員室、審理が終了した陪審員12人が入って来る、まずは評決を取ることにすると、全員無罪で一致、あっという間に陪審は終わりかと思いきや、1人が有罪に転じるという、唖然とする11人、それでも全員一致が原則、話し合いを始める、ここから12人は無罪と有罪の間を揺れ動く、、、
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もちろん、名作「12人の怒れる男たち」(1957年米国)のパロディです、脚本:三谷幸喜さん、全編センスあふれる笑いとレトリック満載で楽しめる1作です、ちなみに日本の裁判員制度が始まったのが2009年です、
もちろん、名作「12人の怒れる男たち」(1957年米国)のパロディです、脚本:三谷幸喜さん、全編センスあふれる笑いとレトリック満載で楽しめる1作です、ちなみに日本の裁判員制度が始まったのが2009年です、
元ネタの物語は有罪評決優勢から無罪に転じるシリアスな内容ですが、本作は全員無罪から有罪へ傾いていくというブラックな展開、次々に示される事実や推理で11人が有罪支持までに傾きますが、一番頼りなさそうな陪審員が頑として迎合を拒み無罪を主張、事態は混迷します、そして、そこから・・・元ネタの2倍ほどの振れ幅に感心しきり、良く出来た脚本です、
練り込まれた12人のキャラクター、若き日の豊川悦司も終盤でその正体を明かして大活躍、と思いきや、これもまたトリックでした、やられた!休日のお気楽鑑賞にぜひ!!
◆(自宅で鑑賞)「断捨離パラダイス」
(★★★!☆)(2022年日本)
ゴミ屋敷の清掃を請け負う仕事人たちと、ゴミを出す側の人間事情

ピアニストを目指していた白高だが指が動かなくなる難病に、偶然チラシで見かけたゴミ屋敷専門清掃会社「断捨離パラダイス」に就職する、ゴミ屋敷の現実に戸惑いながらも、子も仕事にやりがいを感じるようになっていく、、、
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いくつかのゴミ屋敷やゴミ部屋の住人の生き様や事情、そしてそこからの脱出を描くオムニバス形式になっています、ワタシも掃除が苦手、それに捨てるのが苦手というか、迷うととりあえず捨てずに置いておくを選択してしまうヒトなので、他人ごとではありません^^汗)
いくつかのゴミ屋敷やゴミ部屋の住人の生き様や事情、そしてそこからの脱出を描くオムニバス形式になっています、ワタシも掃除が苦手、それに捨てるのが苦手というか、迷うととりあえず捨てずに置いておくを選択してしまうヒトなので、他人ごとではありません^^汗)
出て来るゴミ屋敷・ゴミ部屋の住人の事情もさまざま、それを受け止めながら黙々とゴミを捨てていく清掃員、時には人生のヒントや生き様の見本を差し出す清掃員を観ていると、ゴミを捨てるという行為がとても神々しく見えてきます、ゴミを捨てるという行為は心にも身体にもエエのかもしれませんね、ゴミを捨ておくなかれ!
泉谷しげるがゴミ屋敷の主人で登場、はまり役、
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syougai1pon at 05:30│Comments(0)│映画