映画
2025年03月31日
先週も5本、「悪い夏」「ネムルバカ」「侍タイムスリッパー」「エレクトリック ステイツ」「ニューオリンズ トライアル」
〇(スクリーンで鑑賞)「悪い夏」
(★★★★☆)(2025年日本)
生活保護受給者のトラブルに巻き込まれる市役所職員の行き着く先は

生活福祉課で生活保護受給者の更生を促している佐々木、同僚の宮田から先輩高野が受給者女性愛美の弱みに付け込んで肉体関係を持っている、との噂を聞く、愛美の家を訪れた佐々木は事の真相を問いただすが愛美は答えない、この噂は裏社会の金本の耳にも入る、金本は高野を脅し、生活保護不正受給の仕組みに高野を引きずり込む、一方、何度も愛美の家を訪れるうちに佐々木は愛美に好意を抱くようになるが、その先には甘い罠が・・・
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うだるような暑い夏、生活保護受給者の家を訪問し、再就職を促す佐々木は真面目な青年であります、一方、愛美も娘を抱えてひとりで生きていく辛さを嫌というほど味わっています、そんな弱者を利用して金儲けを企む金本やその仲間、愛美もやむなくその片棒を担いで、佐々木を美人局のターゲットにしますが、愛美にも佐々木を思う心が芽生えて来ます、
うだるような暑い夏、生活保護受給者の家を訪問し、再就職を促す佐々木は真面目な青年であります、一方、愛美も娘を抱えてひとりで生きていく辛さを嫌というほど味わっています、そんな弱者を利用して金儲けを企む金本やその仲間、愛美もやむなくその片棒を担いで、佐々木を美人局のターゲットにしますが、愛美にも佐々木を思う心が芽生えて来ます、
ラスト近くでの大団円、高野の不正を執拗に追及する同僚宮田の真の狙い、チンピラの山田の浅知恵、金本の圧倒的な暴力、闇におちた高野、同じく闇におちた佐々木が愛美の部屋で鉢合わせします、突発事故で事態は急展開か?と思いきや、結局高野の暴力に屈する佐々木たち、この泥沼状態を打開するのは誰か?
保身だけの役人と矛盾だらけの生活保護制度、それを食い物にする闇社会、こういうお役所物語は救われません、すべてがハッピーエンドでは終われません、が、小さな幸せが生まれることもあるかもしれません、というお話、観後感は良くないですが、上手に作られた作品です、
〇(スクリーンで鑑賞)「ネムルバカ」
(★★★!☆)(2025年日本)
2人暮らしの大学の先輩後輩、ゆる~く楽しく毎日を過ごしていたのだが・・・

先輩のルカはインディーズバンドのボーカル、いつかデビューすることを目指している、後輩のイリスはレンタルビデオ店でバイトをしている、日々の食費にも困る生活だが、2人はいつもゆるくのんびり毎日を楽しんでいた、が、ある日ルカの元へレコード会社からメジャーデビューの話が舞い込んでくる、バンドメンバーやイリスと過ごしていた生活を捨ててルカはデビューを目指すことにするが、、、
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「べいびーわるきゅーれ」シリーズの阪元監督作品、物語の大半はルカとイリスの何でもない日常生活と会話で成り立っています、これが阪元監督の真骨頂、途中からルカとイリスが「べいびーわるきゅーれ」の2人に見えてくるという錯覚に陥りました^^)とにかく何でもない事柄をネタにしてしまう才能っていうのがあるのにビックリします、
「べいびーわるきゅーれ」シリーズの阪元監督作品、物語の大半はルカとイリスの何でもない日常生活と会話で成り立っています、これが阪元監督の真骨頂、途中からルカとイリスが「べいびーわるきゅーれ」の2人に見えてくるという錯覚に陥りました^^)とにかく何でもない事柄をネタにしてしまう才能っていうのがあるのにビックリします、
いつまでも続きそうな2人のゆる~い生活も、ルカがメジャーデビューを目指すところから大きく動きます、今までの他愛もない、なんの罪もない2人の生活は一瞬で消し飛びます、イリスも残されたバンドメンバーも生きる道筋を失います、そして、見事スターダムにのし上がったルカが手に入れたものは・・・
最初の台詞の意味がラストシーンで紐解かれます、タイトルになっている曲名の意味も紐解かれます、なるほど、映画的レトリックの見本ですね、個人的にはこういう会話劇、好きなので大いに楽しめました、
◆(自宅で鑑賞)「侍タイムスリッパー」
(★★★★!)(2024年日本)
とにかく面白い!幕末から現代の時代劇撮影所にタイムスリップした侍が自らの信念を貫く

※2024年10月にスクリーンで鑑賞、すでに記事も書いていますが、
2025年3月の日本アカデミー賞で最優秀作品賞他を獲得、
サブスクで配信中なので再鑑賞、記事も加筆・修正して再掲載します
幕末の京都、会津藩士2人と長州藩士が対峙、まさに剣を交える瞬間に落雷があり、会津藩士の新左衛門は現代の時代劇撮影所にタイムスリップする、その風体からエキストラと間違えられる新左衛門、見るものすべてが理解できず生きる希望を失いかけた時、助監督の優子に助けられ、撮影所近くの寺に住み込み、エキストラとして働くことになる、徐々に現代での生活にも慣れていく新左衛門、迫真の斬られ役演技が認められ時代劇スターの敵役に抜擢されるのだが・・・
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超低予算自主制作映画、単館公開からスタートし、その面白さが話題を呼び全国公開にこぎつけた話題作、そして、ついに2025年日本アカデミー賞最優秀作品賞まで受賞しました!
いや~面白かったです、侍が時代劇撮影の現場にタイムスリップするというアイデアは、この物語のきっかけにすぎません、前半は新左衛門が21世紀の世界で戸惑う姿を描くコメディ、これはこれでお面白い、ま、そうなんだろうなと思って観ていると、中盤から新左衛門のキャラがどんどん際立っていきます、侍の魂を失わず、必死に斬られては倒れる新左衛門、自らが生きていた時代の物語を後世に残すことに生きる意味を見出していきます、そして大抜擢された大型時代劇の相手役はなんと・・・それは観てのお楽しみ、
監督の時代劇愛が新左衛門にも乗り移って、とても良い“時代劇Love”な映画に仕上がっています、東映京都撮影所も全面協力、最後の殺陣は観ていても息が詰まりました、ラストカットも洒落ています、
低予算でも良い映画が出来るという見本、必見です、自主制作映画と時代劇への応援の意味も込めてぜひ鑑賞してください、サブスクで配信中です(2025年3月現在)、
◆(自宅で鑑賞)「エレクトリック ステイツ」
(★★★!☆)(2025年米国)(原題:The Electric State)
人間とロボットとの戦争が終わった世界、人はバーチャルな世界で暮らすようになっていた

自動車事故で両親と弟を亡くしたミシェル、里親の元で暮らしている、ロボットとの戦争で勝利した人類はロボットを“制限区域”に閉じ込めていたが、ある日奇妙なロボットがミシェルの家に現れる、なんとそのロボットには死んだはずの最愛の弟クリストファーの精神が乗り移っていた、そして2人で“制限区域”の中にいるドクターを探す旅に出ることを要求してきた、ミシェルは半信半疑でそのロボットとの逃避行を始める、
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近未来の話ではなく1990年頃の設定になっています、携帯電話もスマホもない世界、でもなぜかロボットだけ発達、人間の嫌がる労働を肩代わりしていたのですが、自我を持ち始めたロボットたちが反乱を起こします、劣勢だった人類ですが、「ニューロキャスター」と呼ばれる精神をコントロールしてドローン兵士を動かせる装置の発明で、人類は戦いに勝利します、この「ニューロキャスター」発明の核となっていたので天才少年クリストファーの脳だった、という設定です、
近未来の話ではなく1990年頃の設定になっています、携帯電話もスマホもない世界、でもなぜかロボットだけ発達、人間の嫌がる労働を肩代わりしていたのですが、自我を持ち始めたロボットたちが反乱を起こします、劣勢だった人類ですが、「ニューロキャスター」と呼ばれる精神をコントロールしてドローン兵士を動かせる装置の発明で、人類は戦いに勝利します、この「ニューロキャスター」発明の核となっていたので天才少年クリストファーの脳だった、という設定です、
さまざまなロボットが登場しますが、これが皆とってもレトロでキュート、これまでのロボット観とは異なるアナログで優秀なロボットたちなのです、弟が組織に利用された事を知ったミシェルはロボットたちの協力を得て、人類社会を牛耳っている「ニューロキャスター」組織へ弟救出に向かうのですが、、、
先日もこういう世界観・ロボット観の映画がありましたね(「ボーダーランズ」)、近未来のシュッとしたロボットやAIではない、20世紀の姿をしたアナログロボットたちが可愛い、観ているうちに親近感が湧いてくるロボットデザインが良く出来ていると思います、
ちょっと違和感あるかもしれませんが、この映画“まずは観る”かな、
◆(自宅で鑑賞)「ニューオーリンズ トライアル」
(★★★!☆)(2003年米国)(原題:Runaway Jury)
銃乱射事件の裁判、弁護士と検察側の陪審員コンサルタントの虚々実々の駆け引き

銃乱射事件で犠牲になった夫への損害賠償を訴え出た妻、銃を作ること自体が乱射事件の原因であると訴えた相手は銃器メーカー、良識派の弁護士ローアは切々と乱射事件の被害の大きさと銃器メーカーの責任を訴える、銃器メーカーは弁護士に加えて陪審員コンサルタントのフィッチを雇う、フィッチはすべての陪審員のプロフィールを分析、裁判に勝つための分析や裏工作、犯罪まがいのことまで平気でやる裁判のプロ、裁判は銃器メーカー有利で進むと思われたが、、、
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まず、陪審員コンサルタントという職業があるのに驚きました(米国では実際にあるそうです)、裁判を有利に運ぶために、陪審員を選ぶ段階から関与、不利になる可能性のある陪審員は拒否できる権利があるようです、陪審員を選ぶだけでひと騒動、
まず、陪審員コンサルタントという職業があるのに驚きました(米国では実際にあるそうです)、裁判を有利に運ぶために、陪審員を選ぶ段階から関与、不利になる可能性のある陪審員は拒否できる権利があるようです、陪審員を選ぶだけでひと騒動、
物語は弁護士vs陪審員コンサルタントという構図から、さらに複雑になります、陪審員の中に1人、不可解な行動をするニコラスがいるのです、彼は陪審員をコントロール、弁護・コンサル両陣営に裁判の結果を買うように働きかけます、混乱する弁護士、対立するコンサル、その判断が明暗を分ける結果となり、最後にニコラスの正体も明かされます、
弁護士をダスティン・ホフマン、コンサルをジーン・ハックマンと、両名優が法廷で激突します、ジーン・ハックマンは今年2025年2月に逝去、地味ながら本作も彼の名作の1つかなと思って鑑賞しました、
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2025年03月24日
先週は秀作ばかり5本、「Flow」「ノーアザーランド」「私にふさわしいホテル」「ビーキーパー」「密輸1970」
〇(スクリーンで鑑賞)「Flow」
(★★★★!)(2024年ラトビア・フランス・ベルギー合作)(原題:Straume)
ラトビア発、台詞一言もなし!ハラハラドキドキの猫と動物たちの冒険アニメ

森で暮らす黒猫、突然圧倒的な洪水が襲って来る、逃げ惑う動物たち、流れ着いた1艘のボートに黒猫が乗り込むと、そこにはカピバラの先客が、さらに犬、ワオキツネザル、そして不思議な力を持つ白くて大きな鳥が乗り込んでくる、彼らは果てしない水の世界を漂っていく・・・
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参りました!!一言も台詞ないし、人間は出て来ないし、動物はほぼ野生のままだし、それなのに、ハラハラドキドキ、映画的サスペンスに満ち溢れた極上のアニメーションでした、ラトビア人監督が作り上げたワンダーワールドです、今年度アカデミー長編アニメーション映画賞受賞作品です、
参りました!!一言も台詞ないし、人間は出て来ないし、動物はほぼ野生のままだし、それなのに、ハラハラドキドキ、映画的サスペンスに満ち溢れた極上のアニメーションでした、ラトビア人監督が作り上げたワンダーワールドです、今年度アカデミー長編アニメーション映画賞受賞作品です、
どこの世界なのか分かりません、人間は滅んだようです、なぜ洪水が起こったのかも分かりませんが、その水量は圧倒的で世界はどんどん水の底に沈んでいきます、黒猫がねぐらにしていた人間の家も水没、ボートに乗り込めたのは幸運でしたが、そこから何度も苦難が押し寄せます、危機が迫っても黒猫はタダの猫、ミャウミャウと泣き叫ぶばかり、切なくてドキドキが止まりませんでした、アニメーションでこんなに胸が締め付けられたのは初めてです、
物語の後半、動物たちは少しずつキャラクターを持ち始めます、それなりに互いを理解し、知恵も発揮して困難を乗り越えます、5匹の動物には意図的な比喩や暗喩がたくさん含まれていると思いますが、それを考えなくても大丈夫な出来栄え、シンプルに楽しめる物語です、
原題「Straume」は嵐の事かな、邦題の「Flow」=漂う、もエエ感じです、
ぜひの鑑賞をオススメします、
〇(スクリーンで鑑賞)「ノーアザーランド 故郷は他にない」
(★★★★☆)(2024年ノルウェー・パレスチナ合作)
パレスチナ人居住区を侵略していくイスラエルの実態を映し撮ったドキュメンタリー

ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住区、イスラエル最高裁が住民たちの住居の取り壊しを認めたため、次々と家が取り壊されていく、ここで生まれたバーセルはカメラを持ち、イスラエルの暴挙を克明に映す、イスラエル人ジャーナリストのユバルもこの暴挙の実態を世界に発信しようとバーセルに協力する、敵対する国の2人が友情を深めながら、着々と進むパレスチナ人迫害を映し出すドキュメンタリー、
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今年度アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品です、
今年度アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品です、
今も現実に戦争を行っているイスラエルとパレスチナ、今作は2020年頃からの4年間、パレスチナ人排斥のために、意図的に制定された法律にのっとって軍事演習場を作るという名目で、生まれ故郷を破壊していくイスラエル軍やイスラエル人入植者をカメラがとらえています、
撮影がとても上手で(カメラマンが2人いるようです)、まるで映画のワンシーンを観ているように感じるショットもあります、が、取り壊し現場での映像は身震いするような冷徹な現実、結局、人は学ばず同じことを繰り返す生き物、互いに殺し合う事しかできないのか・・・というような悲しい思いしか湧いてきません、
それでも現実のかけらを少しでも観ていく事の大切さに変わりはない、そう信じての鑑賞を推奨します、
それでも現実のかけらを少しでも観ていく事の大切さに変わりはない、そう信じての鑑賞を推奨します、
◆(自宅で鑑賞)「ビーキーパー」
(★★★!☆)(2024年米国・英国合作)(原題:The Beekeeper)
引退した諜報員が正義を貫くために、ひとりで大暴れ

ミツバチ養蜂家のアダム、大家の納屋のスズメバチの巣を駆除し、お礼に夕食をごちそうになる約束だったが、その夜、大家の女性は自殺、発見者のアダムは逮捕されるがすぐに自殺と判明、大家の娘ヴェローナはFBI捜査官、母親の自殺の原因を探ろうとするが、アダムはあっという間に自殺の原因となった詐欺集団を突き止め、復讐を図る、アダムは引退した最強秘密工作員だったのだ・・・
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ジェイソン・ステイサムの当たり役、引退した無敵の工作員、あっという間に詐欺集団の本社ビルに乗り込みビルを破壊してしまいます、死者も数名出ますが、そんなことはお構いなし、唯一アダムに優しかった大家の女性、年寄りから金を巻き上げる詐欺集団には容赦がありません、
ジェイソン・ステイサムの当たり役、引退した無敵の工作員、あっという間に詐欺集団の本社ビルに乗り込みビルを破壊してしまいます、死者も数名出ますが、そんなことはお構いなし、唯一アダムに優しかった大家の女性、年寄りから金を巻き上げる詐欺集団には容赦がありません、
と、物語は最初の30分で解決かと思いきや、詐欺集団の親玉デレクがアダム抹殺に躍起になります、顧問を務める政府機関OBはアダムの怖さを知っていますが、やむなく参戦、しかし刺客は次々とアダムの返り討ちにあいます、デレクは追い詰められ、最後に母親を頼ることにします、その母親とはなんと米国の最高権力者・・・
105分のノンストップアクション、絶体絶命でも死なないアダム、ハラハラ無し、安心して観ていられます、絶対に死ぬわけがないから^^)休日のお気楽鑑賞にはピッタリです、
◆(自宅で鑑賞)「私にふさわしいホテル」
(★★★!☆)(2024年日本)
売れない作家が這い上がろうと、なりふり構わずあの手この手で暴れまくるコメディ

新人賞を受賞した加代子だが、その小説を文壇トップの東十条に酷評されたことから鳴かず飛ばずの小説家生活、山の上ホテルに泊まって小説家を気取っていると、真上の階の部屋で東十条がカンヅメで原稿を書いていることを知る、東十条が原稿を落とせば、自分に出番が回ってくると、加代子はメイドに変装してシャンパンを差し入れ、書きかけの原稿にシャンパンをこぼしたり、身の上話を長々と話したりと、朝まで東十条を振り回す、結局、東十条は原稿を落とし、開いた穴に加代子の短編を差し込むことに成功する、が東十条はこの策略に気付き、2人の長いバトルが始まることになる、
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加代子はその後、編集者のアイデアで別ペンネームで小説を発表、これが賞を受賞します、そして最高文学賞の最終選考に残ると、別人になりすまし審査委員長である東十条の家族に取り入るという徹底したブラック作家ぶりを披露、編集者も良い作品さえできれば良いという無節操対応で2人を煽ります、ところが・・・東十条にも変化が、加代子への怒りが逆に創作意欲を沸き立たせるという思わぬ副作用があり、、、
加代子はその後、編集者のアイデアで別ペンネームで小説を発表、これが賞を受賞します、そして最高文学賞の最終選考に残ると、別人になりすまし審査委員長である東十条の家族に取り入るという徹底したブラック作家ぶりを披露、編集者も良い作品さえできれば良いという無節操対応で2人を煽ります、ところが・・・東十条にも変化が、加代子への怒りが逆に創作意欲を沸き立たせるという思わぬ副作用があり、、、
と、文壇を皮肉りながらの洒落たドタバタコメディ、堤幸彦監督、主演のんは嵌り役の怪演、なかなか面白い1作です、ちなみに登場するのは実在の山の上ホテル(東京お茶の水)です、蒼々たる文壇メンバーが実際に利用していたそうです、今度、お茶でも飲みに行くかな^^)
◆(自宅で鑑賞)「密輸1970」
(★★★!☆)(2023年韓国)(原題:Smugglers)
公害でアワビ漁が不良になった海女たちに持ち掛けられたのは密輸の儲け話

1970年頃の韓国の漁村、近くに出来た工場からの排水の影響で海女のジンスクたちのアワビ漁は不作に、そこに持ち掛けられたのが密輸の手伝い、海に投棄された密輸品を引き上げる仕事だ、生活のために悪事に手を染めた海女たちだったが、密告により一人を除き全員が逮捕され、投獄される、数年後、出所した海女たちは平穏に暮らしていたが、1人逮捕を逃れた海女チュンジャがソウルから戻ってくる、大きな密輸の仕事を持って・・・
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後半の物語が本題です、チュンジャがソウルの密輸ビジネスで派手に荒稼ぎしたのが発端、腹を立てた密輸を仕切る元軍人クゥオンに脅されたチュンジャは、海女たちを使った密輸方法と引き換えに命からがら故郷に戻ってきます、そこで海女たち、チュンジャ、クゥオン、密輸を仕切る地元の暴力団、税関当局の役人などの思惑が入り乱れ事態は複雑化、ついに大きな密輸作戦が実行されます、が、そこには裏のウラをかく策略が・・・
後半の物語が本題です、チュンジャがソウルの密輸ビジネスで派手に荒稼ぎしたのが発端、腹を立てた密輸を仕切る元軍人クゥオンに脅されたチュンジャは、海女たちを使った密輸方法と引き換えに命からがら故郷に戻ってきます、そこで海女たち、チュンジャ、クゥオン、密輸を仕切る地元の暴力団、税関当局の役人などの思惑が入り乱れ事態は複雑化、ついに大きな密輸作戦が実行されます、が、そこには裏のウラをかく策略が・・・
この頃の韓国は朝鮮戦争~ベトナム戦争派兵で疲弊しており、庶民は貧しい生活を余儀なくされていた時代、日本の電化製品やファッションなどが盛んに海上密輸されていたようです、ちなみに日本と韓国の正常化条約が締結され、国交が回復されたのは1965年(昭和40年)、2025年で国交回復60年となりました、互いに仲良くやりましょう、ね、
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2025年03月17日
先週も5本、「ウィキッド」「知らないカノジョ」「コーヒーが冷めないうちに」「スペンサーコンフィデンシャル」「カウンターアタック」
〇(スクリーンで鑑賞)「ウィキッド ふたりの魔女」
(★★★★☆)(2024年米国)(原題:Wicked)
悪い魔女と善い魔女、2人の出会いと真実の物語

人間と動物が共存する魔法の国オズ、シズ大学の入学式にやって来た2人、ひとりは実力者の娘グリンダ、陽気で人気者だが魔力は弱い、もうひとりのエルファバ、全身緑色の異形、妹の入学式に付き添いとしてやって来たのだが、強力な魔力を持っていた、その力を見抜いたモリブル教授はエルファバの入学を認める、2人は寄宿舎の同室になるが反目するばかり、そんな時、動物教授たちが人間によって拘束される事態が相次ぐ、不審に思うエルファバ、しかしモリブル教授はエルファバを支配者オズの元に送ることにする、、、
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ブロードウェイミュージカル「ウィキッド」の映画化、原作は「オズの魔法使い」に登場する2人の魔女、善い魔女グリンダと西の悪い魔女エルファバ、物語はその西の悪い魔女エルファバが死んだことをグリンダが報告するシーンから始まります、2人に何が有ったのか?
ブロードウェイミュージカル「ウィキッド」の映画化、原作は「オズの魔法使い」に登場する2人の魔女、善い魔女グリンダと西の悪い魔女エルファバ、物語はその西の悪い魔女エルファバが死んだことをグリンダが報告するシーンから始まります、2人に何が有ったのか?
エルファバは全身が緑色の人間、子供の頃からいじめられてきました、大学でも異形の存在として気味悪がられます、グリンダは苦労を知らない大富豪の娘、あっという間に大学の人気者になりますが魔法の方はさっぱり、喧嘩ばかりをしている2人ですが、グリンダが思わぬ優しさを示して2人は友情で結ばれます、
動物教授迫害に抵抗するエルファバ、時を同じくしてモリブル教授に見込まれ支配者オズの元へ送られることになりますが、グリンダを誘い2人で行くことになります、支配者と対面する2人、そこで2人はオズの国の暗部に遭遇することになります、
と、本作はここまで、前後編2部作ですので、前編は状況説明シークエンス プラス 2人の戦いの発端まで、ま、後編も観ない訳にはいきませんよね、
安心して観られる王道のファンタジーです、家族で楽しんでください、
〇(スクリーンで鑑賞)「知らないカノジョ」
(★★★!☆)(2025年日本)
ある日まったく違う世界へ放り込まれた彼、タイムスリップラブストーリー

ファンタジー小説を書いている大学生のリク、ある日学内で弾き語りをしているミナミと知り合い付き合う事になる、その後リクの小説は売れ、歌をあきらめたミナミと幸せな結婚生活を送っているように思えたある朝、リクが目を覚ますと世界は一変、リクは出版社の下っ端社員、ミナミはトップミュージシャンとして活躍する世界に放り出される、ミナミはリクの事を憶えてさえいない世界、なんとか元の世界へ戻ろうと苦悩するリクだが・・・
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原作はベルギー・フランス合作映画のようです、タイムスリップものですがそれなりに良く出来たラブストーリーになっています、
原作はベルギー・フランス合作映画のようです、タイムスリップものですがそれなりに良く出来たラブストーリーになっています、
大学時代から書き込んでいた小説がヒットし売れっ子作家になったリク、忙しさにかまけてミナミへの優しさを忘れてしまいます、そこで起こったタイムスリップ、リクとミナミの立場は逆転、半狂乱になるリク、仕事にかこつけてミナミに接近し、もう一つの世界のヒントを投げかけるリクを、ミナミは不審に思いながらどこか愛おしく思い始めますが、、、
なぜタイムスリップが起こったのか?その原因がリクの書いていた小説にあったのではないか?という辺りのレトリックがなかなか面白いです、小説を書き直すことで果たしてリクは再びタイムスリップを起こして元の世界に戻れるのか?それとも・・・最後の一ひねりが物語をハッピーにしています、
主演のミナミを演じるのは映画初出演のミュージシャンMilet、演技も達者です、観て損はなし、
主演のミナミを演じるのは映画初出演のミュージシャンMilet、演技も達者です、観て損はなし、
◆(自宅で鑑賞)「コーヒーが冷めないうちに」
(★★★!☆)(2018年日本)
その席に座ると過去へ行けるという不思議な喫茶店のハートフルストーリー

とある街角の喫茶店、その席にはずっと同じ女性が座っている、彼女は幽霊?のような存在である、一度過去へ行って戻れなくなった彼女はずっとそこに座っているというのだ、そんな噂を聞いて何人かの客が過去へ戻るために、彼女が席を立つのを待っている、その人たちにはどうしても過去へ戻って果たしたいことがある、そして過去へ戻った結果は、、、
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どうしても矛盾が生じてしまうタイムスリップ物語、本作ではいろいろなルールを設けてその矛盾を巧みに回避しようとしています、一番有効なルールが『過去で何をしても現在は変わらない』、なるほど、タイムスリップの矛盾を生む最大の課題をクリアしていますね、
どうしても矛盾が生じてしまうタイムスリップ物語、本作ではいろいろなルールを設けてその矛盾を巧みに回避しようとしています、一番有効なルールが『過去で何をしても現在は変わらない』、なるほど、タイムスリップの矛盾を生む最大の課題をクリアしていますね、
何も変わらないなら、過去に行く値打ちがあるのか? 現在が変わらないのに過去に戻って果たしたいこととは何なのか?そこに焦点を当てたハートフルな物語が3つ、3人がそれぞれの想いを抱えて過去へ行きます、そして、最後にその椅子にずっと座っている彼女の正体が明かされ、最後にして最も困難なタイムスリップが行われます、
タイトルにあるのはタイムスリップの時間制限、制限時間を越えると一生帰って来れません、帰るの?帰らないの?心の動きに少し切ないサスペンスを感じることもできます、休日のまったり鑑賞にぜひ、
◆(自宅で鑑賞)「スペンサー コンフィデンシャル」
(★★★!☆)(2019年米国)(原題:Spenser Confidential)
ボストン市警の闇を暴く元警官スペンサーとその相棒ホーク

悪徳上司を殴った罪で服役していた元警官スペンサーが出所すると、その上司が殺害される、警察からマークされるスペンサー、が、別の警官が自殺、上司殺しの犯人とされる、不審に思ったスペンサーは独自に調査を開始する、背後にある麻薬取引とそれを食い物にしている悪徳警官が浮かび上がってくるが、、、
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ボストン、スペンサー、ホークとくれば超人気探偵小説「スペンサー」シリーズという事になります、実際に映画の原作としてこの小説が挙げられていますが、映画の物語はまったくの別物、小説の世界観のかけらもないので、そこは期待しないようにお願いします^^)
ボストン、スペンサー、ホークとくれば超人気探偵小説「スペンサー」シリーズという事になります、実際に映画の原作としてこの小説が挙げられていますが、映画の物語はまったくの別物、小説の世界観のかけらもないので、そこは期待しないようにお願いします^^)
物語は一応、クールに進んでいきます、とにかく正義を貫きたいスペンサー、ここは小説との接点かもしれません、ホークはマッチョな黒人、最初はスペンサーの正義感にあきれ返るだけですが、最後は武器を持ってスペンサーと共に闘います、
ぎりぎり楽しめるかな?「スペンサー」シリーズと切り離しての視聴をお願いします、
ところで、原作者の急死で完結しなかった「スペンサー」シリーズ、でも、あれだけの小説、とうてい完結出来なかったのかもしれませんね、それもまた良し、
◆(自宅で鑑賞)「カウンターアタック」
(★★★☆☆)(2025年メキシコ)(原題:Contraataque)
メキシコの特殊部隊が麻薬組織の恨みを買い奇襲を受ける

『コウモリ』と呼ばれる敏腕特殊部隊の5人、麻薬組織をアジトを急襲する任務を完了し休暇に入る、が、5人が丸腰で移動するとの情報が洩れていた、麻薬組織の兄弟からの奇襲を受けた5人だが難なくこれを撃退、組織の弟は死んでしまう、5人は武器を持って仲間のいる基地へ急ぐことにするが、復讐に燃える兄は組織兵総動員で『コウモリ』を追う、
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珍しいメキシコのアクション映画です、アクションシーンもそれなりなのですが、人物描写がアッサリし過ぎていて、どうも登場人物に思い入れが湧きませんでした、それでも「七人の侍」張りに戦死していく仲間はちょっと可哀そう、成り行きで戦闘に加わった女性2人も頑張りました、
珍しいメキシコのアクション映画です、アクションシーンもそれなりなのですが、人物描写がアッサリし過ぎていて、どうも登場人物に思い入れが湧きませんでした、それでも「七人の侍」張りに戦死していく仲間はちょっと可哀そう、成り行きで戦闘に加わった女性2人も頑張りました、
ま、時間があれば観ても良いかな?
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)
2025年03月10日
先週も5本、「名もなき者」「アノーラ」「この荒漠たる荒野で」「12人の優しい日本人」「断捨離パラダイス」
〇(スクリーンで鑑賞)「名もなき者」
(★★★★★)(2024年米国)(原題:A Complete Unknown)
若き日のボブ・ディラン、そしてジョーン・バエズ他のミュージシャンたち

1961年の冬、NYへやって来たボビーはウディガ・スリーが入院している病院へ見舞に行く、初見だったがそこで弾いたボビーの曲に才能を見出したピート・シガーは彼をライブハウスに紹介、そこですでに人気を博していたジョーン・バエズと出会う、プロデューサーの目に留まったボビーはすぐにカバーアルバムを出すが鳴かず飛ばず、しかし、ついにオリジナル曲アルバムを発売、これが大ヒットとなり、ボブ・ディランの伝説が始まることになる・・・
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若き日のボブ・ディランを描く音楽映画、弾き語りシーンが満載なのですが、これが映画的に完璧なのです、もちろんボブ・ディランやジョーン・バエズ本人に少し似せている、という意味もあるのですが、それよりも役者の演奏と歌唱が素晴しいのです、音楽映画によくある手元隠しがありません、ギター指板上を動く左手の動きは完璧です、本当に弾いているのではないかという錯覚に陥ります、映画ですから、いろんな細工がされていると思いますが、それでもホントにリアルな弾き語りシーンの連続、最初の弾き語りでビックリ仰天、2曲目で泣きそうになってしまいました、
若き日のボブ・ディランを描く音楽映画、弾き語りシーンが満載なのですが、これが映画的に完璧なのです、もちろんボブ・ディランやジョーン・バエズ本人に少し似せている、という意味もあるのですが、それよりも役者の演奏と歌唱が素晴しいのです、音楽映画によくある手元隠しがありません、ギター指板上を動く左手の動きは完璧です、本当に弾いているのではないかという錯覚に陥ります、映画ですから、いろんな細工がされていると思いますが、それでもホントにリアルな弾き語りシーンの連続、最初の弾き語りでビックリ仰天、2曲目で泣きそうになってしまいました、
洋楽音痴のワタシ、年代的にも少し若いので、リアルタイムでのディランはほとんど知りません、それでもジョーン・バエズ、ウッディ・ガスリー、ピート・シガー、ジョニー・キャッシュなど当時のフォーク界のスターの相関図などがよく理解できました、
ラストは、これまた伝説の『ニューポート・フォークフェスティバル』のディランのステージ、風の噂にはこの騒ぎは聞いたことがありますが、実際はこの映画のような事だったのでしょうか?常に新しいモノを追い続けるディラン、デビュー数年で、すでにヒット曲の名曲「風に吹かれて」を歌う事を拒否していたんですね、流石です、
リアルなディランのステージは都合3回観ていますが、毎度MCは一言もなし^^)「風に吹かれて」も全く違う曲に聞こえる編曲でした、後は振り返らない人なんでしょうね、
〇(スクリーンで鑑賞)「ANORA アノーラ」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Anora)
ロシア富豪の御曹司と恋におち結婚したストリップダンサーの顛末

ストリップバーで働くロシア系アメリカ人のアニー、際どいサービスで男たちを魅了している、そこにやって来たイヴァンはロシア富豪のわがまま息子、金に糸目をつけず短いアメリカ滞在を楽しんでいる、少しロシア語が理解できるアニーを気に入り、1週間の専属契約を結び2人でラスベガスへ、しかし、この旅行が終わればロシアへ帰らなければならないイヴァンは、米国永住権を得るためにアニーに結婚を提案、アニーもこれを受け入れて結婚してしまう・・・
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2024年度アカデミー賞作品賞他計5部門受賞作品、いかにもアカデミー好きの作品です、
2024年度アカデミー賞作品賞他計5部門受賞作品、いかにもアカデミー好きの作品です、
前半はアニーとイヴァンがいちゃつきまくるシークエンス、アニーに邪心はありません、イヴァンの提案を受けて幸せな結婚生活を夢見たのかもしれませんが、この結婚の噂はすぐにイヴァンの両親に伝わり、ロシアから両親が飛んでくることになります、米国での見守り役のトロスはイヴァンの屋敷に2人組を送り込んでイヴァンを確保する計画でしたが、イヴァンは着の身着のままで屋敷から逃げ出し、残されたアニーの抵抗に2人組はたじたじ、
ここからはイヴァン探しのドタバタ劇、けして悪の組織の人間ではないトロスたちがファニーです、やっとのことでイヴァンを見つけ、両親も到着、空港で全メンバーでの大団円となりますが、ここでもアニーが大活躍、ストリップダンサーの矜持を見せつけてくれます、
ドタバタ劇になってからはアニーが叫びまくる、最多『ファッ〇!台詞』の映画、それでもラストは少しほんわかと寂しい気持ちになります、ま、気楽に鑑賞して問題なしですがR+18指定なのでご注意を、
◆(自宅で鑑賞)「この荒漠たる荒野で」
(★★★★☆)(2020年米国)(原題:News of the World)
元南軍兵士が偶然見つけた少女を親戚の家まで送り届ける、ハートフル西部劇

南北戦争終結後の1870年頃、町々で新聞のニュースを読み歩いている“ニュース屋”のジェファソン、ある日、荒野で襲撃された馬車と生き延びた少女ジョハンナを見つける、役所にジョハンナを送り届けるが、人手不足でまともにとりあってくれない、ジョハンナの両親は死亡、親戚が遠く離れた町にいる、やむなくジェファソンはジョハンナを自ら送り届けることにする、
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ジョハンナはドイツ系移民のようですが、両親を失ってからはインディアンに育てられました、なかなか心を開こうとしないジョハンナですが、ジェファソンは我慢強く彼女に接します、2人の旅は困難の連続です、ジョハンナを狙うならず者に襲われ、馬車も馬も失いますが、ジョハンナも勇敢に戦い2人の絆は深まっていきます、やっとジョハンナを親戚の家に送り届けたジェファソンですが、なにかぽっかり心に穴が開いたような感覚に襲われます、
ジョハンナはドイツ系移民のようですが、両親を失ってからはインディアンに育てられました、なかなか心を開こうとしないジョハンナですが、ジェファソンは我慢強く彼女に接します、2人の旅は困難の連続です、ジョハンナを狙うならず者に襲われ、馬車も馬も失いますが、ジョハンナも勇敢に戦い2人の絆は深まっていきます、やっとジョハンナを親戚の家に送り届けたジェファソンですが、なにかぽっかり心に穴が開いたような感覚に襲われます、
ラストは“ニュース屋”に戻ったジェファソンのシーンです、このシーン、観たいなあと思っていたシーンになっていました、この辺りはまっすぐでど真ん中、王道のアメリカ映画という感じです、観後感良し、ぜひ、自宅で鑑賞を、
◆(自宅で鑑賞)「12人の優しい日本人」
(★★★★☆)(1991年日本)
殺人事件の陪審員に選ばれた12人、あっという間に全員一致に辿り着いたかと思いきや・・・

殺人事件の陪審員室、審理が終了した陪審員12人が入って来る、まずは評決を取ることにすると、全員無罪で一致、あっという間に陪審は終わりかと思いきや、1人が有罪に転じるという、唖然とする11人、それでも全員一致が原則、話し合いを始める、ここから12人は無罪と有罪の間を揺れ動く、、、
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もちろん、名作「12人の怒れる男たち」(1957年米国)のパロディです、脚本:三谷幸喜さん、全編センスあふれる笑いとレトリック満載で楽しめる1作です、ちなみに日本の裁判員制度が始まったのが2009年です、
もちろん、名作「12人の怒れる男たち」(1957年米国)のパロディです、脚本:三谷幸喜さん、全編センスあふれる笑いとレトリック満載で楽しめる1作です、ちなみに日本の裁判員制度が始まったのが2009年です、
元ネタの物語は有罪評決優勢から無罪に転じるシリアスな内容ですが、本作は全員無罪から有罪へ傾いていくというブラックな展開、次々に示される事実や推理で11人が有罪支持までに傾きますが、一番頼りなさそうな陪審員が頑として迎合を拒み無罪を主張、事態は混迷します、そして、そこから・・・元ネタの2倍ほどの振れ幅に感心しきり、良く出来た脚本です、
練り込まれた12人のキャラクター、若き日の豊川悦司も終盤でその正体を明かして大活躍、と思いきや、これもまたトリックでした、やられた!休日のお気楽鑑賞にぜひ!!
◆(自宅で鑑賞)「断捨離パラダイス」
(★★★!☆)(2022年日本)
ゴミ屋敷の清掃を請け負う仕事人たちと、ゴミを出す側の人間事情

ピアニストを目指していた白高だが指が動かなくなる難病に、偶然チラシで見かけたゴミ屋敷専門清掃会社「断捨離パラダイス」に就職する、ゴミ屋敷の現実に戸惑いながらも、子も仕事にやりがいを感じるようになっていく、、、
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いくつかのゴミ屋敷やゴミ部屋の住人の生き様や事情、そしてそこからの脱出を描くオムニバス形式になっています、ワタシも掃除が苦手、それに捨てるのが苦手というか、迷うととりあえず捨てずに置いておくを選択してしまうヒトなので、他人ごとではありません^^汗)
いくつかのゴミ屋敷やゴミ部屋の住人の生き様や事情、そしてそこからの脱出を描くオムニバス形式になっています、ワタシも掃除が苦手、それに捨てるのが苦手というか、迷うととりあえず捨てずに置いておくを選択してしまうヒトなので、他人ごとではありません^^汗)
出て来るゴミ屋敷・ゴミ部屋の住人の事情もさまざま、それを受け止めながら黙々とゴミを捨てていく清掃員、時には人生のヒントや生き様の見本を差し出す清掃員を観ていると、ゴミを捨てるという行為がとても神々しく見えてきます、ゴミを捨てるという行為は心にも身体にもエエのかもしれませんね、ゴミを捨ておくなかれ!
泉谷しげるがゴミ屋敷の主人で登場、はまり役、
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2025年03月03日
先週も5本、「野生の島のロズ」「ドライブ イン マンハッタン」「博士と彼女のセオリー」「ラストオーダー」「ラストレクイエム」
〇(スクリーンで鑑賞)「野生の島のロズ」
(★★★★!)(2024年米国)(原題:The Wild Robot)
最新型アシストロボットが事故で漂着したのは無人島、ヒトはいない

配送中の事故で無人島に漂着した最新型アシストロボットのロズは、あらゆる仕事に完璧に応えるようプログラムされているが、、、島にヒトはいない、依頼主と仕事を求めて島を彷徨うロズ、島の動物たちは突然現れたロズに大騒ぎ、ロズは学習能力モードで動物たちとコミュニケーションできるようになるが、アクシデントで雁の巣を壊してしまう、ロズはその巣にあった卵から生まれた小雁を育てることを仕事とする・・・
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とっても面白いアニメ映画でした!ロズは人との関りを前提にプログラムされています、そして、依頼された仕事は必ずやり遂げる完璧なロボット、そんなロズが人がいない動物だけの無人島に放り込まれたら・・・前半は無人島で仕事を探し回るロズのドタバタ、スピーディですぐにこの映画の世界観にひき込まれます、嫌われ者のキツネと友達になり、子雁を育てるシークエンスでロズも成長していく事になり、プログラムのコアには無い感情に目覚めたロズの行きつく先は?
とっても面白いアニメ映画でした!ロズは人との関りを前提にプログラムされています、そして、依頼された仕事は必ずやり遂げる完璧なロボット、そんなロズが人がいない動物だけの無人島に放り込まれたら・・・前半は無人島で仕事を探し回るロズのドタバタ、スピーディですぐにこの映画の世界観にひき込まれます、嫌われ者のキツネと友達になり、子雁を育てるシークエンスでロズも成長していく事になり、プログラムのコアには無い感情に目覚めたロズの行きつく先は?
「ジャングル大帝」とか「ライオンキング」にロボットが加わった?ような物語、昨年のアニー賞で長編作品賞、監督賞など同年度最多の9部門を受賞、アカデミー賞では長編アニメーション賞、作曲賞、音響賞の3部門にノミネートされています、家族での鑑賞にもピッタリですよ、
〇(スクリーンで鑑賞)「ドライブ イン マンハッタン」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:Daddio)
空港からNYの自宅まで、タクシーの中で繰り広げられる人間模様


一人の女性がNYのジョン・F・ケネディ空港からタクシーに乗り込む、マンハッタンの自宅に向かう間に運転手との何気ない会話が始まる、ベテラン運転手は客との会話を楽しむ術を心得ている、何処から帰って来たのか?仕事は何をしている?恋人は?運転手の話術に彼女も心を許して会話を楽しむ、しかし、彼女のスマホには気になるメッセージがあるようだ、ふとしたことから、運転手は彼女の秘密の一端を見つけてしまう、彼女は徐々にその秘密を語り始める、、、
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物語の95%はタクシーの中での会話劇、序盤は少々単調に感じるかもしれません、客のアップ、運転手の横顔のカットバック、何気ない世間話から、少しずつ2人のキャラクターの輪郭が浮かび上がってきます、立派なキャリアを持つ彼女、観察眼が鋭い運転手、運転手は彼女の恋人の存在、そしてそこにある事情を見抜いてしまいます、彼女はその利発さに驚きながら、心に底に溜まっていた重い塊を吐き出していきます、そして・・・
物語の95%はタクシーの中での会話劇、序盤は少々単調に感じるかもしれません、客のアップ、運転手の横顔のカットバック、何気ない世間話から、少しずつ2人のキャラクターの輪郭が浮かび上がってきます、立派なキャリアを持つ彼女、観察眼が鋭い運転手、運転手は彼女の恋人の存在、そしてそこにある事情を見抜いてしまいます、彼女はその利発さに驚きながら、心に底に溜まっていた重い塊を吐き出していきます、そして・・・
ハートフルで心に沁みる物語です、切ないラストですが、悲しみにくれることはありません、また明日に向かって生きていく2人です、主人公の彼女の容姿がとってもニューヨーカーらしい(個人的思い込み)のも、この映画のポイントなんでしょう、華やかなNYのキャリアウーマン、そして、そこで生きる苦しさ、観て損はなし、
原題は“父親”という意味かな?意味深、



原題は“父親”という意味かな?意味深、
◆(自宅で鑑賞)「博士と彼女のセオリー」
(★★★★☆)(2014年英国)(原題:The Theory of Everything)
天才物理学者スティーブン・ホーキングと、彼を支えた妻ジェーンの物語

1960年代、英国ケンブリッジ大学、宇宙物理学で特異な才能を発揮し始めたスティーブン・ホーキンスは、詩を研究している学生ジェーンと恋におちる、強い科学的探究心を持つ二人は意気投合、しかし・・・スティーブンは難病ALSを発病、徐々に筋肉が弱っていく病気で余命2年を宣告される、絶望し落ち込むスティーブンにジェーンは求婚、2人での短い新婚生活がはじまる、、、
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ブラックホールなどの研究で顕著な業績を上げた天才の半生記、大学では教授が出す難問を易々と解き、物理学者としての前途は洋々としていましたが、難病に襲われてしまいます、歩くことも出来なくなります、妻のジェーンは介護者としてスティーブンを支えます、さらに言葉も発せられなくなると、瞬きで文字を指定する道具や、人工音声で会話を可能にする装置など、スティーブンのために様々なツールが開発されていきます、
ブラックホールなどの研究で顕著な業績を上げた天才の半生記、大学では教授が出す難問を易々と解き、物理学者としての前途は洋々としていましたが、難病に襲われてしまいます、歩くことも出来なくなります、妻のジェーンは介護者としてスティーブンを支えます、さらに言葉も発せられなくなると、瞬きで文字を指定する道具や、人工音声で会話を可能にする装置など、スティーブンのために様々なツールが開発されていきます、
余命2年と宣告されたスティーブンですが、病状の進行がなぜか急激に弱まり、ジェーンと間に3人の子どもをもうけ、50年以上ジェーンと連れ添いました、が、晩年はジェーンと離婚、それでも2人は親しい科学者としての間柄だったそうです、
天才と難病、まるで映画のような物語ですが実話です、スティーブン役のエディ・レッドメインはアカデミー賞主演男優賞受賞の熱演、2度目の鑑賞ですが、最後まで目が離せない1作です、
〇(スクリーンで鑑賞)「ラストオーダー」
(★★★!☆)(2001年英国・ドイツ合作)(原題:Last Orders)
パブの飲み仲間4人組のひとりが亡くなる、仲間は彼を偲びながら過去と現在に向き合う

初老を迎えた吞み仲間4人組のひとりジャックが死んだ、葬儀を終え、彼の遺灰を持って残った3人が馴染みのパブを訪れ、ビールを飲みながらジャックの事を偲ぶ、過去にあった過ち、戦地での体験、そして、別離したジャックの妻エイミーと娘のジューン、ジャックの息子ヴァンスの秘密など、次々とこぼれだす想い出とともに、遺灰を海に撒くための旅に出る、
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如何にも英国映画という趣、いつもパブで集まって酒を飲むそれなりの絆で結ばれた仲良し4人組、こういう友達がいれば頼もしいのですが、妻のジューンはどうしてもジャックを許せない1件があります、親友レイの心に秘めた想いも、それでも絆を失うことなくジャックの遺灰は海に撒かれます、
如何にも英国映画という趣、いつもパブで集まって酒を飲むそれなりの絆で結ばれた仲良し4人組、こういう友達がいれば頼もしいのですが、妻のジューンはどうしてもジャックを許せない1件があります、親友レイの心に秘めた想いも、それでも絆を失うことなくジャックの遺灰は海に撒かれます、
う~ん、物語は少々ややこしい事情もあって、スッキリとはしないのですが、これが英国人・英国流といった感じの空気が画面にあふれています、24年前の作品ですが色褪せることはない秀作、
◆(自宅で鑑賞)「ラストレクイエム」
(★★★☆☆)(2023年英国)(原題:Trafficking)
偶然出会ってしまった誘拐現場、余命僅かな元殺し屋が最期のミッションに挑む

凄腕の元殺し屋レクリエム、病で余命僅かを宣告される、レクイエムは相棒と一緒にいつも通りの借金取り立てに訪れた家で、不審な3人組に出くわす、この家の主は多額の借金を抱えており、組織は娘を誘拐しようと押し入った直後だった、一旦引き下がったレクイエムだが、組織が人身売買をしていることを知り、娘を助け出すことを決意する、、、
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世界的な問題になっている人身売買の闇に、余命僅かな殺し屋は挑む!という構図ですが、なにやら物語がフワフワしていて、緊迫感がありません、レクイエムが逃亡先に選んだ父親の家、ここでの過去のいきさつ紹介なども今ひとつピンと来ず、ラストの展開だけがちょっと意外でやられた感はありますが、、、
世界的な問題になっている人身売買の闇に、余命僅かな殺し屋は挑む!という構図ですが、なにやら物語がフワフワしていて、緊迫感がありません、レクイエムが逃亡先に選んだ父親の家、ここでの過去のいきさつ紹介なども今ひとつピンと来ず、ラストの展開だけがちょっと意外でやられた感はありますが、、、
休日ののんびり鑑賞かな、、、
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2025年02月25日
先週も5本、「ステラ」「ヒプノシス」「キャプテン・アメリカ」「藤枝梅安」「藤枝梅安2」
〇(スクリーンで鑑賞)「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」
(★★★!☆)(2023年ドイツ・オーストリア・スイス・イギリス合作)
(原題:Stella. Ein Leben.)
同胞のユダヤ人をナチスに密告することで生き残る道を選んだステラの人生

1940年のベルリン、ユダヤ人の18歳ステラはジャズシンガーを夢見てバンド活動をしていた、しかし、3年後にはナチスの支配下で兵器工場の強制労働に駆り出される、さらにユダヤ人への迫害は強まり、多くのユダヤ人が収容所へ送られていく、なんとか逃げのびたステラと母親は潜伏生活を送るが、ついにゲシュタポに捕まる、拷問を受けるステラはある取引を迫られる・・・
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もちろん、背景にあるのはナチスのユダヤ人大量虐殺、迫害が始まった当初は命の心配はしていなかったステラたちでしたが、次第に収容所送りが死に繋がることを実感、そこから緊迫の潜伏生活が始まりますが、ステラは身分証明書を偽造し夜の街に繰り出し、ドイツ兵将校と付き合うなど行動的な女性です、身分証明書偽造グループを支援するなど抵抗運動にも参加しますが、ついにゲシュタポに捕まり、拷問を受けた末に同胞を売る密告者になってしまいます、
もちろん、背景にあるのはナチスのユダヤ人大量虐殺、迫害が始まった当初は命の心配はしていなかったステラたちでしたが、次第に収容所送りが死に繋がることを実感、そこから緊迫の潜伏生活が始まりますが、ステラは身分証明書を偽造し夜の街に繰り出し、ドイツ兵将校と付き合うなど行動的な女性です、身分証明書偽造グループを支援するなど抵抗運動にも参加しますが、ついにゲシュタポに捕まり、拷問を受けた末に同胞を売る密告者になってしまいます、
実話ベースの物語です、戦後、ステラは同胞を売った罪で訴えられ2度の裁判で裁かれることになります、『彼女は被害者であり、加害者でもある』、最後にクレジットされる一文です、戦争に勝者はいません、国民が苦しむだけ、それは今も昔も変わっていません、
〇(スクリーンで鑑賞)「ヒプノシス レコードジャケットの美学」
(★★★★☆)(2023年英国)(原題:Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis)
レコードのジャケットデザインでロックをアートに昇華させた2人の軌跡を追うドキュメンタリー

1968年英国、2人の異才が出会う、デザイン集団「ヒプノシス」の創業者ストーム・トーガソンと、彼と出会った瞬間に、このままずっとストームと一緒にいるだろうと直感したオーブリー・パウエル、2人はピンク・フロイドのメンバーと出会い、独創的なレコードジャケットやポスターを制作、その後、数々の有名アーティストのレコードジャケットなどを手掛け、ロックをアートの世界に押し上げた、2人の活動を本人や、当時を知るアーティストらが語るドキュメンタリー、
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洋楽に疎いワタシ、見覚えがある有名なジャケットが何枚かありましたが、それがどれほど偉大な音楽作品なのかを肌で感じることは出来ませんでした、それでも2人のアート作品がとても独創的なのは誰が観ても分かります、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン、ジェネシス、ポール・マッカートニーなどなど、蒼々たる顔ぶれが2人の仕事を褒めたたえます、
洋楽に疎いワタシ、見覚えがある有名なジャケットが何枚かありましたが、それがどれほど偉大な音楽作品なのかを肌で感じることは出来ませんでした、それでも2人のアート作品がとても独創的なのは誰が観ても分かります、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン、ジェネシス、ポール・マッカートニーなどなど、蒼々たる顔ぶれが2人の仕事を褒めたたえます、
そうだろうなと実感できたのは高額な制作費、映画の中でも語られていますが、とにかくお金に糸目をつけない2人とアーティストたち、そういう時代だったんですね、時代と共にレコードジャケットというプラットフォームの役割も変化し、彼らの時代も終わってしまいます、
曲は忘れても、ジャケットは未だによく憶えていますね、うんうん、という感じ、観て損はなし、
〇(スクリーンで鑑賞)「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」
(★★★!☆)(2025年米国)(原題:Captain America: Brave New World)
2代目キャプテンアメリカが陰謀による日米戦争勃発の危機を救う

インド洋で発見された未来物質が謎の集団に奪われるが、キャプテン・アメリカとファルコンがこれを奪還、大統領のロスはキャプテン・アメリカにアベンジャーズ再建を依頼、ロスは未来物質の各国共有に向けての条約締結を目指すが、謎の男による遠隔マインドコントロールにより、ホワイトハウスがテロ攻撃を受ける、フェイクニュースにより日本も米国の思惑に疑念を抱き始めインド洋に艦隊を派遣、マインドコントロールにより米軍機が日本艦隊を攻撃、日米開戦の危機が迫る・・・
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謎の男は大統領に恨みがあり、米国を危機に陥れようとします、対立するのはなんと日本、日本の首相がフューチャーされた外国映画は久しぶりかな、インド洋では日米の艦隊と航空機が戦闘状態に入ります、米国から見ると「自衛隊」の現状はすでに軍隊なのかもしれません、ラストはあっと驚く展開でロス大統領までが大暴れ^^)ま、肩の凝らない娯楽映画です、
謎の男は大統領に恨みがあり、米国を危機に陥れようとします、対立するのはなんと日本、日本の首相がフューチャーされた外国映画は久しぶりかな、インド洋では日米の艦隊と航空機が戦闘状態に入ります、米国から見ると「自衛隊」の現状はすでに軍隊なのかもしれません、ラストはあっと驚く展開でロス大統領までが大暴れ^^)ま、肩の凝らない娯楽映画です、
このシリーズを劇場で初めて鑑賞、なので背景が良く分からないのですが、今回のキャプテン・アメリカは2代目、元ファルコン、有色人種がヒーローになるという民主党的映画、サブスク解放後の休日お気楽鑑賞にピッタリかと、
◆(自宅で鑑賞)「仕掛け人・藤枝梅安」
(★★★!☆)(2023年日本)
ご存じ!仕掛け人 藤枝梅安が苦悩の末に選んだ始末のつけ方

※2023年にスクリーンで鑑賞しています、今回は見逃した「仕掛け人・藤枝梅安2」を自宅鑑賞するにあたり、1作目も再鑑賞しました、記事も加筆校正して再掲します
鍼医者の藤枝梅安の裏稼業は金で悪人殺しを請け負う仕掛け人、梅安の仕掛けは病死にしか見えない見事なモノ、次の仕掛けは大店料理屋の後妻女将、亭主をたらし込み料理屋を乗っ取り、給仕の娘達を悪大名に差し出すという商も始めている、この悪事を諫めるため梅安が動き出すが、思わぬ因縁が梅安を苦しめることになる、、、
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東映本格時代劇!復活!!という感じの重厚な作りです、池波正太郎の原作小説を読んでいないのですが、なんとなく原作の空気感を醸し出しているような気がします、バットマンのような暗い闇のシーン、梅安が相棒の彦次郎と囲む湯豆腐や鳥鍋がとっても美味しそうで池波正太郎らしいシーンです、観ていて楽しいです、
東映本格時代劇!復活!!という感じの重厚な作りです、池波正太郎の原作小説を読んでいないのですが、なんとなく原作の空気感を醸し出しているような気がします、バットマンのような暗い闇のシーン、梅安が相棒の彦次郎と囲む湯豆腐や鳥鍋がとっても美味しそうで池波正太郎らしいシーンです、観ていて楽しいです、
物語は複雑に入り組んでいて、それなりに面白いのですが、、、女将と梅安の因縁が影を落とすといきなり窮屈な展開になりました、冒頭から説明的なところがあったのですが、梅安の口から知らされる女将の秘密もなんだか説明的、もう少し映画的に消化できなかったのか?最後までネタバレしなくても成立したような、、、
複雑な物語が“悪を裁く仕掛け人”というこの映画最大のカタルシスが弱くなってしまったのは残念、、、
複雑な物語が“悪を裁く仕掛け人”というこの映画最大のカタルシスが弱くなってしまったのは残念、、、
◆(自宅で鑑賞)「仕掛け人・藤枝梅安2」
(★★★!☆)(2023年日本)
梅安の生い立ちと因縁があらたな仕掛けと過去からの襲撃者を生み出す

重苦しい仕掛けを終えた梅安と彦次郎は京へ旅に出る、旅の途中、彦次郎は妻の仇の井坂を見かける、が、井坂は双子の兄で別人、悪行を働いているのは弟の峯山だった、峯山への仕掛けを請け負った京の元締めに接触した梅安は、安価で峯山への仕掛けを引き受ける、しかし、そこにもう一人の仕掛人・井上が現れる、井上は梅安に強い恨みを持って梅安をつけ狙っていた、
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2連作です、1作目のクレジット後に井坂を見かけるシーンが挿入されていましたが、2作目は見逃してしまいました、今回自宅鑑賞出来てヨカッタです、
2連作です、1作目のクレジット後に井坂を見かけるシーンが挿入されていましたが、2作目は見逃してしまいました、今回自宅鑑賞出来てヨカッタです、
今回も梅安の過去の因縁・生い立ちにまつわる物語、1作目と変わらず本格時代劇の趣ですが、いかんせん、梅安の過去、彦次郎の悲劇、峯山の悪行、井上の恨みと、ダークサイドワールド全開で、観ていてちょっと苦しくなります、1作目同様、「弱きを助け悪をばっさり捌く!」という、仕掛け人のカタルシスはありません、梅安も過去を悔やみながらの仕掛けとなります、本格感を出すと娯楽性が薄まってしまう、この隘路を何とかすり抜けてはいますが、仕掛けシーンは案外淡泊、致し方なしか、でも観て損はなし、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)
2025年02月17日
先週は5本、「大きな玉ねぎの下で」「ラストホリデー」「小学校」「892」「シビル・ウォー」
〇(スクリーンで鑑賞)「大きな玉ねぎの下で」
(★★★★!)(2025年日本)
連絡ノートと文通で繋がる2組のカップル、清らかな恋物語がアナログにシンクロする

大学生の丈流、夜はBarでアルバイトをしている、看護師を目指す美優は同じ店で昼間営業のカフェでバイトをしている、店の業務連絡ノートに書かれている何気ない優しさだけがふたりを繋ぐ糸、2人はお互いを想像しながら好意を抱いていく、丈流の母親が入院、その病院で美優は看護師研修を受けている、お互いに連絡ノートの相手とは知らずに出会うが、ちょっとしたことからふたりは反目し合うことに、、、
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「爆風スランプ」の同名曲にインスパイアされたオリジナルストーリー、こんな偶然ないでしょう、という筋立てなのですが、なかなか巧妙に作られているので、違和感なくふたりの恋物語に引き込まれていきます、
「爆風スランプ」の同名曲にインスパイアされたオリジナルストーリー、こんな偶然ないでしょう、という筋立てなのですが、なかなか巧妙に作られているので、違和感なくふたりの恋物語に引き込まれていきます、
連絡ノートで恋心が芽生えますが、実際に出会ったふたり、互いの第一印象は最悪、ノートとリアルの行き違い・すれ違いぶりが結構楽しいです、それでもどこかでうまく行きそうな雰囲気になるのですが、丈流の友人のおせっかいと勘違いがあり、ふたりの恋は終わってしまいます、
丈流の両親の文通エピソード、その友人のDJ、現代の人気歌手などが巧みに絡みながら、過去と現代の物語が並行して進んでいきます、何処で収束するのか?上手に終わるのか?という心配は無用でした、結構泣かされる1作に仕上がっています、連絡ノートと文通というアナログなツールから生まれる恋という設定も2025年だからこそ新鮮味あり、
上映前、ワイワイと話し声が聞こえた高校生グループ、終了後明るくなっても席を立たず、じっとスクリーンを見つめたまま、彼らにもこの物語は刺さったようです、お勧めの1本、
◆(自宅で鑑賞)「ラストホリデー」
(★★★★!)(2006年米国)(原題:Last Holiday)
余命僅かと宣告された女性、全財産を使い切ってしまおうと大散財の旅に出るが・・・

快活で優秀なデパート販売員のジョージア、難病が発覚、医師からは余命3週間と宣告される、ジョージアは全財産を現金化し、最期の旅の宿にチェコの超一流ホテルを選ぶ、ホテルでジョージアは湯水のごとく金を使ってセレブ気分を味わう、それを見たホテル従業員やシェフ、セレブな宿泊者たちは、ジョージアが有名企業家か大富豪ではないかと勘違い、いろんな思惑で彼女に近づいてくる、持ち前の機転と優しさでジョージアはすべての人たちを虜にしてしまうが、、、
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とってもハッピーなハートフルコメディです、余命3週間でこんな元気な人はいないだろうと思いますが、ジョージアの決断は速いです、会社を辞めて預金や年金を全額下ろして旅に出ます、空港からはヘリでホテルへ乗り込み、ゴージャスな服を買い揃え、ディナーも全皿注文、人生の最後を思い切り謳歌することにします、
とってもハッピーなハートフルコメディです、余命3週間でこんな元気な人はいないだろうと思いますが、ジョージアの決断は速いです、会社を辞めて預金や年金を全額下ろして旅に出ます、空港からはヘリでホテルへ乗り込み、ゴージャスな服を買い揃え、ディナーも全皿注文、人生の最後を思い切り謳歌することにします、
ホテルにはセレブ夫妻に米国下院議員、それにとり入ろうとする企業家、有名シェフなどが、彼らは一様にジョージアの人柄に魅かれていきますが、ジョージアに嫉妬する企業家が彼女の素性を調べ上げ、ついにジョージアが一介のデパート販売員であることが発覚してしまいます、が、、、
生きる希望を失っても、人にやさしく接し、スマートに過ごすジョージアの魅力爆発の物語です、そして、もちろん期待通りのハッピーエンドです、安心してハッピーストーリーを楽しんでください、
〇(スクリーンで鑑賞)「小学校 それは小さな社会」
(★★★★☆)(2023年日本・米国・フィンランド・フランス合作)
日本の公立小学校でロケをしたドキュメンタリー、世界から見た日本の小学校教育とは?

公立小学校の新1年生と6年生のクラスの1年間を追ったドキュメンタリー、とても整然とした規律正しい小学生の生活ぶり、だけではなく、そこで巻き起こる喜びや悲しみのドラマ、それはまさしくタイトル通り、日本の小学校は教育を受け知識を吸収するだけなく、社会生活のすべてを学び大人になっていく場でもあることを映し出していく、
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入学式から卒業式まで、日本の公立小学校の1年間をテンポ良く描いています、上履きの並べ方、整列の仕方、礼儀作法、掃除、給食と、規律と同一性が重んじられている様は、外国人の目にはどのように映るのでしょうか?ちょっと誤解されそうな気もして怖いのですが、、、
入学式から卒業式まで、日本の公立小学校の1年間をテンポ良く描いています、上履きの並べ方、整列の仕方、礼儀作法、掃除、給食と、規律と同一性が重んじられている様は、外国人の目にはどのように映るのでしょうか?ちょっと誤解されそうな気もして怖いのですが、、、
このフィルムの素晴らしいのは、そいうい“日本的な規律と同一性”という一面だけではなく、小学校内でまさしく生きている6歳と12歳のこども達の揺れ動く心までも、的確に映し出していることです、発表会の練習で苦しみもがく子、その子を励ます仲間、母親が倒れた子、何も言わずにその子の頭に手をやる子、体育祭の団体演技が上手に出来ない子、的確なアドバイスで彼の欠点を補おうとする子、それは誰も教えていないのに、こども達が自然と身に着けていく社会で生きていくための道義とルールなのです、
日本の小学校教育の現状を優しいカメラワークでクールに、しっかり、きらりと光る部分も逃さず捉えたフェアなドキュメンタリーです、教育大国フィンランドでもロングランヒットになったそうです、
1年後、次の新1年生を迎えることになった2年生たちが新1年生を見て「可愛い!」と、すでに優しいお姉さんの目になっているのが微笑ましいです、こどもも着実に大人になっています、
◆(自宅で鑑賞)「892 命をかけた叫び」
(★★★☆☆)(2022年米国)(原題:Breaking)
ひとり銀行に押し入った男、人質として残った2人の女性、男の目的は・・・

郊外の銀行にひとりの男が爆弾を持って押し入る、この男、元海兵隊員で政府の理不尽な処遇に憤っての犯行、TVニュースで自分の主張を放送することを望むが、警察やFBI、特殊部隊などが続々と投入され身動きが取れなくなる・・・
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戦争で負傷したこの男、政府の制度の不備で年金が受け取れなくなり、それに憤慨して犯行に及びます、残った人質の2人の女性には丁寧に接しますが、交渉はなかなかうまく進みません、TV局のキャスターと電話で接触に成功しますが、彼が望むようなニュース仕立てにはなりません、
戦争で負傷したこの男、政府の制度の不備で年金が受け取れなくなり、それに憤慨して犯行に及びます、残った人質の2人の女性には丁寧に接しますが、交渉はなかなかうまく進みません、TV局のキャスターと電話で接触に成功しますが、彼が望むようなニュース仕立てにはなりません、
最後のクレジットで実話ベースであることが分かります、なので映画的なサスペンスとか派手なアクションは最小限、あくまでも、この男の破滅を描く映画になっています、個人的には最後までしっかり鑑賞出来ました、悲しい物語ではありますが・・・
◆(自宅で鑑賞)「シビルウォー アメリカ最後の日」
(★★★★☆)(2024年米国)(原題:Civil War)
大統領の横暴により内戦状態に陥ったアメリカを報道カメラマンの視線で描く

※昨年2024年10月、大統領選挙前にスクリーンで鑑賞した作品ですが、この作品の大統領のモデルは明らかにトランプ現大統領です、そのトランプがホントに大統領になったので、あらためて鑑賞、より細部の怖さが際立った作品となった感じです、以前の記事を一部加筆校正して掲載します
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大統領への不満からカリフォルニアとテキサスが合衆国を離脱、「西部勢力」=WFとしてワシントンDCのホワイトハウスを目指し進軍を続けている、報道カメラマンのリーと共に記者のジョエルも大統領のコメントを取るべくDCを目指す、新人カメラマンのジェシーとベテラン記者のサミーも同行、4人は行く道々で治安を失い、米国人同士が対立し、殺し合う内戦の実態を目の当たりにする、民兵の民間人虐殺現場にも遭遇、サミーも銃弾に倒れる、残った3人はなんとかDCの戦場に到着、WFはホワイトハウスに立てこもる大統領を殺害しようとしていた・・・
大統領への不満からカリフォルニアとテキサスが合衆国を離脱、「西部勢力」=WFとしてワシントンDCのホワイトハウスを目指し進軍を続けている、報道カメラマンのリーと共に記者のジョエルも大統領のコメントを取るべくDCを目指す、新人カメラマンのジェシーとベテラン記者のサミーも同行、4人は行く道々で治安を失い、米国人同士が対立し、殺し合う内戦の実態を目の当たりにする、民兵の民間人虐殺現場にも遭遇、サミーも銃弾に倒れる、残った3人はなんとかDCの戦場に到着、WFはホワイトハウスに立てこもる大統領を殺害しようとしていた・・・
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予告編では戦闘ヘリが飛び交い、ロケットランチャーがホワイトハウスを破壊しますが、戦争アクション映画ではありません、派手な戦争アクションシーンはわずかです、邪心に満ちた予告編の見本、副題も不要ですが、、、
物語の縦軸は新人報道カメラマンの苦悩と成長、新人カメラマンの目を通して内戦の惨状をヒタヒタと映し、民主主義のリーダーたるアメリカ合衆国が分裂破滅!?というショッキングなテーマをリアルに描いています、
でも、この映画の本質は・・・劇中の大統領が如何に危険な人物であるかを暗示した民主党的映画です、映画冒頭ですでに内戦状態、なぜ内戦が勃発したかについての詳しい説明はありませんが、断片的な情報として、テキサスとカリフォルニアが合衆国を離脱、WF(west force=西部同盟)を結成、大統領殺害を目的にDCに進軍しています、別にフロリダ同盟という勢力も動いているようです、
大統領は3期目に入っています、米国大統領は基本2期が最長、この慣例を破ったようです、そして1年以上記者会見無し、これが記者魂を刺激しています、さらにFBIを解散させたという情報もあります、唯一、大統領犯罪を取り締まることが出来るFBIを解散させた3期目の大統領、それに反発した州が内戦を始めたという設定です、これってまさにトランプ元大統領が2期目に当選したら、こんなシナリオもあり得るかもしれない、、、という映画です、
実際にトランプが大統領に就任しただけに、この物語のリアリティが増しました、怖さも倍増、
予告編でも出ている民兵が怖いです、記者たちが銃を突き付けられた状況での問答、
記者:『俺たちはアメリカ人だ』
民兵:『なるほど、で、お前はどんなアメリカ人だ?』
このあと、非白人系記者が殺害されます、米国人同士の対立を煽るトランプに対する痛烈なパンチです、大統領選挙前に公開されたのも当然恣意的だと思います、こういう視点で見ると、カメラマン成長物語も消し飛んでしまいます、
でも、現実にはトランプが当選、与えられた権限で世界を脅かせ続けているトランプ大統領、映画のようなことが起こらないことを祈ります、
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2025年02月10日
先週は4本、「ドリーミン・ワイルド」「八犬伝」「リアルペイン」「幸せの列車に乗せられた少年」
〇(スクリーンで鑑賞)「ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた」
(★★★★☆)(2022年米国)(原題:Dreamin' Wild)
30年前に自主制作したレコードが突然再評価されたことから、過去と向き合う事になる兄弟

1970年代のワシントン州、農家に生まれた2人の兄弟、弟のドニーは稀な音楽才能の持ち主、兄のジョーとデュオを組み楽曲作りを楽しんでいた、父親はドニーの才能を見抜き、敷地内に録音スタジオを手作りで建てる、2人が作り上げたレコードは素晴らしく、ドニーは音楽プロデューサーに見いだされプロを目指すことに、父親は惜しまず金銭的支援するが、結局は鳴かず飛ばず、、、2人の音楽活動は途絶えてしまう、が30年後に思わぬことが巻き起こる、
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実話の基づく物語、テーマはエマーソン家の家族愛と葛藤です、
実話の基づく物語、テーマはエマーソン家の家族愛と葛藤です、
ドニーは作詞作曲演奏と無敵才能の持ち主、兄のジョーはドニーに引っ張られる形でデュオの参加、輝く青春時代を2人で過ごしますが、自主制作レコードは話題にもならず、2人の音楽活動は終わってしまいます、ところが30年後、2人のレコードがSNSで再評価され、発売された再販盤は大好評で、2人はライブツアーをやるまでの人気者になります、
と、ここまでは夢物語なのですが、30年の時はそれぞれの人生にいろいろな変化をもたらしていました、ダニーは自分の音楽に徹底的にこだわり、30年前の曲を演奏することに疑問を持ち始めます、さらに兄ドニーの演奏技量の低さに我慢できず暴発、さらに、子供の頃に自分の音楽活動に多大の支援をしてくれた父親への呵責の念もあります、
夢物語だけでは終わりませんが、ハッピーエンドです、30年後に思わぬプレゼントを受け取った家族の愛の物語です、素敵な音楽映画です、ぜひの鑑賞を、
◆(自宅で鑑賞)「八犬伝」
(★★★★☆)(2024年日本)
「南総里見八犬伝」の作者・曲亭馬琴の創作過程を、「八犬伝」再現パートと交互に描く


すでに人気作家として名の知られる滝沢馬琴、次回作「八犬伝」の構想を絵師の葛飾北斎に伝える、大いに感服した北斎はぜひこの物語を書き続けるよう進言、第1巻はたちまち大人気となり、それから28年間、馬琴は生涯をかけて98巻までを書き上げることになる、
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映画は馬琴と北斎の交流と創作活動を描くパートと、「八犬伝」再現パートが並列で進行していきます、なかなか欲張った企画ですが、2つの物語ともしっかり作られており、149分間、退屈にせずに観ることが出来ました、
映画は馬琴と北斎の交流と創作活動を描くパートと、「八犬伝」再現パートが並列で進行していきます、なかなか欲張った企画ですが、2つの物語ともしっかり作られており、149分間、退屈にせずに観ることが出来ました、
が、「八犬伝」の物語自体は何度も映画化・TV化されており、新味はありません、この映画の核心は、やはり馬琴と北斎の生き様であります、「南総里見八犬伝」1巻が書かれたのは1814年、物語が完結したのが1842年、現在でも考えられない28年の長期にわたって発表された異例の作品、どれほど日本人がこの「八犬伝」に熱狂していたか、想像するとワクワクします、
(現代のような連載ではなく、単行本として延々と発表されているのが凄いです)
見た目が異様な北斎が案外常識人なのに対し、見た目きっちりしている馬琴は偏屈なのが面白い、「八犬伝」ファンの大名から面会の申し入れを受けても、馬琴はこれを断ってしまいます、それでも創作への意欲は凄まじく、晩年、視力を失ってからも義理の娘が口述筆記で物語を綴ります、この鬼気迫る姿を見守る北斎、この2人の物語、「八犬伝」再現パートが無くても成立するような気もしますが、、、
やはり、「八犬伝」も観たいですからね、これはこれでヨカッタのかもしれません、観て損はなし、
〇(スクリーンで鑑賞)「リアル・ペイン」
(★★★★☆)(2024年)米国(原題:A Real Pain)
ルーツであるポーランドの戦争遺跡を訪ねるツアーに参加した2人が受け取ったものは?

NYのユダヤ人、デビットと従兄のベンジー、2人は祖母が亡くなったことをきっかけに祖母が生まれたポーランドの生家を訪ねることにする、内向的なデビットとは対照的に社交的なベンジーはすぐにツアー参加者のハートを掴むが、ツアーが進むにつれデビットの心に巣くう闇の苦しみが姿を現す、デビットもまたそんなベンジーを理解しようとするが、そこには越えられない壁もあった、、、
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ユダヤ人の2人が第2次世界大戦の戦争遺産を巡るロードムービーです、ベンジーの軽妙な会話で物語は進行、コメディのテイストも漂いますが、それはどことなく不安定さも感じさせます、陽気に見えるベンジーが密かに抱えている自己矛盾が時に暴発、デビットもベンジーへの憧憬と同時に反発も抱えています、そして、強制収容所という強烈な戦争遺産を眼前にして2人は声をなくします、
ユダヤ人の2人が第2次世界大戦の戦争遺産を巡るロードムービーです、ベンジーの軽妙な会話で物語は進行、コメディのテイストも漂いますが、それはどことなく不安定さも感じさせます、陽気に見えるベンジーが密かに抱えている自己矛盾が時に暴発、デビットもベンジーへの憧憬と同時に反発も抱えています、そして、強制収容所という強烈な戦争遺産を眼前にして2人は声をなくします、
悩めるミドルエイジの2人が、ルーツを訪ねるこのツアーが終わるまでに受け取るものは?再確認するものは?この心情は日本人には少し分かりにくいかもしれませんが、物語は暖かい心に包まれて終わります、
第97回アカデミー賞で脚本賞と助演男優賞にノミネート作品、
◆(自宅で鑑賞)「幸せの列車に乗せられた少年」
(★★★!☆)(2024年イタリア)(原題:Il Treno dei Bambini)
敗戦後のイタリア、戦後復興策「こども列車」に乗せられた少年の人生を描く

1945年イタリア南部のナポリ、連合軍に敗れ混沌とした時代、まずしい家庭の子どもをイタリア北部の裕福な家庭に滞在させる運動が始まる、不安を抱えながら列車に乗せられたアメリーゴは予定していた引き取り手が現れず、やむなく係官のデルナが引き取ることになる、独り暮らしのデルナは子供の扱い方が分からず困惑するが、徐々に2人に距離は縮まっていく、、、
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「こども列車」は実際にあった運動です、その背景にはイタリアの南北問題というのがあるようです、北部は比較的裕福で戦争被害も少なかったのに比べ、ナポリのある南部は貧しい家庭が多かった、という背景の中で物語が進んでいきます、
「こども列車」は実際にあった運動です、その背景にはイタリアの南北問題というのがあるようです、北部は比較的裕福で戦争被害も少なかったのに比べ、ナポリのある南部は貧しい家庭が多かった、という背景の中で物語が進んでいきます、
アメリーゴの父は家を出てしまい、母親は別の男と付き合っています、毎日の食事にも事欠く生活、そんな時、イタリア共産党が進める「こども列車」運動が起こります、共産党が進めていることから“子供はソ連に売られる”というような風評が巻き起こるのも描かれています、実際にはこどもは裕福な家庭が半年ほど預かるようで一安心、
手違いからアメリーゴを預かることになったデルナ、当初こそ対応に戸惑いますが、少しずつアメリーゴへの愛情を育んでいきます、そして期限が来てアメリーゴはナポリに帰ることになります、涙の別れ、、、そこからまた一波乱二波乱、
映画冒頭で、バイオリンのソリストとして活躍する成長したアメリーゴが描かれています、バイオリンとの出会いは北部にいた時、彼にとっての第2の故郷でのこと、そのバイオリンの思い出がラストで深い悲しみを呼びます、
イタリア映画の小品ですが、クオリティは高いです、観て損はなし、
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2025年02月03日
先週も5本、「室町無頼」「眠りの地」「アプレンティス」「ボーダーランズ」「アドヴィタム」
〇(スクリーンで鑑賞)「室町無頼」
(★★★★☆)(2025年日本)
大飢饉にも無策な幕府、業を煮やしたひとりの武士が世直しのために立ち上がる
室町時代末期の1461年、大飢饉と疫病で都は未曽有の惨状を呈していた、が、時の幕府は無策無能、庶民の生活は苦しくなるばかり、農民一揆の機運が高まっていた、孤高の武士・蓮田兵衛は旧知の友で都の警護役・骨河道賢から一揆の企みを鎮めるよう頼まれる、金貸し一味の若者・才蔵は骨河に捕らわれるが兵衛が引き取り武者修行に出す、いよいよ一揆の機運が高まると、兵衛は骨河を裏切り意外な行動に出る・・・
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応仁の乱前夜、室町時代の戦にフォーカスした珍しい時代劇です、一揆勢が都大路を駆け抜ける、鉄砲伝来前の弓矢と刀の戦闘シーンはなかなか観応えがありました、斬新なカメラワークとワイヤーアクションを使ったラストの一揆シーンは新しい時代劇演出!というところ、
応仁の乱前夜、室町時代の戦にフォーカスした珍しい時代劇です、一揆勢が都大路を駆け抜ける、鉄砲伝来前の弓矢と刀の戦闘シーンはなかなか観応えがありました、斬新なカメラワークとワイヤーアクションを使ったラストの一揆シーンは新しい時代劇演出!というところ、
歴史上最大の一揆の首謀者となった武士・蓮田兵衛は実在の人物のようですが、彼について書かれているのは歴史書にたった1行のみ、そんな氏素性不明の主人公は自由に生きる“アウトロー=無頼”というキャラクターを得て、生き生きと室町時代の都で躍動します、大泉洋当たり役、
苦しむ民に手を差し延べない幕府への憤り、これは現代でも沸き起こる感情なので、とっても感情移入しやすいです、ついつい無頼と一揆勢を応援してしまいました、観て損はなし、
◆(自宅で鑑賞)「眠りの地」
(★★★★☆)(2023年米国)(原題:The Burial)
家族経営の葬儀社が巨大企業グループの悪行と不正に挑む
家業の葬儀社を営むオキーフ、良心的に地域に根差した経営を続けてきたが資金繰りが立ち行かなくなる、全国で葬儀社を営むローウェン・グループに事業の一部を譲渡することで合意するが、ローウェンは数か月しても契約書にサインしない、資金繰りに苦しむオキーフの弱みに付け込み、事業全体を買い叩こうとしているのだ、憤慨したオキーフは若手弁護士の助言で“負けない弁護士”ウイリーと一緒にローウェンを訴えることにするが・・・
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実話をベースにした物語、家族経営のローカル葬儀社、それを買い叩いて全国展開を図る巨大企業、黒も白にしてしまう敏腕弁護士と、分かりやすいキャストが集合、弁護士のウイリーはオキーフの起訴を意気に感じて、専門外の裁判にも自信満々で臨みますが、相手の弁護士も有能、裁判の行方は混沌としていきます、もはや敗訴を覚悟したオキーフとウイリーですが、若手弁護士が逆転の糸口を見つけます、
実話をベースにした物語、家族経営のローカル葬儀社、それを買い叩いて全国展開を図る巨大企業、黒も白にしてしまう敏腕弁護士と、分かりやすいキャストが集合、弁護士のウイリーはオキーフの起訴を意気に感じて、専門外の裁判にも自信満々で臨みますが、相手の弁護士も有能、裁判の行方は混沌としていきます、もはや敗訴を覚悟したオキーフとウイリーですが、若手弁護士が逆転の糸口を見つけます、
タイトルの「眠りの地」は多くの無名黒人が眠る墓地エリアのこと、尊厳をもって臨むべき人の死を食い物にする巨大企業に一矢を報いたオキーフに拍手、痛快な物語です、原題は『埋葬』の意、
オキーフ役のトミー・リー・ジョーンズが“BOSS”にしか見えないのが、ちょっと残念^^)
〇(スクリーンで鑑賞)「アプレンティス ドナルド・トランプの創り方」
(★★★★☆)(2024年)米国(原題:The Apprentice)
現米国大統領トランプの半生を赤裸々に描いた、驚愕のフィクション

若き日のドナルド・トランプ、父親の不動産業は不正を政府に訴えられ破産寸前、ドナルドは有名な悪徳弁護士ロイに接近、判事の弱みに付け込み自らのホテル事業を免税にし、NY市長を無能呼ばわりして、トランプタワーの税金免除を迫る、次々と事業を拡大するドナルドは両親や兄、妻、そしてついにはロイまでも見放し蹴落としながら自らの欲望を果たしていく、、、
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いやはや、物凄い映画でした、トランプ大統領(制作時は大統領候補)の生き様をこれでもかというくらい、辛辣に描いています、流石米国、こんな内容の映画が公開されたこと自体も驚きですが、、、もっと、驚くのはトランプ大統領のこれまでの悪行と非人間性、映画である以上フィクションなので、鵜吞みにして良いのか?という気持ちさえなくなるほどの酷さです、
いやはや、物凄い映画でした、トランプ大統領(制作時は大統領候補)の生き様をこれでもかというくらい、辛辣に描いています、流石米国、こんな内容の映画が公開されたこと自体も驚きですが、、、もっと、驚くのはトランプ大統領のこれまでの悪行と非人間性、映画である以上フィクションなので、鵜吞みにして良いのか?という気持ちさえなくなるほどの酷さです、
両親や妻とのやり取りに相手を思いやる気持ちは1ミリもありません、頭の中は事業に成功することだけ、唯一の信条は『アメリカを偉大にしたい!』、ここだけは熱く語っています、
原題は『見習い』、ドナルドが弁護士ロイから教わった3つのルール、これを知ると今のトランプ大統領の言動が良く理解できます、
「攻撃 攻撃 攻撃」
「非を絶対認めるな」
「勝利を主張し続けろ」
「非を絶対認めるな」
「勝利を主張し続けろ」
これが今のトランプの原動力のようです、それがポジティブに働くと良いのですが、、、
米国と世界にとって悪夢のような4年間にならないよう、そして、米国民の安寧を祈らざるを得ません、
◆(自宅で鑑賞)「ボーダーランズ」
(★★★!☆)(2024年米国)(原題:Borderlands)
どこかで見たようなストーリーのキッチュな賞金稼ぎスペースオペラ
賞金稼ぎのリリス、悪玉アトラスから誘拐された娘の救出を依頼される、渋々引き受けたリリスは辺境の惑星パンドラに向かう、そこにいた娘ティナを救い出そうとするが、ティナはとんでもない跳ね返り娘、そして、彼女こそが宇宙の運命を握る“キー”だった・・・
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なんともキッチュな1作、ストーリーもキャラクターも既視感いっぱいで、評価もイマイチですが、、、ワタシは結構気に入りました^^)
なんともキッチュな1作、ストーリーもキャラクターも既視感いっぱいで、評価もイマイチですが、、、ワタシは結構気に入りました^^)
観ているうちに、サイケでビビッドなコスチュームデザインが楽しくなるし、キャラクターもイケてる、、、ような気がしてくるから不思議です、赤毛の主人公リリスがケイト・ブランシェットだと気づくのにも時間が掛かりました、
何も考えずに、休日のお気楽鑑賞には絶好の1作、期待せずに観てください^^)
◆(自宅で鑑賞)「アドヴィタム」
(★★★!☆)(2025年フランス・ベルギー合作)(原題::Ad Vitam)
パリの特殊部隊を除隊した男が、妻を救うために奮闘
憧れの特殊部隊に入隊したフランク、偶然遭遇した事件に独自判断で介入するが偶発的な銃撃戦となり、同僚を失ってしまう、非を責められたフランクはやむなく除隊、今は元同僚で妻のレオと自宅で出産準備中、そこに謎の部隊が侵入、レオは誘拐されてしまう、目的はフランクが介入した事件の真相を暴く証拠の隠滅、フランクはある証拠を隠し持っていたのだ、
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物語に出て来るパリの特殊部隊はGIGN=国家憲兵隊治安介入部隊、テロ対策を主に任務としているエリート集団、エースだったフランクでしたが、ホテルでの思わぬ銃撃戦に巻き込まれます、犯人は不明、しかし、そこではフランス政府の諜報活動が行われていました、政府はこの事実を隠滅するためにフランクに襲い掛かってきます、闇組織からも政府からも追われるフランクは絶体絶命!?
とまあ、よくある物語、フランス映画テイストも薄く、アメリカアクション映画のような仕上がり、ま、癖のない仕上がりなので最後まで鑑賞できました、
物語に出て来るパリの特殊部隊はGIGN=国家憲兵隊治安介入部隊、テロ対策を主に任務としているエリート集団、エースだったフランクでしたが、ホテルでの思わぬ銃撃戦に巻き込まれます、犯人は不明、しかし、そこではフランス政府の諜報活動が行われていました、政府はこの事実を隠滅するためにフランクに襲い掛かってきます、闇組織からも政府からも追われるフランクは絶体絶命!?
とまあ、よくある物語、フランス映画テイストも薄く、アメリカアクション映画のような仕上がり、ま、癖のない仕上がりなので最後まで鑑賞できました、
これまた休日のお気楽鑑賞用作品、お試しあれ、
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2025年01月27日
バタバタ終了、体調快復、先週はやっと5本鑑賞、「サンセット サンライズ」「敵」「ウィ、シェフ!」「マルホランド・ドライブ」「バック イン アクション」
〇(スクリーンで鑑賞)「サンセット・サンライズ」
(★★★★☆)(2025年日本)
南三陸の海辺の村、東京から引っ越して来た男が巻き起こす騒動、ハートフルコメディ

2020年コロナ禍、南三陸の小さな村の役場に勤める百香、村の人口減少・空き家対策の担当となる、百香も空き家を放置していたので、格安家賃でネットに広告を出すと、いきなり東京から釣り好きのサラリーマン西尾が下見にやって来る、東京ではまさにコロナが発生流行中、百香は村民に内緒で西尾を自分の空き家に押し込め、2週間の自主隔離を命じるが、西尾は釣りに出掛けてしまい、村民に目撃されてしまう、、、
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宮藤官九郎脚本のハートフルコメディ、2020年、コロナ第1波が東京で猛威を振るい始めた頃、南三陸の村にはまだコロナは発生していない、前半は東京から来た西尾が村をうろつくことで巻き起こす感染恐怖騒動を軽快に描いていきます、在宅勤務・2週間の自主隔離、ソーシャルディスタンスと、当時のコロナへの恐怖感も軽いタッチで笑いに変えていきます、
宮藤官九郎脚本のハートフルコメディ、2020年、コロナ第1波が東京で猛威を振るい始めた頃、南三陸の村にはまだコロナは発生していない、前半は東京から来た西尾が村をうろつくことで巻き起こす感染恐怖騒動を軽快に描いていきます、在宅勤務・2週間の自主隔離、ソーシャルディスタンスと、当時のコロナへの恐怖感も軽いタッチで笑いに変えていきます、
後半、2週間の自主隔離を終えた西尾は晴れて村人から迎えられる、かと思いきや、西尾と百香の仲を邪推する村の若者、噂を垂れ流す老人、さらに空き家ビジネスに目をつけた西尾の会社社長など、個性的なキャストが入り乱れての混戦となります、
観ればすぐに気づきますが、百香の空き家はもちろん訳あり、桃香の思い出の家であり、彼女の心の傷でもあります、なかなか立ち直れない百香、徐々に惹かれ合う百香と西尾ですが、そこには越えられない大きな壁があったのです、、、
悪人が出てこないコメディ、そしてホロリとさせる宮藤官九郎作品、観て損はなし、ですが、エピソード詰め込み過ぎたか、ちょっと間延びしたかも、もう20分短くして欲しかった、
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〇(スクリーンで鑑賞)「敵」
(★★★★☆)(2025年日本)
筒井康隆原作、かくしゃくと生きる元大学教授の生き様と、徐々にぼやけていく世界

元フランス文学教授の渡辺、妻に先立たれたが、独り自らを律し規則正しい生活を送っている、朝昼は自分が食べるだけの料理をし、洗濯も掃除もしっかりする、晩酌も好きで酒の肴も自分で作れる、教え子たちがあれこれと渡辺の生活を支え、渡辺もそれを楽しんでいるが、預貯金の残額を計算して、自分がいつ死ぬべきかを決めるというストイックな面もある、が、ある日、渡辺の周辺に“敵”の姿がちらつくようになる、その“敵”は徐々に渡辺の規則正しい生活をむしばんでいく、
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筒井康隆の小説を映像化、筒井自身が見事に映像化してくれたと絶賛、たしかにこの映画、終着点に向かっていくパワーが凄いです、
筒井康隆の小説を映像化、筒井自身が見事に映像化してくれたと絶賛、たしかにこの映画、終着点に向かっていくパワーが凄いです、
前半、渡辺の自律された規則正しい生活がモノクロ画面でていねいに描かれていきます、とても美味しそうに自ら作った料理を食べる渡辺、フランス文学者らしいその生活ぶりはある意味、人生の頂点を極めた高みにあるように見えるのですが、、、
ある時から、渡辺の生活の輪郭がぼやけ始めます、教え子の女性との妄想、若い娘への下心と失敗、自らを完璧に律していたはずの渡辺もやはり普通の俗物だったことが露わになります、亡くなった妻が家に現れ、そして“敵”が町内に襲来、自宅にも土足で上がって来る!!??
現実と夢の境目が無くなった時、やっと渡辺に静寂が訪れます、なんか見事に店仕舞いされた感じです、原作と映画が混然一体となって仕上がった世界観にちょっと打ちのめされました、必見の1作です!!
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◆(自宅で鑑賞)「ウィ、シェフ!」
(★★★!☆)(2022年フランス)(原題:La Brigade)
失職したシェフが移民支援施設の食堂の調理を担当することになるが、、、

料理の腕前は一流のカティ、オーナーシェフと衝突して店を辞めてしまう、なかなか見つからない再就職先、そんな時、移民支援施設の食堂の仕事が舞い込む、予算も調理時間もない食堂の仕事、厨房の手伝いを移民の若者たちに頼むことで何とか凌ごうとすると、そこから思いもよらない未来が開けることになる、そして、カティ自身ももう一度料理の世界へ立ち戻ることに、、、
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フランスは料理映画が好きですね、よく似たテーマの物語を何本か観たような気がします、が、それでもやはりこういう、料理が繋ぐハートフルな物語は何度観てもすんなり入ってきます、料理への真摯な態度が災いして職を失ったシェフと、成人するまでに就職先が見つからないと母国へ帰らないといけない移民の若者たち、お互いが刺激し合う事で新たな道が拓けます、
フランスは料理映画が好きですね、よく似たテーマの物語を何本か観たような気がします、が、それでもやはりこういう、料理が繋ぐハートフルな物語は何度観てもすんなり入ってきます、料理への真摯な態度が災いして職を失ったシェフと、成人するまでに就職先が見つからないと母国へ帰らないといけない移民の若者たち、お互いが刺激し合う事で新たな道が拓けます、
この物語も実在のモデルがおられるようです、なるほどね、食の国でもあるフランス、こういうシェフの存在を忘れずにしっかり記憶に残していくというのも、フランスの美意識と伝統なんでしょうね、料理自体はそんなにフューチャーされていませんが、幸せな気持ちでお腹は膨らみます、
休日、家族一緒の鑑賞もおススメです、
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◆(自宅で鑑賞)「マルホランド・ドライブ」
(★★★!☆)(2001年米国)(原題:Mulholland Drive)
ハリウッドで起こる奇々怪々な事件の真相は?

ハリウッドを一望できるマルホランド通りで発生した自動車事故の生存者リタ、スターを夢見てやって来た新人女優ベティ、偶然交わった2人の線が奇怪な事件の糸口になる、リタは記憶を失っているが、バッグの中には大金と謎の鍵、ベティが臨んだオーディション現場の映画監督はトラブルに巻き込まれている、リタの記憶をもとにルームメイトの部屋に入るとそこには・・・
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名作の誉れ高いデイヴィッド・リンチ監督作品、カンヌで監督賞、数々の名作映画リストで歴代ベスト10入りを果たしている作品ですが、、、これが難解です^^)多分、この映画は物語を理解しようとしてはいけないのでしょう、フワフワと監督の世界観と緊張感のある画面を観ていれば良いのかもしれません、
名作の誉れ高いデイヴィッド・リンチ監督作品、カンヌで監督賞、数々の名作映画リストで歴代ベスト10入りを果たしている作品ですが、、、これが難解です^^)多分、この映画は物語を理解しようとしてはいけないのでしょう、フワフワと監督の世界観と緊張感のある画面を観ていれば良いのかもしれません、
一見、繋がりのない物語がいくつか、アトランダムに、断片的に進行していきます、自動車事故、映画制作のトラブルの2つの流れはそれなりに物語全体の輪郭を形作っていきますが、最後の30分は何度観直しても理解不能です、かってに想像をして自分なりの解釈をつけるしかないというやっかいな作品です、たしかに冒頭からグイグイと引き込まれていくのですが、、、最後はもうちょっと親切にしてほしかった^^)
書かなくて良いのですが、あの壁の向こうにいた謎の怪人は何者なのか?あ~~、気になって夜も眠れません^^笑)
いちばん面白かったのは、やくざ者が暗殺に失敗して、次々と騒ぎが広がっていくシークエンス、なんかタランティーノ映画の原型のようで、楽しめました、
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◆(自宅で鑑賞)「バック ・イン・ アクション」
(★★★!☆)(2025年米国)(原題:Back in Action)
引退したスパイ夫婦に過去の宿敵が現れ、子どもたちが危機に!

15年前の仕事を最後に、2人で姿をくらました元スパイのマットとエミリー、今では2人の子どもたちと米国でありふれた生活を送っている、が、ちょっとした騒ぎに巻き込まれたことから、SNSに2人の姿が拡散、いきなり過去の上司が2人の家に現れる、と思いきや、上司は射殺され敵の集団が襲撃してくる、2人は子どもたちを連れて英国のエミリーの実家へ逃亡、そこには15年前の事件以来、マットが隠し持っていた証拠品があった・・・
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キャメロンディアス、10年ぶりの復帰作品だそうです、アクションシーンもしっかりこなしているのが立派、
キャメロンディアス、10年ぶりの復帰作品だそうです、アクションシーンもしっかりこなしているのが立派、
マットが隠していたのは世界中のシステムに侵入できる“キー”、うん?これって他の映画でも全く同じものが出て来ていましたね、ネット社会究極の武器という事のようです、前半の一般市民を装う2人のアクションが観どころ、仕掛けられた映画的レトリックもまずまず効果的、後半のスパイに戻った2人のアクションは大掛かりですが、既視感いっぱい、
でも2時間、飽きずに楽しめました、休日のお気楽鑑賞にピッタリのアクション娯楽作品です、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)