ピアノレッスン

2024年12月09日

先週も5本、「ふたりで終わらせる」「ピアノレッスン(1993)」「ピアノレッスン(2024)」「ザ・バイクライダーズ」「ゴールドフィンガー」

〇(スクリーンで鑑賞)「ふたりで終わらせる」
(★★★★☆)(2024年米国)(原題:It Ends with Us)
幸せな出会いを果たした2人はそれぞれ抱えている原体験と向き合う事になる

12ふたりで終わらせる

理想の花屋を開店させるためボストンに出てきたリリー、いきなり優秀な脳外科医のライルと出会う、花屋は無事開店、偶然ライルとも再開し2人は恋におちる、2人が食事に行ったレストランはリリーの高校時代のボーイフレンド アトラスが経営していた、再開した2人、ちょっとしたことがきっかけでライルは嫉妬の炎を燃やし始める、、、



物語は現在のボストンとリリーとアトラスが高校生だった頃とを行き来しながら進行します、リリーとライルの出会いのシーン、ここだけ観ると洒落た都会派ラブストーリー、かと思いきや、アトラスの登場で状況は一変、物語は意外な方向へ転がり始めます、

アトラスの若き日の厳しい境遇、心優しいリリーも家族の問題を抱えています、優秀な脳外科医だが過去に犯した過失のトラウマから抜けきれないライル、三人三様の心模様がついに衝突することになります、悪人はいないけれども悲しい物語、

意味深なタイトル、原題も「It Ends with Us」、負の連鎖ともいえるこの物語を終わらせる“us=我々”は?リリーと誰なのか?ライルか?アトラスか?それとも・・・それは観てのお楽しみ、ワタシはとても気に入りました、

悲しい物語ですが観後感良し!ぜひの鑑賞をオススメします、


◆(自宅で鑑賞) 「ピアノレッスン」
(★★★★☆)(1993年米国)(原題:The Piano)
開拓中のニュージーランドへ娘連れで嫁いだ女性の波乱の人生

12ピアノレッスン

19世紀半ば、ある出来事で話すことが出来なくなったエイダ、娘を連れてニュージーランド開拓中のスチュアートのもとへ嫁ぐ、話すことが出来ないエイダにとって最も大切な表現道具ピアノも持って来たが、開拓中のジャングルには運べないとスチュアートは海岸にピアノを放置する、原住民の地主べインズは自らの土地とピアノの交換を申し出、ジャングルの中の自宅にピアノを運び込み、エイダにピアノを弾くように懇願、べインズはエイダが奏でるピアノの音色と共にエイダを深く愛するようになる・・・



これまた、悪人はいないけど、切ない物語です、スチュアートは懸命に開拓に取り組んでいます、話さないエイダにも愛情を注ぎ、なんとかエイダからも愛されたいと願っています、しかし、大きなグランドピアノには価値を見出せず、べインズの土地と交換してしまいます、この交換はべインズとエイダの距離を縮めることになってしまいます、話せませんが鋭い感覚と激しい感情の持ち主のエイダは大胆な行動に出ます、

原題は「The Piano」、邦題「ピアノレッスン」は良く出来たタイトルです、ある意味、この物語の真髄を突いているような気がします、一言も台詞が無い主人公は好演、ぜひの鑑賞を!


◆(自宅で鑑賞)「ピアノ・レッスン」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:The Piano Lesson)
祖母の時代から受け継いできたピアノには家族と迫害の歴史が刻まれていた

11舞台ピアノレッスン

黒人のチャールズ一家、一家の家宝は祖母の代から受け継がれてきたピアノ、それには家族の悲しい歴史を描いた見事な彫像が彫り込まれている、今は女主のバーニーズが大切に保管している、ある日、弟のウイリーが現れ、一旗揚げるための資金を作るためにこのピアノを売り払うと言い出す、断固反対するバーニーズ、叔父や友人たちはそれぞれの立場でこの家族争議を見守る、ついにウイリーが無理やりピアノを運び出そうとすると、思いもよらないことが起こり始める・・・



NETFLIXでおススメされたので、てっきり1993年制作「ピアノレッスン」のリメイクかと思いきや、全く別物の作品でした、でも、これはこれで見ごたえのある良作です、

こちらはピュリッツァー賞受賞作の同名戯曲をNetflixが映像化したもので、デンゼル・ワシントンはプロデュース、サミュエル・L・ジャクソン出演、デンゼル・ワシントンの三男が監督という蒼々たるネームバリューが揃った作品です、

物語は黒人一家が受けて来た迫害の悲しい歴史が彫り込まれたピアノを巡る舞台劇のような構成、ピアノを売りたい弟と、家族の歴史を守りたい姉の対立を軸に進んでいきます、そしてラストは・・・ここはネタバレになるので、ちょっ書けないなあ^^)

でもご心配なく、しっかり作られているし、観後感も良い作品です、サブスクでゆっくりご鑑賞ください、


〇(スクリーンで鑑賞) 「ザ・バイクライダーズ」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:The Bikeriders)
バイクを愛するメンバーが作ったバイククラブの栄光と繁栄、そして終焉

12バイクライダーズ

1965年シカゴ、夜遊びなど無縁だったキャシーは女友達に呼び出されてバーにお金を届けに行く、そこはバイククラブ「ヴァンダルズ」のライダーたちがたむろする店だった、そこでベニーと出会い、5週間で結婚する、ベニーは喧嘩っ早くすぐにトラブルを起こすのだが、キャシーは我慢強くベニーを見守る、「ヴァンダルズ」はバイク乗り達の羨望の的となり、各地に支部も出来てその勢力を拡大していくが、メンバー内の結束も乱れていく・・・



実際にシカゴに存在したバイククラブの写真集から着想を得た作品だそうです、物語はクラブの写真を撮る若者がキャッシーを取材、キャシーの回顧というカタチで進みます、

ベニーは寡黙で気が短く、すぐにトラブルを起こしますが、バイクへの愛情は純粋で迷いはありません、クラブのリーダーから次期リーダーになるよう求められるほど人望もあります、入会希望者が押し寄せ、クラブはどんどん大きくなりますが、大きくなるとともに純粋なバイク好き集団からカタチを変えていく事になります、組織にはよくある事です、新しいメンバーは古いメンバーに不満を抱き、一触即発の危機が訪れます、

劇中でも語られていますが、『バイク乗り=不良』というステレオタイプなイメージ形成はこの頃からあったようですが、初期の「ヴァンダルズ」メンバーは純粋にバイクが好きなだけ、そこからどんどんクラブが濁っていくのが哀しいです、ベニーの心の動きも良く分かります、

しかし、バリバリと騒音をまき散らすだけの現代の暴走族ライダーたちはいただけません、大嫌い、ワタシも長年バイクに乗っていたバイク好きです、バイクは楽しんで正しく乗りましょう^^)


(★★★!☆)(1964年米国)(原題:Goldfinger)
世界の金市場を手中に収めようとする計画を防ぐ007の活躍

12ゴールドフィンガー

金の密輸疑惑を追う事になった007ジェイムス・ボンド、米国CIAと協働で富豪ゴールドフィンガーに接近するが捉えられてしまう、そこでボンドが知った計画とは米国最大の金保管庫襲撃計画だった・・・



007シリーズ3作目、ボンド役はショーン・コネリー、世界を飛び回り、秘密兵器を駆使、ボンドガールと浮名を流す、という007シリーズの原型が出来上がった作品、しかし、ボンドガールは次々殺害されるし、ボンドも案外抜けているとこがあったりと、もうちょっと頑張って欲しいボンド君^^)

007シリーズで初めて原題を尊重した邦題が付いた作品でもあります、1作目「ドクターノー」⇒「007は殺しの番号」、2作目「ロシアより愛をこめて」⇒「007危機一発」として公開されました(現在は原題尊重表記)、“007”も“ゼロゼロセブン”と読んでいた時代、懐かしいです、「0011ナポレオンソロ」や「サイボーグ009」など“ゼロゼロ”ブームにもなりました、

たまにはノスタルジックな名作も鑑賞しましょうか、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)