オッペンハイマー

2024年04月08日

先週は5本、「オッペンハイマー」「バンク ジョブ」「海街Diary」「ツユクサ」「ゴーストバスターズ フローズンサマー」

〇(スクリーンで鑑賞)「オッペンハイマー」
(★★★★!)(2023年米国)(原題:Oppenheimer)
米国の原爆開発を率いた物理学者オッペンハイマーの苦悩と葛藤

04オッペンハイマー

第2次世界大戦末期、米国とナチスドイツは原爆開発競争にしのぎを削っていた、軍からマンハッタン計画(原発開発計画)のリーダーに指名された物理学者オッペンハイマー、様々な困難を乗り越え、優秀なスタッフを集め、多額の予算を投入して大規模な実験場を作り原爆開発に邁進、ついに原爆実験に成功する、しかし予想をはるかに上回る原爆の威力を目の当たりにして、オッペンハイマーは世界の崩壊を危惧するようになる・・・



オッペンハイマーの原爆開発成功物語というシンプルな映画ではありません、2つの大きな苦悩と葛藤があります、1つは原爆開発の是非と日本への原爆投下の是非という問題、ナチスへの切り札として開発していた原爆でしたが、1945年5月にヒトラーは自殺、目標は日本に変更されます、日本が負けることはもはや明白な時期、果たして投下が必要なのか?軍と対立するオッペンハイマーや開発スタッフは、冷戦時の水爆の開発にも反対します、

2つ目はオッペンハイマー自身や家族の経歴、米国共産党に入党していた過去があったため戦後赤狩り時代にソ連のスパイではないかと疑惑の目を向けられます、政敵の策略で聴聞会に掛けられたオッペンハイマーは物理学者としての権利をはく奪され原子力委員会から追放されてしまいます、

3時間という長尺、冒頭は少しウトウトしてしまいましたが、それ以降は時間の長さをあまり感じない映画的サスペンスの連続、開発計画を巡る主導権争い、開発を巡る軍との駆け引き、共産党疑惑、そして実験の成功と広島長崎への投下、戦後の水爆開発反対とスパイ疑惑、赤狩り、

原発開発成功者の伝記モノではない、アカデミー好みの内容になっています、映像効果と共に音響・音楽効果が凄いです、眠気も吹っ飛びます^^)

オスカー作品賞、監督賞、主演男優賞他、合計7部門受賞映画、必見です、



◆(自宅で鑑賞)「バンク ジョブ」
(★★★★☆)(2008年英国)(原題:The Bank Job)
一攫千金!銀行の貸金庫からの強奪に成功したが、貸金庫には思わぬ秘密が隠されていた

04バンクジョブ

借金で首が回らなくなっていたテリー、元恋人から銀行強盗の計画を持ち掛けられ乗ることにする、練り上げた計画は順調に進み、貸金庫から多額の現金を盗み出すことに成功するが・・・この計画には裏があった、英国王室のスキャンダルのネタ元を回収するための諜報機関の策略だったのだ、想定外の展開にテリーたちは窮地に追い込まれる、



事の発端は英国王室アン王女の暴露写真、これを回収するために諜報機関MI-5とMI-6が仕組んだ銀行強盗だったが、計画は失敗、どんどん事態は悪い方へ傾いていく、スキャンダルのネタ写真を持つ麻薬組織、ポルノ館に出入りする国会議員、裏帳簿を奪われたポルノ産業の帝王と悪徳警官などが、貸金庫から出回った写真と帳簿を巡って入り乱れます、

と、奇想天外な物語、結構楽しめるクライムサスペンスですが、、、

これがなんと実話ベース、アン王女のスキャンダルに端を発し、麻薬組織、ポルノ帝王、悪徳警官、国会議員など、多数の逮捕者を出した1971年の現実の事件が下敷きだそうです、なんとも物凄い事件です、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「海街Daiary」
(★★★!☆)(2015年日本)
舞台は湘南鎌倉、一緒に暮らすことになった三姉妹と末の四女の家族劇

04海街

鎌倉にある古い一軒家、幸、佳乃、千佳の三姉妹が暮らしている、長らく別に暮らしていた父親が無くなり、山形まで葬儀に出かける、そこには異母妹のすずがいた、継母とは血が繋がっていないため、幸はすずを鎌倉に呼び寄せることにする、すずも同意、姉妹4人の生活が始まる・・・



長女の幸は責任感が強く3人の妹の面倒を見ながら働いています、次女の佳乃は酒と男を愛するおおらかな性格、三女の千佳は自由奔放、そんな中で一緒に暮らす妹のすずとの交流、家族の記憶、時に悩み、挫折し、幸せを手放し生きていく4人、それぞれの人生のかけらを切り取りながら、姉妹は前へ進んで行きます、

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずと豪華キャストの4姉妹、脇もオールスターと呼べる俳優で固められ、しっかりした一編になっています、エピソード・シークエンスが細かすぎる感がありますが、ほっこりした観後感で観終わります、キャストのお陰かな、

是枝裕和監督作品、観て損は無し、



◆(自宅で鑑賞)「ツユクサ」
(★★★!☆)(2022年日本)
辛い思い出を抱えて小さな港町にやって来た女性の再生の物語

04ツユクサ

小さな港町で暮らす芙美、断酒の会に通っており、親友直子の息子航平と友達のような付き合いをしている、ある日、芙美の運転する車に小さな隕石が衝突、航平と共に隕石を見つけた芙美はそれをペンダントにする、それをきっかけに、閉じていた芙美の生活に少しずつ変化が現れる・・・


芙美がこの港町にやって来たのには理由がある、断酒の会に通うのも悲しい過去の出来事が理由のようだ、なにごとにも前向きに向き合い、明るく生きているように見える芙美にも心の闇があります、隕石ペンダントのお陰か?偶然知り合った陰のある男篠田にはなぜか徐々に心を開いていく芙美、小さな街で交差する人生模様、

小林聡美ならではの空気感がある物語、大きな事件も犯罪も奇跡も起こりませんが、心にチクチク刺さっていた棘がすっと消えていくような結末、芙美と篠田の不器用な恋物語もすっと入ってきます、平岩紙、江口のり子ももったいないくらいの好演、

ラストシーンだけはちょっと違和感あり、これが奇跡という事か?個人の感想です^^)



(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Ghostbusters: Frozen Empire)
なんでも凍らせる最強のゴーストがNYに出現!フルメンバーで挑むゴーストバスターズ

F04GB

うだるような暑さの夏のNY、ゴーストの出現が活発になり大忙しのゴーストバスターズのスペングラー一家、最年少の娘フィービーは未成年のため、市長から労働禁止令が出て、ゴースト退治に出動できなくなる、ひとり悶々とするフィービーは夜の公園で焼死した娘のゴーストと出会い、心を通わせるが、その先には最強のゴーストを復活させるための罠が待ち受けていた、



1980年代に大ヒット、2作が作られ、2021年に作られた3作目の続編、世代を超えて引き継がれている“ゴーストバスターズのお仕事”、基本は1980年代と変わらずの装備でゴーストを捕獲していきますが、今回の相手は最強、今までも武器は通用しません、

と、いう筋書きですが、最強ゴーストの登場はラスト30分ほど、そこに行きつくまでがどうもテンポが悪いし、最強ゴーストもチャーミングじゃない、この映画のゴーストはチャーミングであってほしい^^)フィービーはチャーミングだけどね、

ダン・エイクロイドはしっかり出演、ビル・マーレイはほぼカメオ出演、インド人、韓国人、アフリカ系と多民族編成で戦います、

個人的には2作目のシガニーが好き、




来週の映画記事はお休みします、






syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)