ふつうの子ども

2025年09月29日

先週は5本、「ふつうの子ども」「一度死んでみた」「ババンババンバンバンパイア」「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」「1911」

〇(スクリーンで鑑賞)「ふつうの子ども」
(★★★★☆)(2025年日本)
ふつうの小学生の何気ない生活から巻き起こる騒動、子役が素晴しい

09ふつうのこども

小学校4年生(10歳)の唯士(ゆいし)はいたって普通の小学生、宿題の作文「私の毎日」で普通なことを書いたが今一つウケなかった、同級生の心愛(ここあ)は大人の無責任な行動が地球環境を破壊していると、作文で怒りをあらわにする、これを見た唯士は心愛に恋をし、環境問題に興味があるふりをして心愛に接近する、心愛はもう一人の同級生陽斗と唯士の3人でゲリラ的な抗議行動を始めるのだが・・・



とにかく唯氏役の子役が良い、オープニングの家から学校に向かい、教室で授業を受けるシーン、ドキュメンタリーかと思わせる自然な演技、この主役を選んだ段階で、この映画は70%ほど成功しています、これだけアップにして画になる役者をよくぞ見つけて来ました、

物語は環境問題にのめり込む心愛、お調子者の陽斗、そして不純な動機(恋だから純粋か^^)で付いて行く唯士、3人は活字を貼りこんだ環境問題啓蒙チラシを作り、あちこちに貼って歩きます、少し反応があったことで、3人の行動はエスカレート、地域でも話題になり始め、そしてついに3人の行動が元で事故まで起こってしまいます、

教師も校長も一人の人間として描かれています、3人の母親も個人として描かれています、この辺りはしっかり撮っておられる感じがして好感、結末は少し後味が悪い、なぜこの物語でなければならなかったのか?という気持ちを湧いてきますが、ラスト近くの唯士の勇気と、ラストシーンに少し救われます、監督作品の一連の流れの中で観ると違うのかもしれませんが、もう少しこどもらしい終点でも良かったかな、

でも、エエ映画でした、少しオマケで★4つ!監督の今後も楽しみです、

◆(自宅で鑑賞)「一度死んでみた」
(★★★★☆)(2020年日本)
理科系理屈づくめの父親と、反抗するパンクな娘の一風変わった愛情物語

09死んでみた

製薬会社社長の計はとにかく研究一筋、世の中を『観察と実験』だけで計っている、そんな計に猛反発する娘の七瀬はパンクロックバンドのステージで「デスデス」(死ね!)と叫んでいる、計の会社で開発中の若返り薬の権利を巡って、大手との合併計画が持ち上がるが、計はこれを一蹴、と開発機密情報が漏洩していることが発覚、計は偶然出来た『24時間後に生き返る』薬を飲んで死んだふりをし、あの世から社内のスパイを見つけようとするのだが・・・



四角四面の父親と大学4年生の娘、そりゃうまく行くはずがないさ!というコメディです、芸達者な2人のやり取りだけでも結構楽しめますが、そこに存在感が全く無い“ゴースト”と呼ばれる社員松岡が噛み混むことで、物語が相当面白くなっています、前半のネタ撒き(伏線張り)パートが後半でしっかり回収されるのが小気味良い、公開時、キワモノかと思って観ませんでしたが、なんのなんの、なかなかの出来栄えです、

堤真一が好演、この人は器用ですね、吉沢亮もゴースト役を得て成功、個人的には大友康平の掬い方が気に入りました(「パッチギ!」と同じ役回り)、監督の伝手(つて)か?その他豪華俳優陣がズラリと出演、野口聡一さんの存在感を消すため(伏線回収のため)だけに古田新太を起用するとは、やりますなあ、

サブスクでぜひ鑑賞を!

(★★★!☆)(2025年日本)
風呂屋に住み込む吸血鬼が狙うのは18歳童貞の血、これまた良く出来たコメディ

09バンパイア

銭湯に住み込みで働く森蘭丸、実は450歳のバンパイア、銭湯の一人息子李仁(りひと)が18歳になったら、その血を吸う事を念願としている、その李仁は同級生の葵を好きになる、童貞喪失を阻止しようと葵に接近する蘭丸、すると葵は蘭丸が吸血鬼であることを見抜き、蘭丸さま!と慕うようになる、さらにバンパイアハンターや武闘派の蘭丸の兄吸血鬼も現れ、李仁や葵ばかりでなく、蘭丸にも危機が訪れる・・・



これまた伏線張りまくりの、そして上手に回収しまくりの上等コメディでした、公開時に観ておけばヨカッタかも、いやサブスクで充分かな、

450年も生きて来た吸血鬼が銭湯でなぜ懸命に働いているのか?とか、ツッコミどころ満載ですが、そんな細々したところを気にしてはイケマセン、「一度死んでみた」同様、張りまくった伏線の回収を観てニヤッと笑うようなシュッとしたコメディです、

蘭丸役はここでもまた吉沢亮、この人はコメディが合っているのかもしれませんね、と思ったら「一度死んでみた」と同じ監督でした、そりゃこうなるか!^^)休日ののんびり鑑賞にピッタリ、

(★★★!☆)(2025年米国・ドイツ合作)(原題:The Phoenician Scheme)
アフリカのフェニキア国の開発計画を巡る奇想天外な冒険談

09ザザコルダ

富豪ザ・ザ・コルダはアフリカの「フェニキア国」のインフラ整備事業で大儲けを企んでいる、が、事業の進捗状況が思わしくない、計画がとん挫するのを防ぐために、娘の修道女リーズルを相談役に資金調達のため出資者を巡る旅に出る、が敵の多いコルダ、飛行機が戦闘機に撃墜されたり、出資者との決闘になったりと、波乱万丈の旅を続ける・・・



これまたコメディです、なんとなく英国センスの匂いがしますが、米国・ドイツの合作、飛行機が何度墜落しても死なないコルダ、そこに何か意味があるのか?良く分からないバスケットボール決闘などなど、ナンセンスな場面が続きます、そこに象徴的なインサートカットと、相当入れ込んだ造りになっているのですが・・・寝落ちました、スイマセン・・・

物語が退屈という訳ではないのですが、どうも集中できませんでした、好みの問題ですかね、もう一度スクリーンで観るかもしれませんが、サブスク待ちでも良いかな・・・

〇(スクリーンで鑑賞)「1911」
(★★★☆☆)(2011年中国・香港合作)(原題:辛亥革命)
中華民国建国のきっかけとなった辛亥革命の全容を追う大河ドラマ

09 1911

アヘン戦争に敗れた中国・清朝は衰退の一途を辿っていたが、朝廷での国家存亡の危機感は薄かった、米国にいた孫文は共和国設立を目的とした反乱を計画、参謀の黄興は本土に戻り武装蜂起に加わるが、反乱は失敗、それでも孫文はあきらめることなく、中華民国建国へ向けて闘い続ける・・・



中国の歴史大河ドラマです、清朝を滅ぼし中華民国を建国した孫文と参謀黄興の奮闘を描いています、と、この辺りはほとんど学校でも教えない歴史の狭間、観ていても良く分からないことが多かったです、

孫文の共和国計画はすんなりいったわけではなく、何度も挫折しています、日本にも縁が深く、4年間ほど亡命生活を送ったようです、苦難の果てに建国した中華民国と日本は戦争になり、さらに国民党となった流れは、中国共産党との戦いに敗れ、台湾にその血統は引き継がれ現在に至っている、というくらいしか知識なし、なので物語自体の核心が良く分かりませんでした、というこちら側の問題もあり、映画自体はちょっと平板だったかな、ジャッキー・チェンが黄興役で出演、アクションシーンも多くあるのですが・・・

隣大国の歴史に興味があれば鑑賞を・・・




syougai1pon at 07:35|PermalinkComments(0)