フローレス

2024年06月24日

先週も5本、「ファーゴ」「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」「蛇の道」「レナードの朝」「フローレス」

◆(自宅で鑑賞)「ファーゴ」
(★★★★!)(1996年米国)(原題:Fargo)
愚かな謀(はかりごと)から次々と人が死んでいく、ユーモアたっぷりのクライムサスペンス

06ファーゴ

自動車販売会社の部長ジェリー、個人的な投資計画の資金を義父から支援してもらおうとするがうまくいかず、妻の偽装誘拐を計画、2人のチンピラに偽装誘拐を依頼する、妻の身代金の一部を2人の報酬に充てる予定だったが、ずさんな計画はすぐに破綻、次々と死者が出る事件に発展する、、、



98分の小品ですが、公開時に大ヒット、アカデミー主演女優賞・脚本賞やカンヌ監督賞など多数受賞のクライムサスペンスコメディ、

偽装誘拐に関わる登場人物がとにかくいい加減、妻の偽装誘拐を計画したジェリーは投資資金工面のために次々と嘘をつき、偽装誘拐まで引き起こしてしまう、実行犯の2人も無計画、妻を誘拐した後に交通警官に停車を命じられると警官を射殺、そこから転がり落ちていきます、殺人事件を捜査する臨月の女性警官マージもユニーク、臨月のためとにかくよく食べる、ここまで食べるシーンをフューチャーした米国作品は珍しいかも、でも彼女はしっかり捜査をすすめ真相に辿り着きます、

全編、皮肉とユーモアたっぷり、おそらく米国英語が分かる人ならもっと面白いかも、必見です!

06ファーゴ02

あらためて観ると、ポスタービジュアルの雪の中の死体、これまた名作の「ウインドリバー」に影響を与えているような気がしますが、どうでしょうか?


(★★★!☆)(2023年日本)
殺し屋家業の2人、今回は同業者から命を狙われることになるが・・・これもコメディ

06べいびーわるきゅーれ

腕利きの殺し屋のちさと・まひろの2人組、金銭感覚がまったく無く首が回らなくなり、普通のアルバイトで食いつないでいる、一方、アルバイトの殺し屋ゆうり・まこと兄弟は正規の殺し屋雇用を目指している、ちさと・まひろの活躍を羨み、2人を殺すことによって、殺し屋家業スターダムにのし上がろうと2人に迫ってくる・・・



シリーズ第2作、1作目同様面白いです、パワーアップはしていないかな、でも主演2人の格闘アクションとガンアクションは今回もキレッキレ、大いに楽しめます、アクションシーンの撮影としては、国内最高峰の出来栄え!?かと喝采を送りたいです、さらに2人の会話と飲食シーンも前作同様、小ネタ連発でこちらも大いに楽しめます、この辺りのセンスの良さが作品の出来栄えを支えているんでしょうね、挑戦者の兄弟コンビも善戦しています、

今作を観て「ファーゴ」再鑑賞に繋がりました、休日のお気楽鑑賞にピッタリの殺し屋コメディ、でも人がたくさん死ぬので苦手な人はご注意ください、



〇(スクリーンで鑑賞)「蛇の道」
(★★★☆☆)(2024年フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作)
(原題:Le chemin du serpent)
失踪死亡した娘の事件の真相を追う2人だが・・・柴咲コウが仏語で熱演

06蛇の道

パリで働く精神科医の小夜子、娘を拉致され死なせてしまったアルベール、2人は関係者の1人を誘拐、謎の組織による誘拐事件の真相を暴こうとする、2人は拉致した男から聞き出した情報をもとに、次々と誘拐を重ねていく、アルベールの復讐は成就するのか?そして、それに加担する小夜子の真意は?



ほぼ全編パリロケ、柴咲コウがフランス語で小夜子を演じ切りました、

フランス映画っぽい、じとっとした空気が流れ続けるクライムサスペンスです、娘を失ったアルベールの苦悩は分かるとして、精神科医小夜子が関係者誘拐と真相解明に異様な執念をみせます、その秘密は?途中から、その答えが何となく見えてきますが、それをしっかり回収できたか?というと疑問、ラストのアクションシーンが貧弱なこともあり、謎の組織の正体、アルベールの家族の悲劇も描き切れていません、ほとんど感情移入できませんでした、

小夜子の秘密も、そうだろうな、という範囲、西島秀俊、青木崇高も活かしきれず、せっかくのフランスノワール企画も不発な感じでした、



◆(自宅で鑑賞)「レナードの朝」
(★★★★☆)(1990年米国)(原題:Awakenings)
原因不明の病で動けなくなった患者たちに奇跡を起こした臨床医師の物語、実話ベース

06レナード

1969年、医師のマルコムは人づきあいが苦手で研究一筋の医師生活を送ってきたが、慢性精神疾患専門病院の臨床医師として働き始める、そこにいる患者はまるで石像のように動かない原因不明の病に侵されていた、患者は脳が機能を失ったと考えられていたが、ある反射行動をきっかけに、彼らはまだ意志を持っているのではないかとマルコムは考え始める、彼らが動かないのは極度の痙攣状態にあると推測したマルコムは、当時開発されたばかりの新薬を投与してみると・・・



マルコムの熱意が周りを動かし、文字通りの奇跡を生み出します、これが事実を基にしているというのですから、ほんとうに驚き!これこそ奇跡というしかないような素晴らしい光景が病院に拡がります、しかし、事実は映画よりも奇なり、物語の終着点は意外な結末でした、

デニーロが最初に新薬を受け入れる患者レナードを劇演!石像のように動かないレナード、痙攣を制御できないレナード、そして永い眠りから目覚めて恋に落ちるレナード、名演技です、

タイトルバックの実際の結末の説明が哀しいですが、必見の1作です、



◆(自宅で鑑賞)「フローレス」
(★★★!☆)(1999年米国)(原題:)
伝説の英雄、元警官と同じアパートに住むドラァグクイーンの愛情物語

フローレス

NYのアパートに独り暮らしの元警官のウォルト、同じアパートにはドラッグクイーンのラスティが住んでいる、保守意的なウォルトはラスティのことを認めていない、ある日、ギャングとのトラブルからアパートで騒動が起こる、正義感に燃えて助けに行こうとしたウォルトだが脳卒中を起こし倒れる、命を取り留めたものの右半身が不自由になったウォルトは生きる目標を失い自暴自棄になる、そんなウォルトにラスティがリハビリのために歌を教え始める・・・



保守的でマッチョ、タンゴを踊るスマートで伝説の英雄、そして不自由な体になった元警官をデニーロが好演、

不自由な体になった今の自分を受け入れられないウォルトですが、ラスティの好意を少しずつ受け入れていきます、しかし、ことある度に2人は衝突、距離が縮まったり離れたりを繰り返します、元同僚やダンスパートナーの好意も素直に受け入れることが出来ないウォルトがじれったいです、長い伏線の後、ラストでギャングとの諍いが暴発、ここはウォルトの見せ場かと思いきや・・・

良い物語ですが、ちょっとひねり過ぎたかも、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)