ブラックビーナス

2024年12月16日

先週も5本、「正体」「アット ザ ベンチ」「真夏のオリオン」「工作(ブラックビーナス)」「群青戦記」

〇(スクリーンで鑑賞)「正体」
(★★★★☆)(2024年日本)
脱走した死刑囚と追う刑事の人間ドラマ、そして事件の真相は?

12正体

一家3人を惨殺した死刑囚の鏑木が脱走した、警察の捜査網を潜り抜けた鏑木は姿かたちを変えて各地に潜伏、追うのは捜査1課の又貫、大阪~東京~長野と鏑木の足取を追う、鏑木はなぜ脱走したのか?逮捕時、かたくなに犯行を否認、無罪を主張していた鏑木の態度に、捜査に不備があったのではないか?と不安を覚える又貫、一方、鏑木の足取りは事件の鍵を握る人物に迫っていく、そしてついに・・・



「逃亡者」ストーリーです、脱走も長期の逃走、何度も起こる警察の失態、これらは現実的ではありませんが、物語の核心は人間ドラマです、鏑木は真犯人なのか?冤罪なのか?終着点に至る流れがしっかり描かれているので、細部の都合の良さもあまり気になりません、監督の手腕、

逃走中の鏑木は工事現場のアルバイト、雑誌の記事ライター、施設の介護士と姿を変えます、そのたびに鏑木と関わる人たちは、鏑木の実直で清廉な性格に惹かれていきます、そして鏑木の無罪を信じて行動に出ます、それはまた又貫も同じ、冤罪を産もうとする上層部からの圧力に屈したかに見えた又貫ですが・・・

正直、期待以上の出来でした、横浜流星好演、山田孝之良い役でしたね、敢闘賞で★4つです、観て損は無し、


〇(スクリーンで鑑賞)「アット ザ ベンチ」
(★★★★☆)(2024年日本)
公園の脇にたった一つ取り残されたベンチで巻き起こる悲喜こもごも、オムニバス映画

12アットザベンチ

(1話・5話) 幼馴染の2人がベンチや近所の思い出を語りながら、心の隙間を埋めていく
(2話) 女が別れ話を切り出すカップルと、それを聴いていた男
(3話) 男を追って東京へ出て来た姉と、それを探しに来た妹の喧嘩
(4話) ベンチをモチーフに意図不明の映画を撮る監督



第2話がとっても面白かったです、岸井ゆきの、名優ですね、荒川良々も好演、結構笑いました、

1話と2話が短編として制作され、別々に公開されたようです、なるほど、1話と2話の出来栄えは相当良いのもそのためか、今回は3~5話を追加しての劇場公開、86分と短いし気軽に楽しめます、キャストが豪華、広瀬すず、仲野太賀、岸井ゆきの、岡山天音、荒川良々、今田美桜、森七菜、草彅剛、吉岡里帆、神木隆之介という蒼々たる顔ぶれ、ま、それぞれの推しを楽しみに観るのもOKですね、

4話は企画が先行し過ぎて映画全体の雰囲気が壊れてしまいました、残念、でも、これまた努力賞で★4つに!


◆(自宅で鑑賞)「真夏のオリオン」
(★★★!☆)(2009年日本)
太平洋戦争末期、日本の潜水艦と米国駆逐艦の戦闘を描くヒューマンドラマ

12真夏のオリオン

日本海軍のイー17他3隻は米国の補給船団を叩くべく出撃、しかし3隻はことごとく米国駆逐艦の攻撃で沈没、残ったイ-17は米国駆逐艦パーシバルに決死の戦いを挑む、互いに知略に富んだ艦長同士、ウラのウラを読み合いながら戦闘は一進一退、イ-17は最後の反撃に出る、残された魚雷は1本だけ、果たしてこの戦いの決着は・・・



『潜水艦vs駆逐艦』の名作「眼下の敵」(1957年米国)からつづく王道の海戦映画ジャンル、装備的に不利な当時の日本海軍の潜水艦ですが、艦長の倉本は歴戦、知略を尽くして戦います、駆逐艦艦長も経験豊富、イ-17を確実に追い詰めていきます、

この物語の真骨頂はその終わり方、戦争に勝者も敗者もないことを示した2人の艦長の軍人の意気が良き結末を生み出してくれます、タイトルのオリオンはもちろん星座、航海に吉兆をもたらすと言われているオリオン座の事、倉本を戦地に送り出した恋人が書いた「真夏のオリオン」という小さな曲の楽譜が2人の艦長の心を繋ぎました、


(★★★!☆)(2018年韓国)(英題:The Spy Gone North)
ビジネスマンを装い北朝鮮要人に食い込む韓国スパイの苦悩

12ブラックビーナス

1990年代、核開発を進める北朝鮮の脅威に怯える韓国は、元軍人で広告会社社員のパクをスパイに仕立て上げる、ビジネスで外貨を獲得したい北朝鮮の思惑を利用しながら、パクは徐々に北朝鮮との関係を気付き上げていき、金正日主席とも既知の仲になる、おりしも韓国大統領選挙が近づき、南北融和派の対立候補を陥れるために韓国政府は北朝鮮との裏取引を画策、パクがこれまで築き上げてきた北とのパイプが崩壊寸前になる・・・



アクションスパイ映画ではありません、実際の諜報活動はこんな感じで進んでいくんだろうな、という感じのシリアスな展開、スパイであることが発覚すると即、死につながる任務の厳しさが伝わってくる重苦しい展開、

しかし、先日の非常戒厳もそうですが、韓国の政治は分かりにくいですね、劇中では現政権は右派、対立候補は北朝鮮との融和政策を推し進める左派、現政権は北朝鮮との裏取引で対立候補に不利な状況を生み出そうとする、北もこれを受け入れる?というちょっと分かりにくい構図です、これ史実に近いようです、

最後はパクが独り意気を発揮するのが観どころです、タイトルはパクのコードネーム『黒金星』から、


(★★★!☆)(2021年日本)
学校全体が戦国時代にタイムスリップ!?織田の軍勢と闘う事にハメになった高校生たち

12ブレイブ

突然、学校全体に異変が起こる、と、突然武士が学校に乱入、生徒たちを惨殺する、そこに別の軍勢が現れ、なんとか少数の生徒たちが生き残る、先に現れたのは織田方の軍勢、後から現れたのは若き日の徳川家康、どうやら学校ごと戦国時代にタイムスリップしたようだ、弓道部の蒼は歴史の知識を生かして家康に策を授ける、生徒の命は守られたが、人質に取られた生徒救出のために、蒼以下の生徒が織田方の砦に攻め込むことになる、



学校ごとタイムスリップ、そして体育会系の野球・アメフト・剣道・フェンシング・ボクシング・空手部らと科学部・特進クラスの生徒が力を合わせて文武両道で合戦に挑み、そして現代に戻る仕掛けを作る!?という奇想天外な物語です、

まあ、現代の高校性が戦場でここまで戦えるとは思えませんが、それぞれのスポーツ合戦ネタがそれなりに面白いし、高校生版「七人の侍」のような友情物語も悪くはありません。信長・家康・秀吉の絡みと史実捻じ曲げアイデアも楽しめます、

スクリーンで鑑賞していますが、アマプラが勧めて来て、冒頭の野武士乱入シーンを観ていたら、ついうっかり最後まで完観してしまいました^^)休日のお気楽鑑賞に、




syougai1pon at 05:30|PermalinkComments(0)