ゴンドラ1987
2025年04月07日
先週も5本、「教皇選挙」「エミリアペレス」「リトルシベリア」「ジェリーの悲劇」「ゴンドラ」
〇(スクリーンで鑑賞)「教皇選挙」
(★★★★☆)(2024年米国・英国合作)(原題:Conclave)
次の教皇を選ぶ選挙コンクラーベの裏側を描くサスペンス、驚愕の結末

カソリック教会のローマ教皇が亡くなった、次の教皇を選ぶために世界中から投票権のある司祭が集められ、主任司祭のローレンスが選挙を仕切ることになる、次代教皇に意欲を示す保守派、強硬派、良心的司祭、アフリカ人司祭などが票の獲得を目指す、保守派司祭のスキャンダルのうわさが流れ、アフリカ人司祭の過去が暴かれるなど選挙は混迷、さらに亡くなった教皇が密かに司祭に任命した無名司祭が現れる・・・
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教皇を選ぶ選挙・コンクラーベ、初めて聞いた時に音が日本語の『根競べ』に似ている!と思った方も多いと思います、そのコンクラーベの数日間をサスペンス仕立てで描く作品、カソリック教会のトップに立つ司祭たちが、実は俗物の集まりという強烈な皮肉がベースのサスペンス、こんな映画を作ってしまう、上映する、という文化が素晴しいです、
教皇を選ぶ選挙・コンクラーベ、初めて聞いた時に音が日本語の『根競べ』に似ている!と思った方も多いと思います、そのコンクラーベの数日間をサスペンス仕立てで描く作品、カソリック教会のトップに立つ司祭たちが、実は俗物の集まりという強烈な皮肉がベースのサスペンス、こんな映画を作ってしまう、上映する、という文化が素晴しいです、
さて物語は、票が5人の司祭に割れたことから、当選を目指しての裏工作や駆け引き、仲間割れなどが渦巻き混迷を極めます、アフリカ人司祭が過去のスキャンダルで身を引き、保守派司祭もハラスメント疑惑で脱落、強硬派司祭が有力になった時、事件が起こります、権力闘争に明け暮れるカソリック教会に愛想をつかす司祭が現れ、事態は急変、果たして次代教皇に選ばれるのは?
そして、その選挙結果の果てにはもう一つの驚きの物語が隠されていました、なるほど、これまた如何にも21世紀の宗教映画です、必見!
〇(スクリーンで鑑賞)「エミリア ペレス」
(★★★★☆)(2024年フランス)(原題:Emilia Perez)
メキシコの麻薬王が性別適合手術をうけて人生をやり直そうとするが・・・

メキシコシティの弁護士リタ、本意でない事件の弁護に追われ疲れ果てている、そんなある日、誘拐され連れていかれた先は麻薬王マニタスの元、そこでリタはマニタスから驚きのリクエストを受ける、マニタスはトランスジェンダーで性別適合手術を受けて生まれ変わりたいと告白、その準備をリタに命じる、この秘密を知った以上、断れば生きて帰れない、そして多額の報酬と無制限の必要経費、リタはマニタスを生まれ変わらせることにする・・・
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組織を牛耳る麻薬王が本来の気持ちに沿って女性に生まれ変わるというシチュエーションだけで相当インパクトがあるのですが、物語は生まれ変わってからがメインです、
組織を牛耳る麻薬王が本来の気持ちに沿って女性に生まれ変わるというシチュエーションだけで相当インパクトがあるのですが、物語は生まれ変わってからがメインです、
エミリアとして生まれ変わった麻薬王は、過去に引き起こした麻薬にまつわる悲劇を目の当たりにし、慈善心に目覚めます、また妻と息子を伯母として引き取り養育しようとします、しかし・・・あまりに強い信念と愛情が徐々に歯車を狂わせていくことになります、
シリアスな物語ですが、なぜか何度もミュージカル風に歌いだすシーンがあります、最初は違和感ありますが、、、なんか慣れて来ます^^)麻薬王とミュージカル仕立て、これこそフランスのエスプリ?
観応えのある1作、想定外のラストもカタルシスがあります、なるほど!!という感じ、さて生き残るのは誰か?ぜひの鑑賞を、
◆(自宅で鑑賞)「リトル シベリア」
(★★★!☆)(2025年フィンランド)(原題:Little Siberia)
田舎町に隕石が落ちたことから巻き起こる奇妙な出来事、コメディサスペンス

フィンランドの冬の田舎町に隕石が落下、なにもなかった町がこの隕石で色めき立つ、町興しに使おうと公民館に展示するが、隕石の権利を主張する者、土地の所有者、さらには隕石を盗もうとする男たちなどが動き出す、牧師のヨエルは隕石警護の寝ずの番を引き受けるが、ある晩不審者が侵入、そこからヨエルは殺人事件に巻き込まれてしまう・・・
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何とも不思議なタッチとテンポの映画です、フィンランドのコメディセンス?なのか、監督の狙いなのか?とにかく、平凡な日常に隕石が落ちたことで起こる非日常、もしくは奇跡?みたいなことが独特テンポで進行、ついには何人もの死人が出ることになるのですが、それがあまり血なまぐさくない、ヨエルは妻との問題も抱えていたのですが、そちらの方が大きな関心事、という具合、おいおい、人が死んでるよ!と言いたくなります、
何とも不思議なタッチとテンポの映画です、フィンランドのコメディセンス?なのか、監督の狙いなのか?とにかく、平凡な日常に隕石が落ちたことで起こる非日常、もしくは奇跡?みたいなことが独特テンポで進行、ついには何人もの死人が出ることになるのですが、それがあまり血なまぐさくない、ヨエルは妻との問題も抱えていたのですが、そちらの方が大きな関心事、という具合、おいおい、人が死んでるよ!と言いたくなります、
閉じられた雪の町というシチュエーションも似ているので、名作「ファーゴ」の雰囲気とちょっと似ていると思いました、乾いた感じのブラックコメディ、そんな感じの作品です、興味があれば観てみましょう、
〇(スクリーンで鑑賞)「ジェリーの悲劇」
(★★★☆☆)(2023年米国)(原題:Starring Jerry as Himself)
ジェリーに掛かって来た1本の電話から始まった巧妙な電話詐欺

台湾から渡米し40年以上コツコツと働いてきたジェリー、妻とは離婚、3人の息子がいる、ある日、携帯電話会社から電話が入る、不正取引の嫌疑がジェリーに掛かっているので携帯電話を止めるという、それを避けるには中国の国家警察に電話するように指示される、その番号に電話すると、刑事や上役が出て来て、ジェリーの嫌疑を晴らすために捜査に協力して欲しいと頼まれる、協力しないと逮捕されるかも・・・
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原題は『Starring Jerry as Himself』、主役はジェリー本人出演、という意味、そう、この物語、電話詐欺で全財産を失ったジェリー自身の実話をジェリー自身主役で映画化したものです、映画作りに興味のあったジェリーは全財産をだまし取られた顛末を映画にして、その収入でいくらかでも回収しようと思いたったそうです、へこたれない人です、ドキュメント部分に映っているジェリーはとっても明るく見えるのが幸い、
原題は『Starring Jerry as Himself』、主役はジェリー本人出演、という意味、そう、この物語、電話詐欺で全財産を失ったジェリー自身の実話をジェリー自身主役で映画化したものです、映画作りに興味のあったジェリーは全財産をだまし取られた顛末を映画にして、その収入でいくらかでも回収しようと思いたったそうです、へこたれない人です、ドキュメント部分に映っているジェリーはとっても明るく見えるのが幸い、
物語はジェリーの他に家族がそのまま本人役で出演、詐欺集団などは俳優が演じています、ドキュメンタリーとフィクションが入り混じる展開ですが、物語は巧妙にジェリーにウソの不正取引事件捜査を装い、ジェリーを意のままに動かし、ついには預金財産を全部送金させてしまう、という怖いお話、
映画としての出来栄えはパッとしませんが、日本でも電話だけで数千万円を振り込ませる詐欺が横行、そんな詐欺に引っ掛からないためにも、観ておいた方が良いかも?
◆(自宅で鑑賞)「ゴンドラ」
(★★★☆☆)(1987年日本)
偶然知り合った窓拭き青年と孤独な少女が故郷を目指す

ゴンドラに乗ってビルの窓ふきをする良、孤独な都会生活を送っている、高層マンションに母親と住む少女かがりは母親の愛情が薄く、イジメにもあっている、清掃中に窓越しにかがりを見る良、街中で偶然出会った2人、良はかがりが薄幸であることを知り、保護者の視点で愛情を注ぐようになる・・・
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1987年製作作品、当時の若手クリエーターが結集して作った意欲作らしいです、知らなかったのでサブスクで鑑賞、
1987年製作作品、当時の若手クリエーターが結集して作った意欲作らしいです、知らなかったのでサブスクで鑑賞、
若手による作品らしく映画的ギミックが多数詰め込まれています、映像的、色彩的、音楽的挑戦多数、幻想シーンや心情カットも、正直簡明な映画が好きなので、こういう観念的な映画はあまり好みません、最近だと綾瀬はるか無駄遣いの「ルート29」とかも、、、
でも、リアルな物語部分もよく撮れていて、後半のロードムービーシークエンスは観どころ、ラストカットの映像も綺麗です、
たぶん、いろんな意見や提案を全部飲み込んで作ってやろう!という意気込みだったのかな?と推察します、若手の挑戦ですからね、それでよいと思いますが、リアルな物語パートだけを再編集して90分くらいにしたら、それもまた心に引っ掛かる作品になるかも、とか思いながら観ました、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)