桐島
2024年05月20日
先週は5本、「ベルリン天使の詩」「鬼平犯科帳 血闘」「アメリカン フィクション」「桐島、部活やめるってよ」「ザ キラー」
〇(スクリーンで鑑賞)「ベルリン 天使の詩」
(★★★!☆)(1987年西ドイツ・米国合作)(原題:Der Himmel uber Berlin)
ヴィム・ヴェンダース監督作品、制作当時に全世界でヒットした名作

人類が誕生する前よりこの世界を見守ってきた天使のダニエル、親友の天使カシエルと共にベルリンの街で人々の心の声を聴き、哀しい人の心に寄り添っているが、人は誰も天使には気づかない、サーカス団の空中ブランコ乗りのマリオン、サーカス団が解散することになり途方に暮れている、そんな彼女にカシエルは心惹かれていく、米国から映画撮影にやって来たピーター・フォーク、彼だけはなぜかカシエルの存在を感じ取ることが出来るようだ、様々な人の心を覗くうちにカシエルは人としての生き方に興味を持ち、天使を止めて人間になる決意をするが・・・
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天使カシエルはオーバーコートにマフラーを巻いたおじさんです、他の天使もいたって普通の人間、でも人は天使が見えません、天使は人の肩にそっと手を置くだけ、それでも敏感な人は安らぎや活力をもらうことが出来ます、でも天使でも防げない悲劇もあります、そんな時間を人類誕生前から過ごしてきた天使たち、人間の俗世間に紛れ込みたいという天使も多いようです、この辺りがとても人間っぽい天使たちです、
天使カシエルはオーバーコートにマフラーを巻いたおじさんです、他の天使もいたって普通の人間、でも人は天使が見えません、天使は人の肩にそっと手を置くだけ、それでも敏感な人は安らぎや活力をもらうことが出来ます、でも天使でも防げない悲劇もあります、そんな時間を人類誕生前から過ごしてきた天使たち、人間の俗世間に紛れ込みたいという天使も多いようです、この辺りがとても人間っぽい天使たちです、
ヴィム・ヴェンダース監督の代表作品も、もともとは次回作の制作開始が遅れ、急遽制作が決まった中継ぎ作品だったそうです、よくあるお話、
今回はデジタルリマスター版を劇場で鑑賞しました、冒頭にデジタルリマスター作業のクレジットが入ります、天使の世界はモノクロ、人間世界はカラーで描かれており、公開当時は複雑なアナログ処理で画質が落ちてしまったそうな、それを今回はデジタルで修復、オリジナルとどれほど違うのか?ワタシには確認できませんが、価値ある修復作業と言えると思います、
コロンボ役のピーター・フォークが本人役で登場、
コロンボ役のピーター・フォークが本人役で登場、
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〇(スクリーンで鑑賞)「鬼平犯科帳 血闘」
(★★★!☆)(2024年日本)
ご存じ鬼平の若き日々の因縁が大量虐殺盗賊を生み出してしまいます

火付け盗賊改方長官の長谷川平蔵のもとに、若き日に世話になった恩人の娘おまさが現れる、おまさは鬼平の密偵になることを望むが鬼平はそれを許さない、おりしも江戸では大店に押し込み一族雇人を皆殺しにする強殺盗賊が暗躍、偶然手掛かりを掴んだおまさは盗人一味に潜入することに成功するが、身元がばれてしまい囚われの身になってしまう、、、
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昭和の人ならだれもが知っている池波正太郎の「鬼平犯科帳」、時代劇チャンネルが新作3本を制作、うち「血闘」が劇場公開され、後の2本は時代劇チャンネルで公開されるようです、
昭和の人ならだれもが知っている池波正太郎の「鬼平犯科帳」、時代劇チャンネルが新作3本を制作、うち「血闘」が劇場公開され、後の2本は時代劇チャンネルで公開されるようです、
「血闘」では、若き日の鬼平の素行の悪さや関わっていた人間の悪行が描かれます、そこから生まれた因縁が強殺盗賊を生み、鬼平に因果が降りかかるという物語、完全無欠の善人ではない鬼平の苦悩と悪を憎む決断がステレオタイプの時代劇以上の迫力を生み出しています、
しかし、殺陣は期待した程ではなかった、もっとリアルな殺陣も作れたと思いますが、TVドラマの延長線上の殺陣に留まっています、少しもったいない感じ、もうちょっと丁寧に作ってほしかったです、鬼平を松本幸四郎が、鬼平の若者時代を市川染五郎が演じる親子共演はそれなりに楽しかったです、
北村有起哉、迫真の演技で悪役を演じ切りました、
北村有起哉、迫真の演技で悪役を演じ切りました、
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◆(自宅で鑑賞)「アメリカン フィクション」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:American Fiction)
ありきたりなアフリカ系米国人表現を嫌い反発する、アフリカ系米国人小説家の物語

インテリ小説家のモンクは最近作品を書き切れていない、大学でアフリカ系米国人表現に関する講義をしているが人気はさっぱり、大学から休養を申し渡される、認知症傾向の母親がいる実家に帰って兄妹とも久しぶりに言葉を交わすが、家族全員変わり者でブチ切れるモンク、編集者から原稿の催促を受け、パロディ・あてつけのつもりで書いた、ステレオタイプの黒人犯罪大衆小説が出版社の目に留まり、これが皮肉にも大ヒット作品となってしまう、、、
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もちろんモンクも黒人ですが、どうも映画や小説の“ステレオタイプの黒人像”が気に喰わない、持論を展開するも共感を得れないで、独り悶々とする毎日、そこで世間を笑い者にしてやろうと書いた、通俗黒人犯罪小説が大ヒット、金銭的な問題も抱えていたモンクは信念と現実の板挟み、そこで初めて自らが持っていた黒人感の欠点にも気づくのですが・・・
もちろんモンクも黒人ですが、どうも映画や小説の“ステレオタイプの黒人像”が気に喰わない、持論を展開するも共感を得れないで、独り悶々とする毎日、そこで世間を笑い者にしてやろうと書いた、通俗黒人犯罪小説が大ヒット、金銭的な問題も抱えていたモンクは信念と現実の板挟み、そこで初めて自らが持っていた黒人感の欠点にも気づくのですが・・・
通俗小説はバカ売れ、ついには文学賞受賞の噂も、ハリウッドからは巨額の映画化オファーが、と米国カルチャー産業を皮肉りながら、モンク自身の抱える自己矛盾も露呈させ、はて?これはどうして決着をつけるのか、最後はみんなぶっちゃけるのか!?と、とても楽しみにして観ましたが、ラストはワタシの期待通りにはなりませんでした、、、
う~ん、なんかラストが惜しいなあ、ラストさえしっくりくれば、、、ま、これも劇中で皮肉っている通りなのかな^^)
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◆(自宅で鑑賞)「桐島、部活やめるってよ」
(★★★!☆)(2012年日本)
桐島が部活を止めたことから、学内に不安がさざ波の如く広がり崩れるバランス

バレーボール部のキャプテン桐島が部活を辞め学校にも来ていない、という噂が学内に広がる、突然の桐島の謎の行動、親友の菊地も理由は知らない、バレーボール部は抜けた穴を埋めるのに躍起になり、女子グループの仲にも亀裂が入る、菊地に恋する吹奏楽部の亜矢や、映画作りに励む映画部の前田の部活にも影響が出る中、桐島が学校に現れるという噂が流れる、、、
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騒ぎの張本人 桐島は最後まで画面には登場しません、彼がなぜ部活を辞めるのか?その理由も語られません、噂、伝聞だけが校内に拡がる中で、それに振り回され右往左往する高校生の様を描くことがこの物語の核心です、その右往左往には必ずしも関連性は無く(関連しているものもありますが)、それぞれが別のエピソードのような語り口で物語が進みます、
物語は金曜に始まって、たしか火曜日で終焉を迎えます、小気味よい展開、金曜日のエピソードが5回かな?繰り返し別の人物の視点で描かれていきます、この辺りは映画的レトリックにあふれていて面白かったです、
結局なんだったのか?桐島はどんな奴だったのか?よく分かりませんが楽しく鑑賞できます、今をときめく神木隆之介が映画マニアを好演、松岡茉優も比較的軽い役で出演、原作は小説すばる新人賞受賞作品、
騒ぎの張本人 桐島は最後まで画面には登場しません、彼がなぜ部活を辞めるのか?その理由も語られません、噂、伝聞だけが校内に拡がる中で、それに振り回され右往左往する高校生の様を描くことがこの物語の核心です、その右往左往には必ずしも関連性は無く(関連しているものもありますが)、それぞれが別のエピソードのような語り口で物語が進みます、
物語は金曜に始まって、たしか火曜日で終焉を迎えます、小気味よい展開、金曜日のエピソードが5回かな?繰り返し別の人物の視点で描かれていきます、この辺りは映画的レトリックにあふれていて面白かったです、
結局なんだったのか?桐島はどんな奴だったのか?よく分かりませんが楽しく鑑賞できます、今をときめく神木隆之介が映画マニアを好演、松岡茉優も比較的軽い役で出演、原作は小説すばる新人賞受賞作品、
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◆(自宅で鑑賞)「ザ・キラー」
(★★★!☆)(2023年米国)(原題:The Killer)
クールでクレバー、完全無欠の暗殺者でも失敗はある、しかし復讐は失敗しない

完璧な暗殺者のはずが、ちょっとしたアクシデントで任務に失敗、組織は彼を処断するためにアジトを急襲、アジトにいた恋人に危害を加える、復讐を誓った主人公の暗殺者は持ち前の冷静さと完璧な計画で次々と復讐を実行、組織のボス、襲撃した暗殺者と関係者たち、そして最後には暗殺を依頼したクライアントにまで迫っていくが、、、
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まず冒頭の暗殺失敗はまったくの不運、だけではないようなミス、冷静に対応すれば結果が出たかもしれないが、狙撃に失敗して、その場から主人公は遁走、しかし復讐になると本来?の能力をいかんなく発揮、世界を駆け巡りながら恋人の復讐を次々と成し遂げていきます、ここまで出来るなら、最初の任務のバックアッププランも用意してたのでは?と思ってしまいます、どうもそこらが腑に落ちない、
まず冒頭の暗殺失敗はまったくの不運、だけではないようなミス、冷静に対応すれば結果が出たかもしれないが、狙撃に失敗して、その場から主人公は遁走、しかし復讐になると本来?の能力をいかんなく発揮、世界を駆け巡りながら恋人の復讐を次々と成し遂げていきます、ここまで出来るなら、最初の任務のバックアッププランも用意してたのでは?と思ってしまいます、どうもそこらが腑に落ちない、
主人公の暗殺前のルーティンが面白い、いかにもクールでクレバー、でも彼女の事になると燃え上がる熱い性格^^)悪くはないけど強引な展開、やはり設定のどこかに無理があるのかな、
休日のお気楽鑑賞にぜひ、
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syougai1pon at 05:30|Permalink│Comments(0)