今週は5本、「ミッションインポッシブル2025」「父と僕の終わらない歌」「ベッキー、キレる」「スンブ」「無法松の一生」先週も3本、「国宝」「ソウルの春」「ぶぶ漬けどうどす」

2025年06月09日

先週は3本、「レッド・ベリー」「ゴッドマザー」「雪の花」

(★★★!☆)(2021年米国)(原題:Lead Belly: Life, Legend, Legacy)
12弦ギター奏者でフォークシンガーのレッド・ベリーのドキュメンタリーフィルム

06レッドベリー

米国のフォークソング隆盛期の1940年代、華麗な12弦ギター演奏と独特の歌唱スタイルで後世のミュージシャンに多大な影響を与えたレッド・ベリーのドキュメンタリーフィルム、ピート・シーガー、ジョーン・バエズ、ハリー・ベラフォンテ、B・B・キングなどが語るレッド・ベリーの音楽♬



みんなが声を揃えてレッド・ベリーのギターと歌唱を褒め讃えています、それほどインパクトのあった歌手のようですが、生前にその評価は伴わず、2度も服役するなど不遇の生涯だったようです、そのレッド・ベリーの音楽の真髄に迫るドキュメンタリー、という具合のフィルムです、

副題の“ビートルズとボブ・ディランの原点”というのは日本の配給会社が捻り出した、毎度お馴染み商業ベースのオマケ副題、フィルムの中ではビートルズもディランもほとんど触れられていません、でも影響を与えたのは事実、フィルム冒頭で「レッド・ベリーがいなかったら、ビートルズもなかった」というジョージ・ハリソンの言葉が引用されています、

フィルム終盤に『おやすみアイリーン』がフューチャーされます、最近、ハーモニカ奏者の松田アリ幸一さんの歌唱を2度ほど聴いた名曲、そのルーツがレッド・ベリーだと初めて知りました、ブレイクしたのは彼の死後、「ウィバーズ」が発表し大ブレイクしたからだそうです、この話も初めて知りました、

偉大なる者、死してその真価を発揮する、


(★★★!☆)(2025年日本)
ファッションデザイナーのコシノ3姉妹を育て上げたコシノアヤコの生涯

06ゴッドマザー

危篤状態に陥ったコシノアヤコの枕もとにヒロコ・ジュンコ・ミチコの3姉妹が集まる、アヤコの前には天使が現れ、アヤコを天国に送るべきか地獄に送るべきか、審判を始めるという、病室に泊まり込んだ3姉妹は母アヤコの波乱万丈の生涯を思い出しながら一夜を過ごす、



NHK朝ドラでもお馴染み、大阪岸和田で洋装店を営み、3人の娘を世界的ファッションデザイナーに育て上げたコシノアヤコの一生を描きます、少女の頃にミシンと出会い、ミシンに恋焦がれる、女学校を辞めて縫いもの屋に就職し、ひたすらミシンを踏み続けるアヤコ、戦時中の苦難も生まれながらのバイタリティで乗り越えます、それを観ていた3人の娘はそれぞれのやり方でデザイナーへの道を歩みます、

性格の違う3姉妹になにも強制せず、やりたい事だけをやらせて、そして3人ともが一流になるという奇跡のような物語です、なるほど、やはり『この母ありて・・・』という事なのでしょう、

60歳を超えてから自らのブランドを立ち上げたアヤコ、その作品は娘たちのデザインに酷似、娘たちがクレームを入れる、
『これ、ワタシらの作品にそっくりやん!!』
『そらそうや、パクってるんやから^^、アンタらを生んだんはワタシや、アンタらの作品はワタシのもんや!!』

こんなお母さんだったようです^^)なかなかのゴッドマザーぶりに拍手、

大地真央好演、さすがに娘時代は無理がありますが^^)それも一応ギャグで治まりをつけています、

正しき心は強い心を生む、観て損はなし、

(★★★☆☆)(2024年日本)
天然痘で苦しむ庶民を救いたい一心で「種痘」普及に一生を捧げる町医者の物語

640

江戸時代末期、日本国内では天然痘が流行、有効な治療法がないために死者が続出、なんとか天然痘を治療したいと考えた福井の町医者・笠原良策、蘭方医から西洋医学の治療法である天然痘の予防接種「種痘」の存在を知る、京の蘭方医日野の元で種痘について学び、福井でも予防接種をおこなうために藩主に「種痘」の必要性を上申するのだが・・・



笠原良策は実在の医者だそうです、天然痘に苦しみ庶民を何とか救おうともがく良策、西洋医学を学び予防接種の有効性を確信、藩主の後押しもあり、私財を投げ出して「種痘の苗」=天然痘に感染した牛のかさぶたを入手することにします、苦難の末、その苗を無事福井に持ち帰るのですが、牛の病気に感染するとの噂が広まり、だれも種痘を受けようとしません、、、

はじめて国内で「種痘」を行うのは大変なハードルがたくさんあったでしょうが、良策は恵まれていました、協力的な蘭方医とその家族、もの分かりの良い藩主、苗はすぐさま長崎から届くし、種痘の普及を阻もうとする藩官僚もすぐに駆逐される、嫌がらせをするやくざを柔術で撃退する良策(こんなに強かったんだ!?^^)と、なにやら物語はスイスイ進みます、最大の困難は子供に移植した種痘の苗を運ぶための雪の中の峠越えという、本題とは違うサスペンスとは・・・

もっとあったであろう種痘への無理解、庶民の不安、普及を阻む奉行所や漢方医との暗闘、藩主説得の困難など、ストレスフルな物語があったのではないかと思うのですが、何とも綺麗過ぎる美談になってしまったような気分、ちょっと残念、

名を求めず、利を求めず、見事な心意気でした、芳根京子好演、




syougai1pon at 05:30│Comments(0)映画 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
今週は5本、「ミッションインポッシブル2025」「父と僕の終わらない歌」「ベッキー、キレる」「スンブ」「無法松の一生」先週も3本、「国宝」「ソウルの春」「ぶぶ漬けどうどす」