2025年06月16日
先週も3本、「国宝」「ソウルの春」「ぶぶ漬けどうどす」
〇(スクリーンで鑑賞)「国宝」
(★★★★☆)(2025年日本)
血筋と芸がぶつかり合う、歌舞伎役者2人の半生記

上方歌舞伎の看板役者花井半次郎、やくざの抗争で父親を失った喜久雄の才能を見抜き、家付きの弟子にする、半次郎の息子俊介は面白くないが、同い年の2人はすぐに気投合、2人で芸の道を究めるために精進を重ねていく、半次郎が事故で入院、半次郎は公演中の舞台の代役に息子の俊介ではなく喜久雄を指名、猛反対する母親、喜久雄は圧倒的な芸で舞台を務め揚げるが、それを観た秀介は自らの非力を悟り出奔してしまう、ここから2人の数奇な運命が始まる・・・
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歌舞伎の世界に生きる父と母、息子、そして背中に刺青を背負った芸の達人とその恋人、この5人の50年にわたる波乱万丈の人生を描く大河ドラマ、描き切るのに175分は致し方なしか、
歌舞伎の世界に生きる父と母、息子、そして背中に刺青を背負った芸の達人とその恋人、この5人の50年にわたる波乱万丈の人生を描く大河ドラマ、描き切るのに175分は致し方なしか、
前半のハイライトは我が息子を差し置いて、喜久雄を代役に指名した半次郎の芸への執念、俊介もその真意を悟り、喜久雄の恋人春江は俊介を気遣い2人で姿を消します、ここで終わっても1本の作品になりそうですが、ここからが波乱万丈、二転三転、歌舞伎という芸の魔力がそれぞれの人生を翻弄します、さすがに後半は少し緩む時間帯もありますが、終着点への展開には息が詰まりました、
この映画の功績として、相当完成度の高い歌舞伎の舞台を鑑賞できる、いや垣間見る、くらいかもしれませんが、代表的な歌舞伎作品の舞台をダイジェストで鑑賞できることでしょう、若いお客さんも、普段歌舞伎を観ないお客さん(ワタシもそうです^^)もスクリーンの歌舞伎シーンには見惚れたのではないでしょうか、そして「曽根崎心中」の重要な件が俊介と喜久雄の運命にも上手に絡んで来たのには感心しました、原作者の放った見事なレトリックなんでしょう、ぜひ鑑賞してください、
◆(自宅で鑑賞)「ソウルの春」
(★★★★☆)(2024年韓国)(英題:12.12: The Day)
実際に韓国で起こった軍事クーデターの一夜の攻防を描いたサスペンス

1979年10月、長年絶対権力者として君臨してきたパク・チョンヒ大統領が暗殺される、国民は独裁が終わり民主化が進む「ソウルの春」を期待するが、混乱に乗じて軍事クーデターを企てるドゥグアン司令官は強硬派「ハナ会」メンバーを次々と招集し、自らに権限を与えるよう後継臨時大統領に迫る、一方、高潔な軍人として人望の厚いイ・テシン少将はクーデター計画を知りソウル防衛の先頭に立つ、先にソウルを制圧したものが政権を握ることが出来る状況、軍事クーデターは成功するのか?それとも民主化が護られるのか?
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実際に起こった事件をフィクションを交えながら描いています、実際の一夜、9時間程の物語です、韓国軍同士が戦うという最悪のシナリオに向けて、クーデター派と民主派があの手この手で暗躍・説得・恫喝・偽装を繰り返します、間に挟まれた軍高官や背広組大臣などは的確な判断が出来ず、クーデター派が優勢になって行きます、追い詰められたイ少将はわずかな手勢で反乱軍に立ち向かいますが・・・
実際に起こった事件をフィクションを交えながら描いています、実際の一夜、9時間程の物語です、韓国軍同士が戦うという最悪のシナリオに向けて、クーデター派と民主派があの手この手で暗躍・説得・恫喝・偽装を繰り返します、間に挟まれた軍高官や背広組大臣などは的確な判断が出来ず、クーデター派が優勢になって行きます、追い詰められたイ少将はわずかな手勢で反乱軍に立ち向かいますが・・・
フィクションなら、ここで奇跡の大逆転の一手が決まるところですが、現実はそうは行きません、結局軍事クーデターは成功、軍事政権が樹立、民主派のイ少将は反逆者となってしまいます、そして翌年、民主化弾圧事件として名高い『光州事件』が起こってしまいます、多数の市民が軍によって殺害された事件です、
本作は韓国で2023年度観客動員数第1位、韓国の暗黒歴史を描いた映画ですが、暗部こそしっかりと光を当てないといけない、という韓国映画界の矜持も感じます、
〇(スクリーンで鑑賞)「ぶぶ漬けどうどす」
(★★!☆☆)(2025年日本)
東京から京都の夫の実家にやって来た女性が巻き起こすトンチンカンな騒動

漫画家のまどか、夫の実家は京都で老舗扇舗を営んでいる、京都の老舗の内側を漫画にしようと実家にやって来たのだ、父親と母親はまどかを歓迎、跡継ぎの女将になってくれることを期待する、京都洛中の生活ぶりを取材するまどか、母親に紹介された老舗女将の寄り合いに顔を出すが、どうも会話がかみ合わない、ある日、扇舗にTVの取材クルーがやって来る、まどかは店の役に立ちたいという想いから勝手に出演し、京都の老舗について語り始めるのだが・・・
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タイトル通り、京都洛中の人間模様を描き出そう、京都人の考え方と生活ぶりをあぶりだそうという企画、軽快なコメディかな?と思って鑑賞したのですが・・・???いったい、何がテーマだったのかわっぱり分からない1本でした、京都人としては誠に残念、
タイトル通り、京都洛中の人間模様を描き出そう、京都人の考え方と生活ぶりをあぶりだそうという企画、軽快なコメディかな?と思って鑑賞したのですが・・・???いったい、何がテーマだったのかわっぱり分からない1本でした、京都人としては誠に残念、
京都人の意地悪さとかを際立たせるためなのか?まどかはまったく空気が読めないサイテーの女性でした、女将に内緒で店の取材を許可してひと悶着起こすと、逆恨みで老舗女将連と衝突、さらに不動産会社社長と対立すると漫画に描いてこき下ろし、果てはわたしが女将になって老舗を守ります・・・とな、こりゃ京都人でなくても怒りますわ^^)
メインキャストでは松尾貴史さん以外の出演者の関西弁・京都弁も今一つ、室井さんの出だしは良かったのですが、途中は何度か???のアクセントが、老舗女将が訛ってしまうと物語が色褪せてしまいます、
赤飯の配達、夫の浮気、アシスタントの裏切り、謎の美大教授?漫画での誹謗など、枝葉のエピソードもなにやら下世話な展開、、、観後感も良くありません、
う~ん、うちらが思うに、京都の事ぜんぜん分かったあらへん、いかにも京都洛中には向かへん展開やと思います、はい、みなさん、そろそろぶぶ漬けどうどすか?
う~ん、うちらが思うに、京都の事ぜんぜん分かったあらへん、いかにも京都洛中には向かへん展開やと思います、はい、みなさん、そろそろぶぶ漬けどうどすか?
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syougai1pon at 05:30│Comments(0)│映画