大統領のケーキ
2026年07月21日
先週も4本、「大統領のケーキ」「幸せカナコの殺し屋生活」「ヌーヴェルヴァーグ」「勝手にしやがれ」
〇(スクリーンで鑑賞)「大統領のケーキ」
(★★★!☆)(2025年イラク・アメリカ・カタール合作)(原題:The President's Cake)
理不尽な要求になんとか応えようと奮闘するイラクの小学生の物語

1990年代の独裁政権下イラク、小学生にはフセイン大統領の誕生日を祝う役割が与えられる、くじ引きで“ケーキを作る”担当にあたってしまった少女ラミア、貧しい暮らしの中でケーキの材料を買うお金はない、翌日、祖母と一緒に街に行き、なんとか卵・小麦粉・砂糖を手に入れようと頑張るのだが、街の大人たちはけっして優しくはない、ラミアに押し寄せる世間の荒波、さらに祖母には別の思惑もあり、事態は意外な方向へ動き出す・・・
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2003年まで20年以上続いたイラクのフセイン独裁政権、貧困に苦しむ市民をよそに、学校ではフセイン大統領の誕生日にケーキや果物の提供を生徒に強要します、ケーキを食べるのは学校の先生、それでも大統領への忠誠を唱和する小学生、独裁の恐ろしさを小学生の日常を通して知らされる事になります、
2003年まで20年以上続いたイラクのフセイン独裁政権、貧困に苦しむ市民をよそに、学校ではフセイン大統領の誕生日にケーキや果物の提供を生徒に強要します、ケーキを食べるのは学校の先生、それでも大統領への忠誠を唱和する小学生、独裁の恐ろしさを小学生の日常を通して知らされる事になります、
さて、ケーキを作らないと罰を受けることになるラミア、父親の形見の懐中時計を手に、祖母と、友達の雄鶏ヒンディと一緒に街へ出ます、しかし、なかなか砂糖が手に入りません、果物係になった同級生男子のサイードと一緒に街中を走り回りますが、懐中時計はだまし取られ、祖母とははぐれ、雄鶏ヒンディが盗まれ、優しい大人だと信用したら騙され・・・
果たしてケーキを作ることは出来るのか?
街を駆け巡るラミアの頭上にはジェット戦闘機が飛び交います、おそらくは米国の攻撃、独裁政権崩壊の予兆です、そしてラスト、『大統領のケーキ』作りがなんの意味も意義もないことが明らかにされます、
イラク出身の監督が、オール“イラク”ロケにこだわって撮った渾身の1作、小学生とケーキという素材を上手に使った反体制映画です、必ずしも米国のプロパガンダだけではないように感じました、『がんばれ!ラミア!!』と声を掛けたくなる作品、ぜひの鑑賞を、
◆(自宅で鑑賞)「幸せカナコの殺し屋生活」
(★★★★☆)(2025年日本)
ブラック企業を辞めて、ホワイトな殺し屋会社に再就職!?全6話のコメディドラマ

広告代理店で働くカナコ、そのブラックさに心身ともに疲れ果て退職、再就職がままならない中、やっと面接のチャンスが訪れる、が、その会社は・・・殺し屋会社だった・・・しかし、高給・有給あり・厚生年金・健康保険もしっかり有り!と手厚いホワイト企業!?ついウッカリ入社したカナコの最初の研修は、にっくき広告代理店元上司の暗殺だった・・・
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若い女性の殺し屋稼業というと『ベイビーわるきゅーれ』シリーズが浮かびます、本作は“のん”主演の二番煎じ的な企画と思えたのですが・・・たしかに二番煎じだけど、面白かった!殺し屋“のん”が嵌っています、
若い女性の殺し屋稼業というと『ベイビーわるきゅーれ』シリーズが浮かびます、本作は“のん”主演の二番煎じ的な企画と思えたのですが・・・たしかに二番煎じだけど、面白かった!殺し屋“のん”が嵌っています、
まず、ブラック広告代理店 ⇒ ホワイト殺し屋会社へ転職、というレトリックが笑えます、劇中では代理店アルアル小ネタが度々登場、『飯は5秒で食え!』と教えられたカナコ、5秒で丼完食!^^)『やれと言われたらすぐに仕事に取りかかる』クセがあるので瞬時に狙撃完了、ヤバい状況になると気配を消す代理店時代の習性が殺し屋稼業でも生きて来る、とまあ、肩の凝らない展開が続きます、
さて、そんなカナコは意外と殺し屋に向いていることを見抜いた社長、カナコに次から次へとミッションを課します、先輩殺し屋の桜井とコンビを組んで、次々と仕事をこなしていき、殺しのテクニックもメキメキと上達、さらに絶体絶命のピンチでは生存本能が覚醒した『無敵スーパーカナコ』が登場、バッタバッタと敵を倒す大活躍(マリオか^^)、殺し屋業界では“K”と呼ばれ、恐れられる存在になりますが、警察にマークされはじめ、“K”を狙う殺し屋も現れて・・・
全6話3時間ほどありますが、退屈せずにあっという間に鑑了できます、休日のお気楽鑑賞にどうぞ、
〇(スクリーンで鑑賞)「ヌーヴェルヴァーグ」
(★★★!☆)(2025年フランス)(原題:Nouvelle Vague)
映画界に新風を吹き込んだゴダールの映画作りの現場を忠実に再現するフィクション

1959年、映画評論家のジャン=リュック・ゴダールは初めての長編映画「勝手にしやがれ」制作のチャンスを得る、が、ゴダールの映画制作手法はそれまでの映画界の常識をひっくり返す奇天烈なモノ、脚本なし、撮影予定なし、その日・その場でのひらめきを頼りに撮影を進めていく、アイデアが出て来ない日は撮影なし、失敗の予感がするプロデューサーと衝突、主演女優も降りたいと言い出すのだが、ゴダールは最後まで自身の信念を貫いた結果は・・・
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事実に基づいたフィクションですが、とてもリアリティがあり、これはドキュメンタリーなのか?と勘違いするような世界に引きずり込まれます、
事実に基づいたフィクションですが、とてもリアリティがあり、これはドキュメンタリーなのか?と勘違いするような世界に引きずり込まれます、
「ヌーヴェルヴァーグ」とは、1958年頃からフランス若手映画制作者の中で起こったムーブメント、ストーリー性の否定、新手法の開発など、既存作品を否定し新しい映画を生み出そうという試み、
劇中で制作される映画は「勝手にしやがれ」(1960年)、ジャン=ポール・ベルモントの出世作、女優ジーン・セバーグの代表作となる作品です、原案はフランソワ・トリュフォー、アドバイザーでクロード・シャブロルと、キラ星の如きの当時のクリエイターも参加した名作です、
劇中で制作される映画は「勝手にしやがれ」(1960年)、ジャン=ポール・ベルモントの出世作、女優ジーン・セバーグの代表作となる作品です、原案はフランソワ・トリュフォー、アドバイザーでクロード・シャブロルと、キラ星の如きの当時のクリエイターも参加した名作です、
ゴダールは次々と新しい撮影アイデアを実践していきます、街頭での即興撮影と隠し撮り、その場での台詞指導、画のつながりや矛盾発生もお構いなし、フィルムにその場の空気感を映し込むことに専念します、
主演の2人が本物かと見間違うほど似ています、全編モノクロ、フランス語、無名役者と、今作の監督もゴダール並みのこだわりを見せています、20世紀フランス映画ファンでなくても観たらその世界に没入すること請け合い、劇中で撮った「(シン)勝手にしやがれ」を観てみたいと思いましたが、それは叶わず・・・
「ボイスメールで恋をして」のゾーイ・ドゥイッチがジーン・セバーグ役で出演、
◆(自宅で鑑賞)「勝手にしやがれ」
(★★★!☆)(1960年フランス)(原題:À bout de souffle)
ゴダール初の長編映画、野放図なフラン人男性と米国女性の恋と犯罪の物語

その日その日を野放図に暮らしているミシェル、車を盗んで逃走中に警官を射殺してしまう、パリに潜伏したパトリシアは米国人記者パトリシアと再会、気ままな関係を楽しむ、しかし、警察の捜査が進み、警官殺しの犯人としてミシェルの顔写真が新聞に掲載される、警察はパトリシアに接近、密告を勧めるが・・・
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はい、映画「ヌーヴェルヴァーグ」内で作られた「勝手にしやがれ」の本編を鑑賞しました、この2本を続けて観ると・・・とっても面白いです、まるで鏡のような2作品です、2人のパトリシアはとっても似ています、そして、「ヌーヴェルヴァーグ」での撮影シーンの再現度が如何に高いかを確認することが出来ます、笑うくらい忠実な再現、「勝手にしやがれ」を観て「ヌーヴェルヴァーグ」を評価するという、珍しい体験をすることが出来ました、
はい、映画「ヌーヴェルヴァーグ」内で作られた「勝手にしやがれ」の本編を鑑賞しました、この2本を続けて観ると・・・とっても面白いです、まるで鏡のような2作品です、2人のパトリシアはとっても似ています、そして、「ヌーヴェルヴァーグ」での撮影シーンの再現度が如何に高いかを確認することが出来ます、笑うくらい忠実な再現、「勝手にしやがれ」を観て「ヌーヴェルヴァーグ」を評価するという、珍しい体験をすることが出来ました、
今となっては当たり前の手法、展開ですが、当時の型に嵌った物語映画から解き放たれた前衛的な「勝手にしやがれ」、とても斬新だったのでしょうね、短いカット割り、小さな部屋での2人の延々と続く会話、長い長いインタビューシーン、群衆の中での撮影、最後の部屋での長回しカメラワーク、こんなの、それまでなかったんだろうな、
物語は思いの外、わりとまともにまとまっていました、こういう先人がいるから映画は発展し続けた、と言う事でしょうか?66年前の1作、たまにはこういう映画も鑑賞してみては如何でしょうか?
一つだけ、主人公がほぼ100%煙草をくわえています、車の中でもエレベーターの中でも、これはやはり今となっては違和感ありました^^)
一つだけ、主人公がほぼ100%煙草をくわえています、車の中でもエレベーターの中でも、これはやはり今となっては違和感ありました^^)
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)